日本型デフレ社会:アニマルスピリットなき「植物的経済」になってしまいそうですが | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

日本型デフレ社会:アニマルスピリットなき「植物的経済」になってしまいそうですが

秘書です。
今朝の読売新聞9面「経済混迷②識者に聞く」で米国のエコノミストが以下のように日本経済について語っています。


①デビット・ウィス(スタンダード&プア―ズ チーフエコノミスト)

「日本は輸出主導で内需拡大に結び付かなかったことがデフレを深刻化させたが、米国は輸出が景気を引っ張る可能性は低い。米国でも「日本型デフレ」の懸念が取りざたされているが、その確率は15%に過ぎない。」

②ロバート・シラー(エール大学経済学部教授)

「多くの人が日本のバブル崩壊後の「失われた10年」と比較するが、いくつかの同じような兆候は今の米国にも見られる。」

「米国が日本型デフレに陥る可能性もいくらかあるだろう。ただ、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は断固として防ぐとしており、深刻なデフレにならないのではないか。」

(景気の不透明感が強まり)「アニマルスピリット(野心的意欲)」が低下すると、悲観的になりやすい。政府が追加の景気刺激策を取らなければ、人々の心理はさらに落ち込むだろう。」


日本国内では、「日本型デフレ」の原因と解決策について決着がついていませんね。日本型デフレは何だったのかを解明することは、世界への貢献なのかもしれません。

日銀は、デフレファイターのバーナンキさんの考え方に賛成なのでしょうか?反対なのでしょうか?

批判をするわけでもないし、同じ政策をとるわけでもない。

そこが「謎」の部分ですね。

これだけ長い「日本型デフレ」を放置し続けると、何もしないで現金をもっていればいい、自分の安全な身分と地位を確保できればいいという「アニマルスピリット(野心的意欲)」なき「草物的経済」が本当に定着してしまいそうです。じっと動かず、太陽をあびるポジションどりの争い。どっかの葉っぱに太陽が当たると他はさえぎられるという完全なゼロサム社会。誰かを排除しなければポジションを維持できないという陰湿な身分・地位中心社会。誰かが太くなるために他を間引き排除する社会。次は自分が排除されるのではないかという不安がなくならない社会。植物でさえ、もっと調和して生きているでしょうから、この「植物的」というネーミングは植物にも失礼ですね。「日本型デフレ社会」が一番いい表現でしょうか。