日中首脳「交談」:官房長官ルートでセットしたのだから今さら偶然はないでしょう! | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

日中首脳「交談」:官房長官ルートでセットしたのだから今さら偶然はないでしょう!

秘書です。

総理、日本側に通訳つけないことの問題、気づいていませんでしたね?

そのことを認めたほうがいいと思います。官房長官ルートで図りに図ってセットした日中首脳「交談」、いまさら偶然は通用しません。

偶然を装うなら、10月1日の官房長官ー戴秉国電話会談を否定すればいいじゃないですか。
どなたかが政府関係者が積極的にリークしておいて、いまさら偶然はないでしょう!

首脳の公式な意思疎通で、外務省の通訳をつけなかった恥ずべき行為、危険行為をしっかりと自己批判すべきではないですか。国民に謝罪すべきでしょう。

輿石さんはいまでもぶれずに「日米中正三角形論」。菅民主党政権はどうなんでしょうか?ぶれるか、ぶれないか?


■民主・輿石氏、「日米中は正三角形で」
産経新聞 10月7日(木)19時46分配信
 民主党の輿石東参院議員会長は7日の記者会見で、日本、中国、米国の3カ国の関係について「正三角形」が望ましいとの考えを改めて示した。沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件後の中国の強硬姿勢を踏まえ、国民の対中感情は悪化しているが、従来から「正三角形」論を唱えている輿石氏は「1回言ったことは同じ。ころころ変わるほうがおかしい。中国と日本と米国が正三角形の関係でなければいけない」と語った。

民主党が正三角形なんていうからこうなったんだということを全く理解していないことが、さて、民主党内から批判はでるのでしょうか。自民党なら必ず異論がでてくるんですが。またしても沈黙でしょうか。それでも、官房長官がセットした会合をいまさら偶然で切り抜けようとするよりは、ある意味堂々としてます。

■菅首相 温首相とは「懇談」…代表質問答弁で“偶然”強調
 温家宝中国首相との「懇談」--。菅直人首相は6、7両日の衆参代表質問の答弁で、4日夜(日本時間5日未明)にブリュッセルのアジア欧州会議(ASEM)の際に開かれた温首相との会談を、繰り返し「懇談」と表現した。

 菅首相が中国語の通訳抜きで温首相と対話したことを問題視する声が野党などにあることから、偶然成立した「懇談」である点を強調することで「公式」イメージを薄め、批判をかわしたい思惑があるとみられる。また、中国側が今回の会談を『交談』(「話し合う」「言葉を交わす」の意味)と表現しており、菅首相もこれに呼応したとの見方もある。
 「懇談」の言葉について、仙谷由人官房長官は6日の会見で「会談とは、ちゃんとした部屋を用意して向き合う、あるいは隣り合わせで(座る)というスタイルを取る。廊下でお会いして、並んで椅子に座って、ということだったようで、その違いをあえておっしゃったんじゃないか」と説明した。【西岡省二】

外務省外しの裏交渉で全てを譲歩して実現したであろう日中首脳「交談」。してやったりだったはずが、こんなはずじゃなかったと思ってませんか。譲歩したものが大きすぎていませんか。

■官房長官 早期解放を働きかけ
10月6日 12時16分 NHK
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仙谷官房長官は、ベルギーで行われた菅総理大臣と中国の温家宝首相の日中首脳会談をめぐり、仙谷長官が中国政府で外交を統括する戴秉国・国務委員と事前に電話で調整したという一部の報道について、「外交にかかわることであり、10年後20年後に明らかになるのかどうかはわからないが、現時点ではノーコメントだ」と述べました。

こういう場合のノーコメントは、暗に肯定ということでしょう。

■日中首脳会談、設定は15分前
読売新聞 10月6日(水)9時49分配信

 【ブリュッセル=大木聖馬】菅首相と中国の温家宝首相がブリュッセルで4日夜(日本時間5日未明)に行った首脳会談は、会談の約15分前に正式に設定されたことが、5日わかった。

 会談は「両首脳がほぼ同じ方向を歩いていた中で自然な形で実現した」(外務省)とされているが、事前に調整されていた可能性が大きい。

 複数の日中関係筋によると、アジア欧州会議(ASEM)首脳会議の行事として行われた夕食会終了前の4日午後8時45分ごろ(同5日午前3時45分ごろ)、日中共に首相が通訳を呼び出すなどして、接触に向けた準備が急に本格化した。

 夕食会終了後、王宮内で、菅首相らは、先に移動し始めた温首相らを追いかける形で移動。別の場所で待機していた楊潔チ(ようけつち)外相と中国外務省アジア局の呉江浩・副局長(日本担当)を交えて、会談が始まったという。(「チ」は竹かんむりに「褫」のつくり)


偶然だったら、なんで中国側には日本語通訳が待機していたんですか?
官房長官との電話会談、そして、現地での福山副長官の調整が進んでいたからでしょう?

日本側に中国語通訳がいなかったということは、あとで、本当に温首相が何を言っていたのかは日本側は確認できないということ。私の代議士随行の経験でいえば、公式会談で、後から日本側通訳の方から、「中国側通訳はこう訳していたが、本当はこう話していた」というメモ合わせをしっかりやって分析します。ブリュッセルではできませんでしたね?

また、私的経験でいえば、中国側にしか通訳がいない会合では、日本側に聞かれたくない話題は眼の前で中国語で自由に話ができるわけです。

党間友好交流で中国側に通訳をお願いする感覚で、首脳会談をやってしまいましたね?

下記の朝日新聞の検証記事、否定できますか?できないのではないですか?



■日中首脳会談へ極秘交渉 仙谷ルート構築
2010年10月6日13時8分 朝日新聞

 4日夜(現地時間)、ブリュッセルの王宮で開かれたアジア欧州会議(ASEM)首脳会合のワーキングディナーの後。菅直人首相と中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相の電撃的な日中首脳会談は、たまたま廊下にあったいすに座って偶発的に行われたように演出された。しかし、実際は1日に極秘に行われた菅内閣の要である仙谷由人官房長官と、中国外交を統括する戴秉国(タイ・ピンクオ)国務委員との電話会談が、首脳会談へのレールを敷いていた。

 尖閣諸島沖の漁船衝突事件でもつれた日中関係を修復するため、首相官邸は外務省ルートに頼らず、新たな政治家ルートの構築を探った。仙谷氏は中国側に歩み寄りの意思があることを独自ルートで察知し、9月の民主党代表選で小沢一郎氏を支持したものの、中国人脈をもつ細野豪志前幹事長代理を密使として9月29日に北京に派遣した。

 細野氏は戴氏との会談に成功し、ASEMでの首脳会談の可能性を協議。帰国後、首相官邸に報告し、仙谷氏と戴氏との電話会談につなげた。

 両氏の電話会談では(1)戦略的互恵関係の重要性(2)日中交流の推進――という大枠が確認され、首脳会談への環境整備は整った。その後、細野氏が東京で、仙谷氏の腹心・福山哲郎官房副長官が首相外遊に同行して現地で水面下の交渉を続けた。

 廊下での首脳会談は約25分間に及んだ。急な出来事と装うためか、菅首相の通訳は通常の「日本語―中国語」ではなく、英語だった。両首脳はその場で戦略的互恵関係の原点に立ち返ることにあっさり合意したのだった。

■密使・細野氏、協議7時間

 ASEM首脳会合を利用した日中首脳会談は、両国関係の早期改善を望む菅直人首相の強い意向を受けたものだった。実現に向けて、官邸側は周到に準備を進めた。

 動きはじめたのは先月24日、日本側が中国人船長の釈放を決めた頃だ。臨時国会に向けた人事を進める中で鉢呂吉雄国会対策委員長が、衆院厚生労働委員会の筆頭理事に名前が挙がっていた細野豪志前幹事長代理について、国対幹部に指示を出した。「細野氏の役を外しておいてくれ」。この国対幹部は「細野氏は10月1日の衆院本会議に出席できないかもしれない。何か密命を帯びているんだな」と受け止めた。

 細野氏は前原誠司外相グループに所属し、同グループの後見役を任じる仙谷由人官房長官も目をかける。前原氏が代表時代の2005年に訪中した際に同行した経験を持つ。民主党の小沢一郎元代表からの受けもよく、昨年12月に小沢氏が民主党議員約140人を引き連れた訪中では、中国側との折衝役を任された。民主党内では数少ない中国人脈の持ち主であることで「密使」として白羽の矢が立った。

 そして27日、菅首相はいったん見送りを決めていたASEM首脳会合に一転、出席を決断。2日後の29日、細野氏が北京入りした。北京国際空港には中国外務省の車が出迎え、そのまま市内の釣魚台迎賓館へ。細野氏のそばには中国外務省の日本担当者が寄り添った。

中国外務省高官との協議は7時間近くに及び、途中で中国外交を統括する戴秉国・国務委員も姿を現した。無役の中堅議員に過ぎない細野氏相手に戴氏まで登場したのは、菅内閣の番頭役である仙谷氏の要請を受けての訪中だったためだ。

 仙谷氏は水面下で中国側に歩み寄りの気配を感じ、日本外務省を通さず、政治家の訪中による解決を探っていた。この協議では「ASEM首脳会合を利用した日中首脳の対話」が話し合われた。

 同じ日、菅首相は、細野氏の訪中をいぶかる周辺に電話で漏らしていた。「あれは仙谷がやっていることだから大丈夫なんだ」

■「演説で尖閣に触れぬ」約束

 細野氏は1泊だけして30日に帰国。中国側から伝えられた内容をすぐさま仙谷氏らに報告した。だが、官邸のお墨付きを得た細野氏の動きを知り、日本外務省は慌てた。日中外交の主導権が政治家側に奪われてしまうためだ。外務省は外交ルートを通じて中国側に日本政府高官と戴氏の電話会談を要請した。

 この動きを伝えられた仙谷氏は周辺に「そんな話は知らん」と不快感を示していたが、細野氏の訪中でも首脳会談までは定め切れない。そこで、日中双方が歩み寄る形で仙谷氏と戴氏が10月1日、極秘に電話で会談した。関係者によると、両氏が確認したのは(1)戦略的互恵関係の重要性(2)日中交流の推進――の2点。日中首脳会談の実現に向けて大枠は固まった。

 菅首相は3日夜、温首相は4日昼ごろにそれぞれブリュッセル入りした。最後まで調整が続いたのは、ASEM全体会合で行う両首脳の演説内容だった。「尖閣諸島問題はお互いに直接言及しない」。それが首脳会談の実現に向けた水面下の確認事項だった。仙谷氏や細野氏と親しく、今回首相に同行した福山哲郎官房副長官が現地で極秘で中国側と接触し、演説案に筆を入れ続けた。

 温首相は日本語に堪能な複数の中国外務省幹部を現地に連れてきていた。だが、会議参加者としての登録が間に合わなかったのか、本来の名前とは違う名札をぶら下げている同行者もいた。中国側は「日本側から会談の申し入れはない。首脳会談の予定はない」(政府高官)と繰り返したが、急ごしらえでも対応は取っていた。

 4日夕、菅首相、温首相ともに尖閣諸島問題には触れずにスピーチを終えた。双方はぎりぎりまで互いの姿勢を確かめ合い、その後2時間にわたったワーキングディナーを終えて両首脳が会談した。

 終了後、菅首相は記者団に対して会談を振り返った。「割と自然に、普通に話ができました」

■官邸外交に外務省絡めず

 「こっちでは何もしていない」。外務省幹部は5日、首脳会談実現に向けて政治家ルートを稼働させた首相サイドの動きに、あまり絡めなかったことを当惑気味に認めた。

 ASEM首脳会合には中国の担当課長が同行せず、首相には中国語の通訳もつかなかった。首相側には「こちらから日中首脳会談を望むような姿勢は見せない」(周辺)との思いもあったが、自民党の外交部会幹部は「英語を介した通訳で、温首相の発言のニュアンスまでつかめたのか」と批判する。

 そんな足元を中国側も見透かしている。衝突事件があった9月上旬から中旬、中国政府は連日のように日本側へ抗議し、出てきた中国政府高官のレベルも徐々に上げた。最後に登場したのが戴氏だった。中国政府関係者が語る。

 「外交経験のない民主党政権を外交官がプロとして支えるべきだ。民主党政権を担う政治家には、こちらの声がちっとも届いていない」

 官邸と外務省に信頼関係がなく、中国側が外務省ルートの情報が官邸に伝わらないと感じたことが、細野氏ら政治ルートの活用につながった可能性もある。日中交流にかかわる民主党議員は「官邸には外務省が本音の情報を取れていないことへの不満がある。政治家を使い官邸が独自に動くことも良い」と指摘した。