思わず、政治家の「資質」を考えました | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

思わず、政治家の「資質」を考えました

秘書です。政治家の「資質」が大きく問われるようになりました。政策以前の「資質」の話です。

■首相の母、上申書提出「子を助けるのは当然」
12月16日3時11分配信 読売新聞
 鳩山首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」(東京)の偽装献金問題で、鳩山首相の実母(87)は15日夕、弁護士を通じ、首相に多額の資金提供を行った経緯を説明する上申書を東京地検特捜部に提出した。

 鳩山首相も近く、偽装献金への関与を否定する上申書を提出する意向で、特捜部はそれを受け、同会の会計担当だった元公設第1秘書(59)を政治資金規正法違反で在宅起訴する方針。

 関係者によると、上申書で母親は、鳩山首相と弟の邦夫・元総務相への資金提供を始めたのは7、8年前からと説明。鳩山家の側近で、母親が名誉会長を務める財団法人の理事から、「(首相の)秘書が資金が足りないと相談してきたので、用立ててやってほしい」と要請され、「親として子を助けるのは当然」と思い、2人に月額1500万円ずつの援助を始めたという。首相への提供資金は11億円を超える。

 注目される資金の性格については「政治献金ではない」としたが、「貸したものか、あげたものかについては考えていなかった。側近がちゃんと処理してくれていると思っていた」としている。

 鳩山首相側はこれらの資金提供について、「贈与と受け止められても仕方ない」として、刑事処分が出た後に贈与税の修正申告を行う方針を固めている。

(獅子16)日本国憲法第30条「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ」これは、豊かな家庭だろうが何だろうが国民が等しく負う義務。納税するのは国民として当然の義務です。億単位の脱税疑惑でしょう?もしも、贈与税として国庫におさめるべきおカネを国庫におさめずに、政治活動をしていたということは、公金をつかって政治活動をしていたのと同じです。公金なみに、使途を明確にしなければいけないのではないでしょうか。国会がやらなければ、憲法に定められた国民の納税義務を順守しようとする意識も崩壊してしまいます。

■「早く候補地決め市民安心させて」名護市長
(2009年12月16日15時00分 読売新聞)
 沖縄の米軍普天間飛行場移設問題で、鳩山首相が日米合意で決めた米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古)以外の新たな移設先の選定を進める意向を表明したことについて、名護市の島袋吉和市長は16日午前、読売新聞の取材に対し「早めに内閣として候補地を決めて名護市民を安心させてほしい」と述べた。
 さらに「簡単に移設はできないのに、簡単に言っては困る。毎日、朝も昼も夕方も発言が変わる。しっかり決めてほしい。単に『県外・国外』といっても説得力がない」と批判した。

(獅子16)なんでそうなるの?とききたいですね。そこで下記の読売新聞の検証記事をみましょう(引用はすべて今日の読売新聞記事です)。

■問題こじらせた首相…検証普天間<1>
(12月16日12時16分 読売新聞)
基地移設
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題は15日、移設先は改めて選ぶとして、結論は来年に先送りされた。鳩山首相はなぜ、年内に結論を出すことができなかったのか。

 どうして、現行案の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)への移設に否定的なのか。2回にわたって検証する。(敬称略)
 ◆4次方程式
 政権獲得後、普天間移設を巡って迷走を続ける鳩山は、四つのフレーズを一貫して言い続けている。
 「沖縄県民の思いが一番大事だ」
 「日米合意は重視する」
 「連立与党の合意もある」
 「いつまでも結論を遅らせるのはよくない」
 これらを同時に解決する「4次方程式」(政府高官)の解など見つけようもないのに、鳩山はそれを見つけようともがいた。

 外務省幹部は「外交関係でこれほど恵まれたスタートを切ることができた政権は過去になかった」と断言する。陰りが見えるとはいえ、米国は依然、軍事力、経済力ともに世界一だ。中国やインドの台頭は著しいが、日米欧が組めばなお強力で、その関係も悪くない。そして、橋本政権から麻生政権までの自民党政権のくびきだった普天間問題は、米政府、日本政府、沖縄県の考え方が初めて一定幅に収まった状態で、「後は淡々と進めるだけだった」(同幹部)からだ。
 結局は、鳩山自身が問題を4次方程式にまで複雑化させたことが混乱の原因だとの見方は根強い
 それでも、鳩山には、方程式が複雑になる前に解決への道筋をつけるチャンスはあった。
 最初の好機は、オバマ米大統領の来日だった。
 衆院選前には「海外移転が望ましいが、最低でも県外移設が期待される。それまでに、包括的なレビューを行って最終的結論を得たい」と語った鳩山は、政権獲得後の9月3日、オバマとの初の電話会談で「日米同盟が基軸だ」と言い切った。これを聞いた外務、防衛当局は「首相はいずれ現実的な選択肢をとり、最後は現行計画にかじを切る」との思いを強くした。
 その後押しをするかのように、平野官房長官が10月2日の読売新聞社などとのインタビューで「オバマ大統領来日までに何らかの包括的な考え方を持たなければいけない」と、調整を本格化させる意向を示した。期限を切ることで、マニフェスト(政権公約)とは異なる結論が出ても、「前政権が約束したことで、時間が足りなかった」などと言い訳できる。
 そんな「出口」への期待感が募る中、鳩山は10月7日、記者団から「普天間の問題でマニフェストを変更することはやむを得ないか」と問われ、「公約が時間というファクターで変化する可能性は否定しない」と語った。
 これが、「鳩山の真意は現行の辺野古への移設受け入れだ」と解釈された。
 この時の鳩山の発言について周辺は「戦略的に言葉を選んで発信したわけではなかった」と釈明するが、後の祭りだった。平野の発言も、本心は「現行案決着の考えではなかった」(周辺)とされる。
 首相官邸の発信と、受け止める側の解釈は、最初からずれていたのだ。
 翌10月8日、現行案受け入れの是非を具体的に詰められた鳩山は「辺野古とは一言も申し上げていない」と答えた。その1週間後には、「米国には早く結論を出してもらいたいとの思いはあるだろうが、日本には日本の事情がある。名護市長選(来年1月投開票)と沖縄県知事選(同12月任期満了)の中間くらいで、結論が必要になってくる」とまで語った。これ以降、鳩山は結論を来年以降に先延ばしする考えを示唆し始めた。

(獅子16)政治の連立方程式は、①時間軸の中ですべての条件を満たすように考える、②より多くのファクターを入れることで拡大均衡をはかる、③そのうえで優先順位をつける、で解くという点で、数学の連立方程式とは違います。空間軸・時間軸を入れた「四次元」の連立方程式にしないと、解はでてきません。鳩山首相の優先順位・空間軸・時間軸はどうなっているのでしょう? 

■首相の「悪い癖」…検証普天間<2>
基地移設
 「マニフェストは変わる」という発言と、「名護市長選と沖縄県知事選の間に結論」という発言の間に、鳩山の心境や考え方に変化があったのだろうか。

 鳩山周辺は「最終的には辺野古しかないと分かっているが、連立政権への影響を最小限にするために先送りせざるを得なかった」と見る。「あらゆる選択肢を再検証することでしか、マニフェスト変更を沖縄県民に理解してもらう手はない」との指摘もある。
 これに対し、鳩山に近い民間人は「鳩山さんは非常に頑固な人だ」と解説する。かつて、「常時駐留なき安保」を提唱して以来、在日米軍不要論を変えていないとの見方だ。「鳩山の本音は普天間飛行場のグアム移転」とも言われる。それなのに、鳩山には以前から、「目の前にいる人間が喜ぶことを話したがる癖がある」(周辺)という評判がある。本人にしてみれば方針は変わっていないのに、相手の歓心を買おうとしてついつい余計なことを口にし、結局は真意と違ったことが伝わるということが野党の代表当時から散見される「悪い癖」(同)なのだ。
 それが端的に表れたのがオバマとの会談だったのかも知れない。
 11月13日の日米首脳会談で鳩山は2006年の日米合意の早期履行を求めるオバマの目を見据え、「私を信じてほしい(Trust me)」と伝えた。オバマは「絶対に信じている(I absolutely trust you)」と応じた。鳩山が現行案を受け入れる決意だと確信したのだ。
 このやりとりが、オバマ政権が鳩山に強い不信の目を向ける要因になった。


(獅子16)「相手の歓心を買おうとしてついつい余計なことを口にし、結局は真意と違ったことが伝わる」。日本の指導者の外国要人との会見にみられる悪いパターン。そして、会見が終わって帰国すると実行しないので約束違反と思われる。「Trust me」は重すぎましたね。信頼は契約というディールの奥底にある、社会関係資本。根源的な話だから。

■日米悪化懸念にも動じず…検証普天間<3>
基地移設
 ◆米国の不信
 オバマの日本訪問までに鳩山政権が結論を出すことを、米政府は強く求めていた。内政で苦しむオバマがアジア最大の同盟国にも苦しめられる姿は我慢ならなかったのだ。
 10月20日に来日したゲーツ国防長官は辺野古案の履行を強く主張し、「11月の大統領訪日までに普天間問題を解決してもらいたい」と迫った。圧力だけではなかった。ゲーツ訪日直前、代替施設を沿岸部50メートル沖合に移動する妥協案が米側から伝わり、「米国も一定の譲歩はする」という誘い水もあった。
 鳩山は反発した
 「タイムリミットを設けて、『大統領が来た時に必ず』という話とはとらえていない」と反論した。「大統領にはアフガニスタンにおける協力の方が、はるかに大きなテーマだ」とも語った。こうした反応に「鳩山の『対等な日米関係』とは、何でもかんでも言いたいことを言えばいいというだけのことだ」(政府関係者)とため息が漏れた。
 閣内の意見は割れた。
 北沢防衛相は10月27日、現行計画通りに辺野古に移設しても、沖縄から海兵隊8000人がグアムに移るうえ、新たな基地建設は伴わないとの立場から「国外、県外移設に該当し、政権公約に矛盾しない」と強弁した。岡田外相は温めていた米軍嘉手納基地(同県嘉手納町など)への統合案の検討に言及する。米軍への「思いやり予算」の削減までにおわせる鳩山内閣に、米側には「ゲーツ発言への仕返しだ」(米民主党外交筋)と受け取る向きもあった。
 結局、日米首脳会談では普天間問題について「迅速な結論を出す」とすることが精いっぱいだった。
 ◆ようやく始動
 ただ、オバマとの会談を受け、鳩山はようやく本腰を入れ始めた。
 鳩山の変化を見た関係者の念頭には、次の目標として「年内決着」という期限が浮上した。辺野古移設を容認する仲井真弘多(ひろかず)・沖縄県知事ら関係者には、決着を年明けに先送りすれば、事実上、辺野古移設は不可能になるとの思いが強かったからだ。
 11月24日、鳩山は民主党職員から内閣官房専門調査員として出向している腹心の須川清司を外務省担当者とともに米国に派遣した
 須川は寺島実郎・財団法人日本総合研究所会長と近かった人物だ。寺島は鳩山の野党当時から外交、安全保障政策で相談に乗る間柄だった。鳩山は外務・防衛両省の「フィルター」を通さず、須川を使って米側の真意を測り、同時に、辺野古移転に強硬に反対する社民党と連立政権を組んでいる事情を説明させようという狙いがあった。
 その3日後、鳩山は首相公邸でひそかに仲井真と会談し、沖縄の事情を直接聞きもした。
 しかし、鳩山は12月1日、首相官邸に平野、岡田、北沢を集め、「年内に結論を急ぐ必要はあるのか」と決着先送りを示唆した。岡田、北沢は「日米関係がおかしくなる」と説いたが、鳩山は譲らなかった。
 年内決着論の急先鋒(せんぽう)だった北沢は国民新党代表の亀井金融相に電話した。
 「この問題を政局にするつもりはあるのか」
 亀井の答えを「イエス」と受け止めた北沢は腹を決めた。翌2日、防衛大学校での講演で、従来の主張を転換したのだ。
 「仮に解決が年を越しても、日米の間が極めて不穏な空気になることはないと思う」
 嘉手納統合案を口にして問題を複雑にした岡田は粘り腰を見せた。6日、日曜日にもかかわらず首相公邸を訪れ、「対米交渉の責任者として、これ以上妥協点を見いだすのは難しい」と訴えた。だが、鳩山は首を縦に振らなかった。

(獅子16)やはり、鳩山首相の「『対等な日米関係』とは、何でもかんでも言いたいことを言えばいいというだけのこと」なのでしょうか。ジェームス・ディーンではないですが、これでは「理由なき反抗」じゃないですか。日本はまだティーンネイジャーの反抗期ですか。1951年5月5日に米上院軍事外交委員会で、ダグラス・マッカーサーがアングロ・サクソンが壮年に達しているとすれば日本人はまだ12歳の少年である、と述べたそうですが、そのことを思い出してしまいます。あれから58年、まだ「理由なき反抗」期の総理?

■怒る米国…検証普天間<4>
(2009年12月16日12時20分 読売新聞)
基地移設
 12月4日、鳩山の真意を見定めるため、シファー国防次官補代理が民主党中堅議員を訪ねた。
 一通り意見を交わした後、シファーは「最後に一つ」と語り出した。
 「08年大統領選でオバマを支持した人たちは米兵の犠牲に強い不満を持っていた。そのオバマがアフガンへの3万人増派を決めた。現実の政治家として、大統領は大統領としての決断を下した。選挙で言っていることと違う決断になったとしても、前に進まなければならないことを大統領は知っている
 12月10日、鳩山政権の事実上の最高実力者と言われる民主党の小沢幹事長が約140人もの国会議員を引き連れて中国を訪問し、胡錦濤国家主席の歓待を受けていた様子を見て、中堅議員はシファーの言葉を思い出しながらつぶやいた。
 「現実政治の中で、中国と米国をてんびんにかける意識がこの政権にあるのなら、日本という国が漂流を始める

(獅子16)シーファーさんの言葉は思いですね。オバマ大統領のジレンマの中での決断の「苦悩」を理解しあえるかどうかこそ、指導者同士の信頼の原点でしょう。ところでこの文に引用されている「民主党中堅議員」は、この通りの認識をもっていたとして、なぜ、決起しないんでしょうか。与党議員は、現実政治の中で「評論」している場合ではないでしょう。与党なのに、わかっていて動かないのは、ただの自己保身じゃないですか。国が漂流することが分かっていて、なぜ、沈黙するのでしょうか。次の選挙でとおるために政治家をしているのですか。与党しか動かせないんですよ、次の選挙までは。