船長釈放:政権の運命は明らかです | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

船長釈放:政権の運命は明らかです

秘書です。
総理もいない、外相もいない。
ビデオも公開していない。
そんな中の唐突な判断。
中枢で一体何があったのか、そのうちに明らかになるでしょう。
政権の運命も、明らかです。


■なぜ釈放?怒る漁民「中国漁船、どさっと来る」
(2010年9月24日23時55分 読売新聞)
 なぜ今、釈放か――。尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で、24日、●其雄(せんきゆう)船長(41)の釈放を公表した那覇地検の判断には、周辺の漁業者らから戸惑いや憤りの声が上がった。(●は「擔」のつくりの部分)

 衝突時のビデオ解析で「立証は堅い」と信じていた海上保安庁の職員は落胆の表情を浮かべ、幹部は、海上警備で海上保安官が萎縮(いしゅく)しないか、などの懸念も出た。

 「起訴して当然だと思っていたのに……。国に見捨てられた気分だ」

 沖縄県・与那国島の与那国町漁協の中島勝治組合長(44)は、那覇地検の判断に憤りを隠せない様子で語った。

 衝突事件以降、現場周辺海域で中国船を見かけることはなかったといい、「せっかく毅然(きぜん)とした対応を続けていたのに、甘い姿勢を見せた以上、すぐに中国の漁船がどさっと来るようになるはず。どうせ政治判断なのだろうが、政府にはがっかりだ」と不満をあらわにした。

 宮古島の小禄貴英(よしひで)・宮古島漁協組合長(61)も「今回の判断で、今度は尖閣周辺で我々が中国に拿捕(だほ)される恐れもある。国は尖閣が日本の領土という主張だけは、強く示し続けてほしい」と訴えた。

    ◇

 「こんなことならビデオを早く公開すべきだった」

 ある海保幹部は、そう悔しさをにじませる。海保が所持しているビデオ映像は、事件が起きた7日に、損傷した巡視船「よなくに」と「みずき」から撮影したもの。「よなくに」の船尾部分を、漁船が斜めに航行しながら接触した様子や「みずき」の右後方を平行に走っていた漁船が左側にかじを切って右舷の中心部付近に衝突した様子が鮮明に映っていた。海保は、この映像に漁船や巡視船の航跡データを組み合わせれば、漁船側が衝突してきた状況は立証できる、と自信を持っていた。

 海保内部では当初、積極的なビデオ公開の意見も出た。だが、中国側に配慮する官邸サイドの意向もあり、立件方針が決まった7日夜になり、一転して非公開に

 映像公開については、24日夕、馬淵国土交通相が「今後の推移で判断する」と述べただけで、別の海保幹部は「海上の警備は危険と隣り合わせ。いざという時、現場の職員の士気が落ちなければいいが」と話す。

    ◇

 24日午後に行われた那覇地検の緊急記者会見。「今後の日中関係を考慮し、捜査を続けることは相当でないと判断した」。鈴木亨・次席検事は感情を押し殺したような口調でそうコメントを読み上げた。

 政治介入の有無についての質問も相次いだが、鈴木次席検事は「検察当局として決めた」「中国政府に配慮したものではない」と重ねて否定し、会見が進むにつれて「答えを差し控えたい」と口を閉ざした。


■“故意に衝突”ビデオで裏付け
9月18日 17時7分 NHK
沖縄県の尖閣諸島の日本の領海内で中国の漁船と海上保安庁の巡視船が衝突した事件で、漁船は進路を変えずに一定の速度で走っていた巡視船に斜め後ろから近づき、大きくかじを切って衝突する様子が現場で撮影されたビデオに映っていたことがわかりました。海上保安庁は、漁船が故意に巡視船に衝突したことを裏付けるものとして、さらに詳しく調べています。

この事件で、海上保安庁は公務執行妨害の疑いで逮捕した41歳の船長の取り調べを進めていて、19日に10日間のこう留期限を迎えます。船長は、漁船と巡視船が接触したことは認めているということですが、故意に漁船を衝突させたことは認めていないということです。海上保安庁が、衝突の様子を撮影したビデオを詳しく分析した結果、漁船は衝突の直前、巡視船の斜め後ろにいて、巡視船は進路を変えずに一定の速度で航行していたことがわかりました。映像では、そのあと漁船が速度を上げて前を走る巡視船に近づき、大きくかじを切って衝突する様子が確認できるということです。海上保安庁は、漁船が故意に巡視船に衝突したことを裏付けるものとして、漁船と巡視船双方のGPSの航跡データとも照らし合わせて衝突の経緯をさらに詳しく捜査しています。この事件で、前原前国土交通大臣は衝突時の状況について「ビデオで撮影しており、どちらが体当たりしてきたか一目りょう然にわかる」と述べていて、日本の法律に基づいて、きぜんと対応していく考えを示しています。


■「検察の判断」強調=臨時国会へまた一つ難題-中国人船長釈放で・首相官邸
(2010/09/24-22:44時事通信)
 沖縄県・尖閣諸島沖で発生した衝突事件の中国人船長の釈放を決めたことについて、首相官邸は法と証拠に基づく「検察の判断」(仙谷由人官房長官)と政治的な配慮を否定したが、検察当局は日中関係を考慮したことを認めた。野党側は、主権にかかわる事件を不問に付した政府の対応に加え、検察による「政治判断」を厳しく追及する構え。菅直人首相は、臨時国会の召集を来月1日に控え、難題をまた一つ抱えることになった。
 「粛々と国内法に基づいて手続きを進めた結果だ」。仙谷長官は24日午後の記者会見で、政治的配慮を否定した。これに先立ち、那覇地検の鈴木亨次席検事は記者会見で、釈放理由について「日中関係への考慮」を挙げている。仙谷長官は、この発言について聞かれると「あり得る」と、検察の政治判断を容認する姿勢を示した。
 しかし、与党の民主党内でさえ、政府側の説明を額面通りに受け止める向きは少ない。というのは、官邸の政治判断で検察に釈放を求めたとなれば「法相の指揮権発動につながる」(法務省幹部)からだ。同党の中堅議員は「官邸による超法規的措置だ」との見方を示した。実際、政府関係者は「地検は(拘置期限の)29日まで判断しないと思っていたが、電光石火だった」と語り、高いレベルでの政治判断があった可能性を示唆した。
 政府は船長が8日に逮捕されて以降、「国内法に基づいて厳正に対処する」と繰り返し説明してきた。特に、仙谷長官は「司法、捜査と政治との関係について中国に理解を求めたい」と、司法権の独立に言及してきただけに、中国が対抗措置をエスカレートさせたことで、急に方針転換した印象は否めない。 

■小島しょ国支援を強調 国連会合で菅首相演説
2010/09/24 23:50 共同通信
 【ニューヨーク共同】菅直人首相は24日午前(日本時間同日夜)、国連本部で開かれた小島しょ国開発に関する会合で演説し、自然災害や気候変動の脅威に直面する小島しょ国の持続可能な開発を支援する立場を示し「力強いサポーターであり続けたい」と宣言した。

 首相は、小島しょ国が脆弱性を克服することは、国際社会が取り組むべき緊急の課題との認識を強調。1月の大地震で壊滅的な打撃を受けたハイチに対する支援など日本の実績を説明した。防災分野の人材育成や、インフラ整備の支援を実施する方針も示した。

 また「海面上昇は多くの小島しょ国の生存をも脅かしかねない」とした上で、小島しょ国を含む発展途上国の温暖化対策支援に着実に取り組む意向を明言した。


総理、守るべきはまず尖閣諸島です。


■責任押し付け合い “醜態”さらす政府
'10/9/25 中国新聞


 中国漁船衝突事件は24日、逮捕、送検されていた中国人船長を処分保留で釈放決定。日中間最大の懸案は突然、大きく動いた。誰の判断なのか―。「那覇地検」という首相官邸。「政治の関与」をにおわす地検側。逮捕した海上保安部の対応を疑問視する声も。安全保障にもかかわる重大問題なのに、政府内部で責任を押しつけ合う“醜態”をさらした。

 ▽「地検に聞いて」

 「地検に聞いてほしい」。仙谷由人官房長官は、那覇地検が釈放決定を発表した約1時間半後の記者会見で、那覇地検が「今後の日中関係を考慮した」と説明したことの真意を質問され、素っ気なく言い放った。

 外務省の幹部は「われわれが働き掛けたわけじゃない」と、今回の決定には首相官邸サイドの意向があったことを強く示唆。“弱腰外交”との批判を外務省が受けないよう予防線を張った。

 地検を所管する法務省の柳田稔法相は「那覇地検は、上級庁の福岡高検、最高検と協議して判断した。法相として指揮権を行使した事実はない」と硬い表情でペーパーを読み上げ、関与を否定した。

 法務省内部からは「こうなることは逮捕時点で想像できた。海保の対応に問題があったのでは…」との指摘も漏れるが、海保筋は「担当検事も起訴するつもりだった。海保の処理は適切だった」と反論する。

    「完全に官邸首脳、官房長官案件だ。こういうのは絶対に痕跡は残さない」。官邸筋は政府首脳が判断したことを強くにおわせた。   

 ▽一転弱気に

 仙谷長官は14日、中国漁船の行動を「故意、意図的にぶつけてきている」と批判し「日本の国内法で粛々と措置しなければならない」と言明。満州事変の発端となった柳条湖事件から79年となる18日の前には、中国の世論に配慮して釈放に踏み切るとの憶測も流れたが、首相周辺は「あり得ない。政治的な判断は入らない」と否定していた。

 流れが変化したのは21日。中国の温家宝首相が訪問先のニューヨークで拘置中の中国人船長を「即時に無条件で」釈放するよう要求。閣僚級の交流停止などに加え、さらなる対抗措置も辞さない姿勢を鮮明にした。

 この直後、政府筋は「中国側の対応はエスカレートしている。(29日の拘置期限を待たずに)できるだけ早く結論を出した方がいい」と初めて弱気に。

 23日、中国・河北省で建設会社「フジタ」の日本人4人が軍事管理区域に許可なく侵入したため20日に拘束したと中国側が日本側に通報。レアアース(希土類)の中国から日本への輸出手続き停滞も判明し、中国は矢継ぎ早にカードを繰り出した。

 ▽米の影

 22日、米ニューヨークの日米外相会談。クリントン国務長官は、尖閣諸島に「日米安保条約は明らかに適用される」と明言し、中国をけん制。同時に対話による早期解決も要求した。日本政府の選択の余地は狭まっていたのも事実だ。

 中国国内の日本への反発は消えていない。中国人民大国際関係学院教授は「初めから船長を逮捕しなければ良かったのではないか。なぜ適切な政治判断ができなかったのか」と指摘。民主党代表選の「政治空白」が背景となったと見ている。中国の日本研究者らの間では「民主党は政権政党としての経験が浅く、大局に立って外交を考えられない」との失望感が広がった。

 自民党の谷垣禎一総裁は「『国内法に基づき処理する』と言いながら腰砕けになった」と批判。10月1日に召集される臨時国会で政府を追及する方針だ。


こんな外交は、幕末以来聞いたことがないように思います。

政権が今後どんな運命になるか、それはもう明らかです。

それにしても、総理と外相は知っていたんでしょうか。