強行採決?:この先にあるのは「公務員天国」→「日本問題」? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

強行採決?:この先にあるのは「公務員天国」→「日本問題」?

秘書です。
審議が、こんな審議が不十分な段階でまさか強行採決などしないでしょうね、と野党議員に指摘されながら、すすんでいます。

民主党は、なぜ、対案のように、

「霞ヶ関を普通の会社にする」

ことになぜ抵抗するのでしょうか?


あれだけ反対していた天下りもやり放題!

しかも、5月中に閣議決定する「退職管理基本方針」では、

大臣等の任命権を使って「国ぐるみの公式天下り」をやろうとしています。
(独法への「役員出向」は公募の対象外のポスト、出向者は国に戻ることが前提で退職金は通算制度)
(公益法人・学校等への「休職出向」は、国家公務員のまま)

これで、「天下りは日本からなくなった」という?

大臣が疑わしいとした、損保協会副会長人事は、なんですぐに調査しないのでしょう?



ギリシャの問題の本質は、公務員天国。

今日の強行採決は、日本も公務員天国になるということ。社会主義化への第一歩。

民主党政権が今日の強行採決でやろうとしているのは、公務員天国化、社会主義化。

「ギリシャ問題」より深刻な「日本問題」の第一歩・・・



■菅財務相も騙される「ギリシャ問題」に 悪のりした増税キャンペーン
「日本のほうが財政状況が悪い」なんて大ウソ

2010年05月10日 高橋 洋一

 ヨーロッパの小国にすぎないギリシャが世界の金融市場を混乱に陥れている。ギリシャの暴動のニュース映像は強烈な印象を人々にあたえ、それに動揺したのか、ニューヨーク市場では誤発注も手伝い一時パニック売りも見られた。

 ギリシャのGDPは2500億ユーロ(30兆円)しかなく、だいたい神奈川県民所得と同じレベルだ。これはユーロ圏のGDP総額9兆ユーロ(1080兆円)の3%にも満たない。

 ギリシャ問題を複雑にしているのは、ギリシャの特殊性とユーロという共通通貨制度だ。

 まずギリシャの特殊性。ギリシャは破綻(債務不履行と債務条件変更)の常習国なのである。

 1800年以降の200年余の歴史の中で、債務不履行と債務条件変更の年数は50%を超える。いうなれば、2年に一度は破綻している国なのである。

 ユーロ圏では、ギリシャ以外にもポルトガル、イタリア、スペイン(ギリシャとともに各国の頭文字をとって、PIGSと呼ばれている)も財政問題が指摘されている。

 しかし、これらの国の中でも、ギリシャはこれまでの素行は圧倒的に悪い(下図参考)。

 さらに、ギリシャは、財政危機に関して公務員給与カットなど財政支出削減、増税というギリシャ独自の緊縮財政を発表しているが、欧州の中でも指折りの公務員天国であり、その実効性が疑われている。

ちなみに、ギリシャの公務員は雇用者の24%(これも多い!)であるが、その所得は雇用所得全体の33%にも達している。これは公務員給料が民間よりかなり高いことを意味している。

 また、ギリシャには政府所有企業(日本の特殊法人、独立行政法人)が74もあり、その企業価値は440億ユーロ(5.3兆円)でGDP比18%である。公的セクターが大きい日本でも、政府所有企業の価値はGDPの1割程度であるから、ギリシャでの凄さがわかるだろう。さらに、企業・製品規制について、ギリシャはOECD国の中でもっとも厳しく競争を制限している。

 このような民間経済がしっかりしていないことから、財政再建のための公務員給与カットや民間への増税ができないと疑問視されているのだ。

 自国の中央銀行を持たないユーロのデメリット

 次に、ユーロ共通通貨制度である。1999年、11ヵ国でスタートし、その後ギリシャなどが加わり、現在16ヵ国でユーロが使われている。ユーロ圏において、各国は主権があるので独自の税制度と財政支出を行っている。

 しかし、共通通貨を使っているため、国独自の中央銀行をもたずに、金融政策は、ドイツ・フランクフルトにある欧州中央銀行に委ねている。日本で言えば、財務省はあるが日銀がないのと同じだ。自国の中央銀行はなく、他の国の中央銀行に金融政策を頼むのだ。

 他人任せの金融政策で一国の経済をうまく運営することなど難しい。イギリスなどはEU(欧州連合)に加盟していても、ユーロを導入していない。共通通貨制度には、市場が広がるというメリットもあるが、金融政策の自由度を失うというデメリットは大きい。

 ユーロ圏では、ギリシャはじめとするPIGSの財政問題が指摘され、これらの国も同様の財政危機になるという思惑から、ユーロが急落している。その反射として、ドル・円が通貨高となり、米国や日本の輸出企業にダメージを与える。特に、日本は輸出主導で景気回復しているので、影響をより大きく受けるだろう。

 もし、ギリシャがユーロ国ではなく、金融政策が使えるなら、緊縮財政による経済への悪影響を和らげるような金融緩和策を同時に行うことができる。

 その場合、ユーロの急落はなく、ギリシャ独自通貨だけが急落する。そもそも、PIGSなどと一言でいうが、前出のように、これまでの歴史からみれば、ギリシャだけが格段に悪かった(前頁掲図参照)。

 最近、このギリシャ問題をダシにして、日本の財政もギリシャと同じで破綻するという声が大きくなっている。菅直人副総理兼財務相も、自身のブログでギリシャ問題を続けて取り上げている(http://www.n-kan.jp/)。いろいろなマスコミの論調も菅大臣同様、「日本の債務残高の対GDP比は1.8倍で、ギリシャのそれより1.2倍大きい」、「消費税増税は避けられない」などという話が多い。

しかし、債務残高の対GDP比で日本が大きい理由は、前回のこのコラム(「国債金利の上昇=日本国の破綻」は間違っている)で述べた。菅副総理兼財務相がいう「国債発行残高は金メダル級」を借りれば、「官僚が支配する政府資産も金メダル級」だ。

 そのうえで、ギリシャを教訓とするのであれば、日本でも公的セクター改革を行い、公務員改革や民営化等による政府資産のスリム化を行わなければいけない。郵政民営化の逆行なんて論外だ。なにより、日本では金融政策が使える

 この10年間も続いてきた日銀のデフレ・ターゲットを直すことが先決である(このコラムの「なぜ日本経済だけが一人負けなのか」参照)。そうすれば、4%程度の名目経済成長は可能になる。

 日本の財政問題は、G7国と対して違わない(下図参照)。金融政策などのまともなマクロ経済政策を行えば、かなり対応可能だ。そのうえで、本当に必要なら増税を行えばいい。政府資産の売却や金融政策に言及せずに、一気に増税という話は、ギリシャ問題に悪のりした財政当局など財政至上主義者の増税キャンペーンでしかない。