改革反動:この道はいつか来た道~霞が関への全面屈服~ | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

改革反動:この道はいつか来た道~霞が関への全面屈服~

秘書です。

この道はいつかきた道、あ~あそうだよ~♪

民主党内人事抗争が注目されていますが、政治路線の問題は関係ないようですね。

「小泉時代の否定」で民主党は霞が関と握り、大きな政府+官僚の既得権益復活に向かっている、霞が関への全面屈服路線につながっている、このことについての総括と人事抗争が全くつながっていないようです。

霞が関への全面屈服路線が民主党内で議論にならないのは、なぜ?

民主党は「政治主導」の旗のもとで「官僚主導」体制に戻している。

党内の左派は大きな政府派ですから最初から期待はしておりません。しかし、脱官僚を街頭でうったえた、改革派、市民派、保守派は、なぜ、声をあげないのでしょう?

なぜ、全党あげてこんなに露骨な「転向」できるのか?権力自体が政治の目的なのか。

何が目的なのか?、何を恐れているのか?、なぞです。



■二つの銀行ポストを狙った財務省の「政権統治」
「菅落ち」で鳩山内閣は最強官庁のいいなり

(3月22日 現代ビジネス「ニュースの深層」高橋洋一)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/364

鳩山政権に対する財務省による統治は完全に終わった。もちろん鳩山政権が財務省を支配するのではなく、財務省に屈服したのだ。いろいろなところでその兆候が見られる。

 そもそも鳩山由紀夫首相の「子ども手当」が贈与税の脱税になるかどうかは、税務当局(財務省)のさじ加減でどうにでもなることだ。

 鳩山首相に対して「これまでお母さんと相続について話したことがありますか」という質問をすればいい。お母さんに対しても同様の質問をすればいい。

 いずれも答えは自明の理であろう。あの年齢で話し合わないはずない。もしもの場合に困るからだ。いずれにしても鳩山首相は財務省に大きな弱みを握られたものだ。

 また政策金融における財務省の復権も露骨だ。財務省が重視してきた政策金融機関は、日本政策投資銀行、国際協力銀行の二つである。名前に「銀行」とつくのがそのプライドを表している。他の政策金融機関は「公庫」という名前であり、「銀行」はそれより高いという位置づけになっている。

 二つの銀行は、財務省の歴代事務次官の天下り先である。具体的な天下り状況については、中川秀直ブログ中の『政府答弁書をみやすくしました(日本政策投資銀行編)』、『政府答弁書をみやすくしました(日本政策金融公庫・国際金融部門編』が、それぞれ詳しいので見て欲しい

「大和と武蔵」を失った財務省
 財務省は天下りの面倒見がいい。その頂点に立つのが二つの銀行だ。この二つの銀行における財務省の復権は、とりもなおさず財務省が鳩山政権を掌握したといえる。

 それをよりよく理解するために、政策金融機関の歴史に触れておこう。小泉政権の前には、日本政策投資銀行、国際協力銀行、商工組合中央金庫、国民生活金融公庫、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、公営企業金融公庫、沖縄振興開発金融公庫と9機関があった。

 それぞれ、財務、財務、経産、財務、国交、農水、経産、総務、財務が歴代トップを送り込む天下り先だ。

 小泉純一郎氏が改革しようとすると、各省の権益を代弁した橋本龍太郎氏が「指一つ触れさせない」と豪語したことは有名である。小泉政権下で、日本政策投資銀行と商工組合中央金庫は完全民営化、残りは、基本的には規模半減し、日本政策金融公庫への一本化(住宅金融公庫と公営企業金融公庫は別法人化)ということになった。

こうした完全民営化、規模半減・一本化という政策金融改革は、郵政民営化とコインの裏表の関係である。公的金融システムの観点からみれば、郵政が調達サイドで政策金融機関が運用サイドになるからだ

 小泉政権下で、財務省は日本政策投資銀行の完全民営化、国際協力銀行の日本政策金融公庫への統合という屈辱を味わった。それ以前のどのような政権が行った政策金融機関の見直しでも、財務省はほとんど無傷だった。しかし、いってみれば二大戦艦(大和と武蔵)を同時に失ったような打撃を受けたのである。

 ところが、自公政権から民主党へと政権交代が行われると、郵政民営化を見直し、郵政再国有化が進むとともに、政策金融改革の逆回転となってきた。

 実のところ、政策金融改革の逆回転の一部は、政権交代の前から起きていた。

 政権交代前に、自民党が財務省の後押しで議員立法により、実質的に日本政策投資銀行の完全民営化をストップさせる法案を出し、民主党も相乗りする形で成立している。このとき、民主党は政権交代を控え、予算編成で財務省の歓心を買いたかったので、自民党を踏み台にした。

 いずれにしても、まんまと自民党も民主党も財務省の術中にはまったわけだ。これで一つの銀行に対する財務省の復権はできたが、残りの一つもここにきて終わった。

金融社会主義が復活する

 先月2月10日、古川元久内閣府副大臣は、日本政策金融公庫の国際部門、国際協力銀行(JBIC)について「新幹線や環境技術をシステムとして輸出していくことは重要な戦略だ。そうした課題に取り組むためにJBICのあり方を今後検討したい」と記者会見で述べた。

 そして、今月17日、仙谷由人国家戦略担当相は、国際部門の国際協力銀行(JBIC)の分離・独立など政策金融機関の再編について、今月末にも検討をスタートすることを明らかにした。仙谷氏は「08年の経営統合はほとんど成功していない」と指摘した。

 同日、菅直人副総理兼財務・経済財政担当相も衆議院財務金融委員会で、国際協力銀行のあり方について「統合メリットよりも、あまりにも違う機能を無理やり一緒にした弊害が出ている」と述べ、「将来、(日本政策金融公庫から)分離させることもひとつの検討課題だ」と述べた。

 同時に、複数の政治家が同じことを言うのは、財務省が各所に張り巡らされたネットワークを生かし政治家を操っているからだ。仙谷国家戦略担当相も菅財務・経済財政担当相ももはや財務省の手中に完全に落ちているといえよう(菅落ち?)。財務省からは「仙谷も菅もそれほどではないね」という声が聞こえてくる。

 それほどまでに、二つの銀行のポストはおいしいのか。例えば、官僚天下りにすぎない国際協力銀行総裁は、海外では閣僚級の扱いを受ける。空港から飛行機横付けのリムジンによって通関なしで首都に直行できる。もちろんどこに行くにもパトカー先導で、ホテルは国賓館だ。相手国の会う要人も次代の国家元首クラスだ。並の閣僚でもここまで厚遇してくれないだろう

 鳩山政権は、政治主導でなく財務主導で「おいしい天下り指定席」を復活させるようだ。と同時に、以前、日本は公的な金融ばかりで、金融社会主義だといわれたが、鳩山政権で、金融社会主義の完全復活になる


文中に引用いただいた当ブログのアドレスは下記の通り。

2010-02-26 19:06:33
政府答弁書をみやすくしました(日本政策投資銀行編)
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10468607561.html

2010-02-27 16:39:24
政府答弁書をみやすくしました(日本政策金融公庫(国際金融部門)編)
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10469307472.html

明日は、色々重要な政府答弁書がでるようですが、ボスの質問に対する政府答弁書も出てきます。3月10日の衆議院内閣委員会の質疑応答をふまえての追加質問です。法令解釈担当の枝野大臣も閣議決定に参加します。ここで、鳩山政権が改革政権か否かが鮮明になるでしょう!また、詳細について、ご報告いたします。

2010-03-12 11:18:55
『行政改革・公務員制度改革・天下り根絶に関する質問主意書』を提出しました
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10479779895.html

霞が関に媚びて政治主導の旗、改革の旗を汚すのは誰か?

それが明日明らかになることでしょう!