精読・鳩山内閣メールマガジン~鳩山総理の経済観を読む~ | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

精読・鳩山内閣メールマガジン~鳩山総理の経済観を読む~

秘書です。今日、鳩山内閣メルマガが届きました。


(参考)【鳩山内閣メールマガジン 第9号】日本経済への迅速な対応(2009/12/03)

[日本経済への迅速な対応]

 官邸の総理執務室には、机の横に電光掲示板が設置されており、刻々と変わる為替レートや、株価や国債の金利などが示されています。先週末からの急激な円高の進行と株式市場の低迷に、多くの国民のみなさまが大変心配されたと思いますが、ドバイショックを受けて、円が一時84円台になり、日経平均株価が300円以上下がっていく様を掲示板で眺めたときには、緊急に何らかの手を打たねばならないと強く感じました

(経済卿)ドバイショックに対する緊急対策をした、ということですね。

 わが国の経済は、持ち直してきているとは言われますが、緩やかなデフレが続く中、失業率は依然として5%を超えています。バブル経済の崩壊時を上回って就職内定率が急落しており、雇用環境は、依然として極めて厳しい状況です。

 このような状況を踏まえ、政府は、既に補正予算を凍結して捻出した3兆円近くの財源を活用して、国民生活に真に必要な政策、「雇用」「環境」「景気」を柱とした、新たな経済対策を行うこととしていました。

(経済卿)これはドバイショック以前に考えていた二次補正の考え方を示したもの。経済は持ち直してきている、でも雇用は厳しい、という基本認識がうかがえます。

 そこに、急激な円高と株安という新たな状況が加わりましたので、私は菅経済財政政策担当大臣・副総理に指示をして、政府として円高対策とデフレ・景気対策をさらに追加した経済対策を急遽まとめることといたしました。当然のことながら、第二次補正予算の規模は、一次の補正予算の凍結規模より、かなり加算されることになります。

(経済卿)そこに、ドバイショックがきたので、「円高対策とデフレ・景気対策をさらに追加した」というロジックになっています。

 需要面での対応としては、エコポイントやエコカーなどに加えて、住宅のエコ化の重点施策を環境対策として取り入れることや、雇用調整助成金の要件緩和、貧困者支援、新卒・女性支援等の追加的措置を講じてまいります。

(経済卿)追加需要対策規模が注目されます。

 やっと持ち直しの動きが見え始めた日本経済を、「決して二番底には陥らせないぞ」との強い決意を持って、取り組んでまいります。

 さらに、昨日、日本銀行の白川総裁とも会談し、政府と日銀との間に、デフレは経済成長を阻害するものであり、早期にデフレからの脱却を図ることが重要であるとの思いを共有することができたと思っています。

 その席で、私は日銀が決定した新しい金融緩和措置について、デフレを克服するために、いち早く講じた措置として歓迎いたしました。政府の経済対策と日銀の今回の措置は軌を一にしたものと考えています

 これからも緊密な情報交換と連携を保ち、折々の経済金融情勢に適切に取り組んでいくことが出来るように、適宜政府と日銀の首脳同士で会談を持つことにいたしました。

(経済卿)亀井金融相は日銀の1日の追加策について、「今まで寝てたんだから。目が覚めて、まだちょっと寝ぼけているところがあるけど、しょうがない」「ちょこっとした対策だが、やらんよりやった方がいい。少しは評価する」と述べています(2009/12/02-16:40時事通信)。ということは、総理の日本経済の現状に対する認識も、「ちょっと寝ぼけている」のかもしれません。

 なお、ドバイショックそのものの影響については、債務の総額がさほど大きくないとのことから、おおむね沈静化したと、ひと安心したところですが、中東を中心に信用不安の連鎖反応が起きることが心配との指摘もあります。予断を許さずに注視してまいります。

(経済卿)ドバイショックの影響は沈静化した、ひと安心、ということは二次補正の上乗せは、それほどしなくてもいい、とも読み取れませんか。

(参考)日本経済の現状

なにはともあれ、政府・日銀がデフレ克服に向かって動き出したことは歓迎ですが、ドバイショックの影響がおおむね沈静化い、一安心、という経済認識、ちょっと心配ですね。日本経済が直面している問題を数字で確認しておきましょう。

<現在の円ドルレート>
1ドル=87.82-87.84円(21:06)
84円台から比べれば円高は修正されましたが、企業の09年度下期の想定レートは94.08円です。まだまだ円高。企業業績は今の為替水準でも苦しいですね。業績が苦しければ失業問題は悪化します。

<失業率>
10月は5.1%。3ヶ月連続で低下していますが、職探しをあきらめた人が多く出ているという説も。就業者は前年比117万人の減少です。

<デフレ>
10月のコアコアCPI 前年比マイナス1.1%⇒過去最大に並ぶ下落幅です。GDPギャップ、つまり需要不足額、もっといえばデフレの原因です⇒7-9月は35兆円、GDP比6.7%。2000年代前半にデフレスパイラルが懸念されましたが、当時のGDPギャップは約5%。日本経済は今でも過去最大規模のデフレ圧力が加わっていることに変わりがありません。

これからいえることはここ数日で金融環境は多少は持ち直しましたが、根本問題は改善していないということです。

財政政策・金融政策・成長戦略を打ち出し、民間を巻き込んで穴埋めすべき需要額の総額は35兆円です。事業規模ではなく、需要創出額ですよ!ここで失望されると「催促相場」のはじまりです。

以上の数字を頭にいれて、政府の対策に注目しましょう!