大国間関係ニュース:日中関係とNATO拡大の関連ニュース | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

大国間関係ニュース:日中関係とNATO拡大の関連ニュース

秘書です。
大国間関係の関連ニュースです。


■タカ派でなく「リアリスト」=前原外相が中国紙に
(2010/11/22-14:13)時事通信
 【北京時事】中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は22日、前原誠司外相に対するインタビュー記事を掲載した。中国で「対中強硬派」と受け止められている前原外相だが、「『タカ派』ではなく理想主義を崇拝するリアリストだ」と述べ、イメージ払しょくに努めた。
 同紙によると、「取材に応じたのは、最近の中日間の緊張関係の修復を願ってのことか」との質問に対し、「貿易・投資面で相互依存関係がますます強まり、人々の往来が活発化する中、わたしも13億人の中国の国民の良き友になり、戦略的互恵関係の推進に尽力したい」と語った。 
 さらに、民主党政権の対中外交を問われ、「中国は極めて重要な隣国だ」と強調。「両国間には未解決の若干の懸案があるが、首脳間に固い信頼関係を築き、建設的な協議を通じて解決すべきだ」と述べた。

→トラブルメーカーと名指しされていた前原外相のインタビュー記事が掲載されることは注目されます。前原=トラブルメーカー論の軌道修正を意味するか、注目です。

■制球乱れる辣腕官房長官 安保・外交の体制立て直しを急げ
2010年11月22日 毎日新聞

 ◇山田孝男(やまだ・たかお=毎日新聞政治部専門編集委員)
 剛腕だが、制球に難がある。仙谷由人のことだ。野党に楯突き、マスコミに噛みつく。度胸十分だが、放つ言葉がしばしばストライクゾーンから逸れ、ハラハラさせられる。この政局、仙谷という政治家が、制球に苦しみながらも転換期のマネジャーとして立ち上がってゆくプロセスなのか。そうではなく連続四球で降板するプロセスなのか。ドラマは佳境にさしかかった。

 ◇「数の論理」に対する「法の論理」
 仙谷は才気煥発の法律家(弁護士出身。司法修習23期)だ。それでいて情に厚く、親分肌である。菅直人と同じ64歳だが、学年では菅より1年上。当選回数は菅の10回に対して仙谷は6回という関係だ。

 民主党内、高学歴の秀才は掃いて捨てるほどいるが、このタイプは少ない。理知と野蛮を兼ね備えた個性が官房長官という地位と結びつき、存在を際立たせている。

 週刊誌を見渡せば、「赤い官房長官」「影の総理」「イラ仙」と、悪役ぶりを鼓吹するドギツイ見出しのオンパレードである。

 仙谷をスターダムに押し上げた最大の功労者は小沢一郎だ。

 仙谷は小沢肝煎りの「大連立」がズッコケた直後(2007年)、物言えば唇寒しの両院議員懇談会で小沢批判をぶち、昨年の西松事件でも臆せず小沢退陣を求めた。

 旗幟を鮮明にした“冷戦”の末、先の代表選で菅直人を支持して小沢の進攻を阻止。勝負度胸の良さと一徹さから「小沢に代わる闘将」というイメージが生まれた。

 だが、同じ剛腕でも仙谷と小沢はまるで違う。小沢は「数の論理」の信奉者だ。豊富な資金力を駆使してチルドレンを増やし、それをテコに活路を開いていく。

 一方、仙谷の武器は長い弁護士活動の経験に裏打ちされた法律知識である。言うなれば、仙谷は「法の論理」の信奉者だ。

 行政は法律に基づいて執行される。仙谷の法律家としての素養は強みだが、プロとしての過信のゆえか、窮地に追い込まれると法理に淫して詭弁を操る悪癖が出る。

 ◆国会で自民党議員が報道に基づいて政府を追及した際、「最も拙劣な質問」と無理な逆襲に長広舌をふるって審議中断、謝罪。

 ◆記者会見で「新しい国会議員会館は豪華過ぎないか」と聞かれたときは、「そういうことを言い出したら、記者クラブだってムダかも分かりませんよ」と毒づき、並み居る記者たちを憤慨させた。

 このあたりのエピソードはご愛敬だが、外交・安全保障が絡めば、笑い話ではすまされない。

 いま、尖閣諸島沖の「中国漁船衝突事件」が「ビデオ流出事件」へ飛び火し、思わぬ火勢が国民の不安をかき立てている。

 海上保安庁が、尖閣沖で巡視船に体当たりした中国漁船の船長を、公務執行妨害容疑で逮捕した。証拠の決め手はビデオ映像だった。

 そのうちにアジア太平洋経済協力会議(APEC)が迫り、日本政府は対中協調へ舵を切る。逮捕から17日目に船長を釈放。その直後、中国指導部との秘密交渉で「ビデオは非公開」と申し合わせたものの、海上保安官の内部告発で映像がネット上に流出した……。 

 船長逮捕という、そもそもの出火の背景には根深い因縁があるが、延焼を防げなかった点は菅政権の失敗だ。その失敗の構造を探るうえで参考になるのが6年前、似たような問題に直面した小泉内閣の判断、対応との違いである。

 04年3月24日、中国人活動家7人が尖閣諸島の魚釣島に上陸した。この時、海上保安部から通報を受けた沖縄県警は、全員を出入国管理法違反の現行犯で逮捕したが、首相官邸の判断で送検は見送り、ただちに本国へ強制送還した。

 当時、小泉首相の秘書官だった小野次郎(参院議員=みんなの党)によれば、警察庁出身の小野自身は当然、送検すると思っていた。そうならなかったのは、傍証から見て福田康夫官房長官(当時)を中心に外交を重視した情報収集と献策があり、小泉がそれを採ったからだという(『日本経済新聞』11月11日付夕刊)。

 今回はどうか。一本調子の逮捕積極論が先行し、外交面から慎重に瀬踏みする情報が薄かった。首相官邸と外務省のコミュニケーションが目詰まりを起こしている。逮捕の是非はともかく、逮捕の影響について積極、慎重の両面で検討を尽くし、首相が選択するという体制がとれていなかったように見える。

 自民党の首相経験者に言わせれば、外務省の情報が首相官邸に上がらないのは、「官僚排除の民主党に対する不信であり、明らかなサボタージュ」に他ならない。

 ◇庶民に共感がない「忠臣蔵」
 一方、菅政権の側から見れば「外務省は陰険で、信用できない」(政府高官)し、そもそも「外務省のインテリジェンス(情報収集能力)は、たいしたレベルではない」(首相側近)という話になる。

 岡田克也前外相(現民主党幹事長)による民間人の中国大使(丹羽宇一郎)起用も、今のところは民主党政権と外務省のきしみを増幅する要素にしか見えない。

 仙谷は事態収拾のための戴秉国中国国務委員との秘密交渉も、日本外務省や北京の大使館に頼らないでやった。実に寒々とした政・官の離反ぶりではないか

 「ビデオ非公開」という対中密約を守り、日本国内の「弱腰」批判を抑えるために、仙谷は「すべては刑事訴訟法に基づく検察の判断」という虚構を持ち出した。これが法律家の過信に基づくボタンの掛け違いであったと筆者は思う。

 国会でいくら攻められても「検察の判断」としか言わぬ仙谷は、忠臣蔵の天野屋利兵衛を思わせる。赤穂義士に密かに武器を与えつつ、奉行所の吟味に遭っても絶対に口を割らなかった義商である。

 だが、この忠臣蔵には日本の庶民の共感がない。戴秉国との仁義を守るという浪花節はいいが、ボタンの掛け違いから生じた矛盾を関係法の厳罰化で抑え込むという筋書きでは芝居になるまい

 追求されるべきは政・官協調の再構築だ。外交・安保環境の大転換期にあたり、的確な針路を定める体制をどう作り、人材を結集するか。新闘将の辣腕をそこで振るわないでどうするかと言いたい。(敬称略)

■From:リスボン 平和の配当、東西に時差
毎日新聞 2010年11月22日 
 冷戦終結から21年、新たな歴史が刻まれた。ポルトガルの首都リスボンで19~20日に開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議。欧米同盟はかつての仮想敵ロシアと「共通の脅威」を分析し、ミサイル防衛(MD)分野の協力を検討することで合意した。

 「史上初めてNATO加盟国とロシアが防衛のために協力することになる」。ラスムセンNATO事務総長が合意の意義を強調し、メドベージェフ露大統領も「パートナー関係を築く土台となる」と声をそろえた。

 MD協力は「欧州安全保障の枠組み見直し」を提唱するメドベージェフ大統領へのNATOからの返答にあたる。MDによって「カナダ西部バンクーバーからロシア極東ウラジオストクまでを覆う安全保障の屋根を作ろう」(ラスムセン事務総長)との呼びかけだ

 「アメリカ人を引っ張り込み、ロシア人を締め出して、ドイツ人を抑え込むこと」。初代事務総長のイスメイ卿がNATO創設の目的をそう説明していたことを思えば、61歳を迎えた欧米同盟はソ連・ロシアとの「敵対」から「協力」へと大きくかじを切った。

 冷戦終結直後には「消滅論」も取りざたされていたNATOはロシアと手を携えて「世界の警察官」になるのか。「そんな野心はない」とラスムセン事務総長は否定するが、NATOを中核として有志国が連携する国際安全保障のネットワークが構築されつつある

 会議で目についたのは各国首脳のくつろいだ雰囲気だ。オバマ米大統領は記者発表でポルトガル原産種の愛犬ボーが取り持つ縁に触れ、メドベージェフ大統領は「ロシアのNATO加盟は?」との問いに笑みを浮かべ、「NATOが変われば議論の対象」と応じた。

 1週間前に横浜で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議との最大の違いは、各国指導者の緊張感の差だろう。米軍基地、尖閣諸島、北方領土を巡る問題を抱え、米中露首脳との会談に臨んだ菅直人首相の表情は硬かった。

 米ソ対立の冷戦時代が遠い過去の記憶となり、対露融和に傾斜する欧米と、「冷戦の名残」である緊張の火種がくすぶるアジア。二つの首脳会議は東(アジア)と、西(欧米)の安全保障環境の相違を反映している。

 西ではNATOが欧米間のきずなを強め、欧州連合(EU)が仏独和解を促し、欧州内に残る戦争の傷跡を癒やした。若者にとって「冷戦は(紀元前5世紀の)ペロポネソス戦争のようなもの」(ラスムセン事務総長)だ。

 英国の詩人・小説家のキプリングは「東は東、西は西、両者の出会ふことあらず」と詠んだ。西の享受する「平和の配当」に、東が近づくことはできないのか。NATOが対露協力の新時代を開いたリスボンで、もどかしい思いにかられた。【福島良典】



→菅総理、リスボン会議に出席すればサプライズだったのに・・・

→MDによって「核のない世界をめざすことは日本の使命である。日本はカナダ西部バンクーバーからロシア極東ウラジオストクの間の残りの安全保障の屋根、非核の傘を担う。これにより、平和の配当はアジアにも配当される!」ってぶちあげれば、極東情勢にインパクトがあっただろうに、残念!


■NATO:新戦略概念採択へ リスボンで首脳会議
毎日新聞 2010年11月19日 20時52分(最終更新 11月20日 1時27分)
 【リスボン福島良典、大前仁】北大西洋条約機構(NATO、加盟28カ国)の今後10年間の指針を話し合う首脳会議が19日、ポルトガルの首都リスボンで開幕した。欧州を守るミサイル防衛(MD)システムの整備をNATOの主要任務に規定し、ロシアと協力する方針を盛り込んだ新戦略概念を採択する。また、核抑止力は当面、維持する一方、長期的には「核兵器のない世界」を目指す理想を明記する。

 会議は2日間の日程。新戦略概念は米同時多発テロ(01年9月)前の99年に採択された現行の戦略概念に代わるNATOの新たな羅針盤となる。国際安全保障環境の変化を踏まえ、ミサイルや核兵器・物質の拡散、国際テロ、コンピューターへのサイバー攻撃、海賊の横行などの「新たな脅威」に毅然(きぜん)として立ち向かう姿勢を示す。

 最近までMDは欧米各国がそれぞれ独自に開発を進めてきたが、今後、米国と欧州のシステムを連結することにより、欧米全域をカバーするNATO版MDを20年までに整備する。イランから飛来する弾道ミサイルを迎撃対象に想定しているが、イランと外交関係を強化しているトルコに配慮して具体的な国名には言及されない。

 NATOにとって最大課題のアフガニスタン問題では、来年からアフガン軍への治安維持権限の移譲を本格化し、14年までにNATO率いる国際部隊が戦闘任務を終える行程表を承認する。ロシアとはMD、アフガン安定化で協力と連携を強化する方針を打ち出す。

 NATO外交筋によると、核政策では「世界に核兵器がある限りNATOは“核同盟”であり続ける」との立場を確認する。一方、オバマ米大統領の「核なき世界」演説後、欧州に配備されている米軍戦術核兵器の削減・撤去を求める世論が高まっている点を踏まえ、核軍縮への取り組み姿勢も強調する。

 「新たな脅威」へのNATO単独での対応は困難なことから、日本などの域外友好国との関係を強化し、中国、インドなどとも対話を深める見通し。


2010-10-19 17:41:27
NATO首脳会談:新戦略概念に菅民主党政権の対応は?
テーマ:秘書ひしょ
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10681507662.html

2010-10-14 22:05:09
NATO首脳会議:菅総理招待状はきましたか?出席しますよね?
テーマ:秘書ひしょ
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10676996487.html