流出ビデオ後:(漁船衝突=棚上げ)+(ビデオ流出=対中謝罪)→日中首脳会談? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

流出ビデオ後:(漁船衝突=棚上げ)+(ビデオ流出=対中謝罪)→日中首脳会談?

秘書です。

夜のニュースでキャスターが、

政府は、尖閣衝突事件そっちのけで、流出ビデオの犯人探しに舵を切りました
公開の原則を重視していた民主党が、なぜビデオを非公開にするのでしょう

という趣旨の発言。鋭い!そこが問題です!

下記の産経記事に、

「日中首脳会談の実現を優先させるあまり、中国漁船による犯罪は棚に上げ、新たな「事件」については中国側に謝罪する-。そんな本末転倒の事態すら予感させる」

との仮説。鋭い!

この戦略仮説で解釈すると、菅民主党政権の不可解な行動が理解できる。


【尖閣ビデオ流出問題】「刑事事件」と強調し一線を画す作戦か 
2010.11.5 23:18産経新聞

 尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件のビデオ映像がインターネット上に流出したことで、政府が恐れているのは、菅直人首相と中国首脳との会談が三度(みたび)、キャンセルになることのようだ。

 仙谷由人官房長官「私どもとすれば、影響なく日中首脳会談が行われてほしいなと思う」

 前原誠司外相「APEC(アジア太平洋経済協力会議)に来てもらい、実りある議論をしてもらいたい」

 5日の記者会見で、閣僚たちは異口同音にこんな“願望”を口にした。

 衝突事件以降、確かに、日中首脳会談は異例ずくめだった。

 アジア欧州会議(ASEM)で温家宝首相と話し合ったのは廊下で、しかも懇談。東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の際の温首相との会談も、首脳控室での「非公式」で終わった。ASEANでは、いったんセットした正式会談が中国側にキャンセルされるという屈辱もあった。

 政府は、13日から横浜で開かれるAPEC首脳会議の際に胡(こ)錦濤(きんとう)国家主席との会談を実現し、日中関係を事件前に戻す-とのシナリオを描いていた。それが崩壊しかねない状況だ。

 映像は中国漁船の暴挙を伝えており、中国国内のネットにも広まる可能性がある。政府筋は「中国で反日デモが再燃すれば日中首脳会談が開催できなくなる」と嘆く

 中国側はすでに「ジャブ」を放ちつつある。

 仙谷氏によると、5日午前に中国大使館から外務省に事実関係の照会があり、同日昼には北京の外交ルートで「関心の表明と憂慮の意」が伝えられた。外務省は「映像の真偽についてコメントする立場ではない」と返答した。

 仙谷氏は記者会見で「必要なら司法当局の捜査とする判断もしなければならない」と語った。流出を、政府の意思と反する刑事事件と強調したいようだ。

 日中首脳会談の実現を優先させるあまり、中国漁船による犯罪は棚に上げ、新たな「事件」については中国側に謝罪する-。そんな本末転倒の事態すら予感させる。(船津寛)


→「日中首脳会談の実現を優先させるあまり、中国漁船による犯罪は棚に上げ、新たな「事件」については中国側に謝罪する」仮説で、下記の菅総理発言「徹底的な原因究明が先決」が理解できます。何に対して「先決」なのか。衝突事件に対する先決であり、ビデオ全面公開に対する先決なんでしょう。

■ビデオ流出で菅首相「徹底的な原因究明が先決」
産経新聞 11月5日(金)21時13分配信

【菅ぶら下がり】(5日夜)

 菅直人首相は5日夜、尖閣ビデオ流出問題について「情報管理がしっかりとした形になっていないという危機感を強く覚えた」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。

 ぶら下がり取材の詳細は以下の通り。

【尖閣ビデオ流出問題】

 --尖閣諸島沖の中国船衝突事件のビデオがインターネット上に流出した問題で、警察情報の流出に続き政府の情報管理能力が問われている。海保、検察による関与の可能性が高いが、政府としては国交相、海上保安庁長官の監督責任も含めて、どのように対応していくか

 「閣議後の懇談会でも徹底的に調査をして、なぜ起きたのかを明確にするよう指示をしました。まずは、徹底的な原因究明が先決と考えています」

 --首相が一報を受けたときに感じたことは

 「先ほどの質問とよく似ていて、テロ情報の流出があり、今回はこのビデオ流出ということで、相当そうした国のと言うか、情報管理がしっかりとした形になっていないという危機感を強く覚えました」

 --野党側はビデオの全面公開および真相究明がなければ、国会での審議拒否を示唆している。補正予算への影響も懸念されるが、政府として全面公開する考えはあるか

 「いずれにしてもまずやらなければいけないことは真相究明ですから、そのことに全力を挙げるということにまず尽きますね」
 


 --今回のビデオ流出で、中国漁船の衝突が故意であったことが明白になった。対中戦略など国内世論に与える影響はどう考えるか

 「当時の国交相や官房長官からそうした指摘をされ、私も聞いていました。今後のことについては冷静に両国が対処することが必要だと考えています」

 --中国側は憂慮の念を伝えているが、一連の日中関係の事態打開のため、APECで目指している日中首脳会談の開催の重要性をどう考えるか

 「今いったようにこうした問題が起きた中でも、両国が冷静に対処することが重要だと考えています」

【TPP】

 --TPP(環太平洋経済連携協定)で、昨日(5日)、民主党のプロジェクトチームがまとめた内容は反対派を考慮し、「情報を収集」と表現が後退。首相は以前から「参加を検討」と積極的な考えを示しているが、今後、政府内の議論で党の提言よりも踏み込む考えはあるか

 「党が相当な議論の中で1つの提言をまとめてくれまして、その提言をしっかりと受け止めて、政府としては基本方針をこれからまとめたい。こう考えています」

→「日中首脳会談の実現を優先させるあまり、中国漁船による犯罪は棚に上げ、新たな「事件」については中国側に謝罪する」仮説の背景として、菅総理は中国側は問題をどうとらえていると考えているのか。

■「早期に責任ある対応を」=ビデオ流出で影響懸念-中国
(2010/11/05-21:12)時事通信
 【北京時事】尖閣諸島沖での漁船衝突事件を撮影したとみられるビデオ映像がインターネット上に流出した問題で、対日工作にかかわる中国筋は5日、「日本政府は責任ある対応を早期に打ち出す必要がある」として、事態収拾が遅れた場合に及ぼす両国関係への影響を懸念した。
 中国外務省の洪磊・副報道局長は「日本側が釣魚島(尖閣諸島)海域で中国漁船の進行を妨害、追跡、取り囲むなどして衝突を引き起こした」と従来の主張を繰り返す談話を発表。「  (ビデオ映像により)真相を変えることも、日本側の行為の違法性を覆い隠すこともできない」と改めて表明した。
 ただ、横浜で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせた日中首脳会談の実現に関し中国は、ふさわしい条件と雰囲気づくりを日本側に再三求めている。「なぜ今、中国の嫌うことが起こるのか。関係修復の努力が足りないということだ」(日中関係筋)との厳しい見方が出ている。 
 映像流出問題は、共産党機関紙・人民日報のウェブサイトが日本の報道を引用する形で伝えている程度で、抑制的な対応が目立つ。ただ、胡錦濤国家主席のAPEC出席には、中国の対日世論だけでなく、日本国内の対中感情も落ち着く必要がある。
 中国側は、APECと同時期に広島市で開かれる「ノーベル平和賞受賞者サミット」に、今年の同賞受賞者である中国の民主活動家、劉暁波氏の代理として、1989年に起きた天安門事件の学生リーダーだったウアルカイシ氏が出席することも警戒。菅直人首相と胡主席の首脳会談実現には、複雑な調整が伴いそうだ。

→「日本政府は責任ある対応を早期に打ち出す必要がある」「なぜ今、中国の嫌うことが起こるのか。関係修復の努力が足りないということだ」としかられて、菅総理は犯人探しを先決にしているのか?

→「日本側が釣魚島(尖閣諸島)海域で中国漁船の進行を妨害、追跡、取り囲むなどして衝突を引き起こした」「日本側の行為の違法性」という中国側の主張に対して、なぜ菅総理は反論することを先決にしないのか?

→「日本側が釣魚島(尖閣諸島)海域で中国漁船の進行を妨害、追跡、取り囲むなどして衝突を引き起こした」「日本側の行為の違法性」という中国側の主張を、日中首脳会談で反論する覚悟が菅総理にはあるのか?それとも、日中首脳会談開催の条件として、この問題には反論せず、ビデオ流出についての謝罪をするのか。それは一体何のための首脳会談なのか?

→全てに優先して、全てを譲歩してでも日中首脳会談を開催したいと考える理由は何か。首脳会談開催を全てに優先しているのは、菅総理のメンツのためか?全てを譲歩することそのものが日本国民のメンツが損なわれ、日本国内の対中感情に傷をつけて、雰囲気を悪化させていることが理解できないのか?


■菅政権の迷走とビデオ流出 国益を損ねるのは?
産経新聞 11月6日(土)0時3分配信
 中国漁船衝突事件のビデオ映像流出について、政府は「わが国の危機管理の質の低下が問われる」(北沢俊美防衛相)と犯人捜しに躍起だ。だが菅政権は、中国人船長釈放の責任を捜査当局に押し付け、ビデオの一般公開を拒み、国民の知る権利をないがしろにしてきた。流出は政府内部の反乱なのか-。菅政権は自ら招いた内部崩壊の危機に直面している。(阿比留瑠比)

 「テープ自身、何か底意があるのかなと思う」

 仙谷由人官房長官は5日の記者会見で、映像投稿者がハンドルネーム(通称)に「sengoku38」と、自身の名前を使っていたことに不快感を示した。

 「38」。これは「左派」として仙谷氏を揶揄(やゆ)するものと受け取られた。民主党側は「(流出は)倒閣運動だろう」(幹部)、「政治的テロだ」(中堅)と危機感を強めている。

 「『うその三八』でsengoku38なのかな」

 仙谷氏自身は周囲にこうも漏らしたが、なぜ仙谷氏なのか。流出は、政府の尖閣問題対応への批判だとの見方が広がる。政府はビデオ映像は那覇地検と海上保安庁の2カ所にしかないとしてきた。

 「仮に流出したなら事件として扱わなければいけない」。前原誠司外相は5日の衆院外務委員会で強調した。

 どんな理由があるにしろ、守秘義務に反した情報漏洩(ろうえい)は問題だ。とはいえ、現場で苦闘している地検や海保の職員が政府の対応に不満を抱き、義憤にかられて映像を流出させていたことが分かったら、批判はどこに向かうだろうか。

 言い当てたのは石原慎太郎東京都知事だ。「これは内部告発だ。みんな知りたいことなんだから」。みんなの党の渡辺喜美代表はさらに言い切る。「菅政権の内部崩壊だ」

 仙谷氏は5日の記者会見で、政府内部からの流出が判明した場合の菅直人首相や仙谷氏自身の責任について、「全くないとは言わない」と述べた。犯人捜しの結果、柳田稔法相や馬淵澄夫国土交通相の進退問題に発展することもありえる

 1日に衆参の予算委員会理事ら約30人が視聴したビデオ映像は6分余のものだが、今回流出したのは44分余に及ぶ。一方、海保から検察庁側には1時間以上に及ぶ「ノーカット」版が提出されていた。

 「おそらく『ノーカット版』を編集したのだろう。それをできた人物は限られる。特定するまでにそう時間はかからない」

 政府筋はこう語る。

 官邸内では「衛星通信で飛ばした映像データを北朝鮮に盗まれた」という可能性を指摘する声もあり、分析は混乱を極めている。

 自民党の伊吹文明元幹事長は4日の自派会合で、平安時代の女流歌人、小野小町の歌をもじり、「詠み人は菅太政大臣だ」としてこんな歌を披露していた。

 ♪支持率は うつりにけりな いたづらに 尖閣国後(くなしり) 遅れとる間に

 菅政権の迷走とビデオ流出。どちらが国益を損ねているだろうか。

→9.29秘密外交にかかわった方、ビデオの取り扱いの一任を受けた方がしっかりとその責任をとることで、菅政権の迷走とビデオ流出を同時に決着をつけてはいかがでしょう。それこそ、政権中枢の本懐なのでは?「介錯」するのは?

■これが流出?海保編集「44分版」が存在
2010年11月5日23時28分 日刊スポーツ
 沖縄県・尖閣諸島付近の中国漁船衝突事件の状況を撮影したとみられるビデオ映像がインターネット上に公開された問題で、海上保安庁が編集した映像は数種類あり、中には流出した計約44分の映像とほぼ同じ長さに編集されたものも存在していたことが5日、関係者への取材で分かった。

 映像を保管している検察当局と海上保安庁は、流出した映像を分析するとともに、内部調査の結果で国家公務員法違反(情報漏えい)の疑いが出てくれば、捜査に切り替えることも検討し、流出元の解明を進める。

 検察当局は、投稿サイトを運営する米インターネット検索大手グーグルに対する投稿者の情報照会も視野に調査。内部から流出したかどうかの結果を週明けにも公表する見通し。

 海上保安庁は、石垣海上保安部(沖縄県石垣市)と第11管区海上保安本部(那覇)に職員4人を派遣、調査を始めた。馬淵澄夫国土交通相は「もし流出しているとすれば犯罪行為。捜査も必要になる」と述べた。

 海保関係者らによると、流出した映像は計6本で計約44分。衝突の状況は映っているが、海上保安官が漁船に乗り込む様子などはなかった。撮影した映像は何時間にも及ぶ長さでテープなどに録画。長さや場面の違う数種類が編集され、流出した映像とほぼ同じ長さのものもあったという。(共同)