「新しい公共」の視点からニュースをみる | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

「新しい公共」の視点からニュースをみる

秘書です。マクロ経済運営についてのボスの質問主意書に対する政府答弁書は明日回答予定です。

■首相の偽装献金問題「脱税の可能性ある」
(2009年11月30日 読売新聞)
 自民党の大島幹事長は29日、山形市で開かれた「北海道・東北ブロック女性部代表者会議」に出席した。鳩山首相の偽装献金問題について、「脱税の可能性があるという問題に発展しており、総理自ら国会の場で答えるべきだ」と記者団に語った。
 大島幹事長は会議の冒頭、党首討論に応じない鳩山首相に対し、「総理大臣と野党第一党の総裁が国民の前でしっかり議論することこそ責務だ」と批判。今後の国会日程について、「議論せず国会を閉じるわけにはいかない」と、審議に応じない考えも示唆した。

(獅子16)首相が「脱税の可能性」を抱えたまま、来年度の税制を議論するのでしょうか。公正な税務執行ができるのでしょうか。

■事業仕分け(その1) 「仕分けはイベント」 国家像見えず
(11月30日毎日新聞)
 「菅(直人副総理兼国家戦略担当相)さんが『スパコン(スーパーコンピューター)見直し』だってね。調整してあげた方がいいよ」。11月24日、「事業仕分け」現場の国立印刷局市ケ谷センター体育館(東京都新宿区)。仕分け人の枝野幸男統括役が、会場を訪れた菅氏の補佐役、古川元久副内閣相に声をかけた。
 菅氏は予算の無駄を省く行政刷新会議メンバーであると同時に科学技術担当の内閣府特命相でもある。古川氏はしかし「事業官庁の要求大臣のつもりで言っている。要求と査定を使い分けている」と首をすくめた。
 文部科学省所管のスパコンは13日に「予算計上見送りに限りなく近い縮減」と判定され、「世界一じゃなきゃダメなのか。2位ではダメなのか」と迫った仕分け人の蓮舫参院議員は「事実上の凍結」と厳しく評価した。
 しかし、科学者らが猛反発し、菅氏は22日、スパコンを含む科学技術関連予算について「(縮減方針を)当然見直す」と明言した。
 だが、こんどは政務三役の一人が反発。24日、会場を視察した鳩山由紀夫首相に「仕分けの最中に『見直す』と言われてはわれわれの助けになりません。総理、注意してもらえませんか」と直談判する場面もあった。
 事業仕分けは、民主党が衆院選で訴えた「税金を官僚や族議員から国民の手に取り戻す」ための手法。予算の全面組み替えを政治主導で断行し、10年度予算案を通じ既得権益政治からの大転換を印象付ける狙いがあった。
 しかし、捻出(ねんしゅつ)した圧縮額は目標の3兆円の6割強。仕分け対象外の事業への波及やマニフェスト予算の縮減など目先の削減作業にきゅうきゅうとし、民主党が構想しようとする国家ビジョンが語られることはなかった
 枝野、蓮舫両氏ら仕分け人の快刀乱麻を断つ「裁き」を世論の多くは支持したが、両氏が演じた役割を財務省で査定を担当する役職にならって「スーパー主計官」と皮肉る声もある。11月26日にはこんな場面があった。
 自衛官人員増要求をめぐり、防衛省は人件費抑制のために一部任務の民間委託を進めたことを強調したが、全体の金額抑制にはなっていなかったことが判明。「これまでの査定はどうだったのか」と枝野氏に追及された財務省主計官は「気付きませんでした」とうなだれたが、終了後「いいご指摘」と枝野氏を持ち上げた。
 各閣僚が「要求」と「査定」のはざまで揺れ、財務省の影響を避けられず、肝心の「政治主導」は色あせた。政府関係者は「仕分けはイベント。来年度予算にどう反映させるか、シナリオを描く政治家がいない」と嘆く。

(獅子16)透明化・可視化は時代の流れ。「新しい公共」をつくりました。もう密室には戻れないでしょう。それにしても、その公開の場で、国立印刷局がいつのまにか「国の機関化」という官業肥大・国家公務員増加を含めて検討することで決着したことはおそれいりました。

■事業仕分け(その2) 「財務色」強め2次補正主導権、水を得た菅氏
(11月30日毎日新聞)
 ◇権力構図に波紋 藤井氏とがっちり
 事業仕分けを横目に、09年度第2次補正予算編成で主導権を握ったのは菅直人副総理兼国家戦略担当相だった。きっかけは追加経済対策の財源に09年度第1次補正予算の執行停止分を振り向ける構想を持ち出したことだ。
 「大丈夫だよ、藤井(裕久財務相)さんとは握ってるから」。11月中旬、菅氏は側近にこう漏らした。マニフェストの主要政策を実現させるため10年度予算の財源に想定されていた1次補正予算の執行停止分2・7兆円を2次補正予算に充てる考えに財務当局は懐疑的だったが、菅氏はすでに藤井氏とすり合わせ済みだった。
 このころ、財務省幹部が菅氏に「(第2次補正予算の)規模は2・7兆円に抑えてください」と進言した。この額は1次補正予算の執行停止分にほぼ相当し、国債の追加発行を回避できる線として念押ししたわけだ。
 菅氏と藤井氏の接点は、11月8日夜、首相公邸での鳩山由紀夫首相を囲む夕食会だった。菅、藤井両氏や仙谷由人行政刷新担当相らが参加した夕食会後、藤井氏は「菅さんとは認識を共有した」と周辺に語り始める。
 「財政は危機的状況だ。財政出動が大きければ大きいほどいいなんて恐竜時代の発想だ」。11月18日、2次補正予算に向けた経済対策検討チームの初会合で菅氏はこう強調し、財務省と息の合ったところを見せつけた。
 さらに「菅・藤井ライン」を強めたのが、95兆円超に膨らんだ10年度予算の概算要求。削減に動く財務省を、菅氏は「聖域」マニフェスト(政権公約)関連予算の見直しで側面支援。11月18日から農家の戸別所得補償や子ども手当など目玉政策をめぐり担当官庁からヒアリングを開始するなど存在感を際立たせている。
 官僚と対峙(たいじ)し、薬害エイズ問題で名をはせた菅氏だが、喫緊の課題である経済や財政問題での手腕は未知数。財務省出身で補佐役として支える古川元久副内閣相に加え、国家戦略室のスタッフにはいずれも「財務省きっての理論派」(同省幹部)と呼ばれるエース2人が送り込まれ、「財務省色」が強まっているのも事実だ。
 だが、「財務省寄り」との印象を極力与えないよう、一方で財務省との対立姿勢も示す。財務省の外局・国税庁と社会保険庁(来年1月から日本年金機構)を統合する「歳入庁」構想に意欲的なのが一例だ。歳入庁構想には国税庁を取り上げられることへの反発が財務省に根強い。「財政通」との印象を広めつつ、行政改革の矛先を財務省にも向けることに財務省幹部は「ポスト鳩山をにらんだアピールではないか」との見方を示す。
 ◇歓迎と危惧と 「イメージアップ」「選挙への影響心配」
 予算の無駄を洗い出す事業仕分けと同時並行で、民主党は10年度予算編成に向け、各団体の陳情を受け付けてきた。地方自治体や業界団体からの陳情の窓口を、地方県連や党幹事長室に一本化する「党主導」の態勢を組み、来夏の参院選や11年の統一地方選をにらんで陳情受け入れの見返りに各団体の「自民離れ」を迫っている。
 「あなた方は民主党に協力的ではないですよね」。11月下旬、10年度の政策要望の陳情に、民主党幹部を訪ねた全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)の市川宜克専務理事を待っていたのは、事実上の「門前払い」だった。自民党を支援してきた全宅連に党幹部は「これまでのことをきちっとしてから、県連を通して来てください」と素っ気なかった。
 自民党支持団体を締め上げることで自民党を干上がらせる--。選挙区が広く、全国比例の参院選では組織票が死活的な意味を持つ。小沢民主党の戦略は組織票を自民党から断つことに主眼がある。
 民主党の陳情ルールでは、地元選出の国会議員か、都道府県連を通じ、党幹事長室が陳情を受け付ける。閣僚ら政務三役までつなぐか、陳情の扱いを決めるのは、週1回開かれる「正副幹事長陳情・要請判定会議」。判定は民主党への「協力度」が大きく支配し、党執行部は「アメとムチ」を使い分けた組織固めを急いでいる。
 だが、事業仕分けをめぐって党内では参院選に向けて鳩山政権のイメージアップにつながると歓迎する声がある一方、陳情実現への責任が生じるため予算縮減路線が陳情具体化のハードルになりかねないとの危惧(きぐ)もある。「せっかく団体側がこちらを向き始めたのに、選挙への影響が心配だ」とある党幹部は懸念を示す。
 民主党の輿石東参院議員会長は11月19日の記者会見で事業仕分けについて「杞憂(きゆう)であればいいが、財務省のペースに乗っているのではないかという指摘もある。きちんと検証していかないとならない」とクギを刺した。
 連立与党内で存在感をアピールしたい社民党や国民新党も事業仕分けに対し独自の主張を唱える。とりわけ国民新党は09年度第2次補正予算で「11兆円規模」を要求。同党幹部は「首を切って『かんぱーい』だけじゃだめだ。切ればいいってもんじゃない」と事業仕分けを批判し、大型の財政出動を求めている。

(獅子16)「これまでのことをきちっとしてから、県連を通して来てください」「判定は民主党への「協力度」が大きく支配」というのは「新しい公共」なんでしょうか。