パンとサーカスと連立維持 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

パンとサーカスと連立維持

秘書です。国会は先週でおしまいです。

■【私説・論説室から】『パンとサーカス』か?
2009年12月7日 東京新聞
 中学卒業まで一人当たり年三十一万二千円の子ども手当支給と、行政刷新会議の事業仕分けを見て、古代ローマの「パンとサーカス」を思い浮かべるのは、いささか不謹慎であろうか。
 古代ローマでは  「パン=食物」と「サーカス=見世物(みせもの)」 を民衆に無償提供することで政治的関心を封じ込め、民衆を治めることが一般的だったという。
 村上春樹さん流に言うところの「200Q」年に誕生した民主党政権下では、パンが子ども手当に代表される直接給付、サーカスが事業仕分けによる官僚攻撃に思えてしまうのだ。
 子供一人当たり年三十万円を超える収入増は、現下の厳しい経済情勢に苦しむ子育て世帯には朗報だ。
 事業仕分けも、旧政権下で実権を握り続けた官僚たちが仕分け人にやり込められ、明るみに出た「無駄遣い」が切り刻まれていく光景は実に気持ちがいい。
 だとしても、単なる「ばらまき政策」なら、経済的自立への意欲を育(はぐく)むことにならないし、官僚たたきの熱狂に酔いしれることなく、政策の要・不要は冷徹に見極めなければならない。
 政権側の意図はともかく、政治的関心を失ってはならないのだ。
 パンとサーカスは、ローマに社会的堕落をもたらし、滅亡の一因となった。「200Q年体制」が、かつてのローマになることがないよう、日本人の良識を信じるとしよう。 (豊田洋一)

(獅子16)たぶん、多くのみなさんは「パンとサーカス」の底の浅さに気付いているはず。官僚の跋扈も知っておられるのでしょう。それでも、旧体制には絶対に戻りたくない、でも新体制は見えない。その絶望こそが、内閣への高い支持率の本質なのではないでしょうか。

■読む政治:「普天間結論」越年(その2止) 防衛相、突然の転換
(12月7日毎日新聞)
 ◇背後に小沢・輿石ライン
 鳩山由紀夫首相が決断した米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題の結論越年。それを後押ししたのが、 「連立離脱カード」 をちらつかせながら年内決着見送りを迫った社民党の動向だった。
 「社民党や沖縄県民を裏切って現行計画通り決めたら政権離脱です。参院では通常国会から予算、法案は一本も通りませんよ」
 1日午後、衆院本会議場で、社民党の辻元清美副国土交通相、阿部知子政審会長がそれぞれ平野博文官房長官と岡田克也外相をつかまえ、詰め寄った。キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)に移設する現行計画で
年内決着させれば、社民党が連立を離脱し、鳩山政権は立ち行かなくなる、と突き付けたのだ。この情報に民主党国対委員会室は緊迫。山岡賢次国対委員長は防衛省政務三役に「絶対に年内決着はダメだ」と息巻いた。
 鳩山首相はこれに先立ち、首相官邸で岡田、平野両氏に加え、北沢俊美防衛相と会談。「連立を重視する」との意向を伝えており、岡田、平野両氏は社民党の要求を受け入れざるを得なかった。
 辻元、阿部両氏の動きは、首相と「現行計画の微修正で早期決着」を念頭におく仲井真弘多知事の極秘会談(11月27日)を察知した照屋寛徳衆院議員(沖縄2区)が「年内決着阻止」に向けて指示した結果だった。
 連立重視の立場とされる民主党の小沢一郎幹事長がシグナルを送ったのは11月25日。午後4時過ぎ。国会内の幹事長室で小沢氏と2人だけで約20分会談した岡田氏はぶぜんとした表情で部屋を出た。
 岡田氏は現行計画を軸に年内決着に動いていた。「連立の問題になる」と判断した岡田氏が小沢氏に事前に説明しておく狙いがあったが、周辺によると、小沢氏は「連立は大事だ」と岡田氏にクギを刺したという。
 一方、現行計画による年内決着を強くにじませ、岡田氏と足並みをそろえていた北沢防衛相の態度が変わり出す。北沢氏は「福島(瑞穂社民党党首)さんとは話は付いている。連立離脱はしない」と以前から口にしていた。
 しかし、11月30日、小沢氏の側近である民主党の輿石東参院議員会長との会談が転換点になった。参院の国会運営に気を配る輿石氏の言いぶりから「内閣と小沢氏の調整ができていない」と判断、周辺にも漏らし始めた
 「連立を壊して政局が混乱することが日本にとっていいのか。解決が年を越して、日米間が極めて不穏な空気になることはない」。北沢氏は2日、幹部自衛官を育てる防衛大学校での講演で連立重視へとカジを切った。
 この夜、東京都内のマンションでは北沢氏と亀井静香金融・郵政担当相の就任祝いが開かれた。社民党と連携する亀井氏が普天間問題でこう念押しした。「年内に結論を出すべきではない」
 北沢氏は「米国に対する誠意を見せるため、普天間関連予算を計上する」「社民党に対して県外移設を探る姿勢を見せるため、自らが(海兵隊の移転先の)グアムを訪問する」と雪崩を打つように越年へと動いた。
 ◇外相「新移設先の指示はなかった」 首相と溝深く
 結論越年で窮地に追い込まれたのは、最後まで年内結論を主張してきた岡田氏だ。防衛省幹部によると3日に首相、平野氏、岡田氏、北沢氏が官邸で会合した際にも岡田氏のみが越年に納得しなかったという。北沢氏と年内決着をけん引し、首相も年内の結論へと動いたが、土壇場ではしごを外された形となった。
 もともと首相と岡田氏の間にはすきま風が吹いていた。「何でそんなことを言うんだ」。岡田氏が9月中旬に「年内決着」に言及した際、首相は不満そうに漏らしたという。岡田氏の路線は米国との交渉の選択肢を狭めると映っていた。
 一方、岡田氏は、首相が「新たな移設場所の検討」を指示したとの報道について4日の閣僚懇談会で「そのような指示はなかったですね」と迫った。対米交渉の矢面に立つ岡田氏にとって「指示」は現行計画を危うくし、検証の根幹が崩れる。4日の日米閣僚級作業グループでも米側には「首相からは真剣に議論するように指示があった」と釈明せざるをえなかった。
  「首相と連立の問題で十分話し合うよう何度も言ったが、できていなかった」。岡田氏周辺はこう嘆いた。 
 普天間問題は米国と歩調を合わせるどころか、議論はさらに拡散し、米国との対立路線を深める。「年内結論断念」を政府側に迫った社民党の辻元、阿部両氏も「首相に普天間のグアム移転を進言する」と意気込み、首相サイドにも伝わった。照屋氏は「首相はグアム移転を真剣に検討し始めた」と受け止める。政府内でも関西国際空港を移転先にあげる声も出始めた。外務省からは「社民党に米国と交渉してもらいたい」との声も漏れる。
 「現行計画を進めなければ普天間移設が実現しない」。岡田氏は5日に訪問した沖縄県で米側の主張を紹介。「日米関係とのジレンマのなかで選択を迫られている」と自らの苦しい立場を訴えたが、移設先となっている名護市の集会では「時間をかけてもいいから県外を探せ」というヤジが飛んだ。

(獅子16)基地固定化して連立あり。日米同盟揺らいで参院選与党勝利あり・・・?

■日本を長期「暫定常任理事国」に=10~15年、英と提唱-仏外交顧問
(12/07-02:31時事通信)
 【パリ時事】フランスのジャンダビド・レビット大統領外交顧問は6日までに、パリ市内で時事通信との会見に応じ、国連安全保障理事会の常任理事国入りを目指す日本など5カ国を最大限10年から15年の長期間、理事国として固定する暫定方式を軸に、安保理改革を進展させるべきだと述べ、英国と連携して「この解決策をできる限り後押ししていく」と表明した。
 同顧問はサルコジ大統領の外交政策を切り回してきた事務レベルのトップ。常任理事国の英仏両国がリーダーシップを発揮すれば、行き詰まったままの安保理改革が進展へ向かう可能性もある。
 暫定常任理事国の候補として同顧問が挙げたのは、日本のほかドイツ、インド、ブラジルとアフリカの1国。レビット顧問は、10~15年の過渡期を設け、この間に理事国ポストを5カ国に与えた上、「最後の段階で国連総会を開いて最終的な解決策を決めればいい」と主張。「恐らくこの暫定的改革こそ、多数の承認を得られる唯一の方法だ」と強調した。
 暫定方式は昨年から国連で検討されてきたが、10~15年という長期案を主要国の高官が明言したのは初めて。ただし日本やインドは、暫定ではなく正式な常任理事国入りを求めている。 
 一方、インドと敵対してきたパキスタンなどは常任理事国追加の選択肢が残る提案には反対の立場。事態の打開にはなお曲折も予想される。

(獅子16)こういう大事なことも意思決定できないでしょうね。きっと。