朝の民主党関連ニュース(自浄能力→危機管理能力) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

朝の民主党関連ニュース(自浄能力→危機管理能力)

秘書です。トクヴィルは多数派による数の横暴について以下のように述べています。

「多数派の権力を抑え、穏健にする方策がないと、自由は危機に瀕する。多数派万能それ自体が危険であり、専制の萌芽と解すべきであろう」

「合衆国において不正を訴える先は何か。世論は多数派の形成母体であり、立法府や政府はそれぞれ多数派への盲従機関で、奉仕機関に他ならない」

「こうした専制に対する防御はなく、多数派による思想統制も明明白白であろ。たかだか許容枠内の自由の享受しか許されず、そこからの逸脱は、災厄をまねく。火あぶりの刑は免れえても、弾圧や迫害の覚悟が必要とあって、結局、不満を吐き出す勇気を喪失し、ただ沈黙するのみである。多数派の正常視が元凶である。多数派万能が少数派を絶望に追い込み、暴力に救いを求めるとき、自由を失った事態がやってくる。多数派専制の顛末は無法状態である」

民主党に対して自浄能力をもとめる悲痛な声は、こうした多数派専制に対する潜在的な不安感の反映でもあるのでしょう。ということで、昨日の民主党大会関連ニュースです。



■石川議員逮捕/党の危機管理力が問われる
(1月17日河北新報)

 前夜に現職議員が、当日は最高実力者の秘書が、検察に身柄を拘束された。民主党は政権交代後初めての党大会をきのう、そんな状況下で開催しなければならなかった。
 鳩山由紀夫首相、小沢一郎党幹事長は「遺憾の意」やら「おわび」やらを口にしたが、事態を打開する手だてと展望が示されたわけではない。

 ダム工事にゼネコン、そして裏献金に政治家の秘書たち。容疑の背景から浮かんでくるのは恐ろしく古めかしい「政治とカネ」の構図である。「検察権力との全面対決」を打ち出して様子見に入る態度も、いったい何度、見せつけられてきたことか。
 捜査の不当性、見込み違いに反論があるのなら、むしろたっぷり時間を取って詳しく説明した方がいい。党内からそういう声が高まるわけでもない。大会前の会議で小沢氏があいさつする場面を突然、非公開に変更したりする始末だ。

 疑惑を抱え込んだ最高実力者を誰がいさめるでもなく、党として独自調査に乗り出す機運も生まれない。政権党が陥った機能不全は、政権交代の新風に期待した有権者の悲劇である。
 政治資金規正法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕されたのは衆院議員石川知裕、公設第1秘書大久保隆規両容疑者ら3人。

 幹事長の資金管理団体「陸山会」の2004年の収支報告書に4億円の収入を記載しなかったことなどが容疑の対象。背景にあるのは、陸山会の土地購入資金にゼネコンからの裏献金が組み込まれていたのではないかという疑惑だ。
 鳩山首相は党大会で「(小沢幹事長に)臆することなく身の潔白を説明し、職務を遂行するよう要請する」と述べた。幹事長続投の要請よりも、「説明」を促した前段に意味を見いだしたいくだりだった。しかし、幹事長会見は開かれなかった。

 首相の語り口からうかがえるのは、小沢事務所の問題ととらえる限定的な視点だ。現職議員がカネにまつわる容疑で逮捕された事態に、党として対応する体制をどう整えるか。政権党としての危機管理の発想は感じられない
 小沢幹事長は「党大会に合わせたかのように逮捕が行われた」と怒り、「こういう権力行使に全面的に対決していきたい」と述べた。検察からの任意の事情聴取に応じていれば、通常国会前に急きょ強制捜査に切り替えた捜査の方針転換はなかったのではないか。そんな見方に対する反論にはなっていない

 昨年春、大久保容疑者が最初に逮捕された後、「政権交代を阻む検察の陰謀だ」といった声が民主党から上がった。最大与党となった今、またぞろ「自民党への援護射撃だ」などと言うのはやめた方がいい。
 ごく小さな党派なら、このまま見放されて解体の道を転げ落ちるのも仕方がないが、有権者はそれは望んでいない。政権を担い続ける意欲と自負にかけて、不祥事に即応できる組織力を示してほしい。国会がいたずらに混乱するようなことになれば、悲劇の度合いは倍加する。


政権党である民主党に問われている自浄能力とは「危機管理能力」のことです。


■胆沢ダム、疑惑の渦 「癒着の象徴」指摘の声
(1月17日河北新報)
 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」が土地購入をめぐり収支報告書虚偽記載したとされる事件で、東京地検特捜部が事件に深くかかわるとみているのが、小沢氏の地元岩手県奥州市の「胆沢ダム」だ。ダムと小沢氏側との関係は西松建設の献金事件でも焦点になった。岩手県内では「胆沢ダムは政界と建設業界の癒着の象徴のようだ」との声も漏れる

「胆沢ダムが政治とカネの問題のシンボルのように映る」。小沢氏の公設第1秘書大久保隆規容疑者(48)の逮捕を受け、盛岡市の主婦(50)はあきれた表情で語った。別の市内の無職男性(89)は「何より岩手が疑惑の舞台のように言われることが残念でならない」と話す。

 胆沢ダムは国土交通省が進める国内最大規模のロックフィルダム。東京地検特捜部は、水谷建設が下請け工事参入のため、小沢氏側に提供した「裏献金」が土地購入費の原資に使われた疑いもあるとみている。

 総業費約2440億円に上るダム工事をめぐっては、小沢氏側の影響力を指摘する声が業界には多い。 「小沢事務所とのつながりがあったので受注できた」と言うのは、下請け工事をする県内のある建設会社幹部。別の建設会社関係者は、下請け工事受注のためゼネコンを訪れた当時、「担当者から『小沢事務所に話を通してあるのか』と聞かれた」と言う。

 小沢氏を支持してきた奥州市の会社員男性(52)は「ダムをめぐる報道には、もううんざりだ。小沢さんに疑問を感じ始めた」と言い、県北の公務員男性(21)はそもそも胆沢ダムは本当に必要だったのかと疑問を呈した。

[胆沢ダム] 国土交通省が発注し、奥州市で建設が進む国内最大規模のロックフィルダム。総事業費は約2440億円。主要工事は5工区に分けられ、鹿島、大成建設、清水建設、西松建設など大手、準大手ゼネコン各社が受注。下請けに入った水谷建設の関係者が、受注目的に2004~05年、小沢氏側に2回に分けて計1億円を渡したと東京地検特捜部に供述している。


地元の建設会社のみなさんのこの記事のような発言を、「ダム利権」と戦ってきた民主党のみなさんはどうお考えなのでしょうか?そもそも胆沢ダムが必要だったのか、民主党事業仕分けチームを結成しては?

■民主党議員は腰抜けか 政治部長・乾正人 
(1月17日 02:52 産経新聞)
 いやはやびっくりした。
 石川知裕衆院議員が東京地検特捜部に逮捕されたことでも、民主党の小沢一郎幹事長が続投を宣言したことでもない。
 現役の国会議員が逮捕されるのは(むろんあってはならないが)、議員も神ならぬ人間である以上、たまには不心得者も出る。
 小沢幹事長の「続投宣言」も小沢氏の年来の政治手法からいって驚くに値しない。
 ここで幹事長職を辞すれば、事実上、罪を認めたと世間が受け取るのは間違いない。師と仰いできた田中角栄元首相と庇護(ひご)者であった金丸信元自民党副総裁をお縄にした宿敵の東京地検特捜部に膝(ひざ)を屈するのは彼にとって屈辱以外なにものでもない。
 これまで営々として築いてきた「小沢神話」は一夜にしてかき消え、民主党の若手議員が称賛してやまない「小沢王国」が崩壊しかねないと判断したのだろう。
 鳩山由紀夫首相が傷ついた幹事長を励まし、続投を容認したのも当然といえば、当然である。
 昨年3月、西松事件で小沢氏の公設第1秘書が逮捕され、5月に小沢氏が代表を辞任。直後の代表選で、鳩山氏が世論調査の好感度でリードを許していた岡田克也氏に勝利した経緯を思い起こしてみれば、よくわかる。
 「選挙のプロ」ぞろいの小沢軍団の支持なしには、鳩山氏の勝利はなく、むろん鳩山政権誕生もあり得なかった。
 一般に鳩山政権は、政府(鳩山首相)と党(小沢幹事長)が対等に近い力をもっている「二重権力」構造といわれるが、そうではない。鳩山政権の実態は、党と国会を掌握している小沢氏が実権を握る「小沢政権」であり、鳩山氏は表紙にすぎない。
 マニフェスト(政権公約)通り、ガソリン税などの暫定税率を廃止しようとした藤井裕久前財務相の辞任劇が鳩山政権の現実を象徴している。辞任の理由は表向き「健康問題」だが、関係者によると、昨年末、小沢氏の主張通りに暫定税率維持が決まった直後に財務相は辞意を首相に伝えている。
 鳩山政権を懸命に支えていた藤井氏が閣外に去ったいま、首相はますます小沢氏に頼らざるを得ないのだ。もし鳩山政権が「二重権力」構造なら、小沢氏の威信が落ちた機に乗じて、権力を一元化するため幹事長を交代させる人事を断行するはずだが、まったく念頭になかったようだ。
 首相が幹事長に「どうぞ戦ってください」と三権の長としておよそ非常識な発言をしても恥じないのは、「表紙」としてそれ以上のことを言えないからである。
 では、何にびっくりしたのか。民主党の国会議員たちのあまりの腰抜けぶりに、である。
 党幹事長の秘書と元秘書2人が相次いで逮捕された事態は、誰がどう考えても異常である。オフレコで聞けば、「小沢さんは辞めるべきだ」「鳩山さんはもっとしっかりしてほしい」と語る民主党議員は結構いる。しかし、実名でのコメントを求めると、「それは勘弁してほしい」となる。16日の党大会でも批判ひとつ出なかった
 「検察ファッショだ」と思うのであれば、新党大地の鈴木宗男代表が「検察の行動に二・二六事件の青年将校たちの横暴のようなものを感じる」と痛烈に批判したように、堂々と異議を唱えればよい。そうでもなく、「ノーコメント」と逃げまわる議員がほとんどなのである。日ごろは威勢のいいことをテレビで吠(ほ)えている若手・中堅議員ほど口をつぐんでいる。
 そんなに小沢一郎という政治家が怖いのか渡部恒三元衆院副議長は「戦前の大政翼賛会のようだ」と嘆くが、その通りだ。いざというときに物言えぬ政治家に、とても国政は任せられない


日ごろテレビでご活躍の民主党議員のみなさん!この「叱咤激励」届いていますか?一体、何がそんなに怖いんでしょう。中国の鄧小平なんて、あれだけ干されても復活したじゃないですか。チェコのドプチェクも営林署の職員に干されても最後は復活したじゃないですか。干されてポストを外されるのが怖いなら、義を貫くことが求められる政治は向いていないんじゃないですか。


■側近逮捕にも変わらぬ支配力 小沢チルドレンは断固支持
(1月17日06時02分 スポーツ報知)
 民主党が7月の参院選に比例代表の新人候補として擁立する元プロレスラー・前田日明氏(50)が16日の党大会に姿を見せた。小沢幹事長については「門外漢だから」と言葉を選んだほか、ガールズやチルドレンらも一様に口をチャック。剛腕男の変わらぬ支配力を示す形となった。
 日比谷公会堂の3階席から、前田氏は壇上の小沢幹事長を見ていた。党大会では新人の公認候補をステージで紹介するのが通例だが、調整が難航して急きょ中止が決まった。
 オブザーバーとして出席した元カリスマプロレスラーの口は、意外にも重かった。小沢氏について「門外漢だからね。まだバッジを着けられるかどうかも分からないわけだから」と前置きした上で「両方(検察側と小沢氏側)の話を聞いてみないと。まだ報道だけ。マスコミがどれだけいいかげんかは、よく分かってるから」と慎重に言葉を選んだ。
 数日前に「発言には配慮するように」という事実上の「かん口令」が敷かれた現役議員も、態度は同じだった。小沢ガールズの筆頭格・福田衣里子氏は「事実関係が分かりませんので。何かを言える立場にありません」と言ったきり、追いすがる報道陣を完全に無視。同じ新人の横粂勝仁氏は、元弁護士の立場から「(今回の)逮捕の必要性には、疑問をぬぐえないものがある」と語った。
 今夏の選挙に影響があることは必至の参院議員からも「小沢NO」の声は出なかった。森裕子氏は「これは官僚機構である検察と国民の代表である民主党の全面戦争だ」と共闘を宣言し「(小沢氏の時が)一番拍手が大きかったのではないか」とまで持ち上げる始末姫井由美子氏は「今の段階で語れることに関しては語ってくれたと信じたい」とし、持ち前の奔放なキャラを封印した。
 土地資金問題が発覚した直後の元日も、私邸で開かれた新年会には過去最多の166人の議員が「小沢詣で」した。党内には「真相が分からないから静かにしている面もある」との声もあるが、逆境で迎えたはずの党大会は表面上、剛腕男の党内支配力を見せつける舞台と化して幕を閉じた。


「多様性、共有、公開性」という「新しい公共性」が民主党のみなさんに期待されていると思うのですが。


■党内ひとまず静観 辞任論再燃は世論次第
(1月17日 07時14分 東京新聞)
 十六日の民主党大会は、小沢一郎幹事長の資金管理団体による土地購入をめぐる事件一色になった。小沢氏が検察当局との全面対決を宣言し、続投を表明したことに、表向き異論は出なかったものの、党内には困惑が広がった。 (高山晶一)
 小沢氏が「議会制民主主義確立のために、力を合わせて頑張ろうではないか」とあいさつを締めくくると、会場から拍手が起きた。閉幕後、小沢氏は「またよろしく頼むぞ」と側近に声を掛けた。
 小沢氏に近い森裕子参院議員は記者団に「検察をトップとする官僚機構と、国民の代表である民主党政権との全面的な戦争。一致団結して最後まで戦う」と決意を示した。芝博一参院議員も「(続投は)適切な判断だ。参院選も一丸となってやれる」と力を込めた。
 小沢氏側近は「ちゃんと説明したんだから大丈夫だろう。党内で(続投に)文句を言っている人もほとんどいない」とひと安心の様子だ。
 もっとも、党内は続投支持でまとまったわけではない。
 小沢氏と距離を置く玄葉光一郎衆院議員は「(続投宣言は)現時点でそう判断したということ。その時々で鳩山由紀夫首相、小沢幹事長がまた判断すると思う」と微妙なコメントを記者団にした。
 小川敏夫広報委員長兼国民運動委員長も「今すぐ責任をとって辞めるという話ではない。もう少し推移を見守りたい」と述べた。
 通常国会の召集を十八日に控えて、党内の混乱は避けたいため、ひとまずは「様子見」(中堅)という空気が党内に強い。
 しかし、底流では辞任論がくすぶり続け、捜査の手が小沢氏本人に伸びたり、世論の風当たりが強まれば、それが燃え上がることは十分予想される
 中堅議員は「しばらくは我慢するけど、あとは言いたいことを言う」と言う。別の中堅は「世論がどこまでもつか。あと一週間で状況はどんどん動くだろう」と予測する。
 輿石東参院議員会長に、当面は職務の一部を任せるとの小沢氏の意向も、懐疑的に受け止められている。あの小沢氏が与党幹事長のポストをそう簡単に手放すはずはない、とみられているからだ。
 実際、十七日は参院選に向けた地方行脚として長崎県入りする予定だ。
 ある若手は「役職を外れてくれないと、意味がない」と不満を隠さない。


民主党の「世論次第」体質。国民に意志決定をゆだねているわけですね。国会議員として正論を貫くという責任ある判断の放棄では?気づいていないかもしれませんが、常に、大勢にのっかていくと、勝ち馬指向になり、寄らば大樹となる。改革は無理です。 


■小沢氏団体不透明会計:小沢幹事長続投 首相一蓮托生「検察とどうぞ戦ってください」
(1月17日毎日新聞)
16日に開かれた政権獲得後初の民主党大会は、小沢一郎幹事長が東京地検特捜部に対して「宣戦布告」する場となった。小沢氏の資金管理団体の土地購入を巡り、元秘書の石川知裕衆院議員らの逮捕から一夜明け、鳩山由紀夫首相は小沢氏に対し「(検察と)どうぞ戦ってください」と伝え、幹事長続投を容認。政府・与党内での小沢氏の存在感を前に、小沢氏抜きの政権運営は首相の選択肢にはなかった。民主党VS検察の構図が強まっており、小沢氏の説明と違う事実が出てくれば、鳩山政権自体が大打撃を受けるリスクを背負うことになった。
 党大会は同日午後1時から、東京・日比谷公園の日比谷公会堂で開かれた。式次第にない小沢氏のあいさつが突然始まったのは、午後2時すぎ。小沢氏は「党大会の日に合わせたかのように、逮捕が行われている。私は到底、容認することはできない」と検察批判を展開した。
 石川議員の逮捕に激震が走った15日、小沢氏は民主党の輿石東参院議員会長に電話し、「断固として検察と戦う。幹事長職務の代行をお願いしたい」との方針を伝えた。小沢氏は16日、首相公邸での首相との会談でも「幹事長職をやり抜く」との決意を表明。首相も「小沢幹事長を信じています」と応じ、続投があっさり決まった。
 党代表を務める首相自身も虚偽献金事件を抱え、「政治とカネ」で小沢氏を批判したり、更迭できる立場にない。小沢氏は党大会で「首相の気持ちを自らの支えとして、今後も与えられた職責を全力で果たす」と強調。代表と幹事長が「一蓮托生(いちれんたくしょう)」の関係になりつつある。
 党大会は反検察色が鮮明になり、来賓の鈴木宗男・新党大地代表は「検察が正義だとしたら、大間違いだ」と声を張り上げ、会場からは「(検察組織を)事業仕分けしろ」とのヤジまで飛び出した。党大会は「国民が政権交代の果実を実感できる年にするべくまい進する」とうたい、参院選勝利のほか、政治資金の透明化などを盛り込んだ10年度活動方針案などを拍手で採択して終わり、事件に関しての質疑はなかった。
 前原誠司国土交通相は16日、大阪府内であった民主党議員の後援会で、「しっかり説明をし、おかしなことは自浄能力を発揮して正していかないといけない」と述べ、小沢氏に説明責任を果たすよう求めたが、党内から幹事長続投に表立った異論は聞こえてこない。
 こうした中、首相の「(検察と)どうぞ戦って」発言は新たな火種となりそうだ。検察庁も属する行政府のトップである首相が、争いをけしかけたとも受け取れ、民主党内からも「あの言い方は変だ」(中堅議員)と懸念が漏れる。自民党の大島理森幹事長は16日、党本部で記者団に「検察のあり方に対し批判的意味を込めて話したのか、小沢さんの前だから言ったのか真意は分からないが、軽率だ」と批判した。
 小沢氏の「対決宣言」を知った法務・検察幹部は16日、「我々は感情的になってはいけない。法と証拠に基づいて粛々と捜査するだけ」と語った。
 ◇小沢氏、4億円「個人的な資金」
 小沢氏は16日の党定期大会で、土地購入に充てた手持ち資金4億円について「隠し立てするお金でなく積み立ててきた個人の資金」と説明した。小沢氏によると、「金融機関や支店名を(弁護士を通じて)検察当局に伝え、1、2日後に『口座の書類は入手した』との返答が弁護士を通じてあった。このため『資金についての疑いは晴れたと安心し、良かったなと思っていた』ところ、突然3人の逮捕になった」という。
 同党衆院議員、石川知裕容疑者(36)=政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で逮捕=の弁護士によると、4億円は亡父の小沢佐重喜(さえき)元建設相(68年死去)の相続遺産。小沢氏や妻名義で信託銀行に預け、約10年前、銀行から引き出して小沢氏宅に保管していたという。


「偽なる情報を前提とする誤謬」の多数派が形成されると、怖い。だから、法と証拠が大事です。


■鳩山民主は心中覚悟、検察と“全面戦争”へ
(1月17日 05:05サンケイスポーツ)
鳩山由紀夫首相(62)は16日、民主党の小沢一郎幹事長(67)と公邸で会談。首相は「どうぞ戦ってください」と、検察との“全面戦争”容認のエールを送るとともに、小沢幹事長体制を維持することを明言した。今夏の参院選をにらみバックアップする姿勢だが、検察捜査に圧力をかけたとの見方を招きかねない発言に、疑問視する声が出ている。 小沢幹事長が民主党大会でブチ上げた検察への“宣戦布告”。背景に鳩山首相の言葉があった。
 「私も小沢さんを信じています。どうぞ戦ってください」
 鳩山氏は小沢氏と16日午前、公邸で会談。続投の意思を示した小沢氏に対し、首相としては異例のエールを送り、検察との“全面戦争”を容認した。この日の党大会でも「小沢幹事長は潔白を証明し、職務遂行に全力を挙げて」と擁護し、党の一致結束を訴えた。
 この発言を疑問視する声が、早々と党内外から出ている。行政の最高権力者といえる首相が、行政機関の1つでもある検察批判に同調するのは極めて異常だからだ
 政府内の役職を務める民主党議員は「野党感覚が抜けていない。自分が(法務省を含めた)行政トップなのに、検察批判と受け取られる発言をするのは考えられない」と苦言。自民党の大島理森幹事長(63)も「鳩山首相は言葉の持つ深い意味を考えないでぺらぺら話し、言葉の信頼をなくしている。検察への批判的な意味で言ったかどうか分からないが、軽率な言葉だ」と指摘した。
 発言の背景にあるのは今夏の参院選。政治評論家の小林吉弥氏(68)は「参院選での単独過半数を目指している以上、小沢氏抜きでは選挙を戦えない。他にリードできる人が誰もいない」とみる。小沢氏を幹事長から降ろすことが参院選での“敗北”に直結する可能性があるからだ。
 また、小林良彰慶応大教授(55)=政治学=は「小沢氏が続投と検察との対決姿勢を表明し、鳩山首相が了承したことで、これは政権全体の問題になった。首相は民主党代表であり小沢氏の任命権者。今後の展開次第では連帯責任も問われるはず」と指摘した。
 昨年3月「小沢氏に殉じるときは殉じますよ」と語った鳩山首相。政権の命運を小沢氏に託した“選択”が国民の支持を得られるのか。「小沢氏の説明を世論が納得するかどうかがすべて。政党支持率急落なら幹事長交代しかない」と民主党幹部。18日召集の通常国会は視界ゼロの状態だ。



世論次第。民主党支持者のみなさんが世論で催促しないと動かないようです。


さて、下記の3つの記事ですが、いずれも、民主党も傍観していればいい問題ではないように思うのですが。



■小沢氏個人の土地と疑われないよう不記載か
(1月17日7時8分朝日新聞)
 小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で逮捕された元秘書の衆院議員石川知裕容疑者(36)が、この土地が小沢氏の個人資産と疑われないように購入原資を政治資金収支報告書に記載しなかった疑いがあることがわかった。
 東京地検特捜部は、小沢氏が「便宜上、個人名義」としているだけで同会の所有とする根拠とした「確認書」が、取引の2年後に作られていたことに注目。不可解な取引の理由の解明を進めている。
 問題の土地は、陸山会が2004年10月29日に約3億5千万円で購入した476平方メートルの宅地。当時の同会の事務担当者だった石川議員が「小沢氏が父親から相続した資金」と供述した4億円が、陸山会に入金されて購入費に充てられた。一方で、陸山会のような政党以外の政治団体は登記できないとの理由で、登記上の所有者は代表である小沢氏個人とされた。
 07年になって、この土地の購入費が05年分の政治資金収支報告書に内訳不明のまま「事務所費」名目で記載されていたことが表面化。「政治団体が解散すれば、小沢氏個人の資産に変わるのではないか」との批判も出た。
 これに対し、小沢氏は07年2月20日に会見を開き、便宜上、小沢氏個人の名義で登記したにすぎないと主張し、根拠として「確認書」を示した。個人の「小澤一郎」氏が何の権利も持たず、陸山会代表の「小沢一郎」氏の指示がなければ処分や担保権の設定はできない――とする内容で、小沢氏が二つの立場で署名していた。「公私の区別をはっきりつけるための私自身の意思表明」と説明した。
 陸山会は収支報告書に、この土地の購入日を05年1月7日としており、確認書の作成日も同日付と記されていた。
 しかし、特捜部が09年3月の西松建設の違法献金事件の捜査で陸山会事務所を家宅捜索して押収したパソコンのデータを分析した結果、実際に確認書が作成されたのは小沢氏が会見した07年2月20日の直前だったことが判明。小沢氏側が会見で蓄財批判をかわすために準備した文書だった疑いが強いことがわかった。
 さらに、登記上の名義人は小沢氏個人で、小沢氏が原告となった民事裁判の確定判決も「陸山会が購入した不動産が陸山会のものであると断定することはできない」と認定。小沢氏が死亡したり団体が解散したりすれば、土地が法的には親族や小沢氏に帰属する可能性があるという。


■小沢氏団体、不記載の入金15億円 04年ごろ、旧自由党資金還流か
(1月17日07:00日経新聞)
 民主党の小沢一郎幹事長の関連政治団体「改革フォーラム21」の口座に2004年ごろ、政治資金収支報告書に記載のない計約15億円の現金が入金されていたことが16日、関係者の話で分かった。小沢氏が党首を務めていた旧自由党が02年、当時幹事長だった藤井裕久前財務相あてに同額の党費を支出しており、この資金がそのまま還流した疑いがあるという。
 資金の原資は政党交付金
。小沢氏の関連政治団体を巡る不透明な資金移動が改めて浮かび上がった格好だ。


■石川議員「代表選前の発覚回避」 地検、4億円解明急ぐ
(1月17日07:00日経新聞)
 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る事件で、衆院議員の石川知裕容疑者(36)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=が、政治資金収支報告書に虚偽の記載をした理由について「小沢先生が大金を持っていることが党の代表選前に表面化し、影響が出るのを避けたかった」などと周囲に話していることが16日、関係者の話で分かった。
 石川議員は東京地検特捜部に同様の趣旨を供述しているとみられる。特捜部は陸山会が土地購入に充てた4億円の原資を隠すことが虚偽記載の狙いだったとみており、原資の出所などの解明を進めている