「脱税マネー」はきれいなおカネ? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

「脱税マネー」はきれいなおカネ?

秘書です。「脱税マネー」は「きれいなおカネ」ですか?国会で解明しましょう。参院選で国民に審判してもらいましょう。

■東北・有権者の声 鳩山首相元公設秘書起訴
(12月25日河北新報)

 鳩山由紀夫首相が代表を務める資金管理団体の収支報告書虚偽記載をめぐり、元秘書2人が24日、政治資金規正法違反の罪で起訴された。東北各地の有権者は繰り返される「政治とカネ」の問題に落胆し、首相に説明責任を求める厳しい意見も噴出した。

<納得する説明を>
 鳩山首相は以前、「元秘書が罪を問われるなら政治家も同罪だ」と言っていたのに、矛盾している。民主党に期待していただけに、最近は裏切られるようなことばかりで、非常に不満。首相は、国民が納得できるような説明をするべきだ。(青森県鯵ケ沢町 斉藤秀雄さん 保護司 77歳)

<億単位とは…>
 億単位のお金を母親からもらうなんて一般の感覚では想像がつかない。何も知らなかったという鳩山首相の説明は納得できない。期待していただけに残念。秘書だけでなく本人にも責任がある。払うべき税金を払い、きちんと謝罪してほしい。(宮古市 佐々木広子さん 自営業 46歳)

<けじめつけよ>
 秘書が勝手にやったという鳩山首相の発言だけでは到底、納得できない。まずは説明責任を果たしてほしい。このままでは、山積する問題のすべてが、中途半端になりそうで心配だ。しっかりとけじめをつけた上で、国政に当たってほしい。(仙台市若林区 塩川祐一さん 書店店主 46歳)

<悪質性感じず>
 偽装献金の原資は母親の資金であり、それほど悪質性を感じないのが正直な感想。鳩山首相には説明責任があるが、起訴された秘書に刑事処分が出た後でいい。それより景気回復をはじめ、国民が望んでいる問題に集中して取り組んでほしい。(秋田市 佐々木恵子さん 無職 78歳)

<責任押し付け>
 政権交代しても、これまでの自民党と変わらない。がっかりした。鳩山首相は自己保身のために、秘書に責任を押し付けているのではないか。説明責任を果たしていない。どうしてこういうことになったのか、きっちり説明してほしい。(山形市 高橋祐子さん 主婦 36歳)

<金の問題不変>
 鳩山首相が本当に知らなかったのか疑っている。秘書の判断だけでできることと思えないし、説明も不足している。政権が代わり、社会全体で子どもを育てようという共感できる政策もある一方で、お金の問題は変わっていないと感じる。(福島市 佐藤友紀さん 臨時職員 29歳)

(獅子16)民主党の自浄能力も、問われています。かつての鳩山さんのようなセリフを現首相につきつける民主党議員はいないのでしょうか。

「秘書との関係に関する鳩山首相の発言」(読売新聞より)

「金庫番だった人の不祥事は(議員本人も)共同正犯だ。即、議員辞職すべきだ」(2002年3月15日)

「議員の分身と言われている会計責任者の逮捕は、議員本人の責任であり、(議員辞職を)改めて強く求める」(2002年5月2日)

「政治家は金銭に絡む疑惑事件が発生すると、しばしばあれは秘書がやったこととうそぶいて、自らの責任逃れをしようとしますが、とんでもないことです。秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきなのです」(2003年7月23日の自身のメルマガで)

「単なる事務のミスで(領収書を)コピーするなどありえない。お辞めになるしかない」(2007年7月27日)

■鳩山事務所に拠出、7億円はどこに消えた?
(12月25日03時01分 読売新聞)

 鳩山首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」の偽装献金事件では、野党の党首から首相に上り詰めた力の源泉に「鳩山家」の資産があったことが明らかになった。
 ◆ファミリーの財力◆
 同会の政治資金収支報告書の虚偽記入額は5年間で計約3億5900万円に上り、報告書の「個人献金」や「パーティー券収入」に限ると6割は鳩山家の資金だったことになる。
 政治資金規正法は政治家から自分の資金管理団体への献金を年間1000万円までに制限しているが、同会では鳩山首相の資産から年間数千万円が同会の収入に充てられており、制限額をはるかに超えていた。
 自分の金を自分の資金管理団体で使うのになぜ金額の制限があるのか。その理由について総務省政治資金課は、政治団体間の献金は献金先ごとに年間5000万円まで認められている点を指摘。「制限がないと、資金管理団体を抜け道にして、他の団体にいくらでも資金を提供できるようになり、資金力のある政治家が政治を左右できるようになってしまう」と説明する。
 5年間で9億円に上る母からの資金援助の巨額さも、世間を驚かせた。民主党代表選を控えた2002年夏頃、勝場啓二・元公設第1秘書(59)が、政治活動費が足りなくなったとして、首相の母側に働きかけて実現したものだ。
 母と子の間とはいえ、政治資金の性格を色濃く帯びていた。首相への政治献金と見なされた場合、禁止されている政治家個人への献金にあたる。今回、首相と母は、この資金援助は「贈与」だったとして修正申告する方向で決着を図ったが、贈与税を払うことで政治資金規正法上の問題を回避したとも言える
 ◆ブラックボックス◆
 5年間に首相と母の資産から鳩山事務所に拠出された資金は総額約11億円に上るが、このうち友愛政経懇話会で使われたのは約3分の1にとどまる。残る7億円余はどこに消えたのか。
 捜査はこの部分にも及び、事務所の家賃や秘書の人件費、本人の交際費など、個人の政治活動に充てられていたという。
 同法は、政治家が自分の資金を個人の政治活動に充てる場合は例外的に、政治資金としての報告義務を課していない。勝場元秘書が、首相の資金を政治団体に入れず、すべて首相個人で使っていれば、規正法上の問題は生じなかった。事務所がブラックボックスのままでは、「政治資金をガラス張りにする」という同法の趣旨は十分に実現しない。
 鳩山首相は、これらの資金の使途について「不正はなかったと信じている」とするのみで、具体的な説明を避けた。しかし、具体的な使途が明らかにならなければ、「なぜ巨額の鳩山家の資産が必要となったか」という事件の根本原因は見えない

(獅子16)鳩山首相の「なかったと信じている」が信じられないことが問題。「具体的な使途」を国会で公表して潔白を証明していただく必要があるのでは?

■鳩山首相団体偽装献金:元秘書ら2人起訴 「知らない」ことの罪=社会部長・小泉敬太
(12月25日毎日新聞) 
「税率を下げることを考えないと、地価の高い東京には人が住めなくなる」
 鳩山由紀夫首相は94年9月、父の威一郎元外相の課税遺産額が公示されたのを受け、毎日新聞にそう語っていた。遺産は152億円に上り、遺族が納めた相続税は計約50億円。このうち首相は相続した株の売却などで16億円余りを納税した。ブリヂストン創業者を祖父に持つ大富豪の御曹司ならではの悩み。それは世間の感覚とかけ離れ、身勝手な主張に映る。
 元公設第1秘書による偽装献金事件は、富豪政治家であるがゆえに起きた特異ケースといえる。過去に政治資金規正法違反で摘発された多くが、政治家側が企業からの献金を隠すために政治資金収支報告書に虚偽記載したケース。その典型が民主党の小沢一郎幹事長側への西松建設の献金事件だった。
 これに対し、鳩山首相の元秘書は身内からの金を支持者らからの個人献金と偽装し、国民から多くの支持を集めているよう見せかけていたという。企業献金と違い利権に絡まずさほど問題ではないとの擁護論も聞かれる。しかし、資金の流れを公開して透明化を図り政治腐敗防止につなげようという規正法の理念に真っ向から背き、国民を欺いた点で罪深さに変わりはない。
 鳩山首相側に故人からの献金が記載されているとの報道とそれに続く市民団体の告発を契機に、首相周辺の不透明な巨額資金の流れがあぶり出された。報道と告発がなければ偽装は今なお続き、実母からの資金提供も途絶えることはなかったはずだ。その点も見過ごすことはできない
 そして何よりも、首相の一連の対応の鈍さと、あいまいな説明を繰り返してきた姿勢が政治不信を増幅させた。自身は関与が認められず不問とされ、「何も知らなかった」と強調したが、実母から毎年1億8000万円もの資金が流れ込みながら、一切知らなかったとはにわかに信じ難い。が、本当に知らなかったとすれば、事はさらに深刻ではないか。世間と乖離(かいり)した人に国民の生活の痛みが理解できるのか、税の徴収と使い道のあり方を委ねていいのかという疑問が膨らむ。
 小沢幹事長の秘書だった石川知裕衆院議員(民主)らの聴取も予定され「政治とカネ」をめぐる捜査はなお続く見込みだ。秘書が有罪になれば政治家も公民権停止になる公選法の「連座制」を規正法にも導入するなど抜本改正に早急に乗り出さなければ、不信は極まるばかりだ。

(獅子16)「知らなかった」といえば、みんな許してくれるのか?

■【主張】元秘書起訴 首相の政治責任は明白 「脱税」の疑い徹底解明せよ
(12月25日 02:54 産経新聞)
 鳩山由紀夫首相は24日夜、資金管理団体「友愛政経懇話会」の偽装献金事件で、元公設第1秘書と元政策秘書の2人が政治資金規正法違反罪で起訴されたことを踏まえ、記者会見して謝罪した。
 政治資金の透明化や金額の制限などを求める規正法の趣旨を損なう悪質な行為と言わざるを得ない。首相の関与は嫌疑不十分で不起訴とされたものの、その政治責任は明白である。
 最大の問題は、母親からの約12億6千万円に及ぶ資金提供である。首相は6億円を超える贈与税を払う意向を示したが、これは修正申告して済む問題ではない。国政の最高責任者が、国民の義務である納税を怠り、発覚しなかったら知らん顔を通す-という脱法行為が問われているのである。
 「秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきだ」と、首相が以前に口にした言葉に従えば、進退が問われる事態だろう。
 首相は会見で、国民の辞めろという声が圧倒的になれば辞任を考慮するとまで表明した。一方で、政権交代を実行することが自らの責任だと語ったが、問題の所在がよく分かっていない。政治的かつ道義的な責任をどう取るかを明確にすべきだ。
 ◆進退に言及した会見
 首相は7年前、加藤紘一元自民党幹事長の秘書の脱税事件に際し、秘書の責任は国会議員の責任だと主張し、加藤氏に議員辞職など厳しい身の処し方を求めた。
 しかし、会見では「今回の件では私腹を肥やしたとか、不正な利得を受けたことはない」とした。過去の発言は自分には該当しないと釈明したのは、あまりにもご都合主義ではないか。
 資金管理団体の会計実務を担当していた勝場啓二元公設第1秘書は虚偽記載で在宅起訴され、会計責任者を務めていた芳賀大輔元政策秘書は、収支報告書のチェックに重大な過失があったとして略式起訴となった。
 東京地検特捜部は元秘書2人の立件で十分だと判断した。しかし、知らないうちに巨額の資金が母親から届き、一部は偽装献金に回ったが、「すべて秘書任せだった」という首相側の不自然な説明を、検察側はそのまま受け入れたのだろうか。
 資金を提供した母親や首相本人の聴取を見送った点には疑問が残る。現職首相をめぐる犯罪という異例の事態に、捜査が抑制的になったとすれば残念だ。
 また、ずさんな資金処理の背景に、身内からのカネなら悪質でないとの考えがあるのだとすれば、大きな誤りだ。衆参両院が定めた政治倫理綱領でも、政治不信を招く公私混同を断つことが重要課題に挙げられている
 首相は「払うべきものは払う」と贈与税を支払う意向を示しているが、国税当局は首相側の対応が悪質で相続税法違反(贈与税の脱税)にあたるものでなかったかどうか、厳正に調べる必要がある。鳩山家内部の巨額の資産移動についても、徹底した調査を行うべきだろう
 ◆民主は自浄能力発揮を
 首相の偽装献金問題が節目を迎えた一方で、民主党の小沢一郎幹事長をめぐっては、西松建設の違法献金事件で元公設第1秘書に対する公判が開始されていることに加え、小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる疑惑が浮上している。
 東京地検特捜部はこの問題で事務担当だった石川知裕衆院議員を規正法違反容疑で立件する方針を固めたとされる。平成16年に東京都内の土地を購入した資金の出所が不透明な点を問われており、小沢氏の元秘書に対する任意の事情聴取も行われている。
 重機土木大手「水谷建設」から計1億円の裏献金が小沢氏側に渡っていた疑いもある。
 政権発足から100日を迎えた首相は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で迷走したのに加え、公約実現に向けた政府内の調整でも指導力不足を露呈した。内閣支持率は最近1カ月で10ポイント以上急落した。
 首相を支える小沢氏の影響力が一層強まっている中で、政権の頂上に位置する2人の責任者がそろって「政治とカネ」で国民の信を失わせている。
 民主党は企業献金廃止のための法改正を掲げるが、2人に対する自浄能力は何ら示していない。きわめて遺憾だ。これでは実効ある改革を実現できるとは思えない。現実に起きている疑惑解明への姿勢を国民は注視している。

(獅子16)民主党の自浄能力は?ないなら、国会で野党がしっかりやりましょう。そして、参院選で国民に判断していただきましょう。脱税マネーはきれいなおカネなのかどうかを。

■元秘書2人起訴 鳩山首相の政治責任は重大だ
(12月25日付・読売社説)
 元秘書の不正行為を放置したうえ、国民に真実を語ろうとしなかった。鳩山首相は不起訴だったとはいえ、政治的責任は極めて重大である。
 首相の資金管理団体などの収支報告書に虚偽を記載したとして、実務担当者だった元公設第1秘書が、政治資金規正法違反で在宅起訴された。会計責任者だった元政策秘書も略式起訴され、罰金の略式命令を受けた。
 元公設秘書は、首相や母親からの資金などを個人献金やパーティー収入に偽装した。元政策秘書は元公設秘書に任せ、注意を怠る重大な過失があったという。
 ◆「知らぬ」は通用しない◆
 現職首相の元秘書の訴追は異例だが、虚偽記入の総額は5年間で約4億円にも上っており、刑事責任が問われるのは当然だ。
 鳩山首相は記者会見で、「政治家としての使命を果たすことが、私の責任だ」と述べ、自らの辞任を否定した。
 だが、首相は野党時代、加藤紘一自民党元幹事長や鈴木宗男衆院議員の秘書らが逮捕された際、何度もこう明言していた。
   「秘書の犯罪は議員の責任だ」「私なら議員バッジを外す」  
 この言葉が今、自身の進退に向けられていることを、厳粛に受け止める必要がある。
 首相は記者会見で、母親からの巨額の資金提供について「全く承知していなかった」と改めて強調した。首相がいかに裕福な家庭環境で育ったとしても、この説明は信じがたい。
 仮に「故人献金」問題が発覚した6月までは知らなかったとしても、その後、元公設秘書から事情を聞き、弁護士に調査までさせている。計12億円超の資金提供に気づかないことはあり得ない。
 当時は、衆院選が迫っていた。自らの保身と、選挙への悪影響を避けるため、母親からの資金提供を隠していたのなら、国民に対する背信行為である。
 元公設秘書はなぜ虚偽記載を行ったのか。母親の資金をどんな活動に使ったのか。資金提供は相続税対策だったのではないか。
 こうした多くの疑問に対して、首相の記者会見での説明は極めて不十分だった。首相は改めて機会を設け、一連の問題の全体像を自ら丁寧に説明すべきだ。それなくして国民の信頼は回復しない。
 ◆「贈与税申告」は疑問だ◆
 鳩山首相は、政治とカネについてクリーンな政治家との印象を持たれてきた。だが、実際は政治資金の管理を元公設秘書に丸投げし、巨額の虚偽記載を見過ごしていた。監督責任は免れない。
 首相は「私腹を肥やしたわけではない。不正な利得も受けていない」と述べた。今回の原資が企業献金でなく、身内からの資金提供なので悪質性は低いとの意見もある。だが、そんなことはない。
 首相は、母親からの資金提供を「贈与」と認め、贈与税を申告する意向を示した。資金提供が発覚しなかったら、6億円以上の納税を逃れていたことになる。
 こうした行為がまかり通れば、まじめに納税しようとする国民の気持ちを踏みにじり、申告納税制度の根幹が揺らぎかねない

 資産家が巨額の資金を自由に政治団体に繰り入れて使えるようでは、政治活動の公平性が担保されない、との指摘がある。政治資金規正法が個人献金の上限額を定めているのは、こうした観点も踏まえたものと言えよう。
 民主党では、小沢幹事長の秘書も西松建設の違法献金事件で起訴され、初公判で検察側からゼネコンとの癒着を指弾された。
 それなのに、党内から、鳩山首相や小沢氏に詳しい説明を求める声さえ出ていないのは、現在の民主党の体質や自浄能力に問題がある、と見られても仕方がない。
 首相の資金管理団体は小口の個人献金の大半が虚偽記載だった。政治資金規正法で、年5万円以下の献金は寄付者名を記載する必要がないことを悪用したものだ。
 現行法では、政治団体の1円以上の支出については、すべて領収書を用意しなければならないが、収入面は規定が甘く、バランスを欠く。収入の透明性を高める制度を検討していいだろう。
 ◆捜査は尽くされたのか◆
 東京地検は首相や母親の事情聴取を見送り、上申書で済ませた。本人を聴取せず、本当に全容を解明できたのだろうか。
 一般国民が検察に疑いを持たれたならば、聴取を受けずに済むことはまずない。今回、時の最高権力者への配慮はなかったか
 最近は、検察の不起訴処分が妥当かどうかを国民が審査する検察審査会の権限が強化されるなど、国民の司法参加が進んでいる。
 検察は、社会的な関心の高い事件については、公判の場だけでなく、記者会見などでもっと説明する必要がある。

(獅子16)このままでは、次の選挙、民主党には「格差是正」「クリーンな政治」をいう資格はないですね。

■鳩山首相説明も偽装? 献金、食い違う事実続々 「国民欺いた」
(12月25日 00:31 産経新聞)

 8月の政権交代前からくすぶり続けた鳩山由紀夫首相側の偽装献金事件は24日、現職首相の元公設秘書2人が刑事責任を問われる異例の事態となった。鳩山氏は過去に「秘書の罪は国会議員の罪。ことに金庫番秘書ならなおさら」と自民党側を批判したが、在宅起訴された元公設第1秘書、勝場啓二被告(59)はまさに鳩山氏の“金庫番”だった。一国の宰相は「政治家の言葉」の重みをどう考えているのか。今回の事件では、鳩山氏の説明自体が“偽装”だった疑念をも抱かれている。
 偽装疑惑発覚後の6月、鳩山氏は会見で、虚偽記載は平成17~20年の4年間で総額2177万8千円に上ると公表。その際、  「いただいてはいけないお金を隠していたわけではない」 と弁明し、偽装献金の原資は自己資金だったと主張した
 7月に自民・公明両党から「献金の上限逃れや脱税の意図があったのではないか」と指摘されたが、  「母からは毎年150万円の上限いっぱい献金してもらっており、それ以上はない」 と反論。「疑惑ありとのイメージ作りだ」として、説明責任を求める声にも詳しい説明を避けてきた。
 そして、8月末の衆院選を迎え、「鳩山民主」は偽装献金の影響を感じさせない圧勝で、政権交代を果たした。
ところが、東京地検特捜部が10月から捜査に乗り出すと、新たな事実が次々と表面化した。
 小口献金も偽装、パーティー券収入を水増し…。虚偽記載額は4億円を超え、鳩山氏側が公表した「2千万円余り」とは大きくかけ離れた。
 さらに決定的だったのが、実母(87)からの資金提供だった。
 鳩山氏は「150万円」以外は「ないと信じている」「(勝場被告や)母からは何も聞いていなかった」と言い続けた。
 だが実際は、実母から過去7年間で総額約12億6千万円が勝場被告に渡り、その一部が偽装献金の原資になっていた。
 続々と明るみに出た事実と、大きく食い違う鳩山氏側の説明。その説明自体が“偽装”だったのではとの疑念を抱かせる。
 自民党関係者は「6月に徹底調査をしていれば、母からの資金提供などは明らかにできたはず。鳩山氏側が衆院選への影響を避けるため最小限の事実だけを公表しており、国民を欺いたに等しい」と話した


(獅子16)夏の衆院選前、記者さんたちは、鳩山さんの政治資金問題は大変なことになりますよ、政権はもたないでしょう。でも、それは政権交代してからです。選挙前はやりません、といっていました。みんな知っていたということは、ご本人の耳にも・・・。次々にウソがばれても「知らなかった」で毎回すむのか?

■“脱税マネー”を隠蔽…重い鳩山首相の道義的責任
(12月25日 00:40 産経新聞)
 鳩山由紀夫首相側の偽装献金事件をめぐる捜査で、大きな焦点となったのは悪質性をどう評価するかだった。鳩山氏の元公設第1秘書、勝場啓二被告(59)が隠したのは、過去に摘発されたような特定企業からのヤミ献金ではなく、鳩山氏本人と実母の資金、いわば「身内のカネ」だったからだ。検察当局は偽装の背景について「悪質性は高くない」と判断したが、身内の「きれいなカネ」は巨額で、結果的に贈与税を免れた  “脱税マネー”  といえる。鳩山氏の道義的責任は重い。
 
不透明資金なし
 7月に告発を受けた東京地検特捜部は8月末の衆院選への影響を避け、10月から捜査を本格化させた。その結果、偽装献金の原資は鳩山氏本人と実母の資金だったことが判明。ゼネコンなど特定企業から不透明な資金が流入していた事実は認められなかった。
 検察当局はこれまで、特定企業からのヤミ献金など職務権限や「カネの趣旨」が判然とせず、証拠上、贈収賄罪で立件するのが難しい「わいろに近いカネ」について、政治資金規正法を適用し、「政治とカネ」をめぐる事件を積極的に摘発してきた=別表。
 3月に公設第1秘書が逮捕・起訴された小沢一郎民主党幹事長側への違法献金事件では、検察側は今月18日の初公判で、公共工事の「天の声」の見返りに西松建設から受けた献金を隠したという構図を描いた。
鳩山氏側のケースは、こうした過去の事件とは異なり、隠したのは身内の「きれいなカネ」(検察幹部)だった。
 
「親子間の問題」
 この前例のないケースに、検察内部でも悪質性の評価をめぐって意見が分かれたという。
 「鳩山氏は小沢氏と違って企業から金集めをしていない。身内のカネを政治につかうことは悪いことではない」と勝場被告を公判請求せず、罰金刑を前提とした略式起訴を求める消極論もあった。これに対し、「政治資金の公開性の観点からすれば、偽装献金の原資の性質は関係ない」とする積極論もあった。
 最終的には「背景に悪質性はない」と判断。しかし、虚偽記載額が4億円超と巨額で、政治資金の透明性確保という規正法の趣旨を逸脱していることから、勝場被告が容疑を認めてもなお、公判請求は不可欠との判断に至った。
 ただ、身内のカネを隠していただけに、鳩山氏には贈与税を申告していなかった問題も浮上した。ある検察幹部は事件の本質について「隠したのはきれいなカネで、政治資金規正法の問題というより、親子間の贈与の問題」と語る。
 実母資金について、鳩山氏が「知らなかった」と主張しても、結果的に贈与税を免れていた“脱税マネー”といえるのだ。
 
偽装の背景で差
 特捜部が今年、規正法違反罪で立件した鳩山氏ら衆院議員3人側への刑事処分は、三者三様に分かれた。二階俊博前経済産業相側への違法献金事件では、小沢氏側と同じ西松建設からの献金を隠したのに処分は政策秘書の略式起訴だった。
検察当局は小沢氏側と異なり、背景に二階氏側から西松への見返りがなく悪質性が低いと判断したと説明するが、「政治とカネ」をめぐる事件の検察当局の処分基準が分かりにくいという指摘があるのも事実だ。
 しかし、例えば窃盗事件でも動機が「遊ぶ金ほしさ」と「病気の親の入院費ほしさ」では、金額が同じでも刑事処分に差が出るように、「政治とカネ」の問題についても動機や背景によって処分に差を付ける検察側の判断に、恣意(しい)性があるとまでは言えない。
 一方、特捜部は会計責任者だった芳賀大輔元政策秘書(55)についても、これまでに前例がない規正法の「重大な過失」の規定で略式起訴した。理由について、特捜部幹部は「収支報告書を確認すれば容易に虚偽記載に気付くことができた」と説明した。
 多くの政治団体では、収支報告書の作成を会計事務担当者に任せきりの“名ばかり”の会計責任者が多い中で、そのあり方にも警鐘を鳴らしたといえる。(河合龍一、上塚真由)

(獅子16)政治的責任、道義的責任は国会にゆだねられたということでしょうか。民主党はどんな国会運営をしてくるでしょうか。疑惑隠しの強行突破を図るのか?