改革反動:民主党主導の高級天下りポスト復活か? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

改革反動:民主党主導の高級天下りポスト復活か?

秘書です。
国際協力銀行の総裁といえば、海外では大臣以上の待遇を受けるといわれたポスト。
そのポストが、早期退職勧奨継続への「転向」と連動して復活か?


■国際協力銀行、日本政策金融公庫からの分離も検討課題=財務相
2010年 03月 17日 10:31 JST
[東京 17日 ロイター] 菅直人副総理兼財務・経済財政担当相は17日午前の衆院財務金融委員会で、国際協力銀行のあり方について「統合メリットよりも、あまりにも違う機能を無理やり一緒にした弊害が出ている」と述べ、「将来、(日本政策金融公庫から)分離させることもひとつの検討課題だ」と述べた。
 山本有二委員(自民)の質問に答えた。

この天下りポスト、小泉政権期、中川秀直政調会長時代に、政策金融機関を一つにする中で消滅していったものなんですね。民主党はそれを元に戻すのか。

2006年当時の改革のプロセスについては、是非、草野厚先生の『解体―国際協力銀行の政治学―』(東洋経済新報社、2006年)を読んでください。この努力が、元に戻される、ということです。

この「改革反動」の動向については、下記のように、2月10日の「秘書ひしょ」にも書いていました。ご参考に。

http://ameblo.jp/nakagawahidenao/day4-20100211.html#main


■国際協力銀、組織見直しも=機能強化検討-古川副大臣
(2月10日-20:48時事通信)

 古川元久内閣府副大臣は10日の記者会見で、日本政策金融公庫の国際部門、国際協力銀行(JBIC)について「新幹線や環境技術をシステムとして輸出していくことは重要な戦略だ。そうした課題に取り組むためにJBICのあり方を今後検討したい」と述べ、機能強化に向けて組織形態を含めた見直しを進める考えを示した。JBIC内には日本公庫からの分離を求める声もあり、政府系金融機関の再々編につながる可能性もある。
 JBICは2008年10月に国民生活、中小企業、農林漁業の3金融公庫とともに新設の日本公庫に統合された。ただ、国内の中小零細事業者を主な取引先とする旧3公庫と、大企業の海外事業に対する金融支援を担うJBICでは業務内容が大きく異なるため、分離論は以前からくすぶっていた。 
 政府は昨年12月に骨格をまとめた新成長戦略で、成長著しいアジア市場で日本企業のビジネス機会拡大を支援する方針を打ち出しており、JBICの機能を最大限活用したい考え。仙谷由人国家戦略担当相も5日の衆院予算委員会で「日本が国家戦略的プロジェクトを進める上での重要なファイナンス機関として、JBICの業務の中身全体をとらえ直す」と表明していた。


国際協力銀行の組織改革は、ボスが自民党政務調査会長時代に行われました。そのときの経緯については、草野厚教授の『解体―国際協力銀行の政治学―』(東洋経済新報社、2006年)というすばらしい本があります。

この本から一部引用させていただきます。下記にある「現行体制維持」は改革前の姿のことです。


「それにしても、なぜ財務省、旧輸銀は、国際協力銀行の現行体制維持に固執したのであろう。政策面からの存続の必要性を指摘する人は少なく、共通して指摘したのは2つである。

第一は、OBの天下り問題である。国際協力銀行が解体され一つできる新たな金融機関に統合されれば、事務次官の天下りポストは1つ減る。・・・

第二は組織防衛である。・・・

そうした組織防衛や、天下りが真の理由であるにせよ、現行体制維持派は政策論を前面に出さざるを得なかった。しかし、・・・財務省や旧輸銀の提出した資料は、政策論で現行体制を維持するというには不十分な、説得力に欠けるものであった。第三者が少し勉強すれば簡単に論破できるような資料を提示したり、あるいは、自分たちの主張に都合のよいところだけつまみぐいした資料を提示して説得を試みた。・・・」


民主党政権がどんな形の「小泉改革の否定」をしてくるのか、じっくりと検討しましょう。