雨宿り法人・腰かけ法人 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

雨宿り法人・腰かけ法人

■<亀井郵政相>斎藤・日本郵政社長、4副社長と面談
(11月5日11時3分配信 毎日新聞)
 日本郵政の斎藤次郎社長は5日午前、金融庁大臣室に亀井静香金融・郵政担当相を訪ね、就任のあいさつをした。斎藤氏の社長就任後、公式な面会は初めて。亀井氏が主導した元大蔵事務次官の斎藤氏の社長起用をめぐり、衆院予算委員会では自民党から「民主党が掲げる天下り根絶に反する」などと政権批判が相次ぐさなかの面談となった。
 面談には坂篤郎・前官房副長官補ら4副社長も同席。斎藤新体制の役者が一堂に会し、郵政民営化による4分社体制の見直しなどの作業を本格化させる。
 斎藤社長は面談後、記者団に「私を中心に一糸乱れず一生懸命やってくださいとの話があった」と述べた。【望月麻紀】

(獅子16)鳩山首相は、斉藤元次官は14年間も「民間」にいたんだからいいじゃないか、といっていました。「民間」とはどんなところだったんでしょうか。「雨宿り」・「腰かけ」法人はいいのか。まず、金融先物取引所ですが、理事長は吉田太郎一さん、吉本宏さん、斎藤次郎さん、太田省三さんと大蔵OBの指定席ですね。そして「研究情報基金」。ここの理事長は、西垣昭さん、平沢貞昭さん、保田博さん、斎藤次郎さんと、すべて元大蔵事務次官ですね。研究情報基金は事務次官の「渡り」のために待機ポストだったということを、民主党は知っていたはず。それは平成10年2月5日衆院予算委員会の議事録で、今の民主党の源流の一つとなる民友連の議員の質問を見れば明らかです。もちろん、日本郵政の副社長人事は過去官僚の天下りだけに注目しているわけではありません。金融業界では別の方のサプライズ人事が話題になっていると聞きますし。

第10号 平成10年2月5日第142回国会 衆議院予算委員会 第10号
○海江田委員 ・・・大蔵省が所管をしております九つの特定公益増進法人の中に、研究情報基金というのがございます。これは昭和六十一年に設立をされたものでございますけれども、ここの理事長を見ますと、今現在は、かつての大蔵事務次官であります斎藤次郎さん、その前が保田博さん、それからその前が平沢貞昭さん、そのもう一つ前が西垣昭さんということになりまして、代々、大蔵省の事務次官をおやりになった方がこの研究情報基金の理事長を務めることになっているわけでございますね。
 大蔵省の次官をおやりになった方がおやめになった後というのは、大抵しかるべき処遇をしなければいけないということで、国民金融公庫の総裁でありますとか、古くは高木さんなんという方は国鉄の総裁にもなりましたけれども、そういったいわゆる総裁あるいは理事長とかいう名前がつくところに大体天下りをするわけでございますが、ただ、これはいろいろな種々の事情があって、必ずしも、大蔵事務次官をやめたからすぐそういう総裁職があいているわけではないということがあるわけでございますね。そうなってくると、そういうときに一時的に、雨宿り的というかあるいは腰かけ的にといいますか、やはりこの社団法人が利用されているということでございます。
 先ほどお話をした歴代の次官の中で、さかのぼって、六十一年にできてから理事長を務めました次官のお名前を言いますと、西垣昭さん、平成元年にここの研究情報基金の理事長になって、そして、この研究情報基金から、海外経済協力基金の理事長の席があきますと、こちらへ移っております。そうすると、今度は平沢さんが平成二年に研究情報基金の理事長になって、そして平沢さんが平成四年になりまして国民金融公庫の総裁に行きますと、今度は保田さんがここの理事長になる。そして、平成七年になりまして保田さんが輸銀の総裁になりますと、今度は斎藤次郎さんがここの理事長になるということで、いわば理事長が行く先のそういう総裁でありますとかあるいは理事長でありますとか、しかもそれも数限られた公庫ですとか公団の総裁、理事長でございますが、そういうものの席があくまでの間ここにいるということになる
 どうしてそういうような基金に税制上の優遇を与えなければいけないのか。しかもこれは、大蔵省がそこを特定公益増進法人であると認定をすればそれで通ってしまう話ですから。
 しかもこれは、昭和六十一年に立ちましたときに、当時の寺村さん、これは秘書課長でございましたが、この方が一生懸命になって、ほとんどが金融機関から寄附金を集めて設立をした社団法人なわけでございますね。現在も、平成八年度でいきますと約七千万円。これは正確に言いますと、平成八年度でもって六千九百万円の資金が、寄附金ですね、これが実は金融機関から集まっているということなわけでございます。
 これはやはり少しお手盛りのそしりを免れ得ないのじゃないだろうか、やはりお手盛りだということを言われてもしようがないんじゃないだろうかというふうに私は考えるわけでございますが、大臣、あるいはもし大蔵省で何かこの問題でおっしゃりたいことがあったら、おっしゃってください。
○松永国務大臣 詳細は事務方に答えさせるとして、私の感じを言いますと、むしろ問題なのは、この研究情報基金、これがどれだけの公益的な活動をし、どれだけの成果を上げているのかというのがむしろ大切なんじゃなかろうかというふうに思います。何らの活動もしないのに税法上の恩典が与えられるというのは問題だと思うので、いい活動をしていれば私は妥当と判断するのが当たり前ではないかというふうに思います。
○溝口政府委員 研究情報基金は八六年にできました。活動は、日本と諸外国との間の相互理解を深めるということを目的といたしまして、財政金融政策の諸問題あるいは市場の問題等について、研究交流それから情報の収集等を行っている社団法人でございます。
 具体的な活動といたしましては、海外の対日理解を促進するためのシンポジウム、セミナー等を開催しております。それから、アジアにおきまして協力活動を行ったりしております。
 若干、具体例を申し上げますと、八年度でございますけれども、一つは、海外に日本の図書を贈っております。海外の研究機関に日本で書かれた英文、和文の図書を贈るという事業を行っています。
 それからもう一つは、海外に出かけていきまして、例えば八年度で申しますと、八年の四月には、香港におきまして香港の金融市場の関係者と意見交換を行っております。このときは日本側から十名、向こうでは百十名ぐらいの参加がございました。それから、八年の七月にはシンガポールで同様なことをやっております。それから、八年の九月には、北京等におきまして中国の方々と意見交換を行っております。この場合も、日本側からも大勢参加しておりますけれども、現地においていろいろなことをやっておるわけでございます。
 一例でございます。
○海江田委員 今、るるお話がありましたけれども、恐らく委員の皆様方は、これは与党も、何もそんなことをわざわざここでやらなくてもいいだろうと。幾つもあるわけですよ、そういうことは。国際金融情報センターというのもございますし、総合研究フォーラムというのもございますし、それから、今の海外旅行だって、実は本当は大きな問題がありまして、これはみんなファーストクラスで行っているのではないですか。幾ら使っているのですか。
 そういうことを言うのなら、中身を出してもらいましょう、海外旅行へ行ったとき何をやってきたのか。これは報告書を出してもらいましょう。だれが行って、どういうところにお金を使って、どういうホテルに泊まったか、それを全部出してくださいよ。お願いします。いいですか。
 委員長からお願いします。
○越智委員長 御要望につきましては、理事会で協議いたして適正に処理いたします。
 答えられますか。総務審議官。
○溝口政府委員 今手元にそういう資料を持ち合わせておりませんので、相談いたしたいと思います。
○海江田委員 出してください、今言った海外旅行の報告を。だれが行って、どこへ行って、ファーストクラスで行ったか。
○溝口政府委員 研究基金の資料でございますので、聴取をいたします。
○海江田委員 言っておきますけれども、理事長の給料だって出さないのですよ。資料要求でちゃんとやっているのですよ。そうしたら出さなかったじゃないですか、プライバシーだからと言って。そうでしょう。その事実関係を明らかにしてください。ちゃんと資料要求したじゃないですか。出しましたか。
○溝口政府委員 理事長の給料につきましては、御指摘のとおり、これはプライバシーにかかわる点もございますから、提出を差し控えさせていただきました。
○海江田委員 だから、そういうことをやっているから。第一、国の、国民の税金を、普通だったら当然、公益法人だけでもいろいろな特典があるのに、これは倍にやっているわけですよ。
 しかもこれは、本当のことを言うと、この特定公益増進法人については二年ごとに、これは法人税の法律でもって特別な恩典があるから、役割が終わったり何かしたときにずっと未来永劫このままその非課税の特典を普通の公益法人の倍もしてはいけないからと、二年ごとに見直しをすることになっているのですよ。それで、まさにことしのこの二月というのは、二年目の期限が切れるときなんですよ。
 またこのまま継続してやるつもりですか、これは。
○溝口政府委員 御指摘のとおり、期限が二月に切れます。そして、これを認めるかどうかというのは、当該法人の方から申請があるかどうかにかかっております。申請があれば、厳正に活動状況を審査して検討するということになると思います。
 以上でございます。
○海江田委員 では、まず申請があるのかどうなのか。きょう現在はまだないわけですね。
○溝口政府委員 あると聞いておりません。
○海江田委員 では、それからあと理事長の給料、ボーナス、それから、とりわけ海外旅行に行ったとき、だれとだれとが行って、何日どこに行って、どこのホテルに泊まって、飛行機は何に乗って、車はどうしたとか、全部教えてくださいよ。そこだって実は便宜供与があるのですよ、本当のことを言えば。
 ないと言えますか、海外の出先で便宜供与が全くないと。答えてください。
○溝口政府委員 御指摘の点は私は承知をしておりません。聞いてみたいと思います。
○海江田委員 では、そのことも聞いてみてください。お願いをします、これは。いいですか。聞いてくれますか、調査してくれますか。
○溝口政府委員 どういう状況か聞いてみたいと思います。
○海江田委員 大蔵大臣、今いいですか。
 やはり私は、これはそういつまでも特定公益増進法人としての認可をもう与えるべきではない。
 今、出てこなきゃわからないというようなことを言っていましたけれども、出てきたところで、これは普通の公益法人でいいじゃないか、百歩譲ってですよ。むしろ、こんな公益法人要らないという説だってあるわけですよ。だけれども、百歩譲ったところで、普通の公益法人にして、普通の財団法人にして、何もわざわざ特定公益増進法人にする必要は私は全くないと思うので、そこはやはり出てこなきゃ全くニュートラルだということじゃありませんで、やはり今の議論なんかも踏まえまして、これはどうするかということを、今のお考えでよろしゅうございますのでお聞かせをいただきたいと思います。
○松永国務大臣 先ほどもお答え申したとおり、問題は、何をどう立派にやっておるかというのが判断の基準だろうというふうに私は思います。
(以下略)