精読・【鳩山内閣メールマガジン 第10号】 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

精読・【鳩山内閣メールマガジン 第10号】

秘書です。今日、鳩山首相のメルマガが届きました。精読しましょう。

[明日の安心と成長のための緊急経済対策]

 多くの国民のみなさんは、「景気は持ち直してきている」と報道されるたびに、「本当にそうかなあ。その実感はないなあ」と、首をかしげておられたのではないでしょうか。
 政府もまさにそのように考えています。

(経済卿)なにか、報道の責任にしていますが、そうでしょうか。「景気は持ち直している」といっていたのは政府もちょっと前まで同じでしょう。下記の報道をみれば明らかです。

[11月16日 ロイター]内閣府の津村啓介政務官は、16日に内閣府が発表した2009年7―9月期国内総生産(GDP)1次速報を受け、景気の持ち直しの動きを反映しているとの判断を示した。また、日銀の金融政策への要望を聞かれ、現段階では特にないと答えた。


確かに、数字の上では、景気は最悪期を脱しているように見えますが、それも外需、即ち、中国などのアジアの国々が成長を遂げているおかげであり、みなさんの実感に近い名目成長率はここしばらくマイナスで、いわゆる需給ギャップは大幅に供給過剰なのです。

(経済卿)政府は来年度の名目成長率見通しをプラス0.1%で検討しているようですが、もしも、この見通しを前提に経済運営するなら、いまの国民の実感レベルを来年もキープします、といっているだけすよ。国民の実感を「改善」できないんじゃないですか。

 この緩やかではありますがデフレの状況に加えて、最近の為替市場の変動による円高が気になるところでもあります。そこで、このたび政府は新政権として初めての経済対策として、「明日の安心と成長のための緊急経済対策」を取りまとめたところです。

(経済卿)どうもよそ事なんですね。日本だけのデフレの原因はどう考えているんでしょうか。総選挙中と政権発足当初、民主党自身が円高指向があったことを忘れずに。「円高が気になるところ」などと他人事のようにいうのではなく、民主党としての円高指向路線の軌道修正を明確に宣言されたほうがいいのでは。そして、まとめられた対策は7.2兆円のうち、新規にGDPを押し上げるのは約1.5兆円と民間エコノミストがいっています。一方、鳩山首相が認めている需給ギャップは約40兆円です。こえでどうして「明日の安心と成長」につながるのでしょう。

 まず、何としても雇用対策を充実させねばなりません。その筆頭は雇用調整助成金の要件緩和です。雇用調整助成金とは、例えば、週5日のところ3日しか仕事がない社員の企業に、雇用を減らさずに社員に働き続けてもらうため、社員の給料の不足分を政府が企業に助成する仕組みです。今回要件を緩和して、赤字企業の場合、企業の規模によらず、生産量が前々年比10%以上減少であれば、支給対象とすることにしました。

 次に、来春の就職が決まらない新卒予定の学生さんたちの支援を強化します。大学に就職相談員を配置したり、「高卒・大卒就職ジョブサポーター」を増員するほか、採用意欲のある企業の掘り起こしや中小企業におけるインターンシップ(就業体験)の支援、経済団体への求人拡大の要請を行います。

(経済卿)今就職している人対策、新卒者対策にふれていますが、いまの非正規雇用、失職中、訓練中のみなさんへの対策はどうなっているんでしょうか。わが会館事務所にも、30代のフリーターの方からの不安の声がメールで寄せられています。対策には、6000億円の雇用対策予算が計上されていますが、344万人の失業者で割れば一人当たり17万円強です。これで明るい先が見えるのでしょうか。

 また、厳しい経営状況にある中小企業の皆様が安心して年を越していただけるよう、返済猶予の弾力化含め、資金繰りに万全を期してまいります。「緊急保証制度」について、原則全業種の中小企業が利用できるような、使い勝手のいい「景気対応緊急保証制度」に変更するとともに、保証枠を6兆円追加、あわせて期限も再来年3月までに延長します。セーフティーネット貸付も同様に延長し、貸付枠も4兆円追加します。

(経済卿)需給ギャップが40兆円というのは、雇用や生活を維持するためには40兆円分の仕事がないということです。

 地球温暖化対策と景気回復の両立も目指します。まず、「エコ消費3本柱」として、「家電エコポイント」制度を来年12月末まで延長し、LED電球の利用促進につながるような改善も行うとともに、「エコカー補助」についても来年9月末まで延長します。「住宅版のエコポイント」制度を新たに設け、エコ住宅の建設やリフォームにもエコポイントを付与することにしました。

(経済卿)麻生政権時代のエコポイントやエコカー補助が延長されたことは大いに結構なことです。LED電球や住宅リフォームも対象になりました。早く制度の内容が決まらなければ「買い控え」が生じます。

 今回の対策では、「緊急対応」と併せて、中長期的な観点からの「成長戦略の布石」を視点に置いています。例えば、環境分野では、日本の森林・林業の再生を進めるとともに、「グリーンイノベーション」-低炭素社会の実現に不可欠な素材の開発等革新的な環境・エネルギー技術の開発前倒しなどを積極的に推進してまいります。

(経済卿)それで潜在成長率や、実際の経済成長率がどの程度高まるか早く発表してください。なお、今でている文芸春秋に、民主党が上げ潮派になったんじゃないかと心配する声が出ていました。上げ潮派は日本の潜在成長率は2.5%以上あるはずだ、物価の安定とは1-2%の上昇率だというグループであり、日本の潜在成長率ゼロ%台を容認し、物価上昇率ゼロを物価の安定として容認するようなことはありません。民主党が名目成長率を重視するようになったことは評価しますが、来年度の名目成長率0.1%ではお話になりません。さて、民主党は成長戦略後の日本の潜在成長率、そして物価安定の目標値をどう考えるのでしょうか。上げ潮路線か、非上げ潮路線か、注目です。

 今回の対策を早急に実施できるよう補正予算の編成を急ぎます。あわせて、来年度の予算編成作業や税制改正作業を政府を挙げて進めてまいります。二番底には決して陥らせないとの強い決意の下で、経済・雇用を下支えし、あわせて将来の成長戦略への布石をしっかり打つことにより、国民の皆様の生活を第一にする経済運営に努めてまいります。

(経済卿)デフレを宣言しながら、日銀の小出し政策を容認し、40兆円のGDPギャップへの対策には1.5兆円!本当に国民生活第一の経済運営なのでしょうか?

なお、このメルマガの「事業仕分け特別寄稿」に下記のような表現がありました。


「以上のことから、事業仕分けでは政策の良し悪しは問わない、つまり『政策仕分け』ではないということをお分かり頂けたでしょうか」

「また、多くの報道では事業仕分けは予算を切る手法のように言われます。しかし、実際にやっていることは、これまでに使われた税金の使い方チェックです。その結果無駄が多いのならば次の年の予算は少し考え直してみようという材料提供なのです。このあたりのことを、もっと広く理解して頂けるよう、説明していかないといけないと思っています」

わかりませんね。スパコンをめぐり「ナンバー2ではいけないんですか」という指摘は、「政策仕分け」そのものだし、誰がなんといおうと、財源確保の手段そのものだったんじゃないですか。予算編成前だから急いで財源確保のためにやったんでしょう。税金の使い方のチェックならば、通年で国会でやりましょうよ。民主党支配の国会でできない理由はないでしょう?