小委員会方式:2009年11月の21世紀臨調の提案にもありました | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

小委員会方式:2009年11月の21世紀臨調の提案にもありました

秘書です。
さて、ねじれ国会をのりこえる手法。2008-2009年の頃は色々案がありました。
政権交代第一主義の民主党、一度、政権交代をみてみたいという声の前に、どれ一つとして受け入れなかったですが。



■自民、政権揺さぶりで「新戦術」 ねじれ参院をフル活用
産経新聞 11月7日(日)20時45分配信

 自民党が菅直人内閣の揺さぶりに向け、新戦術を編み出した。衆参ねじれで与党が過半数割れしている参院の各委員会をフルに活用する作戦だ。手始めに参院法務委員会に検察問題を協議する小委員会を設置する方針。共産党を含む各野党がどこまで協力するかがカギとなるが、これを契機に国会の協議・監視機能を充実させれば、「立法府」の権威を取り戻す契機になるかも知れない。(峯匡孝)

 自民党は参院法務委の小委員会設置に向け、大阪地検特捜部の押収資料改(かい)竄(ざん)・犯人隠避事件や、中国漁船衝突事件で逮捕した漁船船長を処分保留のまま釈放したことなど検察をめぐる問題を挙げ、野党各党に協力を呼びかける。

 資料改竄事件を受け、政府は「検察の在り方検討会議」を設置したが、座長は千葉景子前法相。他にも仙谷由人官房長官が起こした名誉棄損訴訟で代理人を務める弁護士がメンバーに名を連ねるなど「お手盛り」感が強い。賛否が分かれる取り調べの全面的可視化などにも一気に踏み込む可能性が大きい。

 そこで参院自民党が中心となり、対抗策として参院法務委の小委員会を置くことを思いついた。検討会議の議論を継続して検証・監視していくためには、国会閉会中でも機動的に開催できる小委員会の方がメリットが大きいと判断した。

 小委員会が設置されれば、まず検討会議の委員を呼び、資格や適格性をただす構え。可視化などの問題も積極的に検証していくという。

 小委員会設置には民主党の抵抗が予想されるが、衆参ねじれもあり、野党が足並みを揃えれば、設置は実現する。これが野党共闘への布石になるとの思惑も見え隠れする。

 このほか、自民党は、政府の行政刷新会議の事業仕分けに対抗して、10月には衆参両院の委員会で各省庁の事業仕分けを行うことも各党に提案した。

 政府の事業仕分けについて、自民党は、国会議員が首相、閣僚、副大臣、政務官などを除く公務員と兼職することを「国会法39条違反」と指摘してきた。小坂憲次参院幹事長は「事業仕分けは自分たちが作った予算を民主党が仕分けるのは二重行政だ」と批判する。

 国会での事業仕分けは、いずれも自民党が委員長を務める衆院決算行政監視委と参院行政監視委の機能を強化し、毎週集中審議を行って、各省庁の事業の政策評価や改廃を協議する方向で調整を進める。

→小委員会方式も、決算行政監視委員会活用も、とてもいい案です。21世紀臨調も下記のような提言をしていました。

国会審議活性化等に関する緊急提言~政権選択時代の政治改革課題に関する第1次提言~
平成21年11月04日
新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)
政権選択時代の政治改革課題に関する検討小委員会
http://www.secj.jp/pdf/091104-1.pdf

第2.改革の基本方向と課題
(2) 委員会の制度・運用の見直し
・政策分野別常任委員会の「議案審査会」と「国政調査・行政監視会」への切り分け、定例日、定数、定足数の見直し
(3) 与野党における政治家同士の議論(議案審査会等)
・国家基本政策委員会の活用と与野党の討論(党首討論の定着と大臣討論日の創設)
・政治家同士の議論と政府参考人や政府特別補佐人の扱い
・逐条的審査の選択的導入
・法案修正における「小委員会」活用 
・一般的な事項に関する与野党の活発な議論
(4) 行政監視機能等の強化(国政調査・行政監視会等) 
・「国政調査・行政監視会」の活動
・少数者調査権の整備による国政調査権行使の実質化
・口頭質問制度の整備と質問主意書制度の改革

→具体的中身をみてみましょう。

(3)与野党における政治家同士の議論(議案審査会等)

・法案修正における「小委員会」活用

法案の審議は与野党対決を基調とするものの、修正などによって与野党の合意を調達してゆく等の必要も出てくる。委員会審議が公開の場における政治家同士の議論のぶつかり合いだとすれば、合意を形成するためには、衆参両院の議院規則に定められている「小委員会」(衆規43条48条87条90条、参規35条関係など)を積極的に活用し、「小委員会」の場で政府案の修正または合意案作りが行なわれる手続きを進化させるべきである。かりに、現在の「小委員会」の使い勝手が悪いのであれば所要の改正を行い、「使える仕組み」に作り直すべきである。「小委員会」において与野党の歩み寄れる項目について具体的に検討することは、院外の政党間の協議よりも記録が残る点で優れており、歴史的な批判に耐えうる議論が要求されるようになることも重要である。
また、このように「小委員会」を活用した法案修正協議が定着すれば、たとえその場で合意が調達できなくても、後院に議論が移った段階で、その続きを行うことも可能である。こうした積み重ねがあれば、例えば、両院の意見が食い違った場合でも、両院協議会での議論はあらかじめ検討した地点からの議論となり、両院の合意を得る可能性が高まる。


(4)行政監視機能等の強化(国政調査・行政監視会等)

・「国政調査・行政監視会」の活動

第3類型の常任委員会における「国政調査・行政監視会」は、政治家が、国政・行政の実態を把握するとともに、必要な監視を行い、あわせて今後の政策に資する特定テーマに関する調査を行う場である。そこで、この「国政調査・行政監視会」においては、政治家は与野党の枠組みを超えて、国会議員としての立場で審議を行うものとすべきである。
また、時に大臣等の政務三役が答弁することがあってもよいが、行政の監視に関しては、行政官を政府参考人として招致して、行政実態の把握に努めるとともに、広く意見を持つ人々を参考人として意見聴取をすることが中心となる。こうした活動においては、一定のテーマを設定し、調査や行政監視活動が終了したときには、討論記録等の紹介に終わるのではなく、今後の政策形成に資するような実態の把握と事実認定を行い、報告書にとりまとめ、公表すべきである。

・少数者調査権の整備による国政調査権行使の実質化

国政調査・行政監視会を中心として、とりわけ少数会派の要求によって、行政府が積極的に情報提供することを保証する意味で、少数者調査権を法制化し、その積極的な行使を促すことは有益である。なお、この調査を支援する仕組みについては、今後の提言において議論する予定である。

・口頭質問制度の整備と質問主意書制度の改革

現状では、口頭質問制度は整備されていないが、「国政調査・行政監視会」制度が導入されることで行政実態に関して口頭で質問を行う機会が増えるので、その手続き規定を整備することが求められる。また、現在の質問主意書制度はあらゆる質問に関して内閣の意思統一を要求するために、行政側の負担が重く、行政の停滞を招く恐れがある。その意味で、口頭質問制度の整備と並行して、質問主意書は内閣の統一見解が必要な事案に限り、行政実態の確認に関しては、より簡便な質問の様式を検討すべきである。