菅エコノミクス:正直に堂々と「増税の旗」を高らかに掲げては? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

菅エコノミクス:正直に堂々と「増税の旗」を高らかに掲げては?

秘書です。
いよいよ増税決戦!
総理、参院選前に正直に語りましょう。
参院選後の「増税後出しジャンケン」は通用しません。



■財政再建、調整難航も…公約「消費税」明記焦点
6月4日17時24分配信 読売新聞

 民主党代表に選出された菅副総理・財務相は、財務相就任後、44・3兆円と過去最大にまで膨らんだ国債発行額の抑制を目指す財政再建を政策の柱として打ち出している。

 代表就任により、民主党が最終調整している参院選公約に消費税の増税が明記される可能性が高まるが、小沢幹事長を中心に増税に否定的な議員が多く、党内調整が難航する可能性もある

 「リーマン・ショックで税収が大きく下がり、無駄の削減は思ったほどのスピードで実現できなかった」

 菅氏は3日夜の記者会見で、政策の財源は行政の無駄削減で確保できるとした衆院選政権公約(マニフェスト)の見通しが甘かったことを認めた。

 その上で、国債発行額の増大については、「無限に借金が増えるような方向性を正していけると思っている」と述べたことで、党内では「首相として、消費税を含む歳入改革に取り組む意欲を示した」(中堅)という受け止めが広がっている。

 菅氏は元々、消費税増税に積極的なわけではなかったが、今年1月の財務相就任後、「ギリシャの財政危機への対応などで国際会議に出席するなど、実務経験を積む中で、財政再建や消費税への理解を深めた」(財務省幹部)とされる

 2月には「消費税論議は2011年度以降」としていた考えを事実上、軌道修正し、論議を前倒しすることを表明。5月に11年度の新規国債発行額を「44・3兆円」以下に抑え込む考えを打ち出した。国債発行を抑制すれば、子ども手当などマニフェストに掲げた政策をすべて実施するのは困難で、党内では選挙を控える参院側を中心に反発を招いた

 元々、財政再建派には仙谷国家戦略相や玄葉光一郎衆院財務金融委員長など、小沢氏と距離を置く議員が多く、今回の代表選での菅氏支持層とも重なっている。

 これに対し、小沢氏は「第一に取り組むのは、無駄をやめる決断」との立場で、財政再建をめぐる考えの違いは「親小沢」対「反小沢」の党内対立につながるという見方もある

 民主党は参院選公約を週明けに最終決定する方針だ。参院選に向け、党内融和を優先して増税論を封印するか、マニフェストを修正して増税方針を示すか、難しい判断を迫られることになりそうだ。



正直が一番!



■郵政法案、今国会で成立期す=会期延長「新体制で議論」―新首相
6月4日18時46分配信 時事通信

 菅直人新首相は4日夕の記者会見で、郵政改革法案について「今国会で成立を期すという形で(国民新党と)合意している」と明言した。今国会の会期については、「基本は(16日までの)会期で終わるのが普通だが、新しい体制ができた中で議論が必要だ」と述べ、会期延長の可能性を示唆した。
 消費税の扱いに関しては、「表現の仕方を含め、新たな内閣、新たな執行部で方向性を示していきたい」と述べた。 



いまや、問題は「表現の仕方」ではありません!「税率」です!!(郵政改悪法案の強行採決はやめましょう!)



■消費増税を模索=今月中に「中期フレーム」策定―財政規律派の菅新首相
6月4日20時31分配信 時事通信
 菅直人新首相は、先進国最悪の財政の立て直しに強い意欲を示した。約5カ月の財務相在任中に消費増税を含めた税制抜本改革に向けた地ならしを着々と進めてきており、増税のタイミングを模索することになりそうだ。新政権の当面の課題は、財政健全化計画を盛り込む「中期財政フレーム」と「財政運営戦略」の策定。6月中の閣議決定に向け、参院選を前に増税路線に拒否反応を示す与党内の意見を集約し、消費増税の具体的な道筋をどこまで明記できるかが焦点となる
 菅氏は4日の会見で「経済成長と財政再建、安心できる社会保障を一体的に実現する方向性を示したい」と強調した。既に2011年度予算編成での新規国債発行額について、10年度予算の44.3兆円以下に抑制する方針を表明。11年度は子ども手当満額支給など社会保障分野だけで7兆円もの追加財源が必要となるため、増税もしくは衆院選マニフェストの見直しによる大幅な歳出削減を迫られている。
 もともと菅氏は「(消費増税は)鼻血が出ないほど無駄をなくした後」と増税には慎重だった。しかし、ギリシャ危機に端を発した世界的な信用不安の高まりの中、「財政規律派」に方針転換し、最近は「増税による景気回復」が持論だ。 
 また、将来の消費増税に備え、休眠状態の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)も再開。同審議会は「増税分を経済成長につながるように財政支出すれば景気にはプラス」と菅氏を後押し。さらに政府税制調査会の専門家委員会も消費税と所得税の増税の必要性を明記した中間整理案を近く公表する段取りになっている。 



「増税による景気回復」!!国際会議で、先進国首脳サミットで、こんな論理を日本国総理大臣にスピーチさせるのでしょうか?

郵政改悪法案が成立したら、WTOで大塚副大臣の「個人的な試算」で欧米に反論する(大塚副大臣は留任されるのでしょうか?)。

それにくわえて、「増税による景気回復」論。ぜひ、モデル・シュミレーションを公開していただきたいですね。単なる「勘」で菅総理に「増税による景気回復」なんて言わせてはいけません。

財政審の先生方でついているんですよね・・・



■財政審:消費税増税、景気にマイナスにならず…委員ら一致
毎日新聞 2010年5月18日 21時30分
 財政制度等審議会(財務相の諮問機関、会長・吉川洋東京大教授)は18日、財政制度分科会を開き、消費税増税の影響について論議。委員らは「消費税増税は必ずしも景気にマイナスにはならない」との認識で一致した

 この日は、委員の井堀利宏・東京大大学院教授が、97年に消費税率を3%から5%に引き上げた当時の財政・経済状況について報告。97年4月以降の景気後退の主因は増税ではなく、同時期に起きたアジア通貨危機や金融危機の影響が大きかったとの考えを示し、委員の間で意見の一致をみた

 井堀委員はさらに、増税分を財政健全化に回すことなどで、将来に対する安心感が生まれ、「景気にプラスになる」と主張した。菅直人財務相は「正しい使い方をすれば増税で景気がよくなる」との持論を展開しており、今回の財政審の議論は菅氏の持論を下支えすることになりそうだ。【久田宏】



これって、日本国内では通用してしまうのかもしれませんが、世界に通用する議論ですか。同盟国のアメリカの経済閣僚やエコノミストに通用するんですか?菅総理は勘で話している、なんて言われないでしょうね?



■財政制度等審議会財政制度分科会
http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/gijiyosi/zaiseia/zaiseia220518.htm

〔議事要旨〕
1.日時 平成22年5月18日(火)11:00~12:00

2.場所 財務省国際会議室(本庁舎4階)

3.出席者

(委員)
井伊雅子、井堀利宏、田中弥生、富田俊基、中里透、吉川洋

(敬称略)

(財務省)
菅大臣、荒井総理補佐官、峰崎副大臣、大串政務官、主計局長、木下主計局次長、主計局総務課長 他

4.議題

○ 財政健全化と経済

「財政健全化・消費税とマクロ経済活動」
- 井堀 利宏  委員

5.議事内容

○ 「財政健全化・消費税とマクロ経済活動」というテーマで、井堀委員よりヒアリングを行った。井堀委員の説明の要点は以下の通り。

•平成8年から10年の家計消費の動向は、8年10-12月期に前期比1.2%、9年1-3月期は2.0%で、あわせて3%程度のプラス。その後、9年4-6月期は▲3.5%とマイナスとなったが、7-9月期にはプラス0.8%と回復。従って、指標をみれば、駆け込み需要と反動減があったが、トータルとしての影響は出ていない。

その後、平成10年にかけて消費のみならずいろいろな指標が悪くなったが、これはアジア通貨危機等の影響があり、仮に金融不安が起こらなかったとしたら、景気への悪影響はそれほど起こらなかったのではないかと、指標を見る限りは考えられる

•増税と支出の組合せを4ケースに分けて示した。支出との組合せをセットで考えるべき。例えばケース2(必要な支出に充てる)の場合には、仮に1兆円の増税を1兆円の政府支出に充てれば、政府支出の増加に比べて、増税による消費の減少分の方が小さいので、均衡予算乗数が働き、単純なモデルでは1兆円のGDP拡大となる

増税を財政赤字縮減に充てる場合も、理論的には現在の増税は将来の減税とセットである、とみることができる。仮に、家計や企業が将来の減税を織り込んでいれば中立命題が成り立つ

•消費税(付加価値税)には課税のタイミング効果があり、勤労世代のみが負担する税ではないため、若いときに負担する税が少ない分、貯蓄を促進し、経済成長に効果。

○ これに対する委員及び政務三役からの主な意見は以下の通り。

•所得税は勤労世代のみ負担。一方で、消費税は今の高齢者も負担するため、将来の世代からみれば(所得税と比べ)メリット。その結果、貯蓄が増え、新古典派的には経済にプラスの効果。ただ、所得減税と消費増税を同時に行った場合に、現在の高齢者は所得減税の恩恵を受けないので、消費増税による負担のみを受けるという面はある。

•年金は物価スライドがあるので、消費税の増税によって高齢者層の負担増とは必ずしも言えないのではないか。

•高齢者が全て年金だけで生活していればそうだが、実際には、通常の高齢者は年金以外の資産も活用して消費をしているのではないか。

平成9年当時は、景気が悪くなった原因は何でも消費税という風潮があったが、冷静に議論すれば、今日の発表のように、主な原因は消費税ではなかったと思う。反動減の翌期の9年7-9月期の消費の指標は、今回の資料では季節調整が新しくなっているが、当時の季調値では+3.1%と回復していた。当時の株価は、96年から下がっていたが、これは小売やデパートといった消費税関係銘柄ではなく、銀行や証券の株が暴落していた。更に、7月にはタイ・バーツ危機、11月には三洋証券、拓銀、山一の破綻という消費税とは別の要因があった。

ただし、所得税の減税は消費税増税より2年間先行し、タイムラグがあったため、理論的には税収中立だとしても、負担感という意味では大きかったのではないか。

•平成9年の状況として、全体として、議論に異論はないが、全体としての当時の経済政策に批判的な考えもある。当時は不良債権処理が終わっていなかった。また、税以外の社会保険料等の負担増があった。

消費税そのものの影響ということでいえば、ドイツ等をみても、それが経済を中長期的に悪化させたとは言えないのではないか。

いずれにせよ、消費税の経済への影響という議論は、経済政策の副作用に関する議論。しかしながら、97年当時GDP比100%程度だった公的債務残高は現在180%超であり、日本がギリシャのようになる可能性はまだ低いがゼロではなく、CDSプレミアムが高まってきているなど、市場もそう見ている面がある。

増税の副作用の議論は重要だが、病気本体の重さが増しているという点も含めて考えるべき。

•当時、何故先行減税をやったのか、結果的に全く意味がなかったように思う。平成9年の状況が政治に与えた影響は大きい。消費税を特別な税にしてしまった。副作用をどうやって解いていくのか、政治論と経済理論の双方から考えていく必要。

増税しても成長する、というのはパラドックスのようでもあるが、ポイントである

•歳入と歳出の両面を考える必要。全体として税を分担して、消費性向の高い人に消費をしてもらうようにする。失業者がいない状況になったら、また状況が異なるのかもしれないが、今の状況では支出面の充実を含めて経済成長策として考えていく必要。

支出面では、TFPを考えると、教育投資も重要ではないか。社会保障と教育を税でやる、という考え方はどうか。

•97年と現在では財政状況が異なっており、近い将来の増税においては、歳出や減税で直接返ってくる部分だけではなく、財政赤字の削減にかなり使わなければならないのではないか。すなわち、これまではケース2、ケース3であったが、今後は増税分全体ということではないが、一部は財政赤字削減に使わなければならない。しかし、それは、将来に使えるお金が残るということでもある。今有益に使うということだけでなく、将来の社会保障に使うということを家計がどう評価するか。仮に将来のことを家計が考えないとすれば、現在の負担のみが残ってしまう。将来政府がきちんとやります、ということを国民がどこまで信頼しているか、また国民が子や孫のことをどこまで考えているか、という問題でもある。

もっとも、現在の国民が将来のメリットに関心がなくて負担増であると感じるとすれば、逆に将来の人からみれば、その時点では負担減を感じるとも言える。 

今の景気が非常に悪い、たとえば今が100年に一度の経済危機で5年、10年先には自然体で経済が良くなるということなら、今は財政赤字を増やしても、ということにもなるが、現在と将来とどちらが大変な状況だとみるのか。今後の人口減少などからすれば、将来の方が大変なのではないか。

また、公共投資よりも人的資本や知的資本が経済成長に効くという議論はあるが、教育予算を単純に増やしたからといって知的資本が増えたり、イノベーションが起きるかといえば難しい。規制改革などの話があり単に量的に増やせばいいという問題ではない。

•社会保障の機能強化と財政再建をどう優先順位をつけるか、という議論がかつてもあった。かなりの部分は機能強化をして、新たに皆で買い物をする、という発想でないと(増税に)国民の理解を得るのは難しいのではないか。国民が分担するという発想には共感。

•日本の長期金利が安定している一つの要因には、将来増税の余地があるという安心感をマーケットが買っている。これをどう考えるか。

消費税を増税した時の経験から留意すべき点として、

① 消費税の後に医療費などの負担増が出てきたこともあり、負担増の打ち止め感がなかったこと。したがって、政府としては長期的なビジョンを出しておくべき

② 今の所得を全て流動性に回さないといけない流動性制約家計に対しては、なんらかの手当てをする必要がある。

③ 駆け込み需要と反動減は、全体としては大したことはなかったかもしれないが、住宅投資には大きな波が起こりうるので注意すべき。

(以 上)


これは、菅大臣ご出座の会合です!
まさに、菅エコノミクスの中枢だ!
エコノミストのみなさん!
上記の意見は、菅民主党政権コンセンサスのようです。異論・反論・オブジェクションはありませんか?



■財政制度等審議会 財政制度分科会
記者会見平成22年5月18日
http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/kaiken/zaiseia/zaiseia220518.htm

〔大串大臣政務官〕ありがとうございます。政務官の大串でございます。

きょう、財政制度等審議会財政制度分科会の、2回目の会を行いまして、お手元に資料がいっていると思います。きょうは井堀先生から「財政健全化・消費税とマクロ経済活動」ということで、お手元の資料を見ていただければ、ざっとご理解いただけると思いますけれども、平成9年の消費税率引上げ等々の例を見ながら、消費税の引上げ、財政健全化というものが景気に本当に悪影響を与えたのかということの議論をいただきました。流れとしては、平成9年の経済指標等々を見ても、駆け込み需要、いろいろな消費のでこぼこはあっても、ネットで見ると当時の影響としては金融危機の影響や、あるいはアジア危機の影響等々の方が大きかったのではないか。諸外国、ドイツやイギリスでの付加価値税の引上げのときの例を見ても、そういうことではなかったかということ、さらには、13ページ以降ですけれども、増税した場合に、どのような経済効果があるのかといったこと、これは基本的には、現在の増税が将来の減税ということと等価ということになるのであれば、それは中立的なことになるとか、あるいは増税して、それが使い道の問題も大きい問題なのだという議論等々が紹介されたところでございます。

これに関していろいろな議論がございましたけれども、技術的な質問以外では、幾つかの質問がございましたけれども、基本的には、ここに井堀先生から紹介されたように、平成9年の消費税率引上げ等々が景気に大きなマイナス要因、主たるマイナス要因ではなかったのではないかという議論が多かったと思います

かつ、吉川会長からも、今回は財政健全化、あるいは消費税等々に関する副作用の分析のことを、今これで議論しているのだけれども、今の財政の極めて厳しい状況が平成9年とはかなり異なってきているので、この点も含めて財政健全化のことをよく考えるべきではないのかというような議論がございました。

以上のような点がきょうの議論でございました。私からは以上でございます。

〔吉川分科会長〕私の方も今言っていただいたとおりです。

〔幹事〕きょう、ヒアリングをしたということなんですが、先ほどの財政健全化のお話ということなんですけれども、今、ギリシャの問題とか出ているんですが、そういった最近のトピックスみたいなところの議論というのはありましたでしょうか。

〔大串大臣政務官〕先ほどご紹介しましたように、財政健全化を行う、あるいは消費税の引上げを行うといったことの、ある意味副作用の議論も今回、井堀先生からも提示していただいているわけですけれども、やっぱり平成9年と比べて今の財政状況はかなり厳しくなってきているという現状を踏まえる必要があるのではないかと。ですから、財政健全化の必要性、ニーズ、緊要性みたいなものも平成9年とはかなり違って、高まってきているのではないか、こういうふうな現状認識での議論はありました。

〔幹事〕あと、すいません、増税が中立的というお話があったと思うんですが、これ、どういった理由で増税が、そんなに景気に悪影響を与えないのではないかというような議論があったんでしょうか。

〔大串大臣政務官〕いわゆる中立性の命題、中立命題と言われていますけれども、現在の増税が将来的な減税というふうに等価的に判断される場合においては、経済に与える効果はネットでゼロであると。あるいは逆に、現在の財政赤字というものが、将来の負担増にかわる、というふうに理解されるのであれば、現在、財政赤字を流しながら財政を拡張することは、将来の引き締めにつながるから、これもプラ・マイ・ゼロというような中立命題がありました。この点から、現在の増税が必ずしも経済に悪影響とはならないのではないかという論点が1つと、もう1つは、非ケインズ効果と言われているものですけれども、むしろ、財政健全化を行うことが、将来の安心感を生み、それによって現在の民間消費や投資を刺激して、現在から景気をよくする効果すらあるのではないかという、非ケインズ的な効果に関する論評もこれあり、こういった論点から景気に対する影響がマイナスとばかりは言えないのではないかという議論でありました

〔幹事〕特に景気にマイナスではないのではないかということについての反対意見みたいなものは、特にありませんでしたか。

〔大串大臣政務官〕議論の中で、もちろん厳密に見ていくと、現在、税を上げることによる所得効果、あるいは代替効果、これ厳密に見ていかなければならないところはあります。ですから、例えば議論の中で、非常に所得が現在低くて、資産が少なくて、すべての所得を今消費してしまわなければならないような世帯に対して何らかの手当てが必要ではないかという声とか、あるいは、住宅投資などには比較的大きな影響を与える可能性はあるのではないかというような声は一部ありました。

〔幹事〕あと、次回以降のテーマと、次回のスケジュールみたいなものがわかれば教えていただきたいと思いますが。

〔大串大臣政務官〕次回以降の日程は、またこれから検討して、決定しようと思っていますが、前回と今回と総論的なことを2回議論させていただきました。大変、意義ある、勉強になる会だったと思っています。ですので、こういう総論的なものをもう少し、どの程度掘り下げる必要があるのか。例えば、よく今議論として行われているのは、日本の国債市場、あるいは日本の財政状況というのは、例えばギリシャとは違うのだと。何となれば、国内債で国債が吸収されているから、かなり違うんだという論点とか、あるいは、将来的に税を引き上げる余地があるから、まだまだ大丈夫なんだとか、こういうふうな国内的な、いわゆる国債、あるいは赤字財政の吸収余力に関する論議が出てきております。こういうことも、ひょっとしたら総論的なものとして、もう少し議論を深めた方がいいかなという思いもありますので、この辺もちょっとまたよく考えながら、さらには、より各論でいうと、先般もご紹介しましたけれども、将来的には地方財政のあり方、財政制度のあり方とか、あるいはセーフティネットのあり方とか、各論はその後詰めていかなければなりませんけれども、今申し上げたような総論みたいなことももう少しやる余地はあるのかなという感じもしてはいます。

〔質問〕今回のこの分析なんですが、自分なりに一言で分析しますと、要は前回の消費税を3%から5%に上げたときは、景気に対しては中立であったと、こういう認識でまずいいのかということが1点と。

で、前回と今では財政状況が極めて異なっているので、今回はむしろ消費税を上げた方が、将来不安というものがなくなって、むしろ景気を浮揚する効果があると、こういうふうに今回は分析したと、こういう理解でよろしいんでしょうか。

〔大串大臣政務官〕前者の点に関しては、きょう、財審の先生方の議論をいただいたわけですけれども、井堀先生からの提起された論点及びご意見、交わされたご意見も、総体として見てみると、前回9年のときに引き上げた消費税の引上げが、主要な景気後退の要素ではなかったのではないか。むしろ、金融危機の影響、あるいはアジア危機の影響等々の方が消費を抑え、景気の足を引っ張った要因としては大きかったのではないか、こういうふうな大体の流れはあったと思います

それと同時に、後半で理論的な流れとして、健全化を行う、あるいは税を引き上げるということが景気に対してマイナスとだけのいろいろな議論、論理、あるいは理論があるわけではなくて、景気に対してプラス面の要素もあるんだということの紹介、それともう1つ、そのような副作用面の分析とともに、今おっしゃったように、現在は財政健全化のニーズ、緊要性が極めて高まっているということもあわせて考えなければならないという話があったということです

〔質問〕そうしますと、むしろ今、財政健全化ということで目標を設定していかなければいけないという状況においては、景気に対しては、むしろ、先ほど私が言ったように、将来不安がなくなるということで、浮揚させる効果というものが出てくるというふうに、今意見があった、あるいはきょうの審議会の中で、そういった方向感ができた、このようなイメージなんでしょうか。

〔大串大臣政務官〕審議会でいろいろ議論していただいているので、方向感を出す出さない、結論を出す出さないという場ではございませんでしたけれども、概ね皆さんの意見は、財政健全化を行っていく、そのために歳入面でも何がしかの取組みをしていくということが、現在においてマイナス面ばかりがあるのではないのではないか、経済に対するプラス面ももちろんあるのではないか。それは、先ほどおっしゃった安心感を高めるとか、こういった面での効果もあるのではないかという議論は、大体においてあったと思います。

〔質問〕97年当時の分析ということなんですけれども、当時は消費税引上げだけではなくて、社会保険の増だとか、特別減税の打ち切りとか、そういうこともあわせて言われていたかと思うんですけれども、消費税の増収分以上のものがあったとされている中で、本当にアジア危機の方がメインだったと言っていいのかということと、それを今、お話の中で諸外国と比べ、事例を見るとそうだというところなんですけれども、ストレートにそう言っていいのかというところが、ちょっとぴんとこないところがあるんですけれども、それはいかがでしょうか。

〔大串大臣政務官〕例えば、そういうことに関しても議論が少しありました。当時の株価の動きなんかも見ても、消費関連といいますか、消費関連のところの企業の株価が値崩れしていたのか、むしろ、例えば金融株の落ち方が明らかに大きかったとか、そのような統計を見ても、消費税関連が大きな影響ではなかったのではないかという声はありました。

確かにおっしゃるように、いろいろな社保関係の負担の引上げもあったわけですし、他方、いろいろな先行減税という逆向きの動きもありました。それらを加えて複合的に見ていかなければならないのではありますけれども、今申し上げたような統計というか数字を見ても、これだけが大きな影響ではなかったのではないかという議論でした。

〔吉川分科会長〕私からもその点について補足させていただきますと、要するに97年のときの議論については、井堀先生の4ページにもありますが、当時の経済白書の下の方に「参考」で、当時、いわゆる「9兆円の負担増」と言われたわけですが、これがやはりネガティブな影響を与えたのではないか、ただし、その言い方なんですが、これが主役だったというのではないけれども、これ自体としては、やはり若干ネガティブな影響を与えたというようなことをおっしゃった出席者の方はあったと思います。ただし、その方も含めて、終わってみれば、98年のマイナス成長まで含めて、いわゆる消費税の増税よりは、不良債権の問題、金融危機、それから、覚えていらっしゃると思いますが、当時、アジアの通貨危機という、タイから始まったアジアの通貨危機による輸出の大幅な落ち込みというようなこともあったわけですが、そうしたものの影響の方が大きかったというのが、私の記憶している限り、出席者の方のほとんどの方のご意見だった。そういうことだろうと思います

〔質問〕最近、大臣が増税しても使い道を間違えなければマイナスではないという趣旨のことをおっしゃっているかと思いますが、増税して、財政赤字の削減に充てる場合と、歳出増に充てる場合と、そういった使い道の効果の違いみたいな議論はあったんでしょうか。

〔大串大臣政務官〕それは、井堀先生からの指摘の中にも、13ページにありますけれども、増税の経済効果、ケース1、ケース2とありますけれども、増税して歳出が無駄な歳出に使われるのであればマイナス影響の方が大きいでしょう。有益な歳出増につながるということであれば、ケース2にあるように、需要面と、あと供給面、両方からの分析は必要ですけれども、プラス影響もあり得るでしょう。こういうふうな理論的な分析はありました。もちろん、ケース3、ケース4にあるように、増税と減税とを組み合わせる場合、あるいは増税と財政赤字の削減と組み合わせる場合というような分析もありましたけれども、歳出の中身に関する議論は、そういうものは確かにありました。

〔質問〕すいません、1つ教えていただきたいんですが、増税はプラスの効果、景気浮揚の効果もあるといった議論が出たという話があったかと思うんですけれども、それは何らかのタイムスパン、つまり、足元が今わりと大事だと言われる議論、回復基調に向かっている中で、足元の景気に対する認識というのも非常に重要になってくるかと思うんですけれども、景気の浮揚の効果と、あと時間の経過みたいな議論、つまり、足元一たん引っ込むけれども、増税で、10年先は伸びるんだみたいな、そういう時間の流れに沿った形での何か議論というのはあったんでしょうか。それとも、ここに出ているような、いわゆるケース、こういうケースがあり得るんだというようなケースの分類で終わったんでしょうか。そこら辺、深掘りした議論はあったんでしょうか。

〔大串大臣政務官〕そうですね、きょうは1時間の議論だったので、恐らくかなり詰めていくと時間軸の議論も出てくるんだと思いますけれども。

〔吉川分科会長〕あと、多分、ご質問の趣旨から少しずれるかもしれませんが、今のご質問の趣旨はタイムスパン、あくまでも景気ということで、景気に与える増税の影響ということだろうと思うんですが、ちょっと切り口は違うんですが、経済政策、あるべき経済政策、やるべきことということで考えると、安定的な順調な経済成長を実現するというのは当然1つ大きいんですが、実はそれとも関係するのが、財政がひどい状況になる。それは先ほど、一番初めにも出たようなギリシャのような、ああいうことが起きたら絶対いけないということが、やはり経済政策の目標としてあるわけですね。それは成長、あるいは循環、あらゆる意味でマイナスということでしょうから、やはりそういうことも1つ大きな経済政策の目標であって、それを避けなくてはいけないというのは、出席された方々の、ほとんどすべての方の問題意識で、実際そういう議論も少しあったということです。

〔質問〕きょうのこの議論の中で、あまり、平成9年のときには主たる景気後退の要因ではなかったということですが、これは例えば、消費税率が3%から5%、つまり2ポイントの引上げであればさほどの主因ではないけれども、例えばこれが引上げ幅によっては、どういう影響が出てくるとか、そういった議論があったのかどうかということが1点と、引き上げた時点でのマクロ経済環境がどういったときに引上げると、さほど影響が出てこない。例えば、経済成長が安定的に伸びていく場合には大丈夫だとか、そういった引上げの時期の議論というのはあったんでしょうか。

〔大串大臣政務官〕引上げ幅の議論に関してはありませんでした。それから、時期に関しての議論は、明示的にはありませんでしたが、井堀先生のこの紙の中にも、19ページですけれども、代替効果のところですけれども、インフレ期ではインフレの加速要因になりますよ、しかし、デフレ期ではデフレマインドの相殺になります。こういった分析は井堀先生の方にはありました。

〔吉川分科会長〕あともう1つ補足させていただければ、井堀先生の紙の1ページですか。97年の4月前後、左の方を見ていただくと、97年の5月が景気の山なんですね。これは事実として、97年のときには、こういうタイミングだったというような指摘も出席者の中で少しあったということです。

〔質問〕たびたびですいません。もう1点だけお伺いしたいんですが、97年に消費税を引き上げたときには、これだけの負担増もあったんですが、一方で、そこにいくまでに先行して減税が行われてきた、こういった要素もあるんですが、では今度、税率を引き上げる際に、先行減税みたいなものは必要になるというような意見、あるいはそういった議論というのはなかったんでしょうか。

〔大串大臣政務官〕そのような議論はありませんでした。

〔質問〕今、先行減税については、どう思われますか。

〔大串大臣政務官〕そこまでの議論はまだしていません。

〔質問〕最近、菅大臣がおっしゃっている、増税しても景気浮揚効果があり得ると。きょうの報告も、それと一致しているんですけれども、きょうの報告を受けて、きょうは大臣、出席はされていたんですよね。これを受けて何か大臣から、この報告について何か言及はございましたか。

〔大串大臣政務官〕きょう、大臣、かなり短い時間の参加だったものですから、特段の発言はありませんでした。今回、こういうスタディを経て、またいろいろな議論をしていきたいと思います。

〔質問〕すいません、もう1点。最後のページのところに、今後引き上げる場合にネットで増税というのは、井堀先生のご意見なんだと思うんですけれども、これについては、こういう必要性だよというご議論はあったんでしょうか。

〔大串大臣政務官〕これは井堀先生の指摘でございます。ただ、議論の中では、現在の97年当時と比べても財政状況は極めて厳しいということを前提とすると、いわゆる歳入の増加による果実が、いわゆる財政の健全化の方にも当たっていくような形になるというのは、ある程度のみんなの議論ではなかったかというふうに思います

〔質問〕審議会として、大臣に対して、いつ、どういう形で提言するのか、そこは何か決まっていますか。

〔大串大臣政務官〕次回以降の会、総論を2回やったわけですけれども、今後、総論も含めてどうするか。各論にいつ、どういうふうに入っていくかということは、これからもう少し議論していきたいと思います。

〔質問〕増税が必ずしも景気にとってマイナスではないということについては一致を見たと思うんですけれども、井堀先生がおっしゃっているように、有益な使い道によっては、むしろメリットが大きいということについては、皆さん、それについても大体意見は一致したんでしょうか。

〔大串大臣政務官〕歳出面の構成も大事だという意見は皆さん同じ考え方だったと思います。

〔質問〕くどくて申しわけないんですけれども、景気循環の中で景気がどういうポジションにいるときが増税する上でふさわしいのかという踏み込んだ議論というのはあったんでしょうか。つまり、増税の目安となる景気の状態について、意見交換なり何なりあったら教えてください。

〔大串大臣政務官〕そこまでの議論は、きょうはなかったです。

〔吉川分科会長〕ただ、しっかりした景気判断は政府としてやっていくのは大切なことだという議論は、たしか出てきておりました。

〔質問〕すいません、重ねての質問になってしまうんですが、19ページの、つまり、消費税引上げのタイミング、デフレ時期であればデフレマインドの相殺であるとか、今、可処分所得の減少になるけどみたいな話というのは、逆に言うと、今の時期にやればよいということにも読み取れなくもないんですが、この19ページのことに関しては何か意見というのはあったでしょうか。

〔大串大臣政務官〕19ページ固有に、かなり突っ込んだ議論があったわけではないです。ただ、こういうふうな考え方もありますということの紹介があったということです。先ほど吉川会長からも話があったように、もちろんタイミングに関しては景気も含めてきちんと見ていかなければならないという意見も、もちろんありました。

〔質問〕すいません、景気のタイミングについて、吉川先生はどういう局面での引上げというのが、タイミングとしては望ましい、あるいは影響が小さいというふうにお考えかというところを聞かせていただけませんでしょうか。

〔吉川分科会長〕消費税を上げるとして、今ここで私がその引上げのタイミングなんかについて申し上げる立場に全然ないと思っていますが、要するに、景気判断、それはやはり1つ、税について考える1つのポイントになるわけですから。したがって、政府として正確な景気判断を心がけて、客観的に景気を見ていく、これは大変大切なことだと、出席者の方からそういう意見です。それについては私は完全に同感ということです。

それともう1つ、井堀先生のプレゼン資料にもありましたけれども、97年の場合には、4月に上げたんですが、5月が山だったという、そういう事実はあったということですね。

〔幹事〕よろしいですか。では、ありがとうございました。




ここまで、理論武装をすませているんですから、菅民主党は高らかに「増税の旗」を掲げてはいかがですか。

次の参議院議員の任期は6年間。6年間のうちには増税するんでしょう?

正直に国民に税率を語りましょう。

参院選後、民主党代表選後に手をひらを返すように増税をいうのは、よくないことです。