28日夜の政策ウォッチ3(天下り・渡りと「新しい公共」?)(秘書ひしょ) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

28日夜の政策ウォッチ3(天下り・渡りと「新しい公共」?)(秘書ひしょ)

■【日本郵政・斎藤新社長就任会見】(1)「天下りの弊害はない」
(10月28日 15:44産経新聞)
 「・・・二つめは、4人の副社長にしたこと。順次ご紹介するが、1人は、副社長の坂篤郎さんは、内閣の官房副長官をやられ、多方面で活動された方。みなさんもご存じで、能力の高い方。もうひとり、足立誠二郎さんは初代の郵政事業庁長官でありまして、非常に深い知識をもたれた信望の厚い方です
 「この2人は官僚出身ということで、一部の新聞で官僚批判の記事が出ています。申し上げておきたいのは、日本郵政の方向については、日本の郵政事業は歴史を振り返ると、明治のはじめに前島密(ひそか)が創設以来、長い間国営企業として、郵便局を中心に公益性の高い事業であることは忘れてはならない。原点に立ち返るべきであります
 「民営化以降、いろんな事業を展開しているが、公益性が高い。電力事業に並んで公益性が高く、社員も高い誇りを持ち、国民のために働いているという意識で展開したい」
「さらに、郵政事業の根幹を決めるものとして、20日に決めた閣議決定ですが、郵便局はいわば、それぞれの地方の拠点として、いろんな地方格差を是正する、ワンストップの行政拠点として明記されている。閣議決定で、郵便局は行政の拠点として明確な方向性が出ている。今後行政とのつながりが重要なテーマ。行政経験を持った方々の参画が必要だと思っております。能力、識見ともに2人とも高い
 「天下りについては、私のイメージでは公務員として退職後、政府の補助金などを受けている団体を経て、たいした仕事をせず、それがけしからん、ということだと思う。ただ、この2人は困難な課題に立ち向かい、火中のクリを拾う気概で一生懸命働く。いわゆる天下りの弊害はなく、暖かい激励の目で活動を見守っていただきたい

(秘書の眼)上記の認識をもつ官僚OBの日本郵政人事と鳩山首相の「新しい公共」の関係如何?公益性は官僚OBでなければできない?それが「新しい公共」?「困難な課題に立ち向かい、火中のクリを拾う気概で一生懸命働く」人であれば「いわゆる天下りの弊害」はなく、民主党のマニフェストにある「天下り根絶」の例外である、ということで、民主党のみなさんはいいのでしょうか。民間経験14年もない方の天下り・渡りが、なぜ、マニフェスト違反ではないのでしょうか。

■郵政マネー、市場は亀井担当相/斎藤社長の「寝技」警戒
(2009年 10月 28日 17:16 JST)
 [東京 28日 ロイター] 社長を筆頭に役員が大幅に刷新された日本郵政に関して、金融市場では莫大な運用資金の行き先に関心が集まっている。国の財政事情が悪化の一途を辿っているため国債発行の受け皿になる、との見方や、亀井静香郵政・金融担当相が意欲を示す中小企業への貸し出しに振り向けられる、との思惑が出ている。
 運用方針通りに淡々と資金が流れるならば読みやすいが、市場参加者にとって嫌なのが、運用方針には示されない「不透明な政策的な動き」だ。亀井氏だけでなく、政治との距離が近い新社長の斎藤次郎元大蔵事務次官の得意とするところ、との警戒感もある。
 株式市場では「新政権下で、財政ファイナンスの道筋がまだはっきりせず赤字を減らすメドが立たないまま、消費税を引き上げるまでの向こう3年間程度は国債増発の流れにある。郵政マネーはかっこうの受け皿となりそうだ」(国内投信投資顧問)との声が複数出ている。
 クレジット市場でも日本郵政が保守的な運用姿勢に傾斜するのではないかとの思惑が浮上している。日本郵政は民営化に向けて、クレジットなどリスク資産投資を許容して運用収益の向上を目指してきた。しかし「クレジットの国内市場規模に対して、プレーヤーとしての日本郵政が大きすぎたため、クレジット残高が予想していたほど積み上がらなかった」(国内金融機関の債券運用担当者)のが実情だ。
 今回の人事では、社長交代に加えて郵政出身者が取締役に就いた。これを受けて、「郵政OBが復権して古い企業体質に戻るのではないか」(同)との懸念もくすぶる。リスク資産投資の積極化に向けて、民間金融機関から人材を迎え入れて現在の運用体制が構築されてきただけに、人事が運用体制に与える影響を見極めたいとする市場参加者は少なくない。日本郵政が保守的な運用姿勢を鮮明にした場合、郵政マネーが国債管理政策に組み込まれるとの見方も出ている。
 そうしたことが現実に起これば、日本売りにもつながりかねない。為替市場では「日本郵政が国債投資を強化して財政の受け皿となり、財政拡大に歯止めがかからなくなれば、円売り材料になるとの受け止めもある」(バークレイズ銀行・チーフFXストラテジストの山本雅文氏)との声が出る。
 いずれにせよ、「日々、ディールをするわれわれにとって虚を付かれることが一番リスク。運用の透明性を図ってほしいが、亀井氏、斎藤氏ともに市場では逆の印象を持たれている」(ある都銀ディーラー)という。
 一方で郵政マネーの地方シフトを予想する見方もある。
 株式市場では、いわゆる返済猶予法案の存在が地方への資金シフトを予感させる、との観測が聞かれる。「地方の中小企業などを重視する政策をとる亀井担当相の意向が大きく働きそうだ。信用保証協会などを通じ何割かでも元本保証を付けることで信用リスクを地方の金融機関がとりやすくして、地方にマネーを流そうとしているのではないか」(大手証券シンクタンクのストラテジスト)という。
 資金流入を期待する国債市場でも「増発国債の受け皿機関になるのではとの見方が多いようだが、斎藤氏が亀井担当相を押し切れるのかどうか疑問。結局、国債購入より利幅のある地方融資を強化するのでは」(外資系金融機関)との見方がある。
 ゆうちょ銀行の総資産は2009年3月末で196兆円。9割近くを国債や地方債で運用する。株式の運用も3月末で9960億円までに膨らんでいるが「ベースである郵便貯金は長期的な減少傾向にある。地方への貸出金額を維持しようとすれば株式などリスク資産の比率は下げざるを得ない。利益追求の民営化路線が変更されればなおさらだ」(前出のストラテジスト)との見方が多い。
 景気が本格的に回復し金利が上昇(債券価格が下落)する局面を想定するなら株式は有効なヘッジ手段になる。また資金需要が低い地方経済に資金を無理やり流し込んでも非効率性が強まるだけ、との批判は多い。
 このほか、為替市場では郵政マネーの行方だけではなく、民営化路線の見直しそのものに焦点を当てる。
 「海外勢にとって、郵政民営化の見直しは構造改革後退の象徴に映っている」。メリルリンチ日本証券のFXストラテジスト、藤井知子氏はこう断言する。実際、市場では構造改革の旗印だった郵政民営化が振り出しに戻ったことが海外投資家を落胆させたとする声は少なくない。人口減や低成長、低金利の長期化見通しなど、日本の将来を悲観するシナリオは以前からある。しかし今回は、海外勢が日本経済再生のポイントとして強い関心を示してきた構造改革問題。「財政赤字問題に加え、郵政トップ人事は円離れの決定打になりつつある。海外勢はもはや日本通過でなく、日本無視になり始めているのではないか」(邦銀のチーフディーラー)。 (ロイター 金融マーケットチーム)

(秘書の眼)国民の大事な貯金は、国債増発の原資となるのか?市場はどうみるか?

■日本郵政人事「亀井担当相の勝手ではない」 官房長官
(10月28日16:01日経新聞)
 平野博文官房長官は28日午前の記者会見で、日本郵政の役員の人選について「亀井静香郵政・金融担当相は発信力が強いから1人でやっていると映っているが、勝手にやっているという認識に立っていない」と述べ、人選過程に問題はないとの認識を示した。そのうえで「折に触れ郵政相は鳩山由紀夫首相に話をしている」と指摘。「(斎藤次郎)新社長の主導で郵政相と相談して人選してきた」と説明した。
 役員に複数の官僚OBを起用したことには「郵政見直しの方針に従ってやっていただける人材が現れれば、元官僚がいても脱官僚という概念に当たらない」と強調した。

(秘書の眼)政府あげての日本郵政天下り・渡り人事ということで。これは民主党のマニフェスト違反ではないのでしょうか。日本郵政の社長・副社長人事はどういうロジックで天下り・渡りでないといえるのでしょう。これが天下り・渡りでなければ、日銀以外のあらゆる機関への天下り・渡りがオーケーになることでしょう。