朝のニュースです(改革は前進か、後退か) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

朝のニュースです(改革は前進か、後退か)

秘書です。改革は進むのか?後退するのか?


■総務相が「次官」残し了承、でも将来廃止が条件
2月11日7時6分配信 読売新聞
 原口総務相は10日、国家公務員法等改正案を条件付きで了承する意向を固めた。

 政府は12日に改正案を予定通り閣議決定する方針だ。

 改正案は、省庁トップの「次官」を職制上残す内容だ。原口氏は9日の総務省政務三役会議で、「『次官』の名前を残すのはだめだ。官僚ピラミッドで最高のポストを全部政治家がやる、と民主党は主張してきた」と述べ、反対する意向を表明していた。

 しかし、その後、仙谷国家戦略相と電話で協議し、将来的な「次官」廃止を明確に打ち出すことを条件に、「次官」の呼称は当面残すことを受け入れた。

 また、両氏は、改正案で新設する「民間人材登用・再就職適正化センター」についても、「官僚OBの天下りの抜け道を作らない厳格な規定を設けるべきだ」という見解で一致した。




「官僚OBの天下りの抜け道を作らない」といっても、日本郵政正副社長人事とその玉突きによる各機関の後任人事を「天下り・渡りではない」と認定した上での「厳格な規定」にどんな意味があるのでしょうか。日本郵政正副社長人事とその関連人事を天下り・渡りと認定できない「厳格な規定」は、結局、すべての「天下り・渡り」を肯定するための全面的天下り解禁規定になると思います。「国民にはそんな細かいことわからないから、選挙向けに厳格な規定といっておけばいい」「マスコミも細かいことはわからないだろう」という愚民的発想があるとしたら大問題です。

官僚出身議員を中心とする、政権中枢で跋扈する「隠れ官僚主導派」「隠れ天下り復活派」の策動に十分警戒してください。

「次官の天下りポスト復活」のための「改革後退」、小泉改革の成果のまた一つ否定路線につながる危険のある、民主党政権の「反動」の兆しを一つ。





■国際協力銀、組織見直しも=機能強化検討-古川副大臣
(2月10日-20:48時事通信)

 古川元久内閣府副大臣は10日の記者会見で、日本政策金融公庫の国際部門、国際協力銀行(JBIC)について「新幹線や環境技術をシステムとして輸出していくことは重要な戦略だ。そうした課題に取り組むためにJBICのあり方を今後検討したい」と述べ、機能強化に向けて組織形態を含めた見直しを進める考えを示した。JBIC内には日本公庫からの分離を求める声もあり、政府系金融機関の再々編につながる可能性もある。
 JBICは2008年10月に国民生活、中小企業、農林漁業の3金融公庫とともに新設の日本公庫に統合された。ただ、国内の中小零細事業者を主な取引先とする旧3公庫と、大企業の海外事業に対する金融支援を担うJBICでは業務内容が大きく異なるため、分離論は以前からくすぶっていた。 
 政府は昨年12月に骨格をまとめた新成長戦略で、成長著しいアジア市場で日本企業のビジネス機会拡大を支援する方針を打ち出しており、JBICの機能を最大限活用したい考え。仙谷由人国家戦略担当相も5日の衆院予算委員会で「日本が国家戦略的プロジェクトを進める上での重要なファイナンス機関として、JBICの業務の中身全体をとらえ直す」と表明していた。




国際協力銀行の組織改革は、ボスが自民党政務調査会長時代に行われました。そのときの経緯については、草野厚教授の『解体―国際協力銀行の政治学―』(東洋経済新報社、2006年)というすばらしい本があります。

この本から一部引用させていただきます。下記にある「現行体制維持」は改革前の姿のことです。



「それにしても、なぜ財務省、旧輸銀は、国際協力銀行の現行体制維持に固執したのであろう。政策面からの存続の必要性を指摘する人は少なく、共通して指摘したのは2つである。

第一は、OBの天下り問題である。国際協力銀行が解体され一つできる新たな金融機関に統合されれば、事務次官の天下りポストは1つ減る。・・・

第二は組織防衛である。・・・

そうした組織防衛や、天下りが真の理由であるにせよ、現行体制維持派は政策論を前面に出さざるを得なかった。しかし、・・・財務省や旧輸銀の提出した資料は、政策論で現行体制を維持するというには不十分な、説得力に欠けるものであった。第三者が少し勉強すれば簡単に論破できるような資料を提示したり、あるいは、自分たちの主張に都合のよいところだけつまみぐいした資料を提示して説得を試みた。・・・」



民主党政権がどんな形の「小泉改革の否定」をしてくるのか、じっくりと検討しましょう。