反日デモ:さまざまな背景分析報道です | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

反日デモ:さまざまな背景分析報道です

秘書です。
反日デモの背景についてのメディア報道です。



■中国 反日デモ 保守派主導の可能性
2010/10/18 07:49 産経新聞
 【北京=矢板明夫】中国各地で16、17の両日に起きた一連の反日デモは、発生時期や場所などから自然発生的なものではなく、当局による「官製デモ」だった形跡がいくつもうかがえる。胡錦濤指導部が最近、見せ始めた日中関係の修復の動きとも矛盾しており、対日強硬姿勢を求める保守勢力がデモを主導した可能性もある。
 今回の反日デモで最も腑(ふ)に落ちないのは、沖縄・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の周辺で起きた中国漁船衝突事件で、日本側に勾留(こうりゅう)された中国人船長が釈放、帰国してから約3週間が経過し、全体の空気としては事態が“終息”に向かっている中で行われたという点だ。

 船長が9月25日に帰国したことを受け、中国メディアによる日本批判のトーンは徐々に弱まり、インターネットの反日の書き込みも減少する傾向にあった。しかし、デモの参加者は、最も反日感情が激しい時期だった9月18日の北京におけるデモの約200人に比べ、今回は数万人に膨らんだ。

 さらに、これまでに中国で発生した反日デモは、北京や香港在住の「保釣(釣魚島を守る意味)人士」と呼ばれる反日活動家らがかかわっていたことがほとんどだ。しかし、彼らは今回、今月16日にデモが行われることを「事前には知らなかった」と、産経新聞に答えている。

 また、中国共産党の第17期中央委員会第5回総会(5中総会)が開会中で、会期中は全国で警戒態勢が強化されるのが通例であり、この時期にデモを実施することは当局の黙認がなければ難しい。

 一方、デモが発生した場所は、日本大使館がある北京や、日本も出展している万博が開かれている上海などではなく、日本人や日本企業が圧倒的に少ない内陸部の四川省成都市、河南省鄭州市などだったことも、不可解だ。これらの都市の経済発展は沿海部に比べ遅れており、大学卒業者の就職難が最も深刻な地域でもある。現地の指導者は若者の不満をガス抜きさせるために、今回の反日デモを組織、あるいは黙認した可能性もある。

 ある中国筋は、反日デモが起きた省の主要指導者のほとんどが保守派であることに注目する。そして「軍をはじめとする保守勢力は、(改革派の)温家宝首相が主導する現在の対日政策を『弱腰だ』と批判しており、5中総会の開会中を狙って大学生にデモを行わせ、政権に圧力を加えようとしているのではないか」と分析する


■失業者が引き金 中国・反日デモ暴徒化
2010年10月18日 12時14分(中日新聞)

 【綿陽(中国四川省)=朝田憲祐】中国四川省綿陽市で17日起きた反日デモの一部が暴徒化したのは、当初の若者らによるデモ行進に失業者ら政府に不満を持つ多くの市民が合流したためである可能性が高いことが地元の公安当局者への取材で分かった。

 公安当局者によると綿陽のデモは、16日の成都でのデモを受け地元の若者らがインターネットや携帯電話のショートメールなどで呼び掛けたことがきっかけ。若者らは「釣魚島(尖閣諸島)は中国のものだ」と叫びながら数百人規模で行進した。当局者は「最初は全体的に理性的に行われていた」と述べた

 その後、市中心部の繁華街を練り歩くにつれ、参加者は2万~3万人規模に膨れ上がった。一部が暴徒化、日本料理店などを次々と襲った。公安当局者は「暴徒の多くは職のない貧困層だった。反日を口実にデモに参加し、実際は反政府を訴えた。中には、2008年の四川大地震で家や仕事を失った者もいたようだ」と話した

 中国当局は批判の矛先が政府に向き、社会の安定を揺るがす事態に発展するのを懸念している。北京では15日から年1回の重要会議、中国共産党の第17期中央委員会第5回全体会議(五中全会)が開かれており、地方にうずまく不満が、反日を口実にうねりとなって噴き出した格好となった。

■中国・大規模反日デモ このタイミングで発生した背景について山崎記者の報告です。
フジテレビ系(FNN) 10月18日(月)12時1分配信

尖閣諸島の領有権をめぐり、中国・四川省などで16日に起きた大規模な反日デモは、17日、綿陽市に飛び火し、日中交流イベントが延期されるなど波紋が広がっています。
こうした大規模な反日デモが、このタイミングで各地で発生した背景には何があるのか、北京から山崎文博記者のリポートです。

今回の大規模な反日デモは、週末に東京で行われた中国に対する抗議集会が、1つのきっかけになった。
これに刺激され、これまでくすぶっていた反日感情が、一気に表面化したと言える。
また、デモの主役は大学生で、深刻な就職難などに対する不満のはけ口が、反日デモに向かったとみられている。
中国政府は、これまでネットによる呼びかけなどを規制して、デモの拡散を抑えてきたが、ガス抜きの意味で容認した今回のデモが暴徒化したことは、当局にとって手痛い誤算となった
18日朝の中国紙「環球時報」は、「日本の反中活動が、市民の反発を引き起こした」という見出しで、今回のデモ活動を擁護したが、テレビでは一切、このニュースを扱っていない。
中国政府は、事態の沈静化を急ぐ方針だが、対日関係改善の動きにブレーキがかかる可能性も出てきた。
共産党体制の強化を図る「5中全会」の最中に、体制批判に転じる可能性がある反日デモが発生したことに、中国政府は衝撃を隠し切れない状態