日本全体が岩手県みたいになっていく? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

日本全体が岩手県みたいになっていく?

秘書です。胆沢ダム。いさわダムと読みます。「お」ではなく「い」です。

■【新・民主党解剖】第2部 覇者の憂鬱(1)日本が岩手県になっていく
12月8日7時56分配信 産経新聞
 頂にうっすらと雪化粧を施した岩手県の焼石山麓(やけいしさんろく)。民主党幹事長、小沢一郎の地元である旧水沢市街(現奥州市水沢区)から西へ約20キロ山間部に分け入ると、国内最大規模を誇る胆沢(いさわ)ダムが姿を現す。岩石などを積み上げて造られた高さ132メートルの堤体(ていたい)と眺望は壮観だが、完成は平成25年とまだ先だ。

 ■特定業者を外す

 穀倉地帯・胆沢平野の新たな水源として建設されている胆沢ダムは、“小沢ダム”とも呼ばれる。東京地検特捜部が捜査を進めている西松建設や水谷建設のダム工事受注の陰に、小沢の存在がちらつくからだ。

 鳩山政権発足後、国土交通相の前原誠司は国直轄の48ダムについて一時凍結を発表した。凍結対象のダムの中には、進捗(しんちょく)率(事業費ベース)が90%を超える長井ダム(山形県)もあったが、進捗率75%の胆沢ダムは「見直しの対象には入っていない」(岩手県の達増拓也知事)。 

   「これが自民党が計画したダムなら凍結でしょう」  

 県内の建設業者は語る。胆沢ダムに関しては、工事に付きものの反対運動もほとんどなかったという。

 「将来はダムのような大きな人間になりたい」。ダムの堤体には、地元小学生が未来の夢を書いた岩石が埋められている。政界でダムのような大きな存在となった小沢は、胆沢ダム事業とどうかかわったのか。

 「小沢さんが直接、受注業者を指名するとか、そんなことはなかったろう」

 こう話すのは地元では珍しい反小沢系の地方議員の一人だ。大手ゼネコンならば、業者だけで談合は成立し、すみ分けもできる。

 では、なぜそこに政治家の介在が指摘されるのか。関係者は「それでも、どのゼネコンも競うように小沢や小沢系の議員の選挙を手伝うんです。どうしてかといえば、外されるのが怖いからです」と証言する。

 「外される」とは指名競争入札への参加を阻まれるということだ。発注元の官公庁に政治家側が、特定業者を指名するのではなく「この業者はいかがなものか」などともっともらしい理由で排除することは、さほど問題視されていない。

 ■小沢システム拡大

 「小沢さんの特徴を一言で表せば、『油断しない』『足場を固める』だよ」

 小沢の後援会組織の一つ、「一友会」の元構成員は、現在につながる小沢のあり方についてこう語る。

 「油断しない」のきっかけは唯一の最下位当選となった昭和58年12月の衆院選だとされる。当時、自民党総務局長だった小沢の当確判明は遅れ、「落選」の誤情報までも後援会に流れたほどだった。このときから小沢の選挙への一点集中ぶりが加速した。

 「足場固め」は当然、まず岩手県内で徹底された。「同じ選挙区で小沢派の候補者同士を競わせる。より競争を激しくして全体の票の掘り起こしと底上げを図るのが狙いなんでしょうが、競わされる方は大変です」(一友会元構成員)

 競争に負けた者は小沢に見放され、小沢のもとを去っていく。小沢は民主党内でも、小選挙区当選組と比例代表復活組の待遇を露骨に区別している。そして今、来夏の参院選でも2人区に2人の候補を立てる構想を練っている。

 小沢をよく知る元県会議員は、「これは小沢さんにとっては非常によくできたシステム」だと語る。

 「小沢さん自身は競争したくない。ライバルは欲しくない。敵は消すんです」

 小沢は、他の国会議員にも陳情した者にはそっけない対応になるという。「要はすべて『小沢を通せ』なんです」(元県議)。

 小沢に依頼しないと物事が進められないシステムを構築する一方で、敵は徹底的に排除する。こうして「小沢王国」は造られた。

 今回、民主党が採用した幹事長室への陳情一元化について、長年、小沢を支援してきた男性は皮肉を込めてこう言い切った。

 「国と岩手県を置き換えたらよくわかる。地元では小沢事務所を通す。国は幹事長室を通す。幹事長室なんて小沢さんの子飼いばっかりでしょ、小沢事務所みたいなもんですよ」

 現職県議の一人も同様に  「日本全体がどんどん岩手県みたいになっていく気がする」  と漏らした。

                   ◇

 □陳情掌握で小沢支配強化

 ■「革命」と自賛

 2日午後、衆院第15控室。民主党幹事長室に寄せられた陳情の優先度を決める判定会議で、幹事長の小沢一郎はテーブルの陳情一覧に目を落とすなり、こう満足げにつぶやいた。

 「こんなにあるんだ。ふ~ん」

 全国からの約400件に上る陳情を、自らの手中に収めたと実感した瞬間だったのだろうか。小沢は矢継ぎ早に指示を飛ばした。

 「予算がかからずに喜ばれるものもある。そういうものも拾ってほしい」

 「分野別団体の要望は利害が絡むので、政治的な判断があって当然よろしい」

 この日午前には、同じ部屋に兵庫県知事、井戸敏三が入るのが目撃された。平成22年度予算編成の要望書を手渡す目的だったが、約20分後に出てきた井戸は浮かない顔で、「政府に伝わるのか『懸念なし』とはしない」とこぼした。

 政権交代後、民主党は小沢が「革命」と呼ぶ新陳情システムを採用した。では、それはどんなもので、どう決まったのか-。

 「政治主導の陳情の受け方を考えてくれ」

 小沢は10月中旬、筆頭副幹事長の高嶋良充(よしみつ)にこう指示し、高嶋は組織企業団体対策委員長(副幹事長)の細野豪志と小沢側近の副幹事長、佐藤公治らと構想を練った。11月2日には、国会議員から官僚への陳情を禁止し、地方自治体や業界団体の陳情は都道府県連で受け付けた上で、党幹事長室経由で政務三役に取り次ぐ仕組みが決まった。

 ただ、この方式は必然的に、小沢氏が認めなければ要望は通らない「小沢システム」となる。同時に、その団体が民主党を支援するかどうかが要望実現の帰趨(きすう)を決することを意味する

 ■党支援が決め手

 12月1日のことだ。国会内で全国農業協同組合中央会(全中)から陳情を受けた静岡5区選出の細野は、そっけなく突き放した。

 静岡の農協は(10月の)参院静岡補選の最中に、店の中の谷垣禎一自民党総裁のポスターを何枚か張り替えていたでしょ

 全中は自民党の強力な支持団体だった歴史を持つ。全中側は、会長が農水省などの政務三役と面会できないと泣きついたが、細野は「これまでの選挙での対応に理由がある。地方で動いてもらい、党の雰囲気を分かってからにしてほしい」とにべもなかった。

 小沢は、企業や団体を民主党に引き寄せ、支援組織に組み込む「システム」づくりにこだわっている。その一端は、新たな議員連盟改革でものぞかせている。

 11月30日午前、国会内で開かれた全議員対象の懇談会。この場で「議連のあり方検討チーム」座長の伴野(ばんの)豊は、今後議連を原則、民主党単独で構成することなど4項目を提示し、了承された。

 ところが、この日午後の役員会で了承された方針には、重大な項目が追加されていた。

 「政務三役、幹事長については入会を了としない」

 これを知ったある政務官は「だまされた」と周囲に怒りをあらわにしたが、なぜ政務三役の議連活動まで禁じるのか。党幹部は「政務三役が自分のいる省庁と関係する議連に入った場合、その議連に陳情するという抜け道ができてしまう」と説明する。

 実は、伴野は小沢に政務三役の扱いについて相談していた。原理原則を重視する小沢の性格を知る伴野が、自ら政務三役の入会は認めないことでよいか尋ね、「それでいい」との回答を引き出したのだった。

 ■物わかりの良い顔

 これらの新しい政治システムは、自民党の力をそぐ目的があるとはいえ、民主党内や自治体、業界団体に大きな不満や戸惑いをもたらしている。小沢が圧倒的な政治力を誇っている今だからこそ、一気に事を進めることができるのだ。

 「小沢システム」を語る上で議員立法の原則禁止も欠かせない。政策決定の政府・与党一元化を主導してきた小沢は、法案提出も政府が行うのが筋との持論がある。だが、この仕組みも小沢の采配(さいはい)次第だ。

 11月30日、薬害肝炎患者を救済する肝炎対策基本法が成立した。先の衆院選で初当選した元薬害肝炎九州訴訟原告で、「小沢ガールズ」と呼ばれる1人、福田衣里子が中心となって超党派の議員立法で成立させたものだ。

 小沢は自分を頼ってくる議員には、ときに物わかりの良い顔もみせる。

 12月1日、衆院国交委員長の川内博史は党所属国会議員約40人を集め、国会内の幹事長室を訪れた。マニフェストの目玉だった子ども手当などの政策を可能な限り、22年度予算案に盛り込むことを、政府に求めるよう要望するためだった。

 「こんなにたくさんで選挙のこと?僕は選挙の担当だからね」

 小沢は上機嫌でおどけてみせた上で、「要望はこのまま伝える。きょうはありがとう」と明言した。

 参加議員は「党が賛成しないと法案は通らない。『このまま伝える』とは、党として政府に命令するという意味だ」と当たり前のように解説した。

                   ◇

 民主党幹事長、小沢一郎は今月末、政治家生活満40周年を迎える。今や小沢の政治権力は絶頂に達し、「闇将軍」と呼ばれた師匠の故田中角栄元首相の往時をしのぐといわれる。小沢はその強大な権力を何に用い、日本をどこに導くつもりなのか。欲したものを手にしながら、なぜか憂鬱(ゆううつ)そうにも見える小沢と民主党の現状を問う。(敬称略)

(獅子16)「日本が岩手県になっていく」というこの記事、とても深い洞察ですね。陳情政治をなくすのではなく、自民党系団体の陳情をなくす=自民党支持団体をなくす=民主党を支持させる、なんですね。これは鳩山首相のいう「新しい公共」でしょうか。

■普天間、首相いつ決断 解けぬ連立4次方程式 続く“初心者運転”
12月8日7時57分配信 産経新聞

 ■沖縄の負担軽減・日米同盟・連立政権・国益

 鳩山由紀夫首相は7日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題に関する政府方針を年内に決める考えを示したが、首相は移設先を特定しない可能性も示唆しており、政権運営の迷走ぶりは決定的だ。社民党への配慮から、決着を来年に先送りする考えを表明したそばから、再びハンドルを切り戻したのは、米政府の強い抗議があったためだ。沖縄の負担軽減、日米同盟、連立政権、国益-という4つの変数を持つ「4次連立方程式」(政府高官)の解を見いだせないまま、初心者運転が続く。(加納宏幸)

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 首相は7日午後、岡田克也外相、北沢俊美防衛相、前原誠司国土交通相、平野博文官房長官の関係閣僚らと首相官邸で政府方針に関する最終調整を行った。だが、米国のいらだちが沸点に達した現在もなお、「意見交換」(平野氏)をしただけに終わった。

 「日米合意も沖縄県民の思いも、連立を維持することも大事だ。この三者を生かしてどういう結論を見いだすかに苦労をしている」

 会談後の7日夕、首相は自らの苦渋をあけすけに語った。だが、米側はクリスマス休暇前の18日までの決着を求めており、状況は待ったなしだ。沖縄県名護市に代替施設を造る現行計画以外の代案を米側に提示するのは困難な情勢だ。

 移設問題で鳩山政権が最も重視してきたのが「沖縄の負担軽減」。首相は先の衆院選で沖縄県の4小選挙区で県外、国外移設派が全勝したことを「民意」と受け止め、移設先を白紙から再検討する方針で臨んだ。

 このため、政権内では嘉手納基地(嘉手納町など)への統合、現行計画の微修正、グアムへの全面移転などの複数案が次々と浮上した。ただ、11月13日の日米首脳会談で、オバマ米大統領から現行計画に沿った迅速な解決を迫られた首相は「プリーズ・トラスト・ミー」(私を信じてほしい)と応じ、同盟重視に舵を切ったかに見えた。

 これで一時、現行計画を微修正して年内に結論を出す方向性が出つつあった。

 だが、社民党の福島瑞穂党首が党首選という党内事情から今月3日、“連立離脱カード”を振りかざしたため、首相は一転、連立重視の観点からグアム移転に言及し、米政府の堪忍袋の緒を切ってしまった。

 「鳩山政権では、国会議員ではない3人が外交政策を仕切っているのだろう」

 今年10月、キャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は外務省幹部にこう指摘した。キャンベル氏が挙げたのは、寺島実郎・日本総合研究所会長、須川清司・内閣官房専門調査員、佐野忠克首相秘書官(政務)の3人。首相側近として、外務省や防衛省ルートとは別に米政府高官と非公式に接触している

 首脳会談前、首相が「普天間問題が大きなイシューになることはない」と断言していたのも、この「側近グループの影響が大きい」(周辺)という。

 その結果、日米閣僚級作業グループでも、「米国側が命懸けで交渉に臨んでいるのに、日本側は素人に毛の生えたような議論をしてきた」(政務三役)という状況に陥った。

 日米交渉にかかわる政府高官がいう。

 「とにかく政治主導なの! 国民の圧倒的支持がある政権だからいいんじゃないの?」。

(獅子16)この連立4次方程式も「岩手県方式」で解くことに?

■移設先、米に約束してない=「わたしを信じて」発言-鳩山首相
(12月07日-22:39時事通信)
 鳩山由紀夫首相は7日夕、米軍普天間飛行場の移設問題が焦点となった先月13日の日米首脳会談で、オバマ大統領に「トラスト・ミー(わたしを信じて)」と語ったことについて、「その時に、決して具体的な名前を言っているわけではない」と述べ、具体的な移設先を挙げて約束したわけではないと強調した。首相官邸で記者団の質問に答えた。 
 首脳会談で米側は、沖縄県名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部に移設するとした日米合意の早期履行を求めた。首相が「わたしを信じて」と発言したことで、現行計画を容認したと米側に受け取られた可能性が指摘されているが、首相はこれを否定した形だ。
 首相は「沖縄県民の思いも大事にしなければいけない」と大統領に伝えたことを強調。発言の真意について「『日米で努力していく中で解答を見つけていこう。わたしを信じてください』という意味で申し上げた」と説明した。

(獅子16)鳩山首相のメルマガ(11月16日)には下記のように書いてありました。米国側の早期決着という「時期」についての期待についてはどうだったんでしょう。米国側に早期決着への期待があったのは事前にわかっていたと思うのですが。

日米間には、特に普天間基地移転問題で結論が出ていないことに、今後の関係において不安や疑問の声が出ていることも事実です。しかし、私は日本国の総理大臣として、まずアメリカの大統領とのゆるぎない強い信頼関係を、心と心で通じ合う関係を作ることが最も重要と思ってきました。今回、東京でオバマ大統領とお会いして、まさにその思いがお互い一致していたということが確認できたのです。このことは、どちらかが得をし、どちらかが損をするという結果にはならない、必ずや双方にとって良い結果が出る、まずはそのための環境が作れたという大きな成果があったということです。

 "Please trust me."(私を信じてほしい。)
 "Absolutely, I trust you."(もちろん、あなたを信じますよ。)

 首脳会談の折、オバマ大統領と交わしたこの言葉を、国民のみなさまにもぜひ信じていただきたいと願っています。