何のための「我慢のしどころ」? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

何のための「我慢のしどころ」?

秘書です。「手段の目的化」・「目的の手段化」を「疎外」といいます。

■「政権維持のため我慢」=経済対策上積みで鳩山首相
(12月8日-09:53時事通信)
 鳩山由紀夫首相は8日午前、2009年度第2次補正予算案に盛り込む追加経済対策の規模が国民新党の主張で当初案より1000億円増額されたことについて、「やはり連立政権を維持していくことが政権安定につながる。ここは我慢のしどころだ」と述べ、安定した政権運営のためにはやむを得なかったとの認識を示した。
 さらに首相は「いかに結束を大事にしていくかに腐心したい」と強調した。首相公邸前で記者団の質問に答えた。

(獅子16)「国民生活のために我慢」でないとおかしいのでは?国民生活を連立政権維持のために犠牲にしてはいけません。目的と手段が入れ違っているようにみえますが・・・

 
■【風を読む】論説副委員長・高畑昭男 小党が振り回す大政党
(12月8日7時56分配信 産経新聞)
 1990年代末のことだが、米国で「ワグ・ザ・ドッグ」という政治風刺映画が話題を集めた。

 大統領のスキャンダルから国民の目をそらせるために、東欧の小国を舞台に架空の戦争をでっち上げる-という筋だ。日本では「ウワサの真相」と題して上映されたが、原題の「Wag the Dog」は「イヌのしっぽが胴体を振り回す」という意味で、転じて「本末転倒」の事象を指す慣用句だった。

 10年以上前の古い映画を思い出した理由はその筋書きではなく、「本末転倒」ぶりが今の鳩山由紀夫政権にピタリとあてはまるからだ。

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で、「県外・国外移設を」と求める社民党に振り回されているだけではない。

 2次補正予算問題でも、「政策を完璧(かんぺき)にリードしている」と豪語する亀井静香・国民新党代表のツルの一声で決着を先延ばしさせられる羽目になった。

 衆院選で圧勝した鳩山民主党は衆参400人超の大政党となり、社民党、国民新党はその1割にも満たない。党務を預かる小沢一郎幹事長も国政の方向に沈黙したままだ。

 いくら連立とはいえ、巨大与党が小政党に事実上の拒否権を行使されて、政権があらぬ方向へ右往左往を続けている。これでは、とても「普通の国」ともいえまい

 民主党の政権公約にも疑問はあるが、それを堂々と国会の論議にかけて法律にしていくというのなら、まだ筋が通るというものだろう。

 だが、首相の偽装献金問題を恐れたか、国会は党首討論もせずに早々と閉会してしまった。政権誕生からまだ2カ月半。この迷走ぶりは目に余ると思う。

 政治刷新に期待した世論の風向きは、遠からず逆風に向かうのではないだろうか。

(獅子16)国民生活第一ではなく、権力第一になるからこそ「Wag the Dog」