英国型民主主義とは似て非なる民主党的民主主義 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

英国型民主主義とは似て非なる民主党的民主主義

秘書です。かつて、ワイマール共和国で「全権委任法」というのが成立したのを思い出しました。

■あまりに短い 民主審議 郵政1時間半、新型インフル37分…
12月2日7時56分配信 産経新聞
 会期が4日まで延長された臨時国会は1日、自民党が欠席する中、日本郵政株式売却凍結法案などの審議が進んだ。自民党は「十分な審議時間が確保されていない。審議拒否をしているのは与党だ」(川崎二郎国対委員長)と与党の国会運営を批判する。これに対し、民主党は「十分な審議時間を取った。自民党は意味不明の審議拒否だ」(山岡賢次国対委員長)と応酬するが、これまでの国会と比べると与野党が対決する重要法案の審議時間があまりにも短いことが数字の上では浮き彫りにされている。

 ≪強行、質疑省略≫
 金融機関に借金の返済猶予を促す中小企業等金融円滑化法(モラトリアム法)は、今国会で最初の与野党対決法案の審議となった。11月18日に衆院財務金融委員会で審議が始まったが、与党は翌19日に採決したいと提案。自民、公明両党が反発して出席を拒否する中、与党は採決を強行した。結局、委員会の衆院での審議は8時間弱で終了。参院でも自民党が欠席する中、早々に採決された。
 日本郵政株式売却凍結法案になると、衆院では本会議質疑が省略され、委員会審議も1日の衆院総務委員会での1時間半だけ。前日の同委理事会で、公明、共産両党が「対決法案としては時間が短すぎる」と反論する中、近藤昭一委員長(民主)の職権で採決が決まった。参院でも本会議質疑は省略された。

 ≪共産も「数の横暴」≫
 与野党が対決する重要法案についてはこれまで、野党が十分な審議時間を求めることから数回にわたる委員会審議を行うのが通例だった。先の通常国会で民主党など当時の野党が反対した海賊対処法では、衆参両院で本会議質疑が行われた上、委員会審議は衆院で25時間半、参院でも21時間45分を費やした。
 自民党の欠席が審議時間の短縮に「貢献」する事態にもなっているが、今国会での重要法案の審議時間が短いことには、共産党も与党の「数の横暴だ」と非難している。
 これに対し山岡氏は、審議時間を「十分だ」とする根拠として、11月2~10日に衆参で予算委員会を計6日38時間開催したことを挙げ、1日の代議士会では、自民党の審議拒否を「何かをしなければ国会に出ないというのは、駄々っ子みたいな話だ」と、改めて問題は自民党にあることを強調してみせた。

(獅子16)国会議員は何のために存在するのでしょう。①よりよき結論をえるための議論するため、②首相を指名して権力を構成するため、この2つの考え方があります。民主党中央の考え方は後者のようです。国会議員は、首班指名をしたら、あとは採決要員。採決の時間以外は、地元で次の選挙に勝つために演説していなさい、と。この民主主義の基本哲学が、上記の記事にあらわれています。政府を構成したら、国会議員の仕事は終わり。これが民主党中央が考える「英国型民主主義」?。いいえ、英国とは重大な違いがあります。党首討論をやらないことです。党首討論の議論を省略する。この「民主党型民主主義」は実におそろしいものです。完全に4年間の「全権委任」を得た、という発想ですから。あと、英国では党内の造反がありますが、日本の民主党にはありません。日本の民主党は、いつの時代のどの国から飛び出してきた党なのか・・・