「政治リスク→日本売り」にならないように | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

「政治リスク→日本売り」にならないように

秘書です。「政治リスク」が市場でも注目されはじめました。「ぶれ」「閣内の混乱」が狙われないようにお願いします。

〔クロスマーケットアイ〕国債発行額で混乱する鳩山政権、首相の指導力次第で市場に波乱も
2009年 12月 11日 14:00 JST
 [東京 11日 ロイター] 11日の東京市場は、米株高や円高一服に加え、11月中国鉱工業生産の強さなどを好感し、日経平均.N225が1万円台を回復した。ただ、2010年度予算案での新規国債発行額をめぐり、政府内で混乱が生じているような印象を与える報道が出て、一部の海外勢が日本の政治リスクを日本売りの材料にする構えを見せている予算編成での鳩山由紀夫首相のリーダーシップ発揮次第では、先行きのマーケットで波乱が生じる可能性も出てきた。
 <強い中国指標が株を下支え>
 株式市場では日経平均が反発。午前の取引では米株高と円高一服を好感し、輸出株などに買いが先行した。さらに午後の取り引きでは、11月中国鉱工業生産が市場予想の前年比18.0%増を上回る同19.2%増となり、これを好感して買いが優勢になる場面があったという。
 ただ、上値の重さを指摘する声も多い。「12月限先物・オプションのSQ(特別清算指数)後の売買がほとんど入っていない。海外勢は若干買い越しだが、クリスマス休暇を控えて動きが鈍りつつある。このまま年末にかけて海外勢の売買が減少すると、SQ値の9982円59銭が需給のフシになる懸念もある」(大手証券エクイティ部)との声が出ている。
 鳩山由紀夫首相が2010年度予算の新規国債発行額について、44兆円以下にするという目標を事実上、撤回する意向にあるとの報道が出たことで、市場では国債増発懸念や政策リスクなども意識されている。
 ある国内証券の関係者は「鳩山首相が藤井裕久財務相を抜きに、44兆円の目標突破を容認する方向に傾いているとの報道もあり、閣内の混乱ぶりが目立ってきた。一部の海外勢はこうした点を日本売りの材料して持ち出そうと手ぐすねを引いている感じだ」と語る。
 みずほ総研・シニアエコノミストの武内浩二氏は「鳩山政権は今、選挙に向いており、政策に本腰を入れられていない」と述べている。
 <円債市場は、国債発行問題を静観>
 株式市場では、国債増発の副作用を懸念する声も出始めた。クレディ・スイス証券・株式調査部ストラテジストの丸山俊氏は「日本国債に関してリスクが強くなってきたことには注意すべきだ。積極的な財政支出と予想以上の税収減によって来年以降、国債が大量に発行される可能性が大きい」と指摘。さらに「財政規律の緩みを嫌気され円安に振れれば日本の株式市場にとっては短期的にポジティブ要因となる可能性もあるが、長期金利が上昇すれば円高に振れるおそれもある。そうなれば株にとってもダメージは大きい」と語った。
 
 だが、国債増発問題を最も注視しているはずの円債市場では、鳩山内閣の迷走ぶりをそのまま嫌気している向きは少ない。ある邦銀関係者は「資金余剰の規模が半端でなく、結局は新規国債発行額が50兆円前後になっても、ただちに長期金利が2%を目指して急上昇する気配はない」と言い切った。
 実際、円債市場では、10年最長期国債利回り(長期金利)は同2bp上昇の1.260%となったものの、国債先物の中心限月3月限は前日終値付近での小幅な動きで推移。ポジション調整主体の動きにとどまっている。
 
 <年末に向け円に反落リスクとの声>
 外為市場も総じて小動き。海外市場でも、利上げ観測を手掛かりにNZドルや豪ドルが底堅い展開となった程度で、主要通貨は全般もみあいが続いた。激しい値動きの続いた市場では「さすがに一服」(外銀)との声が出ている。
 11月下旬に円が対ドルで14年ぶり高値をつけた後、上昇圧力がそがれ始めたことで、年末を控えた市場では円の反落リスクを想定する声が上がり始めた。大勢は依然としてドルの下値リスクを懸念する声ではあるものの、「円買いを仕掛けてきたのは短期筋。値動きが鈍れば当然、ポジションの圧縮需要は強まりやすくなる」(都銀のチーフトレーダー)ためだ。
 円に売り圧力がかかりやすい状況となれば、その口実として日本の悪材料に参加者の目は向きやすくなる。「円金利市場が大きく反応するまでは難しい」(外銀)と、この日の外為市場ではほとんど話題とならなかったものの、44兆円問題はこの先、相場の材料になる可能性が出てきている
(ロイター日本語ニュース 田巻 一彦 ;編集 宮崎亜巳)

(獅子16)「政治リスク」なんて、日本には関係ないと思っていましたが。


■国債目標めぐり迷走=「否定」後一転し、明記を指示-鳩山首相
(12月11日13時32分配信 時事通信)
 2010年度予算の新規国債発行額について、数値目標を予算編成方針に明記するかどうかをめぐり、鳩山由紀夫首相の発言が11日揺れた。
 首相は国会答弁で、10年度予算編成で国債発行額を44兆円以下に抑制する考えを表明していた。これについて首相は同日朝、記者団に対し、「あきらめる話ではない」としつつ、「国民の命を守るのが政治家の務めだ。1円でも超えてはいけないとか、何らかの目標(を定める)とかの議論のたぐいではない」と語った。このため、数値目標の明示に、首相は否定的と受け取られた。
 ところが、首相はこの後、平野博文官房長官や菅直人副総理兼国家戦略担当相に対し「数字を入れた上で、予算編成の基本方針を作るように」と指示。平野氏は午前の記者会見で、「数字を入れないと、(国債発行が)青天井になる。首相としては、財政規律の考え方も一面に置かなくてはならないと(考えたのだろう)」と説明した。
 この問題をめぐっては、平野氏自身、10日の会見で予算編成方針に明記しない考えを示したばかり。10年度も税収の大幅減が確実の中、財政規律と景気下支えのはざまで苦慮する鳩山政権の姿が浮き彫りになった形だ。 

■首相、来年度国債発行額の数字盛り込み指示=官房長官
(12月11日12時11分配信 ロイター)
 [東京 11日 ロイター] 平野博文官房長官は11日、閣議後の記者会見で、来年度予算編成において、鳩山由紀夫首相が新規国債発行額について具体的な目標数字を入れるように指示していることを明らかにした。
 官房長官自身が数字を入れないような発言をして誤解を与えたが、首相は財政規律を重視し、発行額が青天井になることを懸念していると述べた。
 官房長官は今朝の閣僚懇談会で、鳩山首相から来年度予算における国債発行額について言及し、「具体的な数字については(発言は)なかったが、目標設定という概念を含めて数字は入れるべきだとの発言があった」と述べた。首相から今日、来年度予算編成において目標は財政規律ということで数字は入れての基本方針を作成するようにと、官房長官に対して非公式に話があったとも述べた。
 その上で、来年度予算編成に関しては、首相から基本方針を踏まえて各閣僚に協力してほしいとの発言があったとした。
 (ロイター日本語ニュース 中川泉記者)

■10年度国債発行額、首相が44兆円の努力目標明記指示=菅担当相
2009年 12月 11日 13:22 JST
  [東京 11日 ロイター] 菅直人・副総理兼国家戦略担当相は11日、閣議後の会見で、2010年度予算編成の基本方針で示す予定の国債発行額の上限について、鳩山由紀夫首相から「前後の言いぶりは考えなければならないが、44兆円という一種の努力目標はきちんと表現するように」との指示があったことを明らかにした。
 基本方針には努力目標として国債発行額44兆円を盛り込むものの、明確な「国債発行の上限」とは位置づけが異なる見通しとなった。
 政府は予算編成の基本的な考え方を「予算編成の基本方針」としてまとめ、年内編成に向けて予算編成作業を本格化させる。「基本方針」の原案は国家戦略室で作成し、予算編成に関する閣僚委員会で検討後に閣議決定する段取りと、基本方針には国債発行の上限などを盛り込むことを11月17日の閣議で決定していた。しかし、平野博文官房長官の10日の発言で、国債発行額の上限明記が外れるとの見方が浮上していた。
 こうした事態を受けて閣議後に、菅担当相は鳩山首相や平野官房長官と協議。そのなかで、首相から国債発行額について  「努力目標」 として盛り込むよう指示があったことを明らかにした。 
 ただ、菅担当相は「前後の表現ぶりは確定していない。マーケットのことを考えるとこの間、言い続けてきたことなので、そういう数字(44兆円)を掲げることに多分なると思うが、なる以上はなんとかその線で納めたい」と指摘。努力目標として国債発行額44兆円を盛り込むものの、歳出拡大に一定の歯止めとなるはずの「国債発行の上限」とは位置づけが異なる見通しとなった。
 基本方針とりまとめ時期に関しては「来週の早い時期であれば、十分、年度内編成に間に合わせることができる。これは何としても守りたい」と述べた。当初は12月上旬を予定していたが、マニフェストの見直しなどで作業が遅れている。
 また、今朝の閣議では予算規模を圧縮するために、事業仕分けによる削減額6900億円以上の歳出削減で、各省庁に協力を求めたことも明らかにした。
 (ロイターニュース 吉川 裕子)

(獅子16)「努力目標」ですか?ボスは12月9日に以下のように述べています。


「努力」ではすまされない。政治は「結果責任」である(中川語録)


最近、鳩山首相は「努力」という言葉をよく使われている。

新規国債発行額を44兆円に抑制するという方針についても、これからも努力は続けていくと述べられている、

普天間基地移設問題については、「決める方向で努力をしている」と述べられている。

二次補正に盛り込む経済対策についての閣僚間の論争については、「政策論争なんだから、私も含めてしこりが残らないよう最大限努力するし、しこりは残りません」と述べられている。

首相が「努力」するのは当たり前のことであり、大事なことは「結果」を出すことである。努力したけどダメでした、ということは許されない。政治は「結果責任」である。

12月9日記 中川秀直