まねフェスト:徹底分析!それでもまだ民主党を支持しますか? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

まねフェスト:徹底分析!それでもまだ民主党を支持しますか?

秘書です。
さあ、民主党のマニフェストの勉強をしましょう。
比較するなら、民主党マニフェスト2009と2010!
いやー、改めて整理してみて、これはひどい。
つまり、昔の自民党に戻るってことですね。



■“古い自民党化”が進む民主党マニフェスト
(2010/6/23)原英史 政策工房代表取締役社長

http://www.shinchosha.co.jp/foresight/pre/genre/genre2/122.html

 国政選挙が近づくと、多くの新聞は、2大政党たる民主党と自民党の公約(マニフェスト)の比較表を掲載して、争点を浮き彫りにするのが恒例だ。しかし、今度ばかりは、新聞各社も困り果てたのではなかろうか。というのも、両党の公約にほとんど差異がないからだ。
 原因は双方の歩み寄りだ。自民党は、政権党時代には言えなかった大胆なことを言いだし、民主党は、野党時代に唱えていた尖がった主張を引っ込めた。結果として、同じ地点に辿り着いたわけだ。だが、どちらの振れ幅がより大きかったかといえば、明らかに民主党だ。結論からいうと、今起きていることは、「民主党の“古い自民党化”」、かつて民主党が批判していた「政策は官僚任せの、古臭い政治への回帰」と言ってよい。

消去された「ムダづかい根絶」

 民主党のマニフェスト(「 今年版」)を読み解くには、昨年のマニフェスト(「 昨年版」)と見比べるのが早道だ。すると「昨年版」の冒頭3ページ分がすっぽり抜け落ちていることが分かる。そこに、大事な内容が2つあったのだ。
 書いていない1点目は、“収支計画書”にあたる部分だ「昨年版」では、2ページと3ページを丸々割いて、「子ども手当などの新たな政策のために16.8兆円」が必要で、それを「ムダづかい根絶9.1兆円、埋蔵金活用など7.7兆円」で捻出する(平成25年度の場合)、という詳細な表が掲載されていた。だが、政権交代後に実際は、事業仕分けでムダをかき集めてもせいぜい7000億円弱にとどまったことは周知のとおり。そこで、“収支計画書”をどう修正するのかと注目していたら、何と全て消去して、“金額抜きの事業計画書”に書き替えてしまったのだ。
 報道によれば、「今年版」の発表後、仙谷由人官房長官は「残りせいぜい(ムダを)2兆円切れればいいところ」と発言したそうだから、要するに、昨年の計画があまりに大ボラだったので恥ずかしくて消してしまった、ということかもしれない
 それでは、「新たな政策」はどうするのかというと、「今年版」では、「既存予算の削減または収入増によって捻出」とだけ書いてある。「既存予算の削減」が2兆円しかないのだから、結局、「収入増」(増税)をやるまでは、ほとんど新しい政策はやらないというに等しい。だから、「昨年版」の目玉政策だった「子ども手当」も「高速道路無料化」も一気にトーンダウンし、いつどれだけやるのか全く不明な書きぶりになったのだ。

「脱官僚」は実現済み?

 書いていない2点目は、「昨年版」の1ページ目で高らかに謳われていた「官僚任せの政治からの転換」(脱官僚)だ。よくよく見ると、末尾で、既に「実現したこと」として、「政治主導の政策立案・決定」と「国家戦略室の設置」が挙げてある。つまり、「脱官僚」は「実現済み」なので、これ以上はやらないと言っているのだ。
 しかし、「実現済み」は明らかに誇大表示だ。鳩山前総理は総理当時、予算編成などが「財務省主導」になっていると自ら認めていた。そして、普天間問題では政治主導の大混乱を露呈した。そもそも、「昨年版」では「国家戦略局」を創設するはずだったが、今に至るまで準備段階の「国家戦略室」しかできていない。「脱官僚」は、どう見ても、せいぜいスタート地点をうろうろしている程度に過ぎない。
 それをなぜ「実現済み」と表記したかといえば、菅直人総理の真意は、実は、マニフェスト発表以前に明らかにされている。内閣発足の当日、政権運営の「基本方針」として、官僚との連携路線への転換をわざわざ閣議決定。その理由を会見で問われ、「官僚こそが政策のプロフェッショナル」と説明しているのだ。「官僚こそが……」というのは、裏を返せば「政治家は政策のアマチュア」という意味だ
 以上の2点を重ねてみると、「今年版」の冒頭の空白部分に、書いていないメッセージが浮かび上がってくる。「政策はプロの官僚にお任せ」「政策の大転換などという大それたことはやらず、旧来の政策を維持」ということだ。これこそ、「今年版」の“基本指針”だったのだ

焼き直しの「成長戦略」

 書いていない“基本指針”が分かれば、書いてあることの意味も分かりやすい。例えば、  「強い経済」という表題で、「グリーン・イノベーション」「ライフ・イノベーション」「クール・ジャパン」「観光」などの文字が並んでいる。どこか見覚えがあると思ったら、実はこれは、麻生内閣時代に作られた成長戦略(2009年4月「未来開拓戦略」)の3本柱「低炭素革命」「健康長寿(医療・介護など)」「魅力発揮(ソフトパワー、観光など)」と同じだ。つまり、「政権交代しても、政策は官僚が作っているので、中身は自民党政権時代と同じ」ということだ。 
 一方で、自民党政権時代から路線転換しようとしている「郵政改革」などは、中身にほとんど触れず項目を挙げた程度。こうして、書いてあることのほとんどが自民党と似たり寄ったりになったのだ
 昨年までは民主党の金看板だった「天下り根絶」はどうなったのか。 さすがにお題目だけは書いてあるが、「隠れた天下りがいまだ続いている」と認めつつ、それを解決する具体策がない。これも、大それたことはやらないという“基本指針”どおりだ。
 ちなみに、菅総理の所信表明演説では、「天下り禁止の取組を本格化する」と表明した。この演説は、おそらく官僚の作文をそのまま読み上げたのだろうが、「取組を本格化」というのは、いわゆる『官僚のレトリック』の一つで、翻訳すれば「やらない」という意味だ。  もっと有名な同義語で「前向きに検討」というのがあるが、どちらも、10年後に聞いても「まだ検討中です(本格的に取り組んでいます)」という答えが返ってくることになっている。
 現に菅内閣は、7月の役所の定例人事を前に、6月22日、「退職管理基本方針」なる文書を閣議決定した。その中では、天下りの代わりに「独立行政法人への現役出向」や「新たな専門スタッフ職」(幹部用の窓際ポスト)の創設が決められた。「これらは天下りではない」と強弁するつもりかもしれないが、天下りを目前に控えた幹部官僚の特権擁護に他ならない。「天下り根絶をやらない」という以上に、積極的に「天下り温存」工作   に乗り出したようなものと言うべきかもしれない。
 官僚宥和路線の中で、代わりに新機軸として打ち出したのが「政治家自らが身を削る」「国会議員の歳費の日割り化」や「衆参議員定数の削減(計120程度)」などだ。しかし、昨年夏にあれだけ言っていた「脱官僚」も「天下り根絶」も断念した姿を見てしまった今日、この約束が守られるとはなかなか信じがたい。

「第3の道」の本当の意味

 もう1つ「今年版」に書いてあることを挙げておくと、菅総理の生い立ちやお遍路姿だ。これは、選挙戦は政策で勝負するのでなく、菅さん個人のイメージで勝負する、という意思表示だろう。かつて選挙を前に「麻生人気」を頼ろうとした自民党と重なって見えてくる。
 こうして民主党が“自民党化”した結果、急浮上してきたのが「消費税増税」だ。「今年版」マニフェストの文面上はそこまで踏み込んでいないのだが、菅総理は突っ走って、「自民党を参考に10%」と数字まで言及した。2大政党がどちらも「10%」を公約にしているのだから、論戦にもならない。
菅総理は、かつて「鼻血も出ないほどムダをなくしてから」と言っていたことなど、すっかり忘れ去ったのだろうか。「今年版」マニフェストには、「ムダづかい → 強い財政」という意味深な矢印の入った見出しがあるのだが、真意は、「『ムダづかい削減』路線 → (強い財政という名の)『増税』路線」ということかもしれない。
 菅総理は、公共事業中心の「第1の道」、市場原理主義の「第2の道」とは違う「第3の道」を歩むという。以上見てくると、「第3の道」の本当の意味が分かるような気がする。私流に言い換えれば、
「第1の道」は、経済成長の中での「大きな政府」路線、
「第2の道」は、経済停滞の中での「小さな政府」路線、
「第3の道」は、経済停滞を抜け出せないままの「大きな政府(バラマキ続行、増税)」路線だ。
 最後の道は、常識的に考えれば、確実に破滅への道だ。
 
 



私は最近思います。堂々と官僚主導をとなえる古い自民党型の人と、表では官僚批判をして裏では古い自民党型をやっている人とどっちが悪いか。

おなじじゃないですよ。後者のほうがずっと悪い。期待を裏切っているわけですから。

それにしても、なんでマスコミのみなさんはこんな感じで客観的に報道しないんでしょうか。沈黙の原因は何なんでしょう。

まだ、「民主党を批判すると自民党を利するだけ」とかそんなことを思っているのでしょうか。

昔、「アメリカの戦争犯罪を追及することは結果として日本軍国主義を正当化することにつながりかねないので自制する」という風潮が一部の歴史研究者にあったという話を聞いたことがあります。

それに似てますね。そういう恣意性があってはいけないと思います。


では、官僚のレトリックを下記の本で学習しましょうか。




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原英史
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