政局としての政府・与党財源論争 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

政局としての政府・与党財源論争

秘書です。昨日の総理日程を見るとコペンハーゲンから帰国して午後5時57分に公邸入り。同58分に川内博史民主党衆院議員、そして6時19分に平野官房長官と会っています。帰国後、真っ先に川内議員と会っています。

■ドキュメント・鳩山予算:暫定税率廃止(その1) 小沢氏「財源ある」
12月20日毎日新聞
 コペンハーゲンから帰国した鳩山由紀夫首相は19日夕、公邸に戻り民主党の川内博史衆院議員と会談した。川内氏が2日前に会った小沢一郎幹事長の意向を聞くためだった
 「暫定税率を廃止する財源はあるんだよ。(鳩山内閣が)ない、ない、というから維持せざるを得なかった」
 10年度予算の党重点要望を首相に提出した翌日の17日夕、小沢氏は国会内で川内氏にこう語った。川内氏は昨年、党の「ガソリン値下げ隊長」を務め、暫定税率廃止の立場。具体的な「財源」には触れなかったが、「政権を獲得したばかりで(内閣は)混乱している」と不満も口にした。
 だが、もともとマニフェスト(政権公約)実現に「最大限努力する」と推進路線をとる小沢氏が、なぜそれに逆行する姿勢へと切り替わったのか。
 党幹部によると、公約変更を迫る暫定税率維持と子ども手当の所得制限は、国債発行額を「約44兆円以下」とする政府決定を受け、来年参院選に「最も影響が少ない」と判断してひねり出した。
 高嶋良充党筆頭副幹事長は「幹事長も、残念だが泥をかぶってでも党がやらなければと思ったのでは」と、自ら憎まれ役を買って出たとの見方を示した。それだけに小沢氏は、首相が17日、暫定税率廃止を「誓いだ」と言い切ったことに怒りを隠さなかったという。
 一方、首相との間を取り持った川内氏は「小沢幹事長は政治主導をどう発揮するんだと閣僚に突き付けている。このままだとマニフェストを曲げることになるよ、と」とみる。
 小沢氏は16日、鳩山首相を前に「この3カ月、政治主導だったか疑問がある。政府高官は研さんを積んで自ら決断してほしい」と苦言を呈し、側近の山岡賢次国対委員長は18日のテレビ番組で「(鳩山内閣は)財務省の思惑通りに進んでいるんじゃないか」と懸念を隠さなかった。
 財務省に屈して「公約違反」の批判を受けるか、新たな財源を捻出(ねんしゅつ)して「公約達成」につなげるか--。鳩山政権は厳しい選択を迫られている。

■ドキュメント・鳩山予算:暫定税率廃止(その2止) 歳出削減に落第点
 ◇小沢氏、重点要望で「税制」足踏み
  「明日の政府税制調査会はなくなりました」。 19日午後4時過ぎ、財務省は20日の税調全体会合が取りやめになったことを明らかにした。19日午前に予定されていた幹部会合も開かれず、10年度税制改正大綱取りまとめを22日に予定しているにもかかわらず、2日連続で税調中止という異例の事態になった。
 民主党が重点要望を提出した16日、官邸や税調幹部からは「助け舟だ」「30日予定の10年度予算案決定を前倒しできそう」など、難航している税制改正、予算編成が一気に決着に向かうとの見方も出ていた。税調幹部も、この週末に10年度税制改正の大枠を固め、鳩山由紀夫首相に報告することを目指していた。
 しかし、民主党が重点要望に「(自動車関連税の)暫定税率は現在の租税水準を維持」と明記したことを巡り、鳩山首相と小沢一郎幹事長との食い違いがはっきりすると、税制論議は再び足踏み状態に陥った。
 食い違いが生まれたのは、予算要求だけでなく財源確保のためのマニフェスト修正まで、重点要望に盛り込まれたためだ。背景には「無駄排除で財源は確保できる」(鳩山首相)としながら、政府側の歳出削減の取り組みが進まないことへの小沢氏の不満がある。鳴り物入りで繰り広げた行政刷新会議の「事業仕分け」でも、削減額は6900億円にとどまった。
 一方、小沢氏らがまとめた重点要望は、暫定税率の水準をほぼ維持することで約2・3兆円の財源を確保した。子ども手当は地方負担や所得制限を容認する内容で、国の負担を5700億円以上減らすことができる。更に、農業の戸別所得補償制度の財源として、4889億円の土地改良事業費の半減を打ち出すなど、計3兆円以上の財源確保策を提示。これまでの政府側の取り組みに事実上、落第点を突き付けた
 暫定税率以外でも、子ども手当の所得制限額を巡って政府・与党内の意見は割れており、調整のめどは立っていない。「予算の年内編成に見通しがついた」との楽観ムードは急速にしぼんでいる。
 ◇「埋蔵金出せ」強硬崩さぬ亀井氏
 「15兆円程度を特別会計から出せばいい。財務省が出さないというなら、『反鳩山』と宣言したのと同じことだ」。「小沢ショック」が政府に走る中、積極的な財政出動路線を唱える亀井静香金融・郵政担当相は18日、平野博文官房長官に電話で詰め寄った。「出さないなら、財務省主計局長のクビを切れ」と迫る場面もあった。
 10年度予算の概算要求は過去最大規模の総額95兆円。税収が37兆円程度と見られる中、政府は国債発行額に「約44兆円以下」の枠をはめた。予算編成の基本方針では、発行額の上限を明記せず、努力目標とする考えもあったが、鳩山首相の判断で明記された。
 これに対し、亀井氏は18日夜のテレビ番組で「麻生政権の予算を下回るのは、経済情勢を見たらあり得ない」と強調。95兆円規模の予算編成を要求した。実現するには、不足分を特別会計の余剰金(埋蔵金)で埋めなくてはならない。埋蔵金発掘は、自民党政権もつじつま合わせでしばしば利用しただけに、亀井氏にとって「できないはずはない」案だ。
 番組で亀井氏は「小沢さんも同じ気持ちだと思いますよ」とも付け加え、小沢氏と考えが一致していることを誇示した。「両氏は頻繁に連絡を取り合っている」(与党幹部)とされ、それが「少数政党の代表に過ぎない」(同)亀井氏の強硬路線を支えているとも見られている。予算編成最終盤でも亀井氏の言動に政府側が揺さぶられる場面がありそうだ。【平地修、念佛明奈】

(獅子16)11月20日の衆院内閣委員会でのボスの質問に対する菅副総理の回答をみると(下記参照)、国債整理基金についての会計操作で10兆円を超える財源は出てくるのではないでしょうか。財務省がしっかり出してくるのでは?菅副総理は国債整理基金を「埋蔵金」として認識されているようにも読みとれますし。そうなると、最後の落とし所は、とつじょ、埋蔵金がでてきて・・・?となると、その政局への影響は?

(参考)衆議院内閣委員会議事録(2009年11月20日)

○中川(秀)委員 ・・・十四兆円ぐらい財源が足らないんですよ。

 私、これだけは伺いたいと思うが、まさか、国債整理基金への繰り入れ停止ということ、これは九三年から九四年に一回あったんですが、そんな会計上の操作でこの十兆以上の財源が足りないものを操作する、そんなことはしないでしょうね。そんなことをしたら、次世代に対する責任は物すごく大きなものになりますよ。そのことを、しっかりと無駄を省いて、二十兆、無駄であるんだからできるんだとおっしゃった、それをやることが本当であって、そんな会計上の操作で、無駄も省かず、財政破綻をそのまま認める、そんなことは絶対阻止する、その決意だけ、最後に菅さんから伺います。

○菅国務大臣 もう一つ、中川議員がこの間提起された問題が埋蔵金論争だったと思っております。

 当初、自民党の当時の内閣メンバーは埋蔵金などないと言われたのを、中川議員がそんなはずはないじゃないかと言って指摘をし、その後、埋蔵金が続々と、掘り出されたというべきなのか、出てきて、それがかなり大きな財源として、歴代、この数代の内閣で使われたわけであります。そういった意味では、今、財政規律、そういう小手先でやるべきではない、一般論としては私は全くそのとおりだと思っております。ただ、そういうやりくりの中で、そういった埋蔵金といったものにある程度依存しなければならないところもあり得るということは申し上げておかなければならないと思います。

http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm