再び、1億円ルートと8億円ルートの疑問 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

再び、1億円ルートと8億円ルートの疑問

秘書です。日曜の朝からおカネのことはあんまりふれたくないのですが、それでも、大資産家が格差是正をとなえながら、他方で億単位の贈与税の脱税行為が許されるというはみたくありません。

■鳩山首相献金問題:「国民が支持」見せかけ 元公設秘書、動機を供述
12月20日 毎日新聞 
 鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」を巡る偽装献金問題で、会計事務担当だった元公設第1秘書の東京地検特捜部に対する供述の詳細が判明した。約10年前から始めた政治資金収支報告書への虚偽記載について「個人献金額を増やし、鳩山氏を国民から支持されている政治家に見せたかった」と動機を説明したという。鳩山氏の実母(87)からの資金提供については、99年以降の民主党代表選に3選した経緯に触れ「支出が増えて困り、実母の側近に相談した」と供述。鳩山氏本人の関与は否定した模様だ。
 鳩山氏側の関係者らによると、元公設第1秘書は特捜部の調べに「10年ほど前から虚偽記載をしていた。個人献金額を増やして収支報告書の見栄えを良くし、鳩山氏を国民から支持された政治家に見せたかった。鳩山家のお金だけで(政治資金を)回していると思われたくなかった」などと説明したという。
 実母からの資金提供については「代表選に出るようになり支出がどんどん増えて困った。8年ほど前、実母の側近で公益法人の幹部に相談したところ、資金が提供されることになった」と述べた。そのうえで「鳩山氏には伝えていなかった」とした。さらに「最近は政治献金やパーティー券販売による金をほとんど集めていなかった」と供述しているという。
 特捜部は実母への事情聴取も検討したが、既に提出された実母の上申書などを検討した結果、見送る模様だ。

(獅子16)9億円(11億円ともいわれていますが)の偽装献金は、①1億円ルート、②8億円ルートに分ける必要があります。①1億円ルートの問題は、本当は献金していないのに献金したことにして国から不正に還付を受けている人がいるのではないか、ということ。これはボスが11月20日の内閣委員会で質問したように(下記参照)、そういう人は「刑法その他で言う公文書偽造、同行使、詐欺罪、詐欺幇助」の疑いがあるということです。つまり、「資金源は親、親子間では贈与税を納めない、名義貸しした人は寄付をしていないのに国から不正に還付金をもらう」というメカニズムが働いたということになってしまいます。しかも、この「本当は寄付していないのに寄付したことにして国から不正に還付を受ける」ということは、民主党の他の議員でも、会費を寄付扱いにするなどの別のケースもみられているところが注目されます。②もう一つが8億円ルートです。これは政治資金収支報告書に使途が記載されていないおカネです。一体、8億円は何に使ったんでしょうか。金庫に眠っているのでしょうか。この8億円からのおカネをもらった人がいたとすれば、たぶん、政治資金収支報告書に記載していないし、税金も納めていないでしょう。


(参考)衆院内閣委員会議事録(2009年11月20日)

○中川秀直委員 ・・・次に、政治主導の確立についての基本姿勢の問題で菅副総理に聞いてほしいと国民から寄せられた御意見の中で最も痛烈なのが、やはり残念ながら鳩山総理の偽装献金問題なんですね。

 後で差し上げますが、このメールによりますと、野党時代の発言と全く違う現在の鳩山総理を、副総理として総理を補佐する、そしてまた場合によっては代理をする、その立場として菅さんはどう受けとめているかということです。ここで私は鳩山総理の発言を一々取り上げません。よく菅さんは御存じだろうと思います。

 この問題は、政権交代可能な二大政党を定着させていく上でも大変重い問題であります。繰り返しますが、野党時代の発言と全く違う現在の鳩山総理御自身の偽装献金問題、これをどう受けとめているか、この問いにどうお答えになりますか。

○菅国務大臣 鳩山総理御自身のいろいろな政治資金をめぐって、総理みずから認められている間違いといいますか、そういう面もあったということは私も総理からいろいろな機会に発言を聞いております。

 そういう中で、従来の発言とかなり矛盾があるのではないかという御指摘ですが、やはりそこも含めて総理の判断の中でお答えになっているのではないか、このように思っております。

○中川(秀)委員 これについてはきょうたくさん伺おうとは思っていませんが、簡単に言えば、原資未解明、五年で五億円、あるいは株式の所得申告漏れは七千二百二十六万。普通ならば、これは民間だったら、申告漏れではありませんよ。脱税告発を受けるところですね。

 それからまた、私は一点だけどうしても伺いたいと思いますことが、例の明らかになっている偽装献金で鳩山総理も認めた百九十二人の偽装、これを認めて削除、訂正されたわけです。簡単に申し上げますけれども、税務申告でこれによって政治資金の還付を受ける、政治資金ですから還付制度がありますね。この還付の書類を請求したのが六十数名分あるともう既に出ていますが、現実にその還付を受けてしまった、こういう方々が数名いらっしゃる。今わかっているだけで数名いらっしゃる。十名近い数名いらっしゃるこういう確実な情報があります。我々も確認中でありますが、確実な情報があります。これはいずれ明らかになります、国税庁ですぐわかることですから。

 そうなってくると、これは政治資金規正法の問題ではない。公文書偽造、同行使、そして脱税というよりもこれは詐欺罪に当たるんですね。そしてそれを鳩山事務所は、鳩山総理は幇助したということになるんです。これは大変なことですよ。政権がもつ、もたないの話ではありませんよ。こういう事実がこれから明らかになります。いずれ明らかになります、本当に。

 こういう事実関係があるということ、これについて、菅副総理、もしそうなって明らかになったときには、あなたはどういうふうに思いますか。

○菅国務大臣 やはり、こういう席で中川議員のようなベテランの議員の方が言われるときに、確実な情報があるというのであれば、その確実な情報を示されて質問されるべきではないか。仮定の問題に答える、この問題については答える立場にはありません。

○中川(秀)委員 菅さんが野党時代も私と同じような質問は何回もなさっておられるので、あえてそのままお返ししますが、これは本当に明らかになりますよ。これは私はあえていろいろな要素を考えて具体名まではきょうは挙げませんが、こういうケースの場合は単なる政治資金規正法違反ではない、まさに刑法の言う公文書偽造、同行使、詐欺罪に当たる、この事実認識はよろしいですね。

○菅国務大臣 私もいろいろ議論を中川議員とも野党時代にさせていただきました。それは、中川議員に対して質疑をしたつもりであります。私は、今のように確実な情報と言われても、その情報なりその確実なものが私に示されたわけでもありませんし、それに対してコメントする、そういう立場にはないと思っております。

○中川(秀)委員 私は、事実関係ではなくて、例えば、仮にということではありますが、そうなったらまさに法律的にはそういうことですねと、これを聞いているわけで、事実関係云々くんぬんであなたに今それを確認していますかと聞いているわけではありません。認識を聞いているわけです。

○菅国務大臣 例えば、私が、菅さん、あなたが選挙違反をしたらそれは法律違反ですよねと言われれば、ある意味で当たり前のことですよね。しかし、選挙違反であるかないかというのは、まさにそれは争いがあるかもしれません。

 ですから、幾ら仮定の話だと言われても、事実関係がないものを私があれこれ言う立場にはない、そのように申し上げます。

○中川(秀)委員 前段の答えで、仮定であってもそれが選挙違反ならば公選法違反ですねと、私のお尋ねしたこと、つまり、刑法その他で言う公文書偽造、同行使、詐欺罪、詐欺幇助に当たるということは半分以上お認めになった、このように私は伺いました。・・・

http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm