政策選挙:物価目標の設定・郵政民営化は? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

政策選挙:物価目標の設定・郵政民営化は?

秘書です。
先日の政策選挙の結果がでたようです。



■「国民の求める政策」を無視する民主党政権
(2010/08/20 ウェブ版フォーサイト)
原英史 政策工房代表取締役社長
http://www.shinchosha.co.jp/foresight/pre/genre/genre2/133.html
 来年度の国家公務員給与に関する「人事院勧告」が8月10日に公表された。内容は、民間水準にあわせて平均年間給与を1.5%下げるというもの。カットとはいうが、これでは、民主党がマニフェストで掲げていた「人件費2割削減」には程遠い。
それなら、勧告より深掘りした給与カットに踏み込むのかと思えば、原口一博総務大臣は「人事院勧告を尊重する責務がある」と発言している。
 これはおかしな話で、法律上、勧告の尊重義務など存在しない。国家公務員法上の制度は、人事院勧告を参考に、内閣が給与改定案を作成し、最終的には国会が決定するというもの。過去にも、鈴木善幸内閣で「財政非常事態」を宣言し、人事院勧告に従わなかった例はある
 マニフェストより人事院勧告を「尊重」しているのでは、お話にならない。

「お題目」と「具体策」の大きな乖離

 このように、「お題目」と「具体策」のつながらない民主党政権を、国民はどう見ているのか。
それを示すのが、岡田彰・拓殖大学教授、鈴木崇弘・城西国際大学客員教授、筆者ら数名で7月末に実施した「政策選挙」プロジェクトの結果だ。これは、「政策」が争点にならなかった参院選へのアンチテーゼとして、「政策」に関する民意を明らかにしようとしたもの。
 「公務員制度改革」「景気浮揚」「郵政改革」「普天間基地」などの政策テーマごとに、政党名を伏せ、各政党のマニフェスト(ないし公約、アジェンダ)に掲載された政策を並べて、インターネット上での投票を受け付けた。
投票の仕組みと結果詳細は、サイトを参照いただきたい(http://seisakusenkyo.org)が、ここから浮かび上がってくるのは、
・「国民の求めている政策」には「具体策」を示せず
・「国民の求めていない政策」に邁進する
 という民主党政権の姿だ。
 「公務員制度改革」についての投票結果をみると、単に「人件費2割削減」という「お題目」にとどまった民主党と、「給与2割、ボーナス3割カット」「天下り斡旋に刑事罰」などの「具体策」に踏み込んだみんなの党への支持率の違いは歴然としている。
 みんなの党支持層では、「民主党の政策支持」4.6%、「みんなの党の政策支持」69.0%。これは当然としても、無党派層でも、「民主党の政策支持」2.7%、「みんなの党の政策支持」48.2%。そして、民主党支持層でさえ、「民主党の政策支持」5.9%、「みんなの党の政策支持」29.4%、といった具合だ。
  国民は、「お題目」にとどまらず、「具体策」を求めているのである

「経済政策」「郵政改革」でも深い溝

 「公務員制度改革」と並んで、関心度の高かった「景気浮揚」でも、民主党政権の「具体策」は乏しい。8月に入って、円高急伸、長期金利の低落など風雲急を告げる中でも、官邸は夏季休業状態で、動きは鈍いままだ。
 そんな中、8月10日、中川秀直議員(自民党)、山本幸三議員(自民党)、渡辺喜美議員(みんなの党)が3者連名で、日銀の白川方明総裁に対し公開討論の申し入れを行なった。3議員が求めているのは、物価目標の設定と金融緩和だ。
 実は、参院選でのマニフェストを見ると、自民・公明・みんなの3党はいずれも「物価目標の設定」を掲げている。
 「政策選挙」プロジェクトでの投票結果を見ると、「物価目標の設定」を明記した3党への支持率(自民、公明、みんなのいずれかの政策への支持を合計)は、自民党支持層で62.9%、みんなの党支持層で67.0%、無党派層で62.5%、民主党支持層では39.2%
 もちろん、各党とも、「物価目標」以外の景気対策も掲げているので、この数値が直ちに「物価目標」への支持ということではない。だが、少なくとも、自民党・みんなの党支持層と無党派層では、「物価目標」の明記が高く評価されている可能性があるとみてよいだろう
 もう1つ、「政策選挙」の結果から明らかになるのは、民主党政権が、「国民の求めていない政策」に邁進していることだ。 典型例が「郵政改革」や「派遣労働規制」だ
 たとえば「郵政改革」では、今回の参院選での各党のマニフェストの記載を見ると、以下の3つの立場に分類できる。
・「政府法案」路線: 民主・国民・社民。株式会社形態は前提としつつ、政府による株式保有などを定め、従来の「郵政民営化」を軌道修正。
・「郵政民営化」路線: 自民・公明・みんな。政府法案は「郵政民営化」の後退とし、従来の「郵政民営化」路線の続行を主張。
・「郵政公営化」路線: 共産。「郵政民営化」路線の対極で、「公的事業体として再生」を主張。
 自民党・みんなの党支持層が、「郵政民営化」路線を強く支持することは当然だろうが(自民党支持層では89.2%、みんなの党支持層では95.0%)、注目すべきは、無党派層と民主党支持層だ。
無党派層では、「政府法案」路線支持12.9%に対し、「郵政民営化」路線支持75.3%。民主党支持層でも、「政府法案」路線支持12.0%、「郵政民営化」路線支持76.0%、という結果なのだ。
 こうした、民主党支持層でさえ支持していない政策を、民主党政権は引き続き追求していくのだろうか。
 今、民主党政権に求められているのは、「国民の求めていない政策」は見直し、「国民の求めている政策」にきちんと具体策を示すことだろう。
 来る民主党代表選では、こうした争点を明らかにして、政策論争がなされることを期待したい。


おもしろい調査ですね。エリートの熟議より、無作為抽出の市民の熟議のほうがただしい結論がだせる時代の到来は近い予感がしますね。なぜ、エリートの熟議がだめなのか。それは生身の人間だから自己保身や組織防衛のために利害関係者の思惑が浸透してくるからでしょう。司法において裁判員制度という無作為抽出市民の判断を尊重しているのに、立法はどうなのか?民主党の市民参加は、間接民主制の根幹にかかわる何かができるのか。これまでの行政府の庶務権に仕切られた審議会方式の延長でいくのか、注目です。そして野党は?下記のHPのご参考に。


(参考)国民はどんな『政策』を求めているのか

http://seisakusenkyo.org/

 今回の参議院選挙では、「マニフェスト」の位置づけが大きく低下したと言われました。理由は、約束が実行されない姿に国民が失望したためでしょう。
 この結果、選挙を通じ、「国民はどんな『政策』を求めているのか」が明確になっていません。
 こうした状態のまま、政党間の多数派工作や党利党略だけで、『政策』が決まっていくことは、望ましいこととは思いません。
 本プロジェクトでは、あらためて、「国民はどんな『政策』を求めているのか」を明らかにすることを目指し、以下の活動を実施しました。

1.第1回政策選挙(インターネット投票)

有権者一人ひとりが、包括的に政党を選ぶ代わりに、
 ①まず、自分が大事と思う「政策テーマ」を選び、
 ②それぞれの「政策テーマ」ごとに、各党のマニフェストで示された中から、最も良い「政策」を選ぶ。

投票日: 7月25日(日)0時~8月1日(日)24時まで


投票結果(PDF) | 投票表紙(イメージ) | 選挙の詳しい説明


○『現代ビジネス』に関連記事が掲載されています 「政策選挙プロジェクト」の結果概要
○中川秀直事務所公式ブログ『志士の目』 政策選挙をどう解釈しましょうか?



2.公開シンポジウム「国民はどんな『政策』を求めているのか」

テーマ:
 ①「政策選挙」の集計状況をみて
 ② 今後の政策論争と政界再編の展望

日時:2010年7月27日
場所:ル・プティ・トノー虎ノ門店
主催:シンクタンクサロン

シンポジウムの一部を動画(Ustream中継の録画)でご覧いただけます。