28日朝の政策ウォッチ(民から官への逆コース)(秘書ひしょ) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

28日朝の政策ウォッチ(民から官への逆コース)(秘書ひしょ)

■衆院代表質問の詳報(4) 政府答弁
(10月29日河北新報)
(鳩山首相)
 【日本郵政社長人事】斎藤次郎元大蔵事務次官は退官後14年間、民間に勤務した経験がある。適材適所で配置した。仕事を見てもらうしかない能力のある方だと理解している。(西村氏らへの答弁)

(秘書の眼)いいえ、「仕事を見る」のではなく、「民主党マニフェストを見る」です。14年間民間にいたなら民主党マニフェストにある天下り根絶にあたらないとすると、第一に、副社長の官僚OBの二人はどうですか。何年民間にいたのですか。第二に、その14年間の「民間」とはどんな「民間」だったのですか。天下り・渡りと関係のない民間で、ずっとこられたのですか。この日本郵政の人事を認めると、全面的に天下り・渡りが完全復活することになる危険があります。「能力のある方」「仕事をみてもらうしかない」という言い方で。

■日本が変わる:日本郵政新体制 官業回帰、色濃く
(10月29日毎日新聞)
 日本郵政グループの持ち株会社、日本郵政の新体制が28日発足し、鳩山政権の郵政民営化見直し作業が本格化する。新体制では取締役数がこれまでの倍の18人に膨張したが、実態は財務省(大蔵省)出身で社長、副社長に就いた斎藤次郎、坂篤郎両氏が主導する体制といえる。小泉政権が「改革の本丸」として取り組んだ郵政民営化と決別し、官業色の強い過去の郵政に戻す亀井静香金融・郵政担当相の意向を反映させた形だ。【望月麻紀、後藤逸郎、三沢耕平】
 ◇社長「行政経験者が必要」
 民主党中心の政権でありながら、国民新党代表の亀井氏が強く主導し発足した“新生”郵政。同社には取締役候補を決める指名委員会が設置されていたが、今回の人事は、その枠組みを完全に無視。唯一の株主である国が「株主提案」という形で人事案を出し、臨時株主総会で自らが議決するという強引な手法で進められた。
 指名委員会が開かれなかった背景について斎藤新社長は28日、委員長の奥田碩・トヨタ自動車相談役の判断だったと説明した。奥田氏は「経営の方向が変わったから辞職する指名委員が(新取締役を)指名するのは適切ではない」などと委員会を開かない理由を斎藤氏に話したという。斎藤氏も同意した。
 しかし、郵政民営化を推進してきた社外取締役がそろって辞職した背景には、「経営方針が変わった」と電話で辞任を迫った亀井氏の圧力があった。
 新体制下の取締役は全18人。官僚出身者は3人で6分の1だが、代表権のある社長、副社長の5人に限ってみると、過半を占める。斎藤氏は郵便局を行政サービスの拠点にすることに積極的で「行政経験者が必要だった」と、同じ財務省出身の坂氏を強く推薦した。
 坂氏は、内閣官房副長官補を約3年務め、省庁間の調整役としてその名を知らしめた。今後の経営は斎藤、坂両氏が主導していくと見られる。経営改革に手腕を発揮した実績で知られる民間出身者は中枢に不在で、経営方針、組織体制ともに官の色合いが濃くなることが予想される。
 また、小泉政権時代に事実上更迭された足立盛二郎・元郵政事業庁長官が新副社長として復権。新郵政が反民営化に進む可能性を象徴的に示すものだ。
 ◇経済界、戸惑い広がる
 一方、経済界には戸惑いが広がる。4年前の郵政選挙で民営化を掲げる自民党を支持しながら、取締役に残留した経団連名誉会長の奥田氏に「あまりに情けない」(経済団体幹部)との声が漏れる。
 もともと、経済界は西川善文前社長らの辞任を促す国民新党の亀井代表に不快感を示してきた。それだけに、経団連の御手洗冨士夫会長が新副社長の人選を依頼され、同じキヤノンから関根誠二郎氏を送り込んだことに対して「なぜ、冗談じゃないぞってけらないんだ」と批判の声が経団連会員企業の中にある。斎藤新社長は「経済界の総意」と自画自賛する人事だが、財界内には、疑問と批判が渦巻いている。
 ◇新事業モデル、年内に--斎藤社長、一問一答
 斎藤次郎氏は会見で、「西川氏の経営効率化路線を維持する」と述べたうえで、年内に郵便局の体制など新しい事業モデルを固めたいとの考えを示した。
 --従来の民営化路線をどう総括するか。
 ◆西川前社長が努力してきた経営効率化の方向は維持したい。ただ、サービス低下があったのは事実。職員の士気低下も指摘されている。職員の士気向上、郵便局の一体的サービス向上の観点から経営を進めたい。
 --経営効率化と全国一律サービスをどう両立させるか。
 ◆今は郵便、郵貯、かんぽで仕事が分化されて一体的に活動できない。一体的にできればコスト低下につながる面もある。
 --かんぽの宿問題にどう取り組むか。
 ◆実態をよく承知していない。かんぽの宿の処分は経営上の基本問題の一つであり、どういう点を改善すべきか勉強して決めたい。
 --郵便局の数は減らさない考えか。
 ◆今は断言できない。郵便局の数を維持するのは重要な課題ではあるが、必ずしもそれに固執することはない。
 --将来の株式公開についての考えは。
 ◆当面は株式会社としての郵政会社、郵政事業をどう構築していくかが基本。会社運営が円滑にいけば、将来売却するということも予想できる。
 --分社化体制の見直しの考え、タイムスケジュールは。
 ◆どういうサービスを提供するか、郵便局の体制をどうしていくかの業務展開モデルを早急に固めたい。少なくとも今年中には方向を決める。

(秘書の眼)世界史の中で、人民の名を語って人民を抑圧することはよくあること。そして、脱官僚を標榜する政権のもとで「民から官」へ。天下り根絶を標榜する政権のもとで首相先頭に立っての天下り・渡り。確かに、日本は変わる。逆コースへ。