クイズ・日本の潜在成長率は何%でしょう? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

クイズ・日本の潜在成長率は何%でしょう?

秘書です。お昼の時間、ひさしぶりに会ったアメリカ在住のエコノミストに日本の潜在成長率を告げたら、絶叫していました。


「上げ潮派」は日本の潜在成長率は少なくとも2.5%以上はある、というひとたちのことです。

では、問題です。いまの日本の潜在成長率は何%でしょう?

日銀の答えは  「0%台半ば」  です。(日本銀行「経済・物価の情勢展望」10月30日の2ページの注2)



つまり、「現状維持」が日本の実力のマックスということ。マイナス成長が周期的にやってくる経済ということですね。

ゼロ成長とは、誰かが経済的利益を得るためには誰かが損をするという「ゼロ・サム」社会です。

これこそが経済的な「弱肉強食」社会です。

反成長の民主党や日銀こそが「弱肉強食」社会をつくっているんじゃないか。


全員が経済的にプラスになる社会、それは成長が前提だと調整しやすい。

家族的経営、和の経営・・・経済の成長があったから可能だったんじゃないでしょうか。成長がとまったから、従業員を切らざるをえなくなっているのではないか。

その日本の良さの前提条件の成長が崩れてしまった。政府・日銀は「ゼロ成長」をどうするのか。

ゼロ成長のゼロ・サム社会で若者の新規雇用と公務員の年功序列・終身雇用賃金をどう両立させるのでしょうか。(増税ですか)


だから、ボスは質問主意書で、政府は日銀の潜在成長率の考え方についてどう思うかを聞いた。

そして、出てきたのが昨日の回答です。

政府は、正規と非正規の雇用の壁を壊す主導権をとる気もない、成長経済の見通しもない・・・

潜在成長率の引き上げにつながらないものを成長戦略とはいいません。


ゼロ成長を前提とする場合、調和のある社会をつくるのか。これはけっこう深刻な問題です。ゼロ成長のもとで正社員の終身雇用・年功序列を維持しつつ、若者の新規雇用を拡大するのはどうやってやるのでしょうか。お父さんの正規雇用維持のために、お母さんのパートが解雇され、お子さんは正規雇用につけない・・・これはゼロ成長、デフレが原因でしょう。

数年前の「上げ潮」論争で、ゼロ成長派の論陣をはったみなさん!みなさんの議論はバブルにわく外需依存で何もしなくても成長していたことが前提だったことがおわかりいただけましたか。いま、ご自身のボーナス減少とか、お子さんの就職難で、成長の重要さをご理解いただけましたか?


ということで、いまこそボスの著書「上げ潮の時代」をごらんください!