米国でも郵政民営化?:せっかく日本が先行していたのに | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

米国でも郵政民営化?:せっかく日本が先行していたのに

秘書です。
おや、米国でも郵政民営化?
茶会党のみなさんが?
日本が先行していたんですけどね。残念!


■【経済コラム】米国も郵政民営化か、抵抗勢力は組合-K・ハセット
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920021&sid=aWUHJ7DZDh1c

10月11日(ブルームバーグ):「大きな政府」の提唱者がこの国を導く先を理解するには、米郵政公社(USPS)に目を向けなければならない。

まずは郵政公社が大きな「雇用創出マシン」である点に注目したい。71万2000人の職員を雇用し、賃金と手当を含めて平均で8万3000ドル(約683万円)の年俸を支給している。こうした高額給与は民主党にとって政治献金の大きな源だ。2010年の郵政職員組合による献金約400万ドルのうち9割近くが民主党に向かった。改革への反対論の大半がどこから来るかは言い当てられよう。

ただ、高い人件費は毎年経費の約8割に上り、高い郵便料金と納税者の負担増大につながっている。過去10年に切手代は33セントから44セントに上昇。コンピューター化で大幅なコスト削減を実現したはずなのに、インフレ率を上回る値上がりだ。それでも郵政公社は2010年9月通期に60億ドルの赤字を計上した。公社の予測によれば、今後10年で2380億ドルの損失が見込まれ、予測期間で最後の年の2020年には公社は年間330億ドルの赤字になるという。

公社の損失の伸びが横ばいになり、毎年の同額の損失が続いた場合は、2010-30年の累計損失は5500億ドルとなる。今後10年に予想される損失拡大ペースが30年まで続いた場合は、その間の損失は1兆ドルを超える。郵政公社の財政のブラックホールは、政府からみても、決してはした金でない。

壊れたビジネスモデル

10年4月に政府監査院(GAO)は郵政公社の運営を分析した報告書を公表し、「公社は十分な経費削減能力がないため、ビジネスモデルは存続不可能だ」と結論付けた。

GAOが07年に郵政公社の施設利用に注目した調査では、無作為に選んだ651の施設のうち3分の2は「許容範囲」を下回る評価を受け、22%は「お粗末」と判断された。ダラスでは直ちに建物から避難すべきだと勧告を受けた施設もあったという。

建物の老朽化は、サービスの質を容易に見極める上で手掛かりとなるが、残念ながらサービスがどう悪いのかは分からない。公社はサービスの質のデータを独自に集計しているが、公表は拒否している。税金が使われているのに、納税者がデータを見ることができないとは困ったことだ。

郵政公社が郵便物を紛失するというのはもちろん有名な話だ。いかにひどい状況かは、米郵便労働組合が先週、全米役員選挙の郵送票の紛失が多くて選出延期を余儀なくされた事実が物語っている。

事業独占

それでも郵政公社が生き残ることができるのは、米国の法律で2つの事業の独占が守られているからだ。フェデックスやユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)などに認められた少数の例外はあるが、多くの種類の郵便物の配達を認められている事業者は郵政公社だけだ。2つ目は私書箱事業で、これは郵政公社の合法的な独占事業だ。

この組織がこれまで政治的圧力を乗り越えられたのは、全国均質サービスという国家目標のためには独占が必要だと提唱してきたのが一因で、こうしたサービスを民間で支えることは不可能だという。

もちろんこうした議論はもっともらしいが、均質サービスを保証した郵便事業の完全民営化は取るに足らないものになるだろう。もちろん、民主党は決してそうさせない。組合の政治力が強過ぎるためだ。

2005年にコーネル大学のリチャード・ゲデス准教授はジャーナル・オブ・エコノミック・パースペクティブ誌で郵政改革に触れ、「他国では数十年にわたって包括的な郵政改革が進行している」と指摘。ドイツやスウェーデンなどの国で大改革が導入されていると述べている。

2つの進路

米国で改革から得られそうな利益は巨大だ。郵政公社は全米で3万3000カ所の施設を所有または運営し、21万9000台の車両を持つ。競売で売却されれば、民間投資家は巨額の買値を提示する公算が大きい。フェデックスとUPSは時価総額が合計で1000億ドル近いが、郵政公社の施設付きでビジネスを始める権利に対して民間投資家はどれだけの金額を付けるのか。1000億ドルに上るというのは良い読みかもしれない。

つまり、われわれには選択できる2つの進路がある。郵政公社の現状を維持して多額の損失を見過ごすのか、あるいは、民間業者に売却して損失を回避し、現金化するのかという選択肢だ。

保守派の草の根運動「茶会党」の活動家らが米国を立て直したいのなら、まずは郵政公社の民営化から始めるべきだ。それを直せないのなら、われわれが何かを解決できるとは考え難い。(ケビン・ハセット)

  (アメリカン・エンタープライズ研究所で経済政策研究のディレクターを務めるケビン・ハセット氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

更新日時: 2010/10/12 15:48 JST


Major Management Challenges at the U.S. Postal Service
http://www.gao.gov/pas/2005/postal.htm
Overall, the U.S. Postal Service (the Service) has made good progress in addressing each of the five key management challenges that GAO identified in 2003. However, each of these management challenges remains, as do the risks threatening the Service's ability to continue fulfilling its mission of providing affordable universal postal services in the 21 st century.
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