与野党ねじれ国会に込められた民意(中川語録) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

与野党ねじれ国会に込められた民意(中川語録)


新報道2001の調査結果によると、民意は大連立を含む連立枠組みの変化は望んでおらず、政策ごとに与野党がよく話し合うことを求めている。(下記世論調査参照)



私は2007年の参院選で衆参ねじれ国会が生じたときも、民意は与野党よく話し合うことにあるととらえていた。しかし、2007年の民主党はこの民意を無視して、参議院で拒否権を行使することで政府の機能不全をアピールし、政権交代の原動力とした。



そして、2010年、再び、民意は衆参ねじれ国会をもたらした。与野党よく話し合うように、という民主主義のあり方は、英国をモデルとする英雄型リーダーシップ論、党議拘束による多数決主義論とは異なるものである。90年代以来の政治行政改革のモデルとして共有してきたものを根底から変える必要があるのではないか。日本のように対等な二院制をとる国で、与野党対決モードで多数決主義をとれば機能不全になる。英国はモデルにはならない。民意は、89年、98年、2007年、2010年と衆参ねじれ国会をもたらしている。民意は、日本らしい与野党よく話し合う政治で改革を進めることを望んでいるのではないか。



98年参院選で衆参ねじれ国会が発生した当時、野党民主党の代表として金融危機を政局の材料にせずに与野党合意をなした菅代表は、そのことを当時の自由党党首の小沢氏に批判された。そして、菅代表を批判した小沢氏は自民党と連立を組んだ。98年、もしも、自民党と自由党が連立を組んでいなければ、菅氏はどのような政治をするつもりだったのか。2007年のように政権交代のために政府を機能不全に陥れる政治をしたのか。それとも、与野党がよく話し合い、国民に対して共に責任を負う政治をしたのか。菅総理に、連立以外の新しい政治のビジョンがあるのか。残念ながら、そのメッセージがメディアから伝わってこない。



(7月19日記)中川秀直







(参考)「新報道2001」の7月15日調査の結果(カッコ内は前回7月8日調査)

問1 あなたは次の衆院選でどの党の候補に投票したいですか。

民主党 21・8%(28・8) 自民党 17・2%(16・6) 公明党 5・0%(6・2) 共産党 1・8%(3・2) 社民党 0・8%(1・4) 国民新党 0・2%(0・4) 新党日本 0・2%(0・0) みんなの党 9・4%(9・0) たちあがれ日本 0・2%(0・2) 新党改革 0・4%(1・0) 無所属・その他 0・8%(0・0) 棄権する 0・4%(1・4) まだきめていない41・8%(31・8)

問2 あなたは菅内閣を支持しますか。

支持する 35・0%(44・4) 支持しない 53・4%(45・6) その他・わからない11・6%(10・0)

問3 参院選で民主党が大敗。新たな連立の枠組みを模索する動きも出始めています。あなたは、民主党はどの党との連立が望ましいと思いますか。

自民党 6・6% 公明党 3・2% 共産党 1・6% 社民党 1・6% みんなの党 14・8% 国民新党 2・2% たちあがれ日本 1・0% 新党日本 0・4% 新党改革 0・0% その他の政党 1・2% 連立は組まず、政策ごとに部分連合する 51・2% (その他・わからない)16・4%

問4 民主党の新たな連立パートナーとして名前の挙がっている、みんなの党や公明党は、連立入りに否定的な態度をとり続けています。あなたはどう思いますか。

評価する 55・8% 評価しない 34・4% (その他・わからない)9・8%

問5 参院選の結果を受け、民主党の玄葉政調会長は、消費税増税を含めた税制改正の具体案について、「10年度中のとりまとめは困難」との認識を表明し、消費税論議が棚上げされる可能性も出てきました。あなたはどう思いますか。

消費増税論議は進めるべき 58・8% 消費増税論議は棚上げするべき 36・0% (その他・わからない)5・2%。