26日昼の政策ウォッチ(ゼロサム社会化と「友愛」)(秘書ひしょ) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

26日昼の政策ウォッチ(ゼロサム社会化と「友愛」)(秘書ひしょ)

■日本の潜在成長率「1%以下」 日銀が下方修正へ
(10月26日3時2分 朝日新聞)
 日本銀行が、日本経済の「実力」の評価を引き下げる。30日に公表する「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、日本の潜在成長率を4月時点の「1%前後」から1%以下に下方修正する見通しだ。景気後退でモノが売れず、企業の設備投資が伸び悩んだためだ。
 潜在成長率は、国内の労働力や設備、技術を無理なく使って「中長期的に持続可能」とみられる実質国内総生産の伸び率を指す。陸上選手に例えると、体調や天候に関係なくいつでも出せるタイムのような指標だ。景気判断や物価見通しを発表する日銀は、それらの前提となる潜在成長率を推計して半年に1度出す展望リポートに書き記している。
 1年前の08年10月のリポートで潜在成長率は「1%台半ばないし後半」だった。その後の大幅な景気悪化で、生産設備の増え方が落ち込んだことを反映し、今年4月は「1%前後」に下方修正しており、今回で2期連続の引き下げになる。ただ、過去のデータをもとにした推計値なので、日銀調査統計局は「不確実性が高い」とも指摘する。(堀口元)

(秘書の眼)このままでは、10年以内に中国経済が日本経済の2倍の規模になるのはほぼ間違いないようですね。問題は、鳩山連立政権および民主党に「潜在成長率を引き上げる」という意識があるのかないのか、意識があるとすれば政策があるのかないのか、です。潜在成長率がほぼゼロであるということは「ゼロサム社会」ということで、誰かへの分配のためには誰かから収奪しなければならない社会です。お父さんの終身雇用と年功序列賃金を守ろうとすれば、お母さんのパートの首切りを容認し、新卒の子どもたちには非正規雇用しか確保できないことを容認せざるをえない社会に突入するということです。ゼロ成長社会がゼロサム社会だというマクロの発想ができない中での「友愛」とは何を意味するのか。仲間の既得権を守るための「排除の論理」につながるのではないでしょうか。

■きょうから臨時国会、首相が所信表明へ
(10月26日 10:19 JNNニュース)
 臨時国会の会期は来月30日までの36日間で、きょうは開会式に続いて鳩山総理が初めての所信表明演説に臨み、「友愛社会」の実現などを訴えることにしています。
 所信表明演説に対する代表質問は水曜日から衆参両院で行われますが、民主党は「政府と与党は一体である」などとして、衆議院で代表質問は行いません。
 政府・与党は36日間という短い会期の中で提出法案を必要最小限に絞っていて、日本郵政の株式売却凍結法案や中小企業などの債務返済猶予を盛り込んだ法案などの成立を急ぎたい考えです。
 これに対して野党・自民党は、民主党マニフェストの財源の問題や鳩山総理の資金管理団体を巡る偽装献金問題などを追及する構えです。

(秘書の眼)「友愛」を英語で訳すと「Fraternity」だそうです。英訳のほうは秘密クラブ的なものにも使われており「排他性」や「特権意識」が批判されることもあります。友愛はそれとは関係ないと、すぐにいわれそうですが、民主党は立党時に「排除の論理」により生まれた党であることも事実です。日本は「排除」ではなく「包摂」の社会をめざさねばならず、そこが野党第一党が一から出直す立脚点でなければならず、ゼロ成長を警戒する根源でなければならないと思います。