日銀:連邦準備制度法の目的条項と日銀法の目的条項 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

日銀:連邦準備制度法の目的条項と日銀法の目的条項

秘書です。
「世界を先取り」?
10年以上デフレから抜けられない日本が?


■日銀2月会合、インフレ目標軽視 「世界を先取り」自ら正当化
2010.3.24 05:00 SANKEI BIZ
 日銀は23日、2月17、18日に開いた金融政策決定会合の議事要旨を発表した。複数の委員が、物価上昇率を目標に掲げて金融政策を運営する「インフレターゲット」に関して発言し、「日銀の政策は従来のインフレターゲットを進化させたもの」と指摘。導入を求める政府に対し、日銀の消極的な姿勢を正当化していたことが分かった。

 インフレターゲットは、菅直人財務相が同16日の国会で、物価上昇率を1%前後とすることを「政策的な目標にすべきだ」と発言し、導入論議に火がついた。

 決定会合後の会見で、日銀の白川方明(まさあき)総裁はインフレターゲットを「意味ある論点でなくなった」と消極的な見方を示したが、その発言は、決定会合での委員の意見などを踏まえたとみられる。

 議事要旨によると、複数の委員が、世界各国は物価施策で、「物価安定に関する数字的な目標や定義」「先行き数年間の経済物価の見通し」といった柔軟な枠組みを使うようになっていると指摘。日銀の金融政策は「物価の安定だけでなく、金融的な不均衡などのさまざまなリスクにも目配りできる」として、国際的な傾向を「先取りしたもの」と“自賛”した

 物価動向については、多くの委員が、消費者物価の前年比下落幅が拡大していると指摘。下落のすそ野が広がっている可能性があり、消費者物価の動きが想定より下振れ気味になっているとした。

景気動向については、アジア向け輸出が強くなっていることなどから、1月の中間評価より若干上振れしているという意見が複数あり、先行きについては、トヨタ自動車のリコール(回収・無償修理)問題の影響を「注意深くみていく必要がある」との意見が多くの委員から出された。

 この決定会合で日銀は、政策金利の誘導目標である無担保コール翌日物金利を現行の0.1%前後に据え置くことを全員一致で決定。国内の景気認識については「持ち直している」との判断を継続している。


こうなってくると、やはり、日銀のそもそもの目的に、米国の連邦準備制度法のように「雇用の最大化」がしっかり明記されていないことの影響なんでしょうか。


■連邦準備制度法 セクション2A 金融政策の目的
http://www.federalreserve.gov/aboutthefed/section2a.htm

Federal Reserve Act
Section 2a. Monetary Policy Objectives

The Board of Governors of the Federal Reserve System and the Federal Open Market Committee shall maintain long run growth of the monetary and credit aggregates commensurate with the economy's long run potential to increase production, so as to promote effectively the goals of maximum employment, stable prices, and moderate long-term interest rates.


連邦準備制度理事会と連邦公開市場委員会(FOMC)の目的(goals)として、「雇用の最大化」が「安定した物価」と「モデレートな長期金利」と並立して明記されている(それもトップに!)、そして、「長期的な潜在能力」ということも明記されている!

これに対して、我が国の「日本銀行法」。

第2条 日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。

日銀の目的条項がこれだけだから、10数年のデフレから脱却できなくても問題ない、ということになり、「世界に先取り」ということがいえるようになるのでしょうか。