政局優先の鳩山カラー | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

政局優先の鳩山カラー

秘書です。昔、♪こんなはずじゃ、なかったよね、あの夏の日の約束はー♪ではじまるヒット曲がありました。

■【新・民主党解剖】第2部 覇者の憂鬱(2)菅・亀対立 突き放す小沢
(12月9日 07:40 産経新聞)

 「やはり連立政権を維持していくことが政権の安定につながるから、ここは我慢のしどころだ
  
首相に揺さぶり
 首相、鳩山由紀夫は8日朝、記者団にこう心境を語った。米軍普天間飛行場移設問題をめぐり、連立離脱をちらつかせた社民党に続き、今度は国民新党が首相の足元を揺さぶっていた。
 8日午前9時、首相官邸3階の南会議室。第2次補正予算案など新たな経済対策を決める基本政策閣僚委員会は、冒頭から緊迫した空気が漂っていた。
 「日本郵政社長に斎藤次郎元大蔵事務次官を決めたときも私は文句を言わず認めた。(国民新党が求めた)郵政株式売却凍結法を通した恩義は感じないのか
 口火を切ったのは副総理・国家戦略担当相の菅直人だった。緊急経済対策規模を1千億円上積みし7・2兆円にしたにもかかわらず、なお納得しようとしない郵政改革・金融相の亀井静香に詰め寄ったのだ。
 「お前、そんなことまで言うのか。国民新党のためというが、3党合意で決めた内容じゃないか
  
20分間の応酬
 亀井も激しく言い返し、言葉の応酬は鳩山をはじめほかの閣僚が押し黙る中、約20分間続いた。
 出席者の一人は「最高権力者同士の会議のはずが、まるで幼稚園児のケンカだった」と漏らしたが、これには伏線があった。
 もともと菅は亀井の財政出動路線に批判的で、「財政出動が大きければ大きいほどいいなんていうのは恐竜時代」と亀井を当てこすったこともある。その菅は、本格化する平成22年度予算案編成作業を控え、新経済対策を4日中に決定するつもりだった。
 ところが、国民新党が増額を要求したため折り合いがつかず、8日に先送りされた。菅は4日に、亀井に3度にわたり電話をかけ「なぜ協議に出てこないのか」と出席を促したが、その電話すら無言で切られていた。業を煮やした官邸側が別ルートで国民新党側に「連立離脱する覚悟はあるのか」と脅しをかける場面もあった。

だが亀井は終始、強気で妥協するそぶりすらみせない。結局、菅も予算上積みを認めざるを得なかった。
 衆参両院で8人しかいない国民新党や12人の社民党が強い姿勢で臨めるのは、民主党の「最高実力者」である幹事長、小沢一郎が問題解決に動こうとせず、事態を放置しているからだ。
 「連立内にいろいろ議論があるのは大いに結構なことだ。それは民主主義の手法、プロセスとしては、当たり前のことだ
  
連立維持を優先
 小沢は7日の記者会見でもこう述べるなど、連立維持を優先させる構えを崩さない。小沢がそう意思表示している間は、政府がいかに国民新、社民両党にいらだちを深めようと、連立の枠組みを壊したり、組み替えたりすることは鳩山にも許さないという暗黙の了解がある
 政府への不介入を決め込む小沢と、その影に縛られ連立の手かせ、足かせで思うままに動けない鳩山政権。その弊害は経済分野にも及んでいる。
                   ◇
 □経済無策、「政局」ばかり
 世界経済の先行き不安、デフレや円高が解消されない中で、鳩山政権では経済政策の「司令塔」が見あたらず、政治家にとって理解しやすい「政局」ばかりが優先されている。
 財務相、藤井裕久は8日の記者会見で、第2次補正予算案に盛り込む新たな経済政策の財政支出が7・2兆円に膨らんだことについてこう繰り返した。
  「3党連立であるとしか申し上げられない」「3党連立の仕組みがあることを素直に受け止めている」藤井は直接触れなかったが、国民新党の意向だと言いたかったようだ。
 補正予算決定に至る鳩山政権の軌跡は、首相の鳩山由紀夫が官房副長官を務めていた7党1会派による非自民連立の「細川政権」を連想させる。
細川政権は平成5年8月、「赤字国債を発行しない」と公約して発足した。だが、バブル経済崩壊やコメ不作で半年後の6年2月、4年ぶりに赤字国債(3兆1338億円)を発行する予算案を編成した。
 くしくも当時の蔵相は藤井だ。藤井が当初「後世に恥を残す政策をとるべきでない」と反対した赤字国債発行再開を最終的に認めた理由の一つが「連立の事情」だった
 「補正ごときでこんなにもめて、本予算はどうするのか。この内閣はどうなるんだろう。こんな調子で本当に予算は組めるのか
 郵政改革・金融相の亀井静香の欠席で第2次補正予算案を決める基本政策閣僚委員会が流れた4日夜、閣僚の一人はこう漏らした。
  
マニフェスト予算
 「今週中に要望をまとめて優先順位をつける。党として要望する機会をつくってもらいたい
 民主党幹事長の小沢一郎は7日の記者会見でこう方針を示した。
 小沢は14日にも、22年度予算案の重点要望を鳩山に提出する。幹事長室が受けた陳情は、内容がマニフェスト(政権公約)に合致しているかどうかで選別されていく見通しだ。
 マニフェストは「国民との契約」(鳩山)であり、先の衆院選勝利の原動力だった。可能な限りマニフェストを重視した予算編成を望む党側と、財政規律を少しでも進めたい官邸の意向はときに矛盾する。
 さらに社民、国民新両党の思惑がからめば難航は必至だ。本来は鳩山のリーダーシップが求められる局面だが、その存在感は薄い。
 マニフェストの目玉政策である子ども手当も高速道路の原則無料化も、財源のめどは立っておらず、担当閣僚同士の「言いたい放題」(政府高官)が続く。
 「菅氏をトップに国家戦略室を作ったが、スタッフが極めて乏しく、国家戦略になっていない
 首相は2日、前国会議員が主催した講演で、ひとごとのようにこうぼやいた。
成長戦略の欠如
 鳩山政権発足時から「欠如」が指摘されているのが成長戦略だ。これは中長期的な経済政策を持っていないことを意味する。
 10月2日、霞が関の合同庁舎の会議室に菅ら内閣府の政務三役らが集まった。円卓で相対したのは、気鋭の民間エコノミスト5人。鳩山政権下で始まった政府とマーケット関係者による経済情勢の意見交換会だ。
 「声の大きい人ばかりにお金を使うべきでない。拡張財政は効果が小さい
 新政権の予算編成がバラマキに陥ることを警告したのが、BNPパリバ証券チーフエコノミストの河野龍太郎だった。河野は政府がまとめた緊急雇用対策や「無駄の撲滅」といった目標には一定の評価を与えるものの、「マクロ経済の中長期的な展望に欠ける。財政再建策も早急につくるべきだ」と指摘する。
 「民主党のマニフェストをみると、国民生活第一にシフトしている。長期的な課題と(政策への)ウエート(重み)の付け方がないといけない
 12月2日、東京・芝の東京プリンスホテルで開かれた経済同友会会合。代表幹事でリコー会長の桜井正光は、事業仕分けの成果を語った行政刷新担当相の仙谷由人にこう語った。
 企業であれば、経営戦略と中長期の経営計画の双方を必ず立てる。桜井はそうさとし、「経営戦略がないと、トータルの予算はなかなか組めない」とくぎを刺した。仙谷は神妙な面持ちでうなずき、こう返すのがやっとだった。
 「成長戦略は、菅さんが近々につくってくれると思う
 (敬称略)

(獅子16)では、今回の経済対策の「鳩山カラー」はどんなだったのでしょう。下記は毎日新聞より。

■<経済対策>「前政権継承」ズラリ 鳩山カラー見えず
12月9日11時5分配信 毎日新聞
 政府が8日決定した総額7・2兆円の経済対策は、円高やデフレによる景気悪化への懸念が高まる中、雇用対策などのセーフティーネット(安全網)拡充に重点が置かれた。市場では「二番底の回避策にはなる」との評価も受けている。それでも、麻生政権からの継続事業が目立つ上、国民新党に押され、地方向けの公共事業も追加された。その結果、 コンクリートから人へ」という鳩山カラーは薄められた

 「今までの政治は大規模公共投資(優先)だったが、それは間違い。福祉、地域経済に資源配分した」。藤井裕久財務相は8日、今回の経済対策についてそう説明した。急激な円高や国民新党の強硬姿勢で、当初否定していた公共事業の追加を余儀なくされたものの、金の使い道は「コンクリートから人へ」変えたというわけだ。

 鳩山由紀夫首相が10月に2次補正での経済対策を表明して以来、藤井氏や菅直人副総理兼国家戦略担当相らは、政権の方針について「雇用、環境、景気対策が柱」と繰り返し強調してきた。1次補正予算の執行停止分2・7兆円を活用した今回の経済対策では、複数の省庁や地方自治体にまたがる失業者向けサービスをハローワークで一体的に提供する体制の整備など、「鳩山カラー」を出す工夫もこらされた。

 だが、目玉施策の中には、省エネ家電のエコポイント制度やエコカー補助金など、麻生政権が創設した景気対策の「焼き直し」も目立った

 さらに、今回の経済対策について政府は当初、「公共事業とハコモノ」は対象としないとしていたにもかかわらず、地方の公共事業を支援する交付金として5000億円を計上。1次補正の見直しで執行停止した公共事業約4800億円分が、ほぼそのまま復活した

 藤井氏は「従来型とは違う」とするが、公共事業復活に対しては閣内からも8日、「経済対策として(公共事業を)設定するのは、古いのかなという感想は持っている」(仙谷由人行政刷新担当相)との疑問の声が上がった。

 一方、公共事業を盛り込んだことで期待される景気の下支え効果だが、野村証券金融経済研究所の試算によると、今回の経済対策による来年度の国内総生産(GDP)の押し上げ分は0・2%程度で、「景気を上向かせるには力不足」(同研究所の木内登英氏)。第一生命経済研究所の熊野英生氏は「今回は二番底に対応するための急ごしらえの要素が強い。来年度以降、本格的な成長戦略を打ち出せるかが鳩山政権に問われる」と指摘する。【平地修、坂井隆之】

 ◇雇用 大企業にも助成金

 経済対策では、二番底を防ぐための雇用対策と、温室効果ガス削減を目指す環境対策が目玉施策に位置付けられた。

 従業員を解雇せずに一時休業などで雇用を維持した事業主に対し、休業手当や賃金の一部を国が補助する「雇用調整助成金」を拡充する。

 もともと、生産高や売上高が「前年同期比で5%以上減少」した企業を対象としていた。しかし、昨年9月以降の経済危機の影響で大半の企業の業績が大幅に落ち込んだため、今月2日から、赤字の中小企業に限り「前々年比10%以上減少」へと条件を緩めた。08年よりさらに経営が悪化した企業しか救わないなら、救済対象が限られてしまうためだ。

 その条件緩和を今回大企業にも適用する。厚生労働省は来年度以降、製造業などで70万~80万人程度の雇用を維持できると見込む。

 だが、雇用調整助成金は「企業内の隠れ失業者を本当の失業者にしない役割を果たしている」(アナリスト)側面もある。現在5%台で高止まりしている失業率は、助成金がなければ一層悪化すると見られている。

 このほか、失業で生活費や住居に困っている人たちが一つの窓口でさまざまな支援を受けられる「ワンストップ・サービス」を進めるため、ハローワークに「住居・生活支援アドバイザー(仮称)」を新設する。社会福祉士など福祉現場の経験者を中心に260人程度を都市部のハローワークを中心に配置し、職業相談と同時に、生活保護が必要な場合は地方自治体の窓口とも連絡を取り合う。

 ◇環境 住宅にも「ポイント」

 環境分野では、麻生政権時代同様、「環境対策と景気刺激効果」の両方を狙う施策が目立つ。

 住宅の新築や改修で、断熱性の高い材質の壁や二重サッシの窓を採用した場合に、商品券や省エネ家電などと交換可能なポイントがもらえる「住宅版エコポイント制度」(予算額1000億円)を創設する。

 10年1月1日以降、新築、改修工事を始める住宅が対象。工事費が高額になるため、交換できる商品やサービスの対象を家電のエコポイント制度よりも広げる。国土交通省は「住宅建設には多くの事業者が関係するので、大きな波及効果を期待できる」(住宅局幹部)として、温室効果ガスの排出抑制とともに、低迷する住宅市場の活性化にもつなげたい考え。

 省エネ家電の購入者にポイントがつくエコポイント制度は来年末まで9カ月延長する(2400億円)。エコカー(環境対応車)購入補助は来年9月末まで半年間延長し、2600億円を計上する。

 電子情報技術産業協会(JEITA)によると、10月の地上デジタル対応薄型テレビの国内出荷実績は前年同月比66・6%増の約116万台と5カ月連続で100万台を突破。新車販売台数(軽自動車除く)も8月以降、プラスに転じている。

 エコポイントの対象製品や商品交換レート(1ポイント=1円)は現在と同じ。いずれもポイント付与期間の需要押し上げ効果が見込める一方、「単なる需要の先食いで、期間終了後、がくんと落ち込む」(アナリスト)との厳しい見方もある。【佐藤丈一、柳原美砂子、清水直樹】

(獅子16)麻生政権の経済政策でもっている日本経済。はやく、民主党らしい「コンクリートから人へ」の成長戦略で、マクロ経済にどのような効果があるのか、数字で示してもらわないと。菅副総理は経済効果が「1」というのは「大バカ」という前提で対策をうつはずですので、数字でしっかりと効果を示していただきましょう。