鳩山民主党政権誕生100日にみる政権の本質 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

鳩山民主党政権誕生100日にみる政権の本質

秘書です。政権発足100日。野党体質の抜けない与党、与党体質の抜けない野党などといわれてきましたが、そろそろ与党は与党らしく、野党は野党らしく!

■鳩山政権100日「原点回帰宣言」…次は決断できる?
12月23日23時3分配信 産経新聞
 鳩山内閣は24日、発足から100日を迎え「ハネムーン期間」が終わる。23日には来年度予算編成も大半が片付き、鳩山由紀夫首相の口から「原点回帰宣言」も飛びだした。事業仕分けなど政権には清新なイメージもあるが、米軍普天間飛行場移設問題や、予算編成を通じて 「決断できない首相」 のレッテルが定着したのが最大のダメージだ。「原点回帰」で、決断できる男に変われるだろうか。(加納宏幸)

 首相は23日午後、都内の百貨店で行われていた「報道写真展」を見学した。

 9月16日の首相指名選挙で首相に選ばれたときの写真や、11月13日のオバマ米大統領との日米首脳会談の写真。時間をかけてじっくり見入った首相は、写真に「友愛」とサインした後に語り始めた。「久々に原点を思いだした」

 そして続けたセリフは自らに言い聞かせるかのようだった。「100年に一度の改革だという思いで、国民の皆様の期待に応えるように頑張らなければ」

 期待感を背負って政権運営に乗り出した首相は、数々の決断を迫られた。

 普天間問題では、岡田克也外相が「100日間で解決しなければならない」と語ったことで、米側は年内決着を求めた。首相もオバマ米大統領に「私を信じて」と約束したが、12月15日にようやく出した結論は「先送り」。クリントン米国務長官が藤崎一郎駐米大使を呼び出し、現行計画での早期決着を求める事態に発展した。決断しないことが何をもたらすか、その怖さを首相は知り始めた

 予算編成も税制改正大綱の策定の遅れで一時は「越年」もささやかれた。首相はマニフェスト(政権公約)で掲げたガソリン税などの暫定税率廃止と財源確保のはざまで身動きが取れなくなり、民主党の小沢一郎幹事長に背中を押されて「租税水準の維持」にたどり着いた。そして「決断できない」イメージがまた広がった。

 「私が結論を出した。小沢幹事長からの言葉で翻ったという話ではない」。首相は22日、珍しく語気強く反発してみせたが、決断できないことに自らイライラしているのかもしれない。

  「鳩山さんはいい人すぎるんです。米大統領でも一年生議員でも(発言の)すべてを肯定しますから。合意を取ろうとして話を聞きすぎるので決断が遅れがちになる」 

 渡辺周総務副大臣は23日のテレビ朝日番組で首相をこう評した。

 政権交代を果たしたときの高揚感を思いだしたと語る首相。 「決断力」の発揮が課題だ。

(獅子16)「決断」とは、優先順位を決めて、劣位にしたものからの反発を受け止める覚悟でしょう。デフレの今、先送りしていいことは何一つありません。先送りが合理的になりえたのは成長経済の時代の話。そもそも成長指向がない民主党は、決断の党でなければならないはず。なお、いまの日本は田中政治のころと違って、利益の分配で合意形成をする余裕は国家財政にありません。決断への信頼が何より大事です。

■「首相を守る」小沢氏支配、その背景
12月24日6時21分配信 読売新聞

 ◆小沢氏のいら立ち◆

 2010年度予算編成の大詰めで、民主党の小沢幹事長が行司役を買って出た。

 「政策には口を出さない」と繰り返していた小沢氏が変節した背景には、鳩山内閣へのいら立ちがある。

 「内閣にいる鳩山首相の取り巻きが何をやっているのか分からない」

 12月15日、小沢氏は知人にこう不満を漏らした。首相を間近で支える平野官房長官に加え、岡田外相のことも批判したという。岡田氏については、米軍普天間飛行場の移設問題に関する首相との対立が念頭にあったと見られる。

 首相の指導力に世論は厳しい視線を向けている。民主党内には「鳩山首相の偽装献金問題に批判が高まったら、小沢さんは、首相交代に動くのではないか」との見方がある。

 しかし、小沢氏は「鳩山を守る」と、この知人に重ねて語ったという。

 ポスト鳩山の候補としては、岡田氏や菅国家戦略相の名前が挙がる。しかし、民主党関係者は「岡田氏は、小沢氏と党運営を巡ってしばしばぶつかった。菅氏は、党内の保守系議員にアレルギーがある。小沢氏にしたら、鳩山首相が続けるのがベストということになる」と解説する。

 小沢氏に近い議員には、「小沢首相」を待望する声があるものの、「仮に、鳩山さんが偽装献金で辞めたら、秘書の政治資金規正法違反事件を抱える小沢氏が後継という話にはならないだろう」という見方がもっぱらだ。

 ◆民主内にも批判強く◆

 今回の予算編成について、小沢氏のかかわり方には、民主党内にも批判は強い。

 民主党の予算要望は、小沢氏や輿石東参院議員会長らごく少数の幹部がまとめ、党内論議もほとんどされていない。ガソリン税の暫定税率維持など衆院選のマニフェストを修正する内容を含んでいるのにもかかわらずだ。

 しかも、小沢氏は「政策決定の政府一元化」の建前を崩していないため、自らは説明責任を十分に果たそうともしない。首相に助け舟を出したつもりで、かえって首相の指導力のなさを際立たせる結果にもなった。

 天皇陛下と中国の習近平国家副主席との特例会見に関して、政府を批判した宮内庁の羽毛田信吾長官を、小沢氏は記者会見でののしった。この  “どう喝”  に、まゆをひそめる議員は少なくない。   「小沢氏絡みの献金問題を捜査する検察にプレッシャーをかけたのではないか。『不可侵とされた宮内庁にも口を出す。いわんや検察をや』という論理だ」  との見方も出た。

 小沢氏を支持するグループは党内で約150人に上ると見られ、他のグループを圧倒し、小沢氏の独断専行にも、だれも大っぴらに批判できない状況だ

 ◆自民、政権体質を批判◆

 自民党は、「小沢氏が後ろで操る『小鳩内閣』だ」(大島幹事長)と、鳩山政権の体質に焦点を当てて批判を始めており、世論の風向きが微妙に変わる可能性がある。

 小沢氏は来年夏の参院選に向けて、候補擁立を急いでおり、自民党の支持基盤だった業界・団体にも揺さぶりをかけ、盤石の選挙態勢を築こうとしている。

 20日、盛岡市でのパーティーで、参院選で過半数確保を目指す考えを改めて強調し、「安定した政権運営をするためには過半数がなければならない。両院で過半数を持っているのが政権の最大の強みだ」と語った。衆院選に続く連敗なら、自民党は窮地に追い込まれる。

 反面、参院選で自民党の挽回(ばんかい)を許せば、民主党は政権運営の経験が浅いこともあって、一気に守勢に回ることになりかねない。

 「自民党がだらしなさすぎる。おれが10歳若ければ、自民党を立て直すのにな。ただ、まあおれも年だ」

 小沢氏は最近、周辺にこう語ったという。余裕の表れか、あるいは、自民党への警戒感の裏返しか。その動向に与野党の注目が集まっている。

(獅子16)数の論理による「どう喝」政治をやろうとしても、日本の伝統文化にそわないので、いずれ破たんするでしょう。

■鳩山政権100日目、外交・内政「迷走」続き
12月24日3時35分配信 読売新聞

 鳩山首相は、24日で就任100日目を迎える。

 年内の予算編成に何とか道筋をつけたものの、外交・内政両面で「迷走」が続き、支持率に陰りが出始めた。

 自身の資金管理団体をめぐる偽装献金問題もくすぶる。綱渡りの政権運営は一層危うさを増している。

 ◆増す不透明さ◆

 23日午後、都内で開かれている報道写真展を幸夫人と共に見学した首相は、帰り際、3枚のパネルを主催者から贈られた。9月の衆院本会議で首相に指名された直後に一礼する場面、中韓訪問のため政府専用機のタラップで夫人と手を振る姿、来日したオバマ米大統領と握手した瞬間――をそれぞれとらえた作品だ。

 「久々に原点を思い出しましたね。もう一度、国民の皆さんの期待に応えるように頑張らねばという、大変強い意欲を頂きました」

 首相は就任以来の日々をかみしめるように、都内で記者団にこう語った。

 首相の政権運営の「原点」の一つが、「政治の透明性確保」。10月の所信表明演説で掲げた目標だ。だが、政権内には、むしろ不透明さが増している。

 最大の理由が、政策決定をめぐるわかりにくさだ。首相は今週、2010年度予算と税制改正の焦点となっていた、ガソリン税の暫定税率の水準維持と子ども手当に所得制限を設けない方針を打ち出し、ようやく年内の予算編成のめどをつけた。だが、直前まで、民主党の政権公約(マニフェスト)に明記した暫定税率廃止について、「国民との誓い」だとしてこだわっていた。結局、同党の小沢幹事長に重点要望を突き付けられ、マニフェストからの逸脱を余儀なくされた。

 「政策決定の内閣一元化」の方針とは裏腹に、党の圧力で方針転換したことを記者団に問われると、首相は、「これからもオープンにしたいとは思う。ただ、最終的に私の頭の中まではオープンに出来ない」と苦しい説明に終始した。小沢氏の影響力が強まる一方の中、「最終的には私が結論を出す」とあえて強調せざるをえない首相。指導力低下は免れない状況だ。

 ◆くすぶる火種◆

 首相自身の偽装献金問題も、政権の先行きに不透明さを加えている。首相はこれまで「検察の解明を待つ」として記者会見などでの説明を避けてきた。東京地検が24日にも、政治資金規正法違反で元公設第1秘書を在宅起訴する見通しとなってようやく起訴直後に記者会見を行う方針を固めた

 首相は会見で自らの関与を否定した上で国民に「おわび」するほか、母親からの資金提供については贈与税の修正申告など必要な手続きを行い収拾を図りたい構えだ。政権に与える影響を最小限に抑えるため、記者会見は首相官邸以外の場所で開き、首相としての職務に関係がないことを印象づける作戦だという。

 だが、自民党は「鳩山総理巨額脱税追及チーム」を設置し、年明けの通常国会で徹底追及する構えを見せており、国会の攻防は激しくなりそうだ。

 ◆「仕分け」効果◆

 頼みの高い内閣支持率にも陰りが出始めている。

 鳩山政権は9月、75%という高支持率で順調に滑り出した。11月までは、仙谷行政刷新相が主導した「事業仕分け」が連日報道され、政権浮揚に貢献。だが、12月に入ると米軍普天間飛行場移設問題や予算編成などで首相が方針を決めきれず、指導力に疑問符がついた。読売新聞の最新世論調査では、内閣支持率は55%に低下。政府・与党内からは「事業仕分けがなければ、もっと支持率は落ちていた」との声があがる。

 来年夏の参院選に向けて存在感を発揮するため、連立を組む社民党は普天間問題などの安全保障問題、国民新党は経済対策などで、政府に対する要望を強めている。世論調査では、3党の連立政権を「評価しない」とする声が64%に上っており、今後も首相が連立相手に翻弄(ほんろう)され続ければ、100日間の「猶予期間」を経た新政権に対する国民の目は一段と厳しくなりそうだ。(政治部 村尾卓志、足利浩一郎)

(獅子16)内閣一元化のスローガンのもと、党での意思決定はないことを前提に党政調を廃止したのに、大事なことは党中央(=幹事長)の意思決定が必要になった。でもそこは不透明化で民主的な党内意思決定メカニズムもない。こうして「小沢幹事長一元化」が成立した。この意思決定には手続きもないし透明でもない。そこが鳩山民主党政権の不透明さの原点です。では、「小沢幹事長一元化」はなぜ起きたのか。それは民主党が全党一丸となって来年の参院選勝利を最優先課題において、国民生活を劣位に置いたからではないでしょうか。参院選勝利という党利党略がすべての政策判断の基準になっている。国家戦略なき予算編成のすべての基準は参院選挙勝利。新人議員は次の選挙に勝つことを最優先。この民主党の「目的の手段化」「手段の目的化」の結論が「小沢幹事長一元化」ではないのでしょうか。