非正規雇用問題:中高年男子正社員の既得権益問題をなぜ議論しないのでしょう | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

非正規雇用問題:中高年男子正社員の既得権益問題をなぜ議論しないのでしょう

秘書です。

参院予算委員会にて。

非正規雇用の問題について、また、菅総理は小泉・竹中路線を批判した。行きすぎた規制緩和だと。

しかし、なぜ、小泉政権以前から非正規雇用が増大しているのか。その答えになっていないですね。

根本的に非正規の悲劇は、低成長下において非正規雇用の人をバッファーにして正社員の既得権益を守るためではないか。

正社員の既得権益についてどう考えるのか。

全員が正社員になるためには、高度成長期のように、失業率1%というような成長を実現しなければできないでしょう。菅総理は全員を終身雇用するのは現実的でないといったが高度成長すればできます。高度成長ができないとすれば、正規・非正規の壁をとりはらう以外にない。

もしも低成長を前提とするならば、オランダのように、正社員も非正規社員もない労働にしなければならないでしょう。それは中高年男子正社員労働者の既得権益をおかすことになる。この人たちが非正規雇用労働者、青年労働者に連帯の意をもつことができるのかどうか。

そこが問題の核心ではないですか。そこに民主党政権の課題があるのではないですか。

2006年に自民党政調会長中川秀直がオランダ型雇用の合意をして職務給中心の体系にしようとしたときになぜ、労働側も経営側も一歩前進しなかったのか。

そして、いま、労働者の代表の民主党政権がなぜオランダ型雇用の合意をすすめないのか。

政権には、非正規雇用に目線がいっていないではないですか。

正社員に非正規社員への連帯のための犠牲の分担を呼び掛けるのは労働者代表の政権しかできないじゃないですか。

内部留保は、成長ができないと認識される時代の中高年男子正社員労働者の終身雇用の既得権益を守るための自己防衛措置でしょう。

民主党政権のもとで経済が縮小するとすれば、内部留保して非正規雇用の悲劇に目をつぶって、内部留保する。それは正社員の合理的な対応になってしまっているんじゃないですか。

最後に、企業が内部留保を投資に回し、正規雇用を拡大するには、経済成長しかありません。

来年、経済が縮小すると思えば、正社員が終身雇用を守るための自己防衛をする、その現実から経済を考えましょう。