朝の民主党動向ウォッチ | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

朝の民主党動向ウォッチ

秘書です。明日から仕事です。早かった年末年始・・・

■政権交代、その後/民意の成熟を映しているか
(1月3日河北新報)
 「言うは易(やす)く行うは難し」。新年、鳩山由紀夫首相の心中にはそんな格言が去来したに違いない。「友愛」という理想の前に厳しい現実が立ちはだかる。
 残暑の政権交代から4カ月余。国民の期待は半ば実現し、半ば裏切られもした。2010年、わが国の政治はどこへ向かうのか。

 明治期の思想家中江兆民が1887年に著した『三酔人経(けい)綸(りん)問答』。南海先生のもとを訪ねた洋学紳士(民権主義者)と豪傑君(国権主義者)が酒を酌み交わしながら、日本の来し方行く末を論じる。
  「昔懐かしの元素」と「新し好きの元素」。豪傑君が政治を決定づける対立軸をこう表現している。 

 いわく、昔元素は「後に引かぬことを目的」とし、新し元素は「失敗しないことを目的」とする。二つの元素が同時に政府にあるときは、その施政はしばしば了解に苦しむようなものになる。仮に昔元素が勝てば政府の命令に決断力が、新し元素が勝てば周到さが表れるという。

 2010年度予算編成をめぐる民主党の混乱も、この文脈で理解することができる。主役は二人。片や豪傑ならぬ昔かたぎの剛腕小沢一郎幹事長、こなた政治に新味を求める洋学紳士然とした鳩山氏である。

 ガソリン税の暫定税率維持は小沢氏の決断力の見せどころだった。「財源がなければ、政治はできないでしょ」と言わんばかりの現実主義が顔を出した。
 鳩山氏は小沢氏が求めた子ども手当の所得制限導入は、何とか押し返した。「社会全体で子どもを育てる」という理想主義者としての意地だろうか。

 問題は「新し好き」鳩山氏の行動や言動に周到さが感じられないことだった。八方美人、つまりは「失敗しないこと」に気を配り過ぎた結果、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題は暗礁に乗り上げた。
 基地問題で立ち向かう相手は「核なき世界」という理想を掲げながら、イラクとアフガニスタンで戦争を進める豪傑・オバマ大統領である。戦略に周到さがなければ、展望は開けない。

 共同通信社の世論調査によると、鳩山内閣の支持率は47.2%と前回調査から16.5ポイント下がった。偽装献金問題に加え、「昔元素」に押される鳩山氏に国民は疑心を抱き始めている。
 一方で、国民は無邪気に「新し元素」をもてはやしているわけではないことにも留意したい。暫定税率も子ども手当も、マニフェスト(政権公約)通りの完全実施には懐疑的だった。

 借入金を含めた国と地方の長期債務残高は10年度末、862兆円と国内総生産(GDP)比で1.8倍に膨らむ。「これ以上、孫子の世代につけを回していいのか」。調査からは、そんな抑制的で成熟した民意も読み取れる。
 南海先生は政治の本質をこう語る。「国民の意向に従い、(略)平穏な楽しみを維持させ、福祉の利益を得させること」。政権交代は実現した。問題はその先にある。民意を読み違えれば、政権は容易についえる

(獅子16)含蓄のある社説ですね!「昔懐かしの元素」と「新し好きの元素」というのは、保守VSリベラル、「記憶の党派」VS「希望の党派」ともいえますね。おもしろいのは昔元素は「後に引かぬことを目的」とし、新し元素は「失敗しないことを目的」とするという点ですね。リベラルには決断力が欠ける、決断力は保守にあることを示唆していますね。さて、今年の自民党、民主党のそれぞれの保守とリベラルはどういうドラマを演ずるか。

■【疑惑の濁流】「小沢一郎vs検察」因縁の対決再び? 「裏献金」と不動産問題の謎
(1月3日 07:00 産経新聞)
 民主党の小沢一郎幹事長を、「政治とカネ」の問題が再び直撃している。昨年3月に公設秘書が逮捕されて民主党の代表辞任を余儀なくされたものの、8月には悲願の政権交代を達成し、権力を手中に収めた小沢氏。ところが10月以降、資金管理団体の土地取引に絡む問題や1億円の裏献金疑惑が相次いで発覚したのだ。小沢氏が政治の師と仰いだ田中角栄、金丸信両氏と金庫番秘書を「政治とカネ」で摘発してきた東京地検特捜部。小沢氏と特捜部との“因縁の対決”が再び幕を開けるのか。
接待攻勢
 「○○殿、○○殿」。ネクタイを頭に巻いたほろ酔いの中年男性は、振り袖姿の「半玉(はんぎょく)」と呼ばれる芸者見習いの若い女性の手を握り、源氏名にちなんで、何度もこう呼びかけたという。
 平成15年。場所は東京・向島の高級料亭。男性は小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規被告(48)だと関係者は証言する。
 大久保被告は11年から小沢氏の秘書を務め、小沢氏の資金管理団体「陸山会」の会計責任者も務めた“金庫番秘書”。昨年3月、陸山会などが準大手ゼネコン「西松建設」からダミーの政治団体を通じ、違法な企業献金を受け取ったなどとして、政治資金規正法違反容疑で逮捕、起訴された人物だ。
 関係者によると、大久保被告をこの料亭で頻繁に接待していたのは、重機土木大手「水谷建設」(三重県桑名市)の幹部だった。
 水谷建設といえば、18年に巨額脱税事件で特捜部に摘発された会社だ。実刑判決が確定し、服役中の元会長、水谷功受刑者(64)がゼネコンの下請けを専門とする全国屈指の「サブコン」に急成長させたことで知られる。
 水谷建設関係者の話では、年間400億円もの売り上げを誇るようになった背景には、水谷受刑者の持つ政界や闇社会への幅広い人脈があったとされる。その手法は、不正な経理処理で捻出(ねんしゅつ)した裏金を政界にばらまいて公共工事を受注するというものだったといい、業界では「平成の政商」とも呼ばれた。
水谷建設幹部は、大久保被告を接待する際、周囲に「今やっている大事な仕事のために接待しなければならない大事な人。機嫌を損ねたら大変なことになる」と話していたという。
 当時小沢氏の私設秘書で、大久保被告の部下だった民主党の石川知裕衆院議員(36)=北海道11区=が接待に同席することもあったという。
 一体、水谷建設は何のために、小沢氏の“金庫番秘書”たちに接待攻勢をかけていたのだろうか。
  「小沢ダム」 
 「政権交代」で盛り上がった昨年8月の衆院選。その直前の7月、東京地検特捜部の検事が、三重県津市の三重刑務所を訪れた。検事がわざわざ足を運んだのは、ある重要人物に面会するためだった。その人物こそ、水谷建設元会長の水谷受刑者だった。
 「平成16年10月と17年の春ごろ、小沢さん側に5千万円ずつ計1億円を渡しました。小沢さんの秘書だった大久保さんと石川さんから要求されました」
 関係者によると、水谷受刑者は検事にこう供述したという。カネの趣旨について尋ねると>「胆沢ダムの下請け工事受注の成功報酬でした」と語ったとされる。
 胆沢ダムとは、小沢氏の地元、岩手県奥州市にある岩石や土砂を積み上げて造る国内最大級のロックフィルムダムだ。国土交通省の発注で、総事業費は2440億円にも上る
 水谷建設は計34億円分の下請け工事を受注していた。このうち、水谷受刑者が言う「小沢氏側に現金を渡した」時期と重なる16年10月には堤体盛立第1期工事を、17年3月には原石山材料採取第1期工事を請け負った。
 供述通りならば、接待攻勢も資金提供も狙いは小沢氏の地元にある大型公共工事にあったことになる。
 小沢氏側が胆沢ダム工事の受注について影響力があったことが推測できる話は、昨年12月に東京地裁で開かれた大久保被告の初公判で明らかにされた。
検察側が法廷で読み上げた西松建設盛岡営業所長の供述調書。大久保被告が所長に「おたくが取った胆沢ダムは小沢ダムだ。今後もそのことを忘れないで協力してくれないと困るよ」と言われたと記されていた。
 ただ、「水谷供述」はあくまでも水谷受刑者の言葉だけであって、「裏献金」疑惑は現段階では事実と固まってはいない。小沢事務所と石川事務所は「そうした事実は一切ない」としている。

 ところが、「裏献金」疑惑が浮上した昨秋、小沢氏側をめぐる別の問題も表面化した。それが不動産問題だ。
「単純ミス」
 東京都内でも閑静な住宅街として知られる世田谷区深沢。この地区に小沢氏名義の不動産が2軒ある。
 1つは、深沢6丁目にある小沢氏や家族が住む自宅だ。昭和60年に1619平方メートルの土地を購入し、翌61年に414平方メートルの木造2階建ての住宅を新築した。
 もう1つが深沢8丁目にある476平方メートルの土地だ。小沢氏の自宅からは約700メートルと近い。登記の名義は小沢氏だが、陸山会の「資産」として政治資金収支報告書に記載されている。2階建ての家屋2棟が建てられ、小沢氏の秘書の寮として使われているという。
 陸山会は16年10月、8丁目の土地を約3億4千万円で都内の不動産会社から購入したが、支払った代金は同年分の収支報告書に記載せず、翌17年分の収支報告書の 「事務所費」に含めて支出計上した。
 これが、「その年におけるすべての収入、支出を記載しなければならない」と定めた政治資金規正法違反(虚偽記載)罪にあたるとして、「世論を正す会」と名乗る団体が昨年11月、陸山会元会計責任者の大久保被告と、元会計事務担当の石川氏ら3人を特捜部に刑事告発した。
小沢氏は、問題が発覚した10月の会見で「事務方の単純ミス」と言い切ったが、“ミス”では片づけられない不自然な点がいくつも浮かび上がってくる。
登記日の“ずれ”
 複数の不動産関係者などによると、土地購入のいきさつはこうだ。
 不動産会社が問題の8丁目の土地を売りに出したのは16年4月ごろ。地元の大地主が所有していた周辺一帯の土地を不動産会社が買い取り、分割して売り出したのだという。
 同年9月ごろに小沢事務所から「購入したい」と連絡があり、10月5日に売買契約が結ばれた。その際、小沢事務所から手付金1千万円が支払われ、同29日までに残りの代金を支払うことで合意したという。
 不動産会社側は29日の残金決済の日に、登記の移転手続きも行う方向で準備を進めていた。ところが、直前になって石川氏から「登記日を年明けの1月7日にしてほしい」と連絡があったという。
 このため、29日に東京・永田町の銀行支店で不動産会社、同会側の立ち会いのもと残金決済が行われ、代金支払いが完了したが、所有権移転登記については「請求権仮登記」とするにとどめたという。実際に登記されたのは同会側が望んだ17年1月7日だった。
 小沢氏は会見で「売買と登記の時間がずれることはある。登記をして権利は確立するので、事務方は登記に合わせてやったと思う」と釈明したが、専門家の見方は違う。
 ある不動産関係者は「午後に決済を行い、法務局への手続きが間に合わない場合は、所有権の移転登記が1日遅れることは多々ある。しかし、数カ月も遅れることはまれだ。何か特別な意図があるとしか考えられない」といぶかしむ。
“謎の5億8千万円”
 さらに不可解なのは、土地代金約3億4千万円の調達をめぐり、陸山会が小沢氏の複数の関連政治団体間で複雑な資金操作をしていることだ
小沢氏側は「4億円の定期預金を担保に銀行から小沢氏名義で借りた4億円を充てた」と説明しているが、これまでの関係者への取材で判明した取引実態からは、この説明はウソだった疑いが強い。
 石川氏は昨年末、特捜部の任意の事情聴取を受け、土地代金について、「運転資金が足りなくなり、小沢氏の個人資金約4億円を充てた」と供述したという。実際、陸山会の口座には、残金決裁が行われた29日の1、2日前に簿外で用意した小沢氏の個人資金とみられる約4億円が複数の関連政治団体を経由するなどして入金されていた。
 29日午前、陸山会が土地代金を振り込んだ直後、陸山会の口座には、さらに複数の関連政治団体から計約1億8千万円が入金されていたとされ、銀行で4億円の定期預金を組み、これを担保に4億円の融資を受けたのは同日午後だった。
 このため、小沢氏の個人資金が土地代金に充てられ、関連政治団体からの1億8千万円が定期預金の原資の一部になった可能性が高い。定期預金を担保にした借り入れは、簿外の小沢氏の個人資金を隠すためだった疑いがある。
 これら、政治団体などからの入金はいずれも収支報告書に記載がなく、計約5億8千万円について、不記載の疑いが浮上している。
 石川氏はなぜ、収支報告書に記載しなかったのだろうか。そして、この資金の原資は一体何なのか。土地取引が行われた16年10月は、水谷受刑者が供述した「1回目の資金提供」と同じ時期だが、これはまったくの偶然なのだろうか
 また、陸山会は19年、小沢氏本人に4億円を支出していた疑惑も発覚。小沢氏からの借入金の返済とみられるこの資金も、収支報告書に記載はなかった。
 特捜部は年明けに、16年の不記載について、石川氏を政治資金規正法違反容疑で立件する方針だが、不透明な資金の原資についても解明を進めている

(獅子16)何が真実なのでしょうか。注目です。

■【政界ずばり展望】2010年はこうなる(5)菅副総理に打順は回るか?
(1月3日 07:00 産経新聞)
 平成22年の政局が「ポスト鳩山」を軸に展開するのは間違いない。偽装献金事件で秘書2人が起訴されたことで、鳩山由紀夫首相の求心力は弱まり、民主党内では同年夏の参院選をどの顔で戦うのか、ヒソヒソ話が始まっている。ネクスト・バッターズ・サークルにはすでに菅直人副総理・国家戦略担当相が入っているが、果たして打順は回ってくるか。
 民主党内を完全に掌握した小沢一郎幹事長は「3段階革命」を狙う。21年の衆院選で政権を獲得し、第1段階は実現された。22年の参院選で単独過半数を確保して自民党と業界団体を寸断した上で、23年の統一地方選で首長や地方議会を握れば、革命は完成する。
 「武力革命なら、気に入らん奴はみんな倒してしまえばいいが、民主主義のプロセスを経て、革命的な改革をやろうしている。その手続きを経るために時間がかかるのは当然だ」 
 小沢氏は12月26日、兵庫県尼崎市内でのパーティーで「革命」への決意を強調した。鳩山首相(党代表)から参院選対策を全権委任され、第2段階の革命に強い意気込みを見せている小沢氏が目下のところ最も気にしているのは鳩山首相の偽装献金事件が内閣や民主党の支持率に及ぼす影響だ。
 報道各社の世論調査では9月の発足当初7割を超えていた内閣支持率が5割を割り込み、民主党支持率も低下傾向にある。首相が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題やガソリン税などの暫定税率廃止問題でみせた「決断力の欠如」が主因だったが、通常国会で自民党などの野党が首相の偽装献金事件や小沢氏をめぐる西松建設の違法献金事件を徹底追及すれば、支持率低下に歯止めがかからなくなる。
国民の鳩山離れを見越し、最近、民主党内では「5月退陣説」がささやかれ始めている。
 普天間移設問題で、米政府が日本政府に対し21年内に結論を出すよう求めてきたのに対し、首相は移設先の決定を来年5月まで先送りした。
 連立相手の社民党はグアムや硫黄島への移設を強硬に主張しているが、沖縄県外や国外の選択肢をとるのは困難だ。移設問題で、首相と、連立を優先する小沢氏の路線の違いが露呈する可能性がある5月には、ちょうど予算関連法案の成立にメドが立つ。この時期に次のバッターに打席を譲れば、参院選への準備も可能になるというのが「5月退陣説」の論拠だ
 そこで、「次」を虎視眈々(こしたんたん)と狙っているのが菅氏だ。政権発足後しばらく発言を控えていたため、「イラ菅がダマ菅になった」と揶揄(やゆ)されていたが、予算編成では積極的に閣僚間調整に当たり、成長戦略の策定も主導した。12月25日の閣僚懇談会では国会召集前に鳩山首相と閣僚の「合宿」を開くことを提案し、閣内での影響力拡大を図ろうとしている。
ただ、人一倍、権力志向の強い菅氏が首相の座を勝ち取った場合、小沢氏の言いなりにならない可能性がある。そういう首相では、小沢氏にとっては都合が悪いだろう。
 そこで急浮上してきているのが原口一博総務相だ。旧知の橋下徹大阪府知事を小沢氏に引き合わせるなど、忠誠度はナンバーワンだ。
 党内では渡部恒三元衆院副議長が小沢氏への批判を繰り返しているが、広がりはない。小沢氏と距離を置いてきた代表経験者の岡田克也外相、前原誠司国土交通相が閣僚としての調整能力でミソを付け、ポスト鳩山レースで出遅れ気味だ。
 自民党の森喜朗元首相が「民主党は小沢、鳩山、菅各氏のトライアングルを固め、このコア(核)がしっかりしているから強固な組織になった」(21年10月の産経新聞のインタビュー)と見抜いた通り、3氏が党内の主導権を握り、若手の台頭を抑えて均衡を保ってきたのが野党・民主党だった。しかし、不気味なのは小沢氏が12月下旬のテレビ番組で語った次の言葉である。
 「首相になって、本当にみんなのためにやれるっちゅう風に、皆さんが思ってくださるときがあれば、拒む必要はない」
 小沢氏が首相就任に意欲を示したとも受け取れる、この発言の真意は? ポスト鳩山をにらんだ政局で、「トロイカ」の思惑が一致するとはかぎらない。(加納宏幸)

(獅子16)さあ、どうなりますか。注目です。