米国中間選挙・米国量的緩和:日中韓の反応等 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

米国中間選挙・米国量的緩和:日中韓の反応等

秘書です。
米国中間選挙と米国量的緩和の評価です。


■米中冷戦入り警戒、先進・新興利害対立へ-米中間選挙で草野G代表
11月4日(ブルームバーグ):海外機関投資家の動向に詳しい草野グローバルフロンティア代表の草野豊己氏は、米中間選挙で共和党が勝利、下院では与野党逆転したことなどを受け、「これで対中制裁法案を止めようという向きはオバマ大統領だけになった。拒否権を発動しようと、米国における中国たたきの暴走はすさまじく、米中冷戦が始まる」と述べた。

  草野氏は、今回の中間選挙期間中、共和党候補者だけでなく民主党候補者もテレビCMなどで人民元の為替操作、レアアース(希土類)の輸出制限などを厳しく批判していたと指摘。「中国も米国に対し相当厳しい姿勢で臨まざるを得ない」と予測した。超大国2国による軍事的な直接対決は考えにくいが、1970年代の米国と旧ソ連のような「冷戦」に突入するとみている。

  一方、3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に示された6000億ドルの国債購入プログラムなど、追加的な量的緩和策について草野氏は、「公的部門も民間部門もこぞって借金を返済しようとしている現況を考えれば、いくら連邦準備制度理事会(FRB)がドル紙幣を増刷しようと、大半は再び米中央銀行の準備預金に戻っていく」と指摘。金融・証券市場に及ぼす流動性向上などのプラス面は小さい、とした。

  むしろ、8月以降の量的緩和期待で割高な水準まで押し上げられた資源国の株式相場が転機を迎えるリスクが高いといい、「アジアで言えばタイ、インドネシア、フィリピン。南米ではチリ、コロンビアなど夏場以降、お金が入っていった新興国の株式相場から崩れる可能性が高い」と警鐘を鳴らしている。

  中国は、反米姿勢を強める新興国の民意を見方につけながら、国際会議などで米国とわたり合うと草野氏は想定、今以上に存在感が強まるとみる。今月11日から韓国ソウルではじまる20カ国・地域(G20)首脳会議で、先進国と新興国の利害が対立するような場面が目立つようだと、「国際協調体制は早晩瓦解し、金融メルトンダウン(融解危機)の第2幕が始まる」との認識を示した

■インタビュー:米緩和で基軸通貨ドルの価値低下=草野GF
2010年 11月 4日 12:12 JST
[東京 4日 ロイター] 草野グローバルフロンティア代表取締役の草野豊己氏は、連邦公開市場委員会(FOMC)が6000億ドルの米国債追加買い入れによる金融緩和を決めたことについて、基軸通貨としてのドルの長期的な信認低下が始まったと受けとめている
 これを背景にドル売り/リスク資産買いのドルキャリートレードが来年も続くとみているほか、米国の金融緩和は新興国の金融引き締めによる景気圧迫につながり、新興国需要で景気回復を図る先進国にフィードバックされる『不都合な循環』を招いていると警鐘を鳴らしている。

 インタビューの概要は以下の通り。

 ──FOMCで決まった金融緩和をどう受け止めているか。

 「FOMC内部は一枚岩でなく、意見が割れた結果、6000億ドルの追加買い入れという市場コンセンサスに沿った規模に落ち着いたものだろう。ただ、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長も非伝統的な政策に経験を積んでいるわけではなく、緩和の規模とペースの配分は難しい」

 「今後の注目点は3点。1)今後の景気動向次第で、規模をどう拡大するのか、2)米雇用統計を中心とする指標次第で緩和期間を延長するのか、3)望ましいインフレ率の達成まで緩和期間を延長するのかだ」

 ──米金融緩和の効果は。

 「日本の量的緩和をみてもそうだが、米国の金融緩和第2弾(QEII)も実体経済への効果はないだろう。そもそも、MBS(モーゲージ担保証券)や米国債など1兆7500億ドルを買い入れたQEIでも、失業率は低下せず住宅市場の回復も図れなかった。しかし、オバマ民主党は中間選挙で大敗し、小さな政府を標榜する共和党に配慮せざるを得ない米政府は、財政出動が難しくなった。景気テコ入れには金融政策しかない

 「米国の金融緩和によるマネーは、新興国やリスク資産に流れてバブルを生む。かつてグリーンスパンFRB議長(当時)は議会で、米国の住宅バブルの背景はFRBの金融政策でなく日本の量的緩和や中国の外準による米債買い入れにあると証言した。今は米国の金融緩和によって新興国に資金が流入してインフレリスクをもたらしている
 「この結果、新興国は金融引き締めや資本規制を迫られている。これによって、世界景気のけん引役である新興国経済が圧迫される。これは、新興国向け輸出によって景気回復を図っている先進国にフィードバックされ、先進国の景気も圧迫される。『不都合な循環』だ。先進国のディスインフレやデフレと新興国のインフレが同時進行する世界経済に、全体として有効な政策はない」

 ──米QEIIの歴史的な意味合いは。

 「6000億ドルの米国債買い入れとは、6000億ドルのドル紙幣増刷だ。これが世界中にばらまかれる。ドルの価値が乏しくなるということであり、ブレトンウッズ体制から続いた基軸通貨としてのドルの信認低下だ。そして、その裏側で進む米国の国力衰退だ。少なくとも、ヘッジファンドはそう受けとめている」

 「かつて、英ポンドが基軸通貨の座を降り米ドルがとって替わるまで約30年かかった。ドルの衰退も時間をかけて進むことになるだろう。次の基軸通貨として可能性が高いのは人民元とみているが、ユーロの可能性もある

 「ドルの基軸通貨としての信認が低下することで、市場は不安定になる。グローバルマクロ戦略を取るヘッジファンドを中心に、拡大するボラティリティのなかに収益機会を探すことになるだろう。基調としてのドルキャリートレードは、折々の材料によるポジションの巻き戻しを交えながらもしばらく続くことになる」

 ──年末にかけてのヘッジファンドの戦略は。

 「ドル売り/リスク資産買いが続く。ヘッジファンドのテーマは2008年がクレジットバブル崩壊、2009年が危機対応のための国際的な財政・金融政策協調、2010年前半がソブリンリスクだった。そしてバーナンキ議長の『異例なほど不透明』との発言以降、2010年後半は米金融緩和を背景にしたドル売りがテーマになった。これは来年も続きそうだ」

 「ヘッジファンドは解約がない限り運用資産を大きく手仕舞うことはない。年末が近づいたからといって、ドル売り/リスク資産買いのポジションを大きく落とすことはないだろう。クリスマス休暇前にリスクヘッジのために若干落とすことはあっても、クリスマス明けの年末ぎりぎりから再びドル売り/リスク資産買いを活発化させるとみている

 (ロイター日本語ニュース 松平陽子)



■日銀の金融政策、いろいろな指標見守り考えていただける=官房長官
2010年11月4日12時55分
 [東京 4日 ロイター] 仙谷由人官房長官は4日午前の記者会見で、日銀の金融政策について「日銀が先だって金融緩和の措置をとられているわけであるから、いろいろな指標を注意深く日銀の方も見守りながら考えていただけると思う」と述べた。

 米連邦準備理事会(FRB)が決定した追加金融緩和策の為替市場に対する影響については「われわれが学んできた伝統的な理論認識で今の事態をどのように解析できるかのか、私どもにとってもある種の難問であると理解している」と述べた。

 官房長官は「一直線に分析し新たな政策展開をするのが大変困難な時代、あるいは経済構造になっている」と指摘し、経済指標や市場関係者などの分析を参考にする必要があるとの認識を示した。その上で、「日本はいろいろなところに溜まっているお金を有効に回すことを考えることが最大限必要」と指摘した。

 米追加緩和策については「FRBも米国内の失業率、インフレ指標などを見て、このような金融政策を新たに展開をすることを決めたと理解している」との認識を示し「G20あるいはG7などで、金融政策についての国際協調をどう図っていくのかについて議論を深めなければならない」と語った。

→日本も「国内の失業率、インフレ指標などを見て金融政策を新たに展開をすること」を決めては?さてG20どのような立場に立つのか?

■日銀が下振れリスクに適切に対応するとの理解広まったこと、市場安定に寄与=白川日銀総裁
2010年 11月 4日 12:42 JST
[東京 4日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は4日都内で開かれた共同通信社「きさらぎ会」の会合で講演し、参加者との質疑応答で、「日銀が経済の下振れリスクに適切に対応するとの理解が広まったことが市場安定に寄与している」と指摘した。10月5日に打ち出した包括的な金融緩和政策について、「時間軸の明確化は、景気回復局面での金利安定に効果を発揮する」と説明。同政策発表後の金融市場への効果について、「TIBORレート、包括緩和以降にさらに弱含んでいる」と述べた。
 *この記事の詳細はこの後送信します。新しい記事は見出しに「UPDATE」と表示します。

→そうなのか、米国の量的緩和が想定の範囲内だったからなのか、これからだんだんでてくるでしょう。

■抑制のない米ドル発行は世界経済にとって最大のリスク=中国人民銀政策委員
2010年 11月 4日 12:25 JST
[北京 4日 ロイター] 中国人民銀行(中銀)金融政策委員会の夏斌・委員は、抑制のない米ドル発行は世界経済にとって最大のリスクとなる、と見解を示した。
 同委員は人民銀系の金融時報での論説で、中国は為替政策と資本規制により、外的ショックの影響を抑制しなければならないと指摘。その上で、世界的な金融システムの回復には時間がかかるため、為替政策と資本規制を維持する必要がある、と述べた
 同委員は金融政策委員会で学識経験者のアドバイザーとして任命されており、政策決定には関与していない。

→米国の量的金融緩和は中国のインフレにどう影響するか?ドルペッグをやめて変動相場にすることがむしろ解決策なのではないか?

■韓国が資本流入規制策を「積極的に検討」、米追加緩和受け
2010年 11月 4日 11:31 JST
 [ソウル 4日 ロイター] 韓国企画財政省は4日、米連邦準備理事会(FRB)による追加緩和策発表後に「市場へのメッセージ」と題する声明を発表し、資本流入の抑制に向けて措置を講じることを「積極的に」検討していると表明した。
 同省はその中で「政府は、資本流入管理策は常に悪いものである、との考えから離れ、マクロエコノミック・プルーデンス改善に向け、措置の導入を検討する必要があると認識している」と主張した。
 尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)企画財政相など韓国当局者は、資金流入抑制策について検討していると繰り返し表明しているが、韓国は来週開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の開催国であることから、アナリストは同国が大規模な抑制策の実施に乗り出すことは控える可能性が高いとみている

■ドル80円後半、輸出勢の売りやクロス円の反落受けジリ安
2010年 11月 4日 12:34 JST
 [東京 4日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点に比べ若干ドル安の80円後半。未明の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を挟んで乱高下したあと、午前8時以降は比較的静かな取引が続いていたが、輸出企業の売りや、前日急伸したクロス円の反落を受け、ドル/円はジリ安の展開となっている。
 ドルは正午過ぎに80.78円付近まで弱含んだ。午前の高値は81.23円だった。
 「FOMCの決定を受けて、リスク資産に対する選好が強まるとの見方や、日本の量的緩和が一段と拡大されるとの見通しも改めて浮上し、クロス円が総じて堅調になっている」(運用会社マネージャー)という。
 ユーロ/円は前日の海外市場で一時114.95円と安値から約2円上昇した。午前の取引では短期筋の利食い売りも散見され、高値から小幅に反落している。
 「きょうはECB(欧州中央銀行)理事会、BOE(英中銀)の金融政策委員会もありFOMCの結果を消化しきれていない欧州がどう反応するか注目している」(国内金融機関)との意見も聞かれた。

<英ポンド、豪ドル> 

 3日のロンドン市場では、三菱UFJフィナンシャル・グループが英大手銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBSの開発金融(プロジェクト・ファイナンス)部門の買収について、RBSと交渉中であることが伝わり、英ポンド/円が大幅に上昇した。英ポンドは午前の取引で一時130.75円の高値を付けたが、正午過ぎまでに130円前半に小幅反落した。
 ただ、市場では、「為替市場につながれるような取引が出るのはまだ先ではないか」(外銀)と慎重な声も聞かれた。
 豪ドル/米ドルは豪経済指標が事前予想を小幅下回ったことで、1.0045米ドル付近から1.0023ドルまで売られた。9月豪小売売上高は事前予想の前月比0.4%増に対して0.3%増、9月豪貿易収支は事前予想の19億豪ドルの黒字に対して17億6000万豪ドルの黒字となった。 

 <FOMC> 

 FOMCの声明発表直後の市場では、6000億ドルの追加国債買い入れ規模の一部が既存プログラムの焼き直し、との見方が広がり、ドルが買い進まれた。
 その後、6000億ドルが純増分だと市場が理解するにつれ、ドルが売られる展開となった。
 「FRBの追加緩和については、国債買入額を小規模に抑え、市場に追加緩和期待を持たせるという方法もあったと思うが、今回は6000億ドルを8カ月にわたり実施するということで、この期間に追加で何かすることはおそらくないだろう」と野村証券、金融市場調査部の外国為替アナリスト池田雄之輔氏は指摘。「したがって今後しばらくの間は米金利の動きが緩慢になる可能性がある。これを受けてドル/円の値動きも、80―82円付近で、こう着感が高まるとみている」(同)との見方を示した。
 また、ドル安トレンドの継続を予想する声も上がっている。
  「米連邦準備理事会(FRB)の追加的国債買い入れ額はほぼ市場の予想通りだったが、FOMCの声明では量的緩和拡大の余地を残している」と JPモルガン・チェース銀行、債券為替調査部長の佐々木融氏は述べ、「外国からの対米資本フローが入りづらい環境は続き、中長期的にドル安トレンドが続くとみている」(同)と付け加えた。
  「8月半ば以降、固定利付国債の利回りとインフレ連動債の利回りの差であるブレーク・イーブン・インフレ率が高まりつつあり、市場はインフレ率の高まりをすでに心配し始めている」と東海東京証券のチーフエコノミスト斎藤満氏は言う。「米国の実体経済が現状のデフレからすぐにインフレになるとは思わないが、こうした市場の懸念がドル安の背景となっており、インフレ期待が高まりに応じて一段のドル安もあるだろう」と同氏は予想する。

 (ロイター 森佳子記者)