離党したからといって済む話?(平成15年3月25日衆議院議事録より) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

離党したからといって済む話?(平成15年3月25日衆議院議事録より)

秘書です。

政権党になったら、野党時代といっていることがちがう。

さきほどの、天下り「ウラルート」もそう。

そして、「政治とカネ」も?



■<石川衆院議員離党>野党、追及姿勢崩さず
2月11日21時27分配信 毎日新聞
 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体を巡る事件で11日、石川知裕衆院議員が離党届を提出したのを受け、政府・民主党は「石川議員個人の形式的なミス」として事件の幕引きを図りたい考えだ。しかし、自民党など野党は引き続き小沢氏の政治責任を追及する構えで、小沢氏に幹事長辞任を求める世論も根強く、政府・民主党への批判が沈静化する見通しは立っていない。

 離党届を受理した小沢氏は11日夕、党本部で記者団に「マスコミをはじめ大きな騒ぎになったので、迷惑をかけてはいけないと本人が決断した」と語り、混乱を収めるための離党だと説明した。地元の北海道帯広市で記者会見した石川議員も「小沢幹事長に判断を仰いだり連絡を取ったりしたことはない」と述べ、自身の離党が小沢氏の責任論に波及しないよう腐心していることをうかがわせた。

 しかし、鳩山由紀夫首相は10日、記者団に「起訴されたという事実は重い」と語るなど、石川議員に離党を促したと受け取れる発言を繰り返してきた。石川議員が離党も議員辞職も否定する記者会見をした9日には周辺に不快感を隠さず、衆院予算委でも「党としての判断も当然出てくる」と答弁していた。

 12日には衆院予算委員会で「鳩山内閣の政治姿勢」をテーマに集中審議が開かれる。野党側は「政治とカネ」問題を徹底的に追及する方針で、その前日というタイミングでの「駆け込み離党」には、国会での追及をかわす思惑もちらつく。石川議員も離党の理由に「予算審議の最中」であることを挙げた。

 ただ、どんなに「自発的離党」を強調してみせても、小沢氏の責任論を否定する材料にはなりそうにない。自民党の大島理森幹事長は11日、栃木県小山市での会合であいさつし、石川議員の議員辞職勧告決議案の採決や、小沢氏の参考人招致などが実現しない場合、10年度予算案の採決には応じられないとの考えを示した。大島氏は「(民主党に)国会の場でしっかりと結論を出してもらわなければ、簡単に予算の採決に臨むわけにはいかないという決意だ」と強調した。【木下訓明、念佛明奈】



では、民主党野党時代、どういうことをおっしゃっていたかをみてみましょう。

平成15年3月25日の衆議院・議院運営委員会の議事録です。

http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm


○長浜議員 民主党・無所属クラブの長浜博行です。
 私は、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合並びに民主党・無所属クラブを代表して、本院議員坂井隆憲君の議員辞職勧告決議案について、提案の趣旨を説明いたします。
 最初に、決議案の本文を朗読いたします。
 なお、あわせて、その理由を申し述べます。
    議員坂井隆憲君の議員辞職勧告に関する決議案
  本院は、議員坂井隆憲君の議員辞職を勧告する。
  右決議する。
 以下、その理由を申し述べます。
 ・・・こうした中、また新たに、議員坂井隆憲君の政治資金をめぐる疑惑が明らかになりました。同君と秘書らが五年間にわたって一億二千万、一部報道によりますと一億六千万という報道もありますが、度を超える政治献金を受けながら、その多くを政治資金収支報告書に記載せず、虚偽の報告を行っていたこと
 なお、当該政策秘書は、昨日、政治資金規正法違反、虚偽記載罪で東京地検特捜部より起訴されたことは、皆様御承知のとおりであります
 本委員会で同君に対する逮捕許諾請求に関する質疑が行われた際、法務省は、同君がやみ献金問題に主体的に関与していたこと、証拠隠滅を図ったことなどを指摘いたしました。このことが事実であるか否か、坂井君本人の弁明があってしかるべきでありましたが、坂井君は出席しませんでした。本来ならば、みずから進んで議員辞職すべきところ、肝心な疑惑に関して何ら反省の意も表さず、事実を明らかにしようとしていないことは、到底看過できない事態であります。
 よって、本院は、坂井隆憲君が今こそ、遅きに失した感はありますが、その責任を自覚して議員を辞し、国民に陳謝し、みずからの政治的道義的責任を明らかにすることを勧告します。
 これが、本決議案を提出する理由であります。
 ・・・ところで、坂井隆憲君は過日、自由民主党から離党を認められず、除名されました。与党内からは、昨今例のない早さで坂井君の議員としてのけじめを求める声も出ています。本院としての事実解明の努力を全くせずに、このことをもって坂井君の問題に幕引きをしようとするのであれば、本末転倒であります
 除名したからといって済む話でないことも強調しておきます
 ・・・また、与党の皆さんが坂井君に対して議員としてのけじめをつけることを本当に求めるならば、我々に同調して本決議案に賛成していただくことは当然としても、本件を初め、るる申し上げた疑惑の数々に対する事実関係の解明にも積極的に努めるべきであります。臭い物にふたは許されません。
 なお、坂井隆憲君は、本院の厚生労働委員長という要職を秘書の逮捕直前まで務めていました。坂井君への疑惑は、公平にして国民の信頼と尊敬を集めるべき本院と厚生労働委員会の品位を傷つけ、さらには我が国の労働行政全般への国民の不信を招くものであり、その責任は重大であることも申し添えておきます。
 さて、私どもは、坂井君への資金を提供したとされる関係者の予算委員会等での参考人質疑を求めています。しかしながら、この件はいまだ実現に至っておらず、坂井君の不正献金疑惑は全く解明されておりません。真相は依然としてやぶの中であります
 先ほども申し述べましたが、与党の皆さんは、この件について率先垂範御協力をいただけるものと確信しております。後刻速やかに関係委員会での参考人質疑が行われるよう、御配慮いただきたいと思います。坂井君自身は既に逮捕されており、真相の解明は司直の手にゆだねられておりますが、三権分立の考え方を持ち出すまでもなく、本院は国権の最高機関としての自浄能力を問われており、国民は一刻も早い真相解明を国会の使命として求めております。
 以上のとおり、我々は、本院議員坂井隆憲君がみずから速やかに議員の職を辞することを勧告する決議を提案するものであります

 最後になりますが、本決議案が本会議に上程されれば、本院史上二度目となり、二年連続という異常な事態になります。私自身、一昨年来、議院運営委員会理事として仕事をさせていただいておりますが、極めて遺憾かつざんきにたえない事態であることをあえて申し上げ、議員各位の御賛同をお願いし、提案理由の説明を終わります。


これに対して当時政権党の自民党は、

○佐田委員 自由民主党の佐田玄一郎であります。
 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております議員坂井隆憲君の議員辞職勧告に関する決議案について、賛成の立場から討論を行います。
 まず申し上げたいのは、議員辞職勧告決議案について、国民の代表である議員の身分は極めて重く、安易に国会決議をもって議員の身分を奪おうとすることには憲法解釈上疑義があるとの考え方には、今も変わりありません。よって、軽々に扱うものではないと考えております。辞職勧告決議案が上程されること自体、遺憾に思っております。
 しかしながら、昨年三月に我が党は、今までの議員辞職勧告決議案の取り扱いから一歩踏み込んで、今後、明白かつ重大な違法行為が明らかになった場合には、議員辞職勧告決議案の本会議上程を行うことを可能とすることを確認いたしました。すなわち、今日の政治家には高い倫理観と清廉潔白な政治活動が求められており、国会議員の刑事責任が問われる事態となった段階において党として対応していくという趣旨であります
 そこで、議員坂井隆憲君の議員辞職勧告に関する決議案について我が党としての対応を検討した結果、坂井隆憲議員の逮捕許諾請求が国会により認められ逮捕された事実を重く受けとめるとともに、そのほかの事情も総合的に判断した結果、議員坂井隆憲君の辞職勧告決議案に賛成するものであります。
 以上であります。


そして、今日の民主党に合流している小沢党首の自由党は、

○都築委員 自由党の都築譲です。
 私は、自由党を代表して、ただいま議題となりました坂井隆憲君に対する議員辞職勧告決議案に賛成の討論を行います。
 年々歳々花相似たり、歳々年々人また同じからずと風雅な古詩に歌われる季節でありますが、毎年毎年、金権腐敗の花が咲き、毎年毎年、その主役たる政治家が違うというのは、まことに悲しく、恥ずかしい限りです。年中行事のように、元自民党の議員の逮捕許諾や議員辞職勧告決議案を議論することには、正直申し上げて、うんざりいたします。それを糾弾するに、同じような理由や理屈を繰り返すことに、むなしさを覚えるものであります。
 まして、この決議案が全会一致で可決されても、本人は議員辞職をしない意向であると伝え聞きますと、むなしさは一層深くなり、それなら、いっそのこと、坂井君、君、議員辞職するなかれ、いかに与党の情けは薄くとも、野党の追及は厳しくとも、議員辞職するなかれ、親は裏金つくれと君に教えしか、虚偽報告せよと五十五までを育てしかと、皮肉の一つも言いたくなるのであります
 国会議員の身分保障が厳重なのは、国民の代表として、国民の声を、国民の気持ちを国権の最高機関である国会の場で発言し、国民の自由を、人権を、生命、身体、財産を、すなわち、国民の生活を守るという重い責任を負うているからであります。業者から裏金をせしめ、公の書類に虚偽の報告をすることが、国民のだれの声、どんな気持ちを代弁しているのでしょうか。捜査当局の示した容疑の概要や、新聞などの報道の信用度を慎重に考えても、国民の九九%は坂井君の所業を法的に許しがたいものと見ていると私は考えます。
 それとも、坂井君、君は、みずから身を賭して、金権政治、腐敗政治、利権政治、利益誘導政治、背信の政治のおぞましい実態を国民の目の前にすべてぶちまけて、自分が落ちてしまった修羅の政治の仕組みを打ち壊そうとしているのでしょうか。それならば、君を除く衆議院議員の全員が一致して辞職勧告をしても、敢然としてそれを拒否し、政官業癒着の腐敗政治の根絶のために、堂々と、みずからの犯した悪事、あるいは伝え聞く仲間や同類政治家の悪事をすべて暴露し、公表し、反駁し、汚名をすすがれるのがよいでしょう。
 その気概も気迫もないのなら、私たちの勧めに従って潔く議員を辞職し、政治への信頼をわずかなりとも回復し、人間としての良心、羞恥心のいささかなりともを示すべきであると申し上げ、私の意見表明を終わります。



当時、

自民党は「離党」を認めず「除名」。

それに対して、民主党は「本院としての事実解明の努力を全くせずに、このことをもって問題に幕引きをしようとするのであれば、本末転倒」と批判。

さらに、民主党は「除名したからといって済む話」ではないとも。


では、今日、

「離党したからといって済む話」ですか?