尖閣ビデオ関連:私的メモの氾濫?政治家の責任の取り方?国民の見る権利!日露と日中の差 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

尖閣ビデオ関連:私的メモの氾濫?政治家の責任の取り方?国民の見る権利!日露と日中の差

(1)「私的メモ」とは何でしょう?

■仙谷長官「不明恥じる」…厳秘資料撮影で
読売新聞 11月10日(水)19時12分配信
 仙谷官房長官は10日の衆院予算委員会で、中国漁船衝突事件の映像に関する「厳秘」資料を委員会室で自ら広げているところを記者に撮影されたことについて、「こんな狭い所で(記者たちが)望遠拡大レンズを使っていることを常々考えていなかった不用意さ、不明を恥じなければならない」と釈明した。
 その一方、「メディアで働く方々から言えば、これをスクープと言うんだろう」と皮肉を込めて語った。
 資料の内容に関しては「私的メモだ」と述べ、説明を拒んだ。

→さて、厳秘とある「私的メモ」の定義は何でしょう?
なんでもかんでも「私的メモ」で公開を拒絶されるリスクがあります。
あれは私的メモです、で重要機密文書が国民の知る権利から制約されるリスクがあります。
予算委員会の席で、総理と官房長官が私的なメモのやりとりをしているわけがない。
内容もすでにスクープされている。それを私的だから出せません、というわけにはいかないでしょう。
もしいま民主党が野党だったら、どんな国会運営しました?


(2)航海士の主張ー国民の見る権利

■国民に見る権利…航海士、読売TVが数日前取材
(2010年11月10日21時25分 読売新聞)

 国家公務員法違反容疑で警視庁の事情聴取を受けている神戸海上保安部の主任航海士とみられる男性は、数日前、神戸市内で読売テレビ(大阪市)の記者の取材に応じていた。


 10日夕の同テレビのニュース番組によると、先週末にビデオ映像流出が発覚した後、「sengoku38」と名乗る男性から知人を介して報道局記者に連絡があり、この記者が面会して約2時間取材した。

 男性は待ち合わせ場所を神戸市内に指定。取材では、海上保安官の身分証明書を示したうえで、言葉を選びながら落ち着いた様子で動機などを語った。

 まず、男性は中国漁船衝突の映像をインターネット上に公開したことを明かし、「あれを隠していいのか。私がこういう行為に及ばなければ、闇から闇に葬られて跡形もなくなってしまうのではないか。国民は映像を見る権利がある」「誰にも相談せず一人でやった」などと語った。

 映像については、「海上保安官なら誰でも見られる状態にあった。機密的な扱いではなかったのは間違いない」と説明。しかし、映像入手の詳しい経緯やネット上に公開した具体的方法については、「お互い知らないほうがいい」などと言及を避けたという。

 一方で男性は自身の行為を振り返り、「内部告発のようなことをして覚悟はしている。だが、逮捕となれば、職場の同僚や上司だけでなく、家族にも迷惑をかけ、仕事を失うことにもなる」などと涙を見せながら語る場面もあったという。取材した記者は当初、信ぴょう性に疑いを持っていたが、このやり取りから「本当に流出させたのではないか」と感じたという。

 面会取材の前にも、男性は同テレビに対し、何度か電話で映像流出に関する情報を伝えていたといい、その際、「逮捕された時点で自分の主張を国民に伝えてほしい」と要望していたという。


→航海士が機密扱いではなかったといっているとしたら、やはり、ビデオの取り扱いの一任を受けた官房長官の責任は重大なんじゃないですか?

(3)トカゲのしっぽ切り

→政治主導といっておきながら、結果責任を負う覚悟もなし!

■尖閣映像流出 海保長官辞任は不可避の見方…政府・与党
毎日新聞 11月10日(水)20時50分配信
 仙谷由人官房長官は10日の記者会見で、中国漁船衝突事件のビデオ映像の流出問題に関し、「強制力を持った執行部門は、政治からの影響力を排除する相対的な独立性がある。独立性、自立性に応じた責任は当然出てくる。強い権限がある代わりに強く重い責任を負う」と述べ、鈴木久泰海上保安庁長官の責任は免れないとの考えを示した。政府・与党内には鈴木長官の引責辞任は避けられないとの見方が広がっている。
 菅直人首相も10日の衆院予算委員会で「流出させたのが公務員だった場合は、最終的には私、直接的には、監督する立場にあるそれぞれの部局にそれなりの責任がある」と述べ、自身の最終責任に触れつつ、鈴木長官の責任問題に言及した。
 一方、海保を所管する馬淵澄夫国土交通相ら閣僚の責任について仙谷氏は「政治職と執行職のトップは責任のあり方が違う。事案の内容に基づいて考えねばならない」と述べ、責任論の波及に予防線を張った。菅首相も衆院予算委で「責任の問題は、もう少し捜査の結果がはっきりした段階で検討、議論する必要がある」と述べるにとどめ、処分内容などへの言及は避けた。【野口武則、野原大輔】

→よくまあ、色々な理屈をつけて責任回避を図りますね!過去にいろいろ、大臣責任をとれと民主党が叫んできた事案との比較をしなければいけないのか?

■国交相の進退問題発展も=「問責」視野、責任を追及へ―野党
時事通信 11月10日(水)20時38分配信
 海上保安官が中国漁船衝突事件を撮影したビデオ映像を流出させたと申し出たことで、野党各党は10日、海上保安庁を所管する馬淵澄夫国土交通相らの自発的辞任を暗に求め、監督責任を徹底追及する方針を明らかにした。これに対し、菅直人首相は、捜査の行方を見ながら、監督責任について判断する考え。野党側には、国交相の問責決議案提出を検討する声もあり、進退問題に発展する可能性も出てきた。
 自民党の石原伸晃幹事長は10日午後の党全国政調会長会議で、「仙谷由人官房長官と馬淵国交相の責任は極めて重く、責任を追及していくことを約束する」と強調。参院国対幹部は「(2閣僚が)責任を取らないなら問責を出す」と述べ、国交相らが自発的に辞任しない場合、問責決議案を参院に提出する可能性に言及した。
 公明党の山口那津男代表は記者団に「職員の容疑が裏付けられれば、所管するしかるべき人たちの責任が問われることになる」と述べ、国交相の責任は免れないとの見解を表明。みんなの党の渡辺喜美代表も記者団に「出すべきものを出さずにこういう結果を招いた官房長官の責任は重い」と指摘した。 

→10月1日にビデオの取り扱いの一任を受けた官房長官の政治責任が色々な法律論で逃げ切られるのか?総理はまだ最終的には自分に責任ありといっている。官房長官との比較において政治家らしいですね。

(4)日露では言うべきことを言えるのに日中では・・・

■菅首相 北方領土、露に「言うべきことは言う」と答弁
毎日新聞 11月10日(水)20時20分配信
 衆院予算委員会は10日、外交や情報管理などに関する集中審議を行った。菅直人首相はロシアのメドベージェフ大統領が北方領土の国後島を訪問した問題に関連し、「APEC(アジア太平洋経済協力会議)の折に(日露首脳会談の)機会を得るよう努力し、言うべきことは言う。北方四島の我が国の主張を認めさせるため、しっかりと議論の場を首脳同士で作っていくことを申し入れたい」と表明した。
 首相は先月末にハノイで行われた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳関連会議の際、日露首脳会談が行われなかったことについて「そうした機会は無理だという話が事務方からあったので、(会談を)それほど強く求めなかった」と釈明した。

→なんで、ロシアに対しては「いうべきことはいう」と明快なのに、中国に対しては色々な前提条件をつけるのか?それはロシアは領土問題も話し合いましょうといっているからなのではないか。

■日ロ首脳会談で「領土」も協議へ=ロシア大統領補佐官
(2010/11/08-18:46)時事通信
 【モスクワ時事】ロシアのドボルコビッチ大統領補佐官は8日、横浜で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に予定されるメドベージェフ大統領と菅直人首相の会談では、領土問題も協議されるとの見通しを明らかにした。インタファクス通信が伝えた。
 同補佐官は「領土問題はこの種の会談では常に触れられ、今回も例外ではないと思う。日本側は恐らくこの問題を提起する」と述べた。 
 一方で、同補佐官は「大統領がロシアの一地域を訪問したことはAPECの議題には反映されない」と述べ、メドベージェフ大統領の北方領土訪問はAPEC首脳会議に影響しないとの自信を示した。
 ドボルコビッチ補佐官によると、メドベージェフ大統領は訪日中、日本の主要企業約10社のトップと会見する予定。企業は省エネルギー、原子力、通信、情報技術、医療などさまざまな分野に及び、具体的な協力プロジェクトを提案する見通しという。

■菅首相:尖閣は日本固有の領土だと胡中国主席に伝える-会談実現なら
11月8日(ブルームバーグ):菅直人首相は8日午後の衆院予算委員会で、今月に横浜で開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合の場で中国の胡錦濤国家主席との日中首脳会談が実現することに期待を示した上で、日中首脳会談が実現すれば、尖閣諸島は日本固有の領土で領土問題は存在しないとの立場を伝達する姿勢を示した。

  自民党の棚橋泰文氏の質問に答えた。菅首相は「バイの会談で、適切な会談があった場合には、必ず『尖閣諸島はわが国固有の領土であり、この地域に領土問題は存在しない』ときちんと伝える」と述べた。


■尖閣映像流出:中国政府は反応せず 事態の推移を注視か
毎日新聞 2010年11月10日 20時50分

 【北京・成沢健一】尖閣諸島沖衝突事件の映像を流出させたことを神戸の海上保安官が認めたことについて、中国政府は10日夕の時点で反応を示していない。横浜で13、14日に開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に胡錦濤国家主席が出席するのを前に事態の推移を注視しているとみられる。

 中国外務省は、衝突事件のビデオ映像が動画投稿サイトに流出した翌日の5日、「日本側が中国漁船の進行を妨害して衝突を招いたのであり、それ自体が違法だ。ビデオ映像では真相は変えられない」とする報道官談話を発表している。

 9日の定例会見でも洪磊(こうらい)・副報道局長は、映像流出を受けて菅直人首相が衆院予算委員会で「管理不行き届き」を陳謝したことについて質問されても、具体的な言及を避けつつ、「両国関係の改善と両国人民の友好感情増進のために双方はともに努力すべきだ」と強調した。

 「中国側がこの問題をとらえて騒ぎを大きくしようと考えているならば、もっと強い調子になっているはず。明らかに事態の沈静化を図ろうとしている」と北京の外交筋はみる。海上保安庁職員の関与が判明しても、流出が政府による意図的なものではないことがはっきりするわけで、関係改善に向けた動きに直接影響を及ぼさない、との見方だ。

 ただ、中国側はいまだに横浜での日中首脳会談開催の見通しについて態度を表明していない。ソウルで11、12日に開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議では、胡主席が韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領と会談することが決まっており、胡主席は9日、韓国メディアの書面インタビューで「中韓関係の発展に満足している。両国の戦略的パートナーシップを新たな段階に進めたい」と意欲を見せた。

 これに対し、日中首脳会談開催の見通しについて洪副報道局長は同日の定例会見で「提供できる新たな情報はない」と述べるにとどめている。

 衝突の映像は中国の動画サイトにも転載され、巡視船が漁船に命令するシーンは民族感情を刺激したものの、反日デモなどにはつながっておらず、首脳会談実現の障害になる可能性は低い。一方で、軍などの対日強硬派は日中関係の修復に抵抗を示しているとの見方も強く、事件の進展が思わぬ波紋を広げた場合、首脳会談開催に反対する口実に利用される事態も予想される。

→なぜ、ロシアとこうも違うのか。一つの仮説として、中国との関係において、非公式会談では、このメッセージは伝えない。そして伝えないという前提条件で、非公式会談が開催される。