今朝の国際ニュース | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

今朝の国際ニュース

秘書です。
アジア太平洋は、天気晴朗なれど波高し。


■中国首相が船長釈放要求 
2010/09/22 10:00 【共同通信】
訪米中の中国の温家宝首相が中国人船長を「即時に無条件で」釈放するよう日本に要求。新華社報道。


■中国、米に南シナ海領有権問題に介入しないよう警告
2010年 09月 21日 20:08 JST
[北京 21日 ロイター] 中国外務省は21日、米国に対し、南シナ海の南沙諸島領有権問題に介入しないよう警告した。日本のNHKは前週、米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)が今週ニューヨークで開催する首脳会合で南シナ海で軍事演習を行うなど、影響力の拡大を図る中国を強くけん制する内容の共同声明を発表する方針だと報じていた。
 中国外務省報道官は定例会見で「われわれは、米・ASEANが南シナ海問題に関する共同声明を発表する可能性に大いなる懸念を表明する」と発言。
 そのうえで「われわれは、南シナ海に関係ない国が介入し、国際問題化、より複雑にすることに断固反対する」と述べた。

■オバマ米大統領:アジア重視アピール 各国首脳と集中協議へ
毎日新聞 2010年9月22日 
 【ワシントン草野和彦】オバマ米大統領は22~24日、国連総会出席のためニューヨークを訪れ、アジア重視の姿勢を鮮明にする。大統領は23日に菅直人首相、中国の温家宝首相と会談、24日には米・東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議を主宰する。アジア各首脳との協議を今年11月のアジア歴訪の成功につなげたい考えだ。

 オバマ政権は、輸出倍増計画や世界経済の均衡ある持続的な成長は「アジアとの関係次第」(ホワイトハウス)と位置づける。人口6億人の東南アジアは米国にとって屈指の輸出市場だ。米・ASEAN首脳会議は昨年に続き2回目だが、大統領は今回、滞在中の参加行事のうち最長の2時間を割く予定だ。

 11月には、韓国での主要20カ国・地域(G20)首脳会議、日本でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が控える。「アジアの2大経済大国」(ホワイトハウス)である日本、中国の首脳との会談を設定したのも、アジアが舞台となる重要な国際会議を見据えたものだ。

 米国はアジアの安全保障上の安定化も重要視。中国が権益確保に走る南シナ海問題は「ASEANや米国の関心事であり懸念」(同)とし、かじ取りが注目される。尖閣諸島での衝突事件については「良好な日中関係は米国の利益」(スタインバーグ国務副長官)との立場で、日中首脳に対話を通じた解決を求めるとみられる

■【明日へのフォーカス】高畑昭男 尖閣に直結する南シナ海
2010.9.22 03:04産経新聞
 記録破りの猛暑が続いた8月末、ベトナム南部で開かれた「東アジア・フォーラム」(EAF)という国際会議に参加する機会があった。尖閣諸島沖で中国漁船の領海侵犯事件が起きる2週間前のことだ。

 日本であまり知られていないが、EAFは東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓のASEANプラス3首脳会議で設置された半官半民の意見交換の場だ。域内13カ国の産・官・学の代表が年に1回、地域統合の知恵や工夫を提供しあう。

 日本の窓口役は財団法人日本国際フォーラムが務める。今回で8回目という会議に参加して、ASEAN諸国のひたむきな姿としたたかな政治の知恵を垣間見る思いがした。

 ASEANは2015年を目標に政治・安全保障、経済、社会・文化の3つを柱とするASEAN共同体の実現を掲げている。08年にはASEAN憲章も発効した。

 ホスト国ベトナムの女性閣僚は基調演説で「東アジア統合はもはや夢でない」と訴え、分科会で会った同国商工会議所の代表は「国民の約半分は30歳以下だが、昨年は5%強、今年も7%の経済成長を見込める」と強調した。カンボジアの代表も「外国投資を呼び込めれば、もっと発展する」と意欲的だった。

 確かに13カ国の人口は世界の3分の1を占め、域内総生産(GDP)では24%にあたる。インド、豪州なども加われば規模はさらに膨らみ、「世界の成長センター」の統合にかける各国の期待と夢は大きい。

 もちろん仏教のタイ、イスラムのインドネシア、社会主義のベトナムなど地域の顔は多様だ。域内格差や異なる制度の調和など統合への課題は山ほどある。だが、何といっても最大の懸案は、自己主張を強める中国の巨大な影にどう対応するかにあるように強く感じられた。

 もちろん会議の主題は統合へ向けたインフラ整備や人的・物的交流の促進だったため、各国が安全保障でぶつかるような場面はなかった。

 とはいえ、1カ月前にハノイで開かれたASEAN地域フォーラムでは、中国が「核心的利益」とする南シナ海の航行の自由や領土紛争をめぐってクリントン米国務長官が中国外相と激しいサヤ当てを演じた。

 その3週間後、ベトナムは同じ南シナ海で米国と初の合同訓練を展開し、米海軍のイージス艦や原子力空母などが参加して中国を牽制(けんせい)してみせたことも記憶に新しい。

 地域の外交筋によれば、ASEAN、とくにベトナム、タイなどメコン諸国は「日米やインドを巻き込んで中国との力の均衡を図り、経済統合では相互依存関係を築くというしたたかなゲームを展開している」というのが最新の情勢だ。

 会議はわずか2日だったが、今思えば「巨竜」の影に集団で挑むASEANの姿勢がこの1カ月に凝縮されていたように思う。南シナ海の水温もさぞや上昇したことだろう。

 そんな中で起きたのが尖閣諸島沖の事件である。アーミテージ米元国務副長官が「日米は中国に試されている」とし、事件を「ベトナムやマレーシアなどへの中国の警告」と指摘したように、南シナ海と東シナ海の問題の根は同じといっていい。

 「アジア復帰」を宣言したオバマ米政権も日本に続いてジャカルタにASEAN常駐代表を置く。日米が結束し、ASEANと連携して東シナ海と南シナ海の風通しをよくする必要がある。(論説副委員長)


■米ASEAN首脳会議:米、調停役示す好機--ジョージタウン大教授に聞く
毎日新聞 2010年9月21日 東京夕刊
 ◇中国が台頭、南シナ海権益
 【ワシントン草野和彦】オバマ米大統領は国連総会期間中の24日、2回目となる米・東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議をニューヨークで主宰する。中国が台頭する中での米国のASEAN政策や、10月に総選挙を控えるミャンマー問題について、東南アジアの専門家で、米国のミャンマー研究の権威でもあるジョージタウン大のデービッド・スタインバーグ教授に聞いた。

 --首脳会議の重要課題は。

 ">>◆一つは(中国が権益確保に走る)南シナ海の問題だ。中国は「すべての国の自由航海を保証する」として事を収めようとしているが、米国は満足しないだろう。

 --米国は中国を封じ込めたいのですか。

 ◆違う。米国の国益は地域の安定化だ。中国に関する東南アジアの問題が平和的に解決され、特定の国が地域で支配的にならないことだ。ブッシュ前政権が無視した東南アジアとの関与をオバマ政権が進めるのは建設的なことだ。東南アジアそのものが強くなれば、中国の影響力拡大を防げるからだ。

 --ASEANに対し、米国の関与をどう示すべきでしょうか。

 ◆南シナ海問題は、米国の調停役的な立場を示すよい機会で、ASEANが問題解決をリードするように働き掛けるべきだ。ベトナムなどは、南シナ海だけでなく、ミャンマーでの中国の影響力拡大を懸念しており、米国が重要な役割を果たすことを望んでいる。

 --オバマ政権とミャンマーとの対話路線は奏功していません。

 ◆その通りだ。米議会から制裁強化を求める声が出ているが、効果があるとは思わない。選挙後のミャンマー新政権との交渉を難しくすることになる。

 --中国との関係を深めれば、対米関係改善は必要ないのでは。

 ◆ミャンマーは、中国への過度の依存は望んでいない。米国の侵略を防ぐため良好な対米関係を望んでいるが、一方で制裁には屈しないだろう。

 --米国は、新政権とどう付き合うのでしょう。

 ◆公正で自由な選挙だと言えなくても、暴力がなかったら、ASEANや国連は「小さな前進だ」と言うだろうが、欧米は認めないだろう。だが、新政権が経済改革を進め(一党独裁下の市場経済という)中国のような形に進んだ場合、米国は難しい対応を迫られることになる。