黙秘権の意味 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

黙秘権の意味

秘書です。刑事ドラマでおなじみの「黙秘権」が、ポイントです。


■小沢氏の共謀が焦点、土地疑惑の解明詰め 激震民主
(2010年1月24日09時40分 読売新聞)

 小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部による小沢氏に対する事情聴取が23日、東京都内のホテルで約4時間半にわたって行われた。

 その後の記者会見で、「私は関与していない」を強調した小沢氏。特捜部の捜査は今後どう進められるか展望する。

 ◆黙秘権の意味◆

 特捜部は、昨年3月に準大手ゼネコン「西松建設」から陸山会への違法献金事件で、同会の元会計責任者で小沢氏の公設第1秘書・大久保隆規被告(48)を逮捕・起訴した際は、「小沢氏の関与を示す証拠がない」として小沢氏の事情聴取を行わなかった。

 これに対し、陸山会が2004年10月に東京都世田谷区深沢に購入した土地を巡る今回の事件では、土地の選定段階から資金調達まで取引の随所に小沢氏の関与がみられる。

 そのうえ今回の事情聴取は、「被告発人」として黙秘権を告げたうえで行われ、2通の調書が作成された。

 これは、事情聴取の直前に、陸山会の政治資金収支報告書の虚偽記入について小沢氏が元事務担当者の石川知裕衆院議員(36)らと共謀している疑いがあるとして、市民団体から告発状が出されたこともきっかけとなっている。刑事告発を受けた捜査機関は、容疑が事実かどうか捜査する義務が生じ、告発された人は、形式的に容疑者として扱われることになる。

 しかし、今回の黙秘権の告知は、形式的なものにとどまらない可能性がある。

 15日に逮捕された石川容疑者がその後の特捜部の調べに、土地代金に充てた4億円を収支報告書に記載しない方針などを、同年10月下旬に小沢氏に報告し、了承を受けたと供述しているからだ。この供述が事実なら、小沢氏が共犯の容疑に問われる可能性がある。

 「容疑者として聴取した理由を刑事告発としたのは一つのテクニックで、特捜部は実質的な容疑があると考えている可能性がある」。ある特捜部OBは指摘する。

 ◆今後の捜査◆

 そうであれば、収支報告書の虚偽記入について、石川容疑者らとの共謀を今後特捜部が立証できるかどうかが、最大の焦点になる。

 小沢氏は「私は関与していない」と強調しているが、小沢氏の関与を認めた石川容疑者の供述を突破口に、今後、特捜部は、ほかにも小沢氏の関与している場面がなかったか、石川容疑者や大久保被告を追及し、小沢氏の刑事責任について判断するとみられる。

 中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県)の元幹部が04年10月中旬、石川容疑者に現金5000万円を渡したと供述していることと、土地代金の原資との関係も、もう一つの焦点だ。

 石川容疑者はこの5000万円の受領を否定しており、小沢氏も23日の記者会見で「不正な金は受け取っていない」と言い切った。

 小沢氏はこの日、土地代金の原資について、事務所の金庫に保管していた現金4億数千万円から土地代金を拠出したと説明しているが、その証拠については十分に提示できていないとみられる。

 特捜部は小沢氏の説明に裏付けがあるか捜査を続け、必要があれば、小沢氏に再度の聴取を求めるとみられる。(社会部 尾島崇之)


■小沢幹事長・記者会見の主なやりとり<3> 激震民主
(1月23日21時31分 読売新聞)
 ◇小沢民主党幹事長の23日の記者会見のやりとりは次の通り。

 ――聴取で石川知裕容疑者らの自供の話はあったか。捜査と報道のあり方はどう思うか。

 「石川、他の2人も含め3人の供述内容の話はなかった。一切。また、後半部分の報道の中身については、ぜひできるだけ公正に、冷静に報道してもらいたいと願っている。検察は公平公正な捜査を行ってほしいし、直接会って、私の知っているすべてを話した。もちろん、それで納得してもらえるということではないが、私の説明について、真剣に聞いてもらったことは間違いないと思う」

 ――関与していないのに政治資金規正法に基づく収支報告書の虚偽記載について、なぜ単純ミスと評価できるのか。

 「うん。こういうような問題になって、私が言っているのは、そのような単純なミス、記載ミスはあったかと思うが『不正な金を受け取ってうんぬんという類はないと信じている』と党大会でも申し上げた通りだ。私は現時点でも、石川議員、他の秘書、秘書であった者も、精いっぱい任務を果たそうと努力してきたと信じている」

 ――事情聴取の中で、黙秘権は告げられたか。調書にサインはしたか。

 「被告発人、私に対する告発があったということで、被告発人として、説明をうかがうという話を(検察から)していただいた。その時に、黙秘の権利もあります、とうかがった。しかし、私は一切黙秘権を行使していないし、すべて答えている。調書については、2通、署名した」

 ――仮に刑事責任を問われても、幹事長を続けるつもりか。

 「私はそのような疑問を解いてもらうために、今日、事情の説明をした。あなたのおっしゃるようにこれがどうだったらどうするかということは考えていない」

 ――幹事長は民主党大会で「検察のやり方を容認できない。断固闘う決意だ」と言ったが、その考えに変わりはないか。

 「私が申し上げているのは、私ども、あるいは私自身が、そのような不正なお金であれ行為であれ、もらっていないし、してもいない。その主張は貫いていかなければならない。ただ、公平公正に捜査を行ってもらう以上、今後も協力したい」




昨日の聴取は、日本国憲法第38条が保障する「被疑者」の黙秘権の権利がしっかり確認された上での聴取でした。



黙秘権は「被疑者の権利」です。つまり、特定の犯罪につき何らかの情報を持つと思われる人としての参考人ではなく、特定の犯罪の嫌疑が生じている被疑者ということになるのでしょうか。



◇日本国憲法第38条
1 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
2 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

◇「刑事訴訟法」第198条
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。
2  前項の取調に際しては、被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げなければならない。
3  被疑者の供述は、これを調書に録取することができる。
4  前項の調書は、これを被疑者に閲覧させ、又は読み聞かせて、誤がないかどうかを問い、被疑者が増減変更の申立をしたときは、その供述を調書に記載しなければならない。
5  被疑者が、調書に誤のないことを申し立てたときは、これに署名押印することを求めることができる。但し、これを拒絶した場合は、この限りでない。