鳩山内閣の「3K」 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

鳩山内閣の「3K」

秘書です。「KY」(空気がよめない)という同質化の強要が大嫌いです。時代は流動化しています。読むべきは時代の潮目。

■普天間決着、越年へ 「同盟」より政権維持
(12月4日産経新聞)
 米軍普天間飛行場の移設問題の決着が越年する情勢となったのは、鳩山由紀夫首相が日米同盟関係を損なっている普天間問題の早期決着よりも、当面の政権維持を優先したためだ。
 首相が日米合意を尊重して、沖縄県名護市辺野古への移設という決断を下せば、社民党の連立離脱は確実。民主党会派だけでは参院で過半数に達しない現状では、社民党離脱は政権に大打撃となる。また、年内は経済対策や首相の偽装献金疑惑の対応に追われ、普天間問題に取り組む余力がないという事情もあった。

 ◆「3K」の重し
 首相は、11月の日米首脳会談で、オバマ米大統領に早期決着への意欲を示し、「私を信じてほしい」と訴えていた。普天間問題は日本の安全保障上の重大問題であり、日本外交の基軸である日米同盟関係にもかかわる。このため、首相も早期決着には意欲を示している。だが、民主党内には「解決が延びたからといって、すぐに政権が倒れる問題ではない」(民主党議員)という軽い認識がある。むしろ、社民党との連立維持の方が優先課題だというわけだ。
 さらに、政権は普天間問題と並ぶ難題を抱えている。それが、首相の偽装献金疑惑と経済対策だ。この3つは  「基地、経済、献金」のローマ字の頭文字から「3K」とも呼ばれる 

 このうち、経済対策は、景気が二番底になる懸念がささやかれる中、政権の命運を握る最重要課題だ。平成22年度予算編成は年末にかけて本番を迎え、手を抜けない。

 また、首相の資金管理団体の偽装献金問題は政権の致命傷になりかねない大問題だ。今後、元秘書の立件など東京地検特捜部による捜査が進展しそうだ。ここへ来て首相の実母(87)の資金提供に伴う贈与税の脱税の疑いも報じられ、疑惑が拡大すればイメージダウンは確実だ。これらの問題で、首相にとって命綱である内閣支持率がどうなるか、首相官邸も与野党も、固唾(かたず)をのんで見守っている。

 ◆命綱の内閣支持率

 「きょうはまったりしていた。国会閉会後の最大イベントは10日からの長城計画(=民主党訪中団)だ」

 3日昼、国会近くで開かれた民主党の小沢一郎幹事長を支持する議員グループ「一新会」に出席した若手は、会合の雰囲気をこう語った。だが、首相にはまったりとしている余裕はない。まして、普天間問題と、これに伴う社民党の連立離脱問題でがたついている場合ではないのだ。

 民主党幹部は3日、「献金疑惑があるから、普天間までかかわっていられないんだろう。それにしてもお母さんの話はつらいよね。首相は痩(や)せたんじゃないの」と語った。(榊原智)

(獅子16)長城計画は、旧自由党の政治資金団体「改革国民会議」が主催してきたものですね。ちなみに、10月9日のこのブログに、「改革国民会議」について以下のように書いております。

小沢さんの外国との交流については、鳩山首相は幹事長時代の3月28日、山口市での街頭演説で、小お沢一郎代表の多額の政治献金を疑問視する声があることについて「小沢氏は普通の政治家ができない、外国との草の根の交流事業を行っている。だからお金がかかっている。怪しいところにお金を使っているのではないかという疑いを持たれているかもしれないが、そんなことは一切ない」と強調しています。そして、鳩山氏は交流事業の例として、小沢氏が自民党時代から続けている中国との民間交流事業「長城計画」や、幕末に渡米したジョン万次郎を記念した日米交流などを挙げています(3月28日21:06時事通信)。その「長城計画」ですね。
 では、政治資金と「長城計画」はどう関係しているのでしょうか。
 例えば、2004年の第12回長城計画の主催者に、日中至誠基金や中華全国青年連合会と並んで「改革国民会議」の名前があります。
 この「改革国民会議」とはどんな団体でしょうか。
 2008年9月12日 20:03に産経新聞が、「小沢氏側近の平野貞夫元参院議員がともに会計責任者を務め、小沢氏の関係団体である改革国民会議の繰越金は11億1104万円、改革フォーラム21の繰越金は6億9036万円。2団体だけで計18億円以上がプールされ、「政権奪取のための小沢氏の軍資金」(自民党議員)とみられている。改革国民会議は小沢氏が党首だった自由党の政治団体、改革フォーラム21は小沢氏が代表幹事を務めた新生党の政治団体だった。自由党は平成15年9月26日の解党の2日前、合併相手の民主党からなぜか2億9540万円もの寄付を受けた一方、解党当日には、改革国民会議に13億6816万円を寄付している。このため、国会で「政党助成金の返還逃れではないか」(故松岡利勝元農水相)と追及されたこともあり、“疑惑”は消えていない」と伝えた、あの「改革国民会議」のことなのでしょうね。

■普天間移設「新しい場所を」首相が指示
12月4日3時4分配信 読売新聞
 沖縄の米軍普天間飛行場移設問題で、鳩山首相が北沢防衛相に対し、「新しい場所を探してほしい」と述べ、日米合意に基づく米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(沖縄県名護市辺野古)以外の移設先を探すよう指示していたことが3日、明らかになった

 首相の指示は、移設先の検討を事実上仕切り直すよう求めたものと受け止められている。新たな移設先を見つけるには時間がかかることから、首相は年内の決着を先送りすることにしたとみられる。

 首相は3日夜、「年内に決めなきゃいけない、という議論をしているわけではない」と記者団に述べ、年内決着を見送る考えを公の場で表明した。

 これに先立ち、首相は3日夕、首相官邸で平野官房長官、岡田外相、北沢防衛相と会談し、4日に都内で開く日米外務・防衛当局の閣僚級作業部会に向けた協議を行った。首相は「連立は大事だ。米国とは誠実に協議してほしい」と述べ、移設問題の決着が遅れても、米側の理解を得られるよう指示した。首相はここ数日、平野氏らと連日協議を重ねており、新たな移設先の検討指示もこの中で出た。

 複数の関係者によると、首相の念頭にあるのは、米領グアムだという。首相は3日、普天間移設を2014年までに完了すると日米が06年に合意した米軍再編のロードマップ(行程表)について、「柔軟性を持って臨むことは可能だ」と記者団に語り、移設の時期や場所などを軌道修正する可能性を示唆した。

 一方、北沢防衛相は3日、社民党の阿部知子政審会長らと防衛省で会談し、移設問題について首相から「丁寧、慎重に時間をかけてやってほしい」と指示されたことを明らかにした。

 政府は、一連の方針を与党側と調整するため、近く、連立3党の各党首が参加する基本政策閣僚委員会や、党首や幹事長らによる政府・連立与党首脳会議を開く考えだ。また、米側に対しても、4日の日米作業部会で概要を伝える方針だ。

 首相が新たな移設先の模索を指示したことで、11月の日米首脳会談で首相がオバマ大統領に約束した「迅速に結論を得る」対米公約は果たせなくなり、日米関係は大きな打撃を受けることになった。

(獅子16)グァムですか!大きな時代を読めているのか、それとも、国際環境が読めていないのか・・・