深夜の民主党政策ウォッチ | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

深夜の民主党政策ウォッチ

秘書です。深夜です。寒いですね。

■公約修正、小沢氏主導…「内閣一元化」遠く
(12月20日00時06分 読売新聞)
 民主党は、16日に鳩山首相に提出した2010年度予算への重点要望の中で、衆院選政権公約(マニフェスト)の見直しに踏み切った。
 ガソリン税などの暫定税率を維持し、子ども手当には所得制限を導入する内容で、小沢幹事長が主導した。
 ◆自ら財源試算
 「財源がなければ政策はできない。暫定税率は維持する。土地改良の予算も半減だ
 15日夕、衆院2階にある民主党幹事長室。小沢氏は高嶋良充筆頭副幹事長(参院幹事長)と細野豪志副幹事長にこう告げた。
 子ども手当の所得制限も、小沢氏が決めた。
 高嶋氏が作成し、小沢氏に渡した要望の原案には、子ども手当の所得制限には触れていなかった。小沢氏は秘書に資料を取り寄せさせ、子ども手当に所得制限をかけた場合の財源を自ら試算し、制限導入を決めた
 政府は14日、新規国債の発行額を「約44兆円以内」と明記した予算編成の基本方針を決め、鳩山首相も「44兆円以内に収めるよう最大限努力をしてもらいたい」と明言した。
 小沢氏は当初、発行額を44兆円以内に抑えることには否定的だった。高速道路や整備新幹線など地方から陳情の多い予算を抑制すれば、来年夏の参院選は戦えないと見ていたからだ。
 しかし、首相が抑制方針を明確にしたことで、小沢氏も「首相の言葉は重い」と受け入れた。党内では「暫定税率などに関する小沢氏の方針転換は、国債発行を抑制する中で、高速道路などの地方向け予算を確保するにはやむを得ない、と考えたからではないか」という見方が出ている。
 ◆党内にも危ぶむ声
 政権が目指した「政策決定の内閣一元化」は有名無実化している。
 調整が山場を迎えた14、15の両日、小沢氏は原口総務相や馬淵澄夫国土交通副大臣らを国会内に呼び、長妻厚生労働相にも電話するなど、積極的に関与した。長妻氏への電話では同省のある政策について、「政府が決めることだが、党の立場としては絶対反対だ」と語気を強めた後、「羽毛田も厚生省だったな」と、天皇陛下の特例会見問題で対立した宮内庁の羽毛田信吾長官が元厚生次官であることまで持ち出したほどだ。
 今回の予算要望は、同党の陳情改革が発端となっている。自治体や業界団体などからの陳情を閣僚や官僚に受けさせないことで、「政官業」の癒着排除や政府の負担軽減を目指すという大義名分があった。
 16日の要望提出の際、小沢氏は報道陣が部屋を出た後にマイクを握り、  「党で一括してやるうまい仕組みを作ったのに、政府の方で調子よく要望を聞いてしまうやつがいる。経団連や農協、医師会と会ってるじゃないか」  とまくしたてた。日本経済団体連合会との意見交換会に出席した藤井財務相らを批判したのだ。
 しかし、予算要望の内容からは、自民党支持団体の力をそぎ、民主党への支持の拡大を図るという選挙対策の狙いも透けて見える。
 典型は、自民党が影響力を持ってきた土地改良事業の予算縮減だ。要求額を半減し、党の看板政策である農業の戸別所得補償制度の財源とするよう求めた。
 暫定税率の維持、子ども手当の所得制限などについて、小沢氏は首相に「全国民からの要望だ」と迫った。ただ、党幹部には「実際はそんな陳情は1件も来ていない」という声もある
 小沢氏のやり方に、党内では  「十分な議論もなく公約を修正するようなことが続けば、国民の反発を招く」  と危ぶむ声が出ている。

(獅子16)公約修正の民主的合意形成のプロセスがみえない。自民党では絶対に考えられないことですね。自民党なら全国会議員参加のヒラバを経て、政務調査会→総務会を経て党議決定となる。民主党は政務調査会を廃止し、もともと総務会がない。いきなり幹事長室による決定。これ、旧ソ連圏の「政治局」にとても似てますね。

 ところで、経済に関するマニフェストは国際公約にもなっていることを忘れずに。「第64回国連総会における鳩山総理大臣一般討論演説」(平成21年9月24日:ニューヨーク)で鳩山首相は、「日本がやるべきことは、自身の経済再生です。新しい日本にはそのためのプランがあります。年間5.5兆円の子ども手当は、教育への投資であると同時に、消費刺激策であり、少子化対策となります。自動車の暫定税率の廃止は、年2.5兆円の減税策であるとともに、流通インフラの活性化によって日本産業のコスト競争力を改善することが期待されます。・・・政権交代を通じた経済政策の見直しにより、日本経済は復活の狼煙を上げるに違いありません」と語っています。日本経済復活の「狼煙」はどうなります?

下記は関連記事です。

■高速無料化予算絞り込み 6000億→1000億円に圧縮
12月19日7時57分配信 産経新聞
 政府は18日、平成22年度予算編成で国土交通省が概算要求で6千億円を要求した高速道路無料化について、予算を1千億円程度に圧縮する方向で調整に入った。与党の意見を踏まえ最終決定するが、国交省は予算規模に合わせ、無料化実験区間の選定など詰めの作業に入る。来年度概算要求は過去最大の95兆円超に膨らんだが、政府は国債発行を抑えるため、マニフェスト(政権公約)に掲げた目玉政策にも切り込む。
 国交省は来年度から社会実験として一部路線で高速料金無料化を実施し、対象区間の減収分の補填(ほてん)経費などで6千億円を概算要求した。これに対し財務省は、当初から「実験で何千億円も必要なのか」(藤井裕久財務相)などとして、削減を強く求めていた。
 前原誠司国土交通相は、「原則無料化を行うことは変わらない」としながらも、財務省との折衝による減額査定を想定し、無料化となる対象路線を絞り込んだ複数の選択肢をすでに用意しているもようだ。
 今後、国交省は確保した予算を基に対象区間を選定する。混雑が予想される首都高速や阪神高速などは除くが、原則として「全国を対象に考える」(馬淵澄夫国交副大臣)方針だ。九州や北海道に限定した形ではなく、渋滞の激化や公共交通機関への影響、二酸化炭素排出量の増加なども考慮して全国の路線から区間を選ぶ。無料化は曜日や時間帯、対象車種の限定なども検討し、一部区間は割引料金を適用する。

■因縁の野中氏、民主が小沢氏対応拒む 土地改良費陳情
2009年12月19日12時12分朝日新聞
 民主党が来年度予算要望で、農業基盤整備のための土地改良事業費半減を掲げたことから、全国土地改良事業団体連合会(全土連)の会長を務める野中広務・元自民党幹事長が、民主党へ21日に陳情に訪れる予定であることがわかった。しかし、民主党はかつて野中氏と激しく対立した小沢一郎幹事長による対応を拒んでいる。
 民主党幹部によると、小沢氏が16日、来年度予算の財源と「農業予算の大転換」のため、土地改良事業費半減などを鳩山由紀夫首相に要望した直後、全土連から「会長が小沢氏に陳情したい」と打診があったが、「党役員会の時間と重なる」として、小沢氏の代わりに側近の副幹事長2人が対応することになったという。
 全土連の政治団体の全国土地改良政治連盟は自民党の有力支持団体。連盟顧問の元九州農政局長が11月、来年夏の参院選比例区で同党から公認されている。ただ、政権交代後の10月、野中氏が「全土連は政治的に中立」と発言し、「自民党離れでは」と波紋が広がり、複数の県の土地改良事業団体が民主党幹事長室に陳情している。

■首相、暫定税率めぐり協議=菅副総理、小幅引き下げ案など報告
12月19日23時44分配信 時事通信
 鳩山由紀夫首相は19日夜、首相公邸で菅直人副総理兼国家戦略担当相と会談した。ガソリン税(揮発油税)などの暫定税率廃止をはじめとするマニフェスト(政権公約)施策について協議したもよう。菅副総理は、暫定税率を別の名目に「衣替え」する案や税率の小幅引き下げ案など、18日の藤井裕久財務相、原口一博総務相との3大臣会合の検討結果を報告したとみられる。
 政府は20日に基本政策閣僚委員会の小委員会を開き、暫定税率や子ども手当などの政権公約施策について政府、与党間で調整する。その上で首相の最終判断を仰ぐ方針だ。
 しかし、各党の主張の隔たりは大きく、調整難航は必至。20日の政府税制調査会も中止となるなど税調審議も遅れており、22日を予定している2010年度税制改正大綱の決定は25日ごろまで先延ばしされる可能性もある。 

(獅子16)どういう政府・与党プロセスか、見守りましょう。

■COP15 影薄く指導力欠いた鳩山首相
12月19日21時7分配信 産経新聞
 【コペンハーゲン=粂博之】「2020年までに1990年比で温室効果ガスを25%削減する」目標と途上国支援の「鳩山イニシアチブ」を掲げ、国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)に臨んだ鳩山由紀夫首相だが、「交渉をリードした」といえる出番はなく、国際交渉における指導力不足が目についた。主要26カ国で政治合意したコペンハーゲン協定は日本の目指した内容からほど遠く、今後、途上国支援の資金拠出だけを背負うことにもなりかねない。

 「残念ながら、途上国と先進国との間の溝というものが、まだ埋まっていない」

 COP15の首脳級会合がひと山越えた18日、鳩山首相は記者団にこう語り、帰国の途に着いた。

 鳩山首相が「機上の人」になった後、米国、中国、インドなど6カ国首脳が取りまとめたコペンハーゲン協定が判明、交渉が動き出す。日本が“間合い”を取りかねた中国など途上国を巻き込む形で協定案をまとめたのは、オバマ米大統領。緩やかながら、各国をつなぎ止める枠組みを作ったことは間違いない。

 協定に目を通したうえで帰国を決めたとされる鳩山首相だが、どのようにかかわったのかは分からない。「地球のみんなと考えれば日本として先進国として大きな義務を負うべきだ」。鳩山首相の口から、自らの理想以上に踏み込んだ発言はなかった。

 COP15交渉を前進させようと鳩山首相が動いたのは、途上国への資金支援「鳩山イニシアチブ」の規模を約90億ドルから約150億ドルに積み増したこと。その一部は民間資金でまかなわれるとはいえ、世界経済の不況の余波で税収が伸びず、深刻な財政悪化に見舞われる日本にとって軽くない数字だ。

 今年9月、国連演説で喝采を浴びた「2020年に温室効果ガスの排出量を1990年比25%削減する」日本の目標水準は、COP15の参加国の中で突出して高い。家計や産業への負担増は避けられないのが厳しい現実だ。

 「あれ(コペンハーゲン協定)でだめならば仕方がない。採択の結果がどうあれ、首相は帰国した」

 日本政府の交渉関係者は吹っ切れたような表情をみせたが、温室効果ガスを25%削減しても日本の経済成長を促す産業政策と、安定した途上国支援ができる財政規律の維持をどのように図るのか。

 19日夕、帰国した鳩山首相が待ったなしに取り組む平成22年度予算編成には、その答えも含まれる。

(獅子16)国会で帰国報告が聞けないのが残念ですね。

■削減額6770億円止まり、仕分け人に不満
(12月19日20時52分 読売新聞)
 政府の行政刷新会議の「事業仕分け」による2010年度予算要求の削減額は約6770億円にとどまった。
 3兆円削減という目標にはほど遠く、会議のメンバーからは不満の声が上がっている。
 同会議が11月に行った事業仕分けでは、「廃止」「予算計上見送り」に削減率が明示された「削減」を加えた削減額の総計は、読売新聞の集計で計約6700億~7800億円だった。しかし、財務省が予算査定を通じてこの結果を反映させた結果、削減額は6000億円に満たなかった。「廃止」と判定された事業でも、「自治体が数年計画で行っている事業への補助金を切れば混乱が起きる」として一部の支出を認めた例などがあったからだ。
 財務省は同時に、仕分けの考え方を、仕分け作業の対象にならなかった事業にも当てはめることで予算全体を削減する「横断的見直し」で削減額の上積みを図ろうとした。会議のメンバーには「仕分け結果を生かせば、1兆円超の削減額を確保できる」と期待する声もあったが、横断的見直しによる削減は「各省の消極的な姿勢」(関係者)もあってわずか1000億円程度にとどまったこの結果、削減額の総計は約6770億円と、過去最大の95兆円に膨らんだ概算要求から3兆円を削減する当初の目標には遠く及ばなかった。
 仕分けに参加した土居丈朗慶大教授は「仕分け結果をもう一度読み返してほしい。結果を反映できないのなら、政府はその理由をしっかり説明すべきだ」と指摘する。仙谷行政刷新相も「やはり官僚の自浄能力には限界がある」と周囲に語っており、会議では財務省による最終段階の査定に不満の声が強まっている。
 会議では、民主党の枝野幸男・元政調会長ら同党国会議員による「仕分けチーム」を近く再結集し、まずは来年実施する予定の公益法人や独立行政法人の仕分け作業の準備を始める予定だ。仙谷氏は11年度予算についても、各省庁任せではなく、同会議による仕分けを実施する考えだ。

(獅子16)11年度に仕分けをするということは、自分たちが党議決定・閣議決定したことのミスを認めること。国会で与野党いっしょにやりませんか?