1ドル=70円台になると?:さらなるデフレ調整がまっている | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

1ドル=70円台になると?:さらなるデフレ調整がまっている

秘書です。
1ドル=70円台を避けるべきというのなら。



■メリル吉川氏:70円台なら一段のデフレ調整、日銀は長期国債購入を

  10月27日(ブルームバーグ):メリルリンチ日本証券の吉川雅幸チーフエコノミストは、円相場が1ドル=70円台に突入した場合、日本経済は企業の海外移転の加速や国内の雇用削減など「もう一段のデフレ調整」を余儀なくされるとの見方を示した。円相場を85-90円で安定させるために日銀は10年、20年の長期国債を20兆-25兆円程度購入すべきだとの考えを示した

  吉川氏は26日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューで、10%程度の円高は日本の国内総生産(GDP)を0.5-0.6ポイント押し下げると試算。同社は実質成長率の見通しについて、10年度はプラス2.0%、11年度はプラス1.6%としている。

  吉川氏は日本の製造業の海外移転について、1ドル=90円程度を前提として「行くべきものは行った」と述べ、同水準からさらに70-75円台に急伸した場合、「さらなるデフレ調整」が起こる危険性を指摘。その上で「85円から90円ぐらいで安定化させる政策をとりあえず取ることが非常に重要」とし、「それがうまくできれば、来年度も1%半ばぐらいの成長はできる」と語った。

  円相場は25日に一時1ドル=80円41銭と、戦後最高値の79円75銭を記録した1995年4月19日以来の水準まで上昇した。政府・日銀は9月15日、6年半ぶりのドル買い・円売り介入を実施したが、米国の追加金融緩和観測を背景にしたドル先安観が根強い。

            為替介入は主役でない

  吉川氏は円高に歯止めをかけるのは、「為替介入が主役ではない。金融政策以外はない」と言明。また、先に日銀が決定した国債や社債などの資産買い入れのための5兆円規模の基金創設の検討について、マクロ政策からは「評価できる点は少ない」と述べ、「ストライクゾーンの球は長期国債の購入だ」と強調した。

  同氏は、短期金利はゼロ%に近い状況にあるなか、これ以上、短期国債などを購入しても効果がないと指摘。一方、長期国債の購入は「インフレ期待」を起こし、為替相場の円高圧力を止める効果があると指摘する。ただ、長期国債の購入は「財政ファイナンス」とみなされるリスクがあるため、「物価目標の設定と併せて検討するのが筋だと思う」と述べ、物価目標の設定は「日銀を守る盾になる」との見方も示した。

          円高は個人消費と設備投資に影響

  吉川氏は、円高になっても「意外に輸出は落ちない」と述べ、その代わりに「個人消費と設備投資が影響を受けやすい」と分析する。その理由として、10%円高になっても、輸出企業は現地での販売価格を同程度引き上げない代わりに、採算を合わせるため、国内での出荷コストを削減すると指摘する。

  また、円建て価格の引き下げやコスト削減は大手製造業の売り上げ減少を招き、残業代やボーナスのカットを通じて「半年ぐらいして個人消費に効いてくる」と指摘。さらに「設備投資は直接効いてくる。部品の供給をする中小企業にも波及する」と説明。その上で「円高を防ぐことが、短期的に来年の景気を見通す上でも重要だ」と述べ、「長い目でみても、これ以上、空洞化が進まないようにするためにも重要だ」と強調した。

  外需依存型の経済構造に対する批判については、「日本の貿易黒字はせいぜいGDPの1%程度だ。問題ではない」とし、「ここ10年は貿易黒字で雇用を維持しているわけではない」と説明。「今ぐらいの輸出を維持すべきだ」と主張した。


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