鳩山首相の難解な「普天間への思い」を精読する   | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

鳩山首相の難解な「普天間への思い」を精読する  

秘書です。鳩山内閣メールマガジン第11号( 2009/12/1)の「ゆう&あい」で、[普天間への思い]が語られています。とても難解な文です。行間を読みこんでみましょう。


「ゆう&あい」みなさんは普天間基地の飛行場の移設問題にどのくらいご関心をお持ちでしょうか?連日のようにメディアが報道していますので、私の発言がぶれたとか、決断力がないなどといった記事が飛び交っているようですが、私は最も大事なことは、政府がいかに国益に沿った結論を導くかであると信じています。

(獅子16)この段落では「最も大事なことは、政府がいかに国益に沿った結論を導くかであると信じています」という、鳩山首相の問題解決の基本原則が書かれています。問題はこの「国益」とは何かです。次の次の段落に、3条件が国益と解釈できます。

「ゆう&あい」普天間飛行場の危険性を考えれば、一刻も早く移設先を見つけなければならないことは良くわかっています。そして、旧政権が13年もかかって、移設先を、さまざまな選択肢を一つずつ検討して、最終的に辺野古に決めたことも理解しています。

「ゆう&あい」私がこの問題に関して、一貫して申し上げてきたことは、
1) 日本の安全保障は日米同盟が基盤であり、日米間で合意したことの重みは認識していること、
2) 移設先は県外、国外が望ましいと主張して選挙を戦い、政権交代を果たした重みも認識していること、
3) 国民の負託にこたえるために成立させていただいた連立政権を維持するためには、社民党、国民新党の意思を尊重する必要があること、
です。

(獅子16)日米同盟の話、選挙戦での主張の話、連立政権維持の話が、国益としてごちゃまぜになっています。1)と2)については、選挙戦で主張する段階で、それが矛盾せずに実現する方策があるとの確信のもとで主張していたのではないですか。その方策を今すぐ出して説得すればいいではないですか。それともまさか、「無理とは思うけど、県外・国外といっておいたほうが選挙に有利だから、とりあえずそういっておこう」ということなんでしょうか。そして、問題なのは3)の連立政権維持を国益にしていることです。国益は目的であり、連立政権維持は手段です。目的と手段をごちゃまぜにしている、いや、「手段を目的化」し、「目的を手段化」していることこそが鳩山民主党政権の最大の問題点であり、国益を疎外し、国民生活を疎外している最大の原因です。

「ゆう&あい」この3条件を満たす答えを探さなければならないのです。これは針の穴にロープを通すくらい難しいことかも知れません。でも私は諦めていません。

(獅子16)普通、針の穴にロープを通すことは、どれだけ努力しても不可能です。何を暗示しているのでしょうか。

「ゆう&あい」 旧政権のときに日米の合意で辺野古に決まったのだから、早く辺野古に決めるべきだと主張する方々も沢山おられます。アメリカとしては、そのことを強く期待していたでしょう。しかし、今、無理をして辺野古に決めてしまったら、国政にどのような影響を与えるのか、沖縄県民の方々がどのような思いをされるのか、こうしたことをよく考えてみる必要があります。結果として、移設の完了がさらに遠のくことが容易に予想されます。そのことはアメリカにとっても望ましくないはずです。

(獅子16)国政にどのような影響を与えるか?国政と普天間住民の不安とどちらが大事なんですか。国民生活第一でしょ?国政第一はおかしいでしょ?沖縄県民がどのような思いをされるのか?それこそ政府が責任をもって対応することでしょう。

「ゆう&あい」 そこで政府として、一方で米軍再編に関する予算は計上し、環境影響評価も進めながら、他方で新政権としても、数カ月かけて、今一度普天間の移設先を真剣に検討することにいたしました。

(獅子16)これが分からない。辺野古移設を前提に予算を計上して環境影響評価をする。辺野古に移設しないなら無駄じゃないですか。事業仕分けの対象でしょう。予算計上するなら辺野古移設でしょう?

「ゆう&あい」 辺野古はダメと言っているだけでは、移設先が決まらず、普天間基地が固定化されてしまいます。もし、かつてのように事故が起きたら取り返しのつかないことになりかねません。無責任な先延ばしをするつもりはありませんし、日米共にそれが許される状況ではありません。

(獅子16)「辺野古はダメと言っているだけでは、移設先が決まらず、普天間基地が固定化されてしまいます」というのは何を意味するのか?辺野古をダメというな、という意味なのか、辺野古以外を探せという意味なのか。

「ゆう&あい」 沖縄県民にも、さらにアメリカにも、それぞれ満足とはいかないまでも、理解を求めながら、3党が汗を流して、普天間飛行場の移設先を決定すること、そのことにより、移設の完了時期がさらに遅れることはないこと。このことが満たされる結論が、日米双方の国益につながると信じています。

(獅子16)「沖縄県民にも」「満足とはいかないまでも、理解を求めながら」とはどういう意味なのでしょうか。県外・国外移設ではないことを暗示しているのでしょうか。

「ゆう&あい」 来年は日米同盟が50周年を迎える節目の年になります。普天間問題を越え、日米関係が新たな深化を遂げる年になることを確信しています。

(獅子16)鳩山首相はこんなままにしておいて、日米同盟関係をどうするつもりなんでしょう?私の不安を言い表す、我が意を得たりの表現を今朝の産経新聞にみつけました。

「1人の優柔不断さが同盟関係に緊張を生むとしたら、これは非常に問題は大きい。このような状況が続くなら、(日米安全保障条約改定50周年となる)来年に何も祝うべきではない」(ローレス米元国防副次官)

では、ローレスさんのインタビュー記事を掲載しましょう。


■日本は中国従属 同盟以外の選択肢も
(ネット上の題は「日米同盟「脆弱(ぜいじゃく)になっている」 普天間問題でローレス元国防副次官に聞く 」
(12月16日 19:24 産経新聞)

【ワシントン=有元隆志】日本政府が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題の決定を先送りしたことについて、2005年の移設合意に関する米側の交渉担当者だったローレス元国防副次官は15日、産経新聞のインタビューで先送りを批判した上で、「(日米が)脆弱(ぜいじゃく)な同盟関係になっている」と警鐘を鳴らした。
 詳細は以下の通り。
 鳩山由紀夫首相が普天間移設問題の先送りを決めたことが日米関係に与える打撃は非常に大きい。鳩山政権は安全保障関係の基本を理解していないことを示すだけでなく、決断できない人として、(米国内で)首相に対する信頼が失われてしまう。これは非常に大きなことだ。鳩山政権下では安全保障問題は国内政治よりも下位に置かれていることは明白であり、残念なことだ
 政権発足当初、彼らが移設問題に関して理解を欠いていたことを非難するつもりはない。だが、決断を先送りしたということは、責任を(来年名護市の市長選や県知事選がある)沖縄の人たちに押しつけるものといえる。鳩山政権のために沖縄県知事や名護市長は非常に難しい立場に置かれてしまった
日本が何の脅威もない安全保障環境にあったとしたら、鳩山政権の対応は理解できる。しかし、実際には厳しさを増している。もし鳩山政権がこのようなやり方で米国との安全保障関係を続けるのであれば、日本国民に対し、「われわれはアジアで新しい政治的な関係を構築しようとしている。中国や北朝鮮は日本の安全にとって脅威とはみなさない」と言うべきだ
 民主党の小沢一郎幹事長の訪中、天皇陛下と訪日した中国の習近平国家副主席との会見をめぐる動きをみていると、日本が中国と従属関係にあると行動で示しているかのように思える。自らアジアの中心から外れ、中国の優越性を認めているかのようだ
 >「日本を防衛する必要はない」と思うなら、米国にも早く言ってほしい。われわれはアジアにおいてほかの選択肢を考えなくてはならないからだ。いま鳩山政権がしていることは、同盟が脆弱であるとのわれわれの判断を強めるものだ。
 1人の優柔不断さが同盟関係に緊張を生むとしたら、これは非常に問題は大きい。このような状況が続くなら、(日米安全保障条約改定50周年となる)来年に何も祝うべきではない

(voあ)民主党内の保守派、親米派のみなさん!何してるんですか?もういなくなっちゃいましたか?