21日午後の政策ウォッチ2(スーパー天下り人事?)(秘書ひしょ) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

21日午後の政策ウォッチ2(スーパー天下り人事?)(秘書ひしょ)

■日本郵政社長に斎藤・元大蔵事務次官-「脱官僚」の看板に批判(Update3)
10月21日(ブルームバーグ):亀井静香金融・郵政担当相は21日午前、緊急会見を開き、辞任を表明した日本郵政の西川善文社長の後任に元大蔵事務次官で東京金融取引所社長の斎藤次郎氏(73)を充てると発表した。市場関係者からは、政治主導を掲げ、脱官僚を目指す鳩山由紀夫政権に批判の声も上がっている
亀井担当相は会見で、20日夜の西川氏の辞意を受け「経営の空白を作ってはならない」と強調。昨夜就任を要請し21日朝に本人から承諾を得たという。郵政見直しについて「新政権と同じような考えを持っておられ、長年の友人でもある」と同氏に白羽の矢を立てた理由を説明した。斎藤氏は同日午後5時から金融取引所で会見を開く。
斎藤氏は、日本新党の細川護煕氏が首相だった非自民連立政権の時代に事務次官を務めた。細川政権は「国民福祉税」構想を打ち出し、翌日に撤回した経緯がある。民主党の小沢一郎幹事長は当時、連立政権の一翼を担った新生党の代表幹事で、ともに政権を支える立場にあった。大蔵省は01年1月の省庁再編で現在の財務省と金融庁に分離された。
亀井氏は、元官僚の斎藤氏の起用について、「10何年前に大蔵という文言が入っていたからといって、どんな仕事もしちゃならんということにはならない」と問題ないとの認識を示した。平野博文官房長官も21日の記者会見で「郵政事業見直しをでき得る人物ということで選ばれた。批判には当たらない」と指摘した。
「スーパー天下り」人事
TRJタンタロン・リサーチ・ジャパンのイェスパー・コールCEOは、「官僚がさらにパワーを持つ印象だ。脱官僚を唱える鳩山政権だがこれでは『スーパー天下り』人事だ」と批判した。民主党は昨年、日銀総裁の後任人事で武藤敏郎氏を「財務省出身」として承認しなかった。日本郵政傘下のゆうちょ銀行社長の高木祥吉氏は旧大蔵官僚だ。
米投資顧問ダルトン・インベストンツの佐野順一郎会長は、今回の人事に関する金融市場の受け止め方として、外国人投資家から「過去に回帰するような日本政府の政策決定と受け取られるかもしれない」と信頼低下を懸念している。
民主、社民、国民新の3党が連立を組む政府は20日の閣議で、全国の郵便局網を生かしたサービスの提供など郵政事業の再構築を目指す郵政改革の基本方針を決定。自民党の小泉純一郎政権が進めた民営化路線を大きく転換し、秋の臨時国会にまず、日本郵政の株式や資産売却を凍結するための法案を提出する予定だ。
○斎藤次郎氏(さいとう・じろう):1959年東大法学部卒、同年旧大蔵省入省。文書課長や官房長、主計局長などを経て93年に事務次官就任し、95年に辞職した。2000年5月から東京金融先物取引所(07年東京金融取引所に社名変更)の理事長、株式会社化に伴い04年に現職の代表取締役社長に就任。

■官僚OBの「ドン」起用 郵政社長に元大蔵次官・斎藤氏
(10月21日14時35分朝日新聞)
 日本郵政の後任社長に元大蔵省(現財務省)事務次官の斎藤次郎氏(73)が決まった。今でも古巣の財務省に影響力を持つと言われる官僚トップOBの起用は、「脱官僚依存」を掲げる鳩山政権の理念とは大きく異なる人選だ。
 斎藤氏は93年発足の細川連立政権時代、新生党代表幹事だった小沢一郎氏と連携を強め、その後も親交は続いた。07年、民主党代表だった小沢氏が当時の福田康夫首相(自民党総裁)と「大連立」に動いた時は、仲介役を果たしたとされる。日本郵政トップへの起用は、民間の有力候補が見当たらない中、亀井静香郵政改革担当相が「小沢人脈」を頼ったとの見方もある。
 だが、民主党はこれまで、官僚出身者の「天下り問題」の是正に積極的に取り組んできた。昨年の日銀総裁人事では、参院で財務省OBの正副総裁候補を3回にわたって不同意にした経緯がある。
 今年8月の総選挙では官僚主導から政治主導への転換を掲げ、大勝につなげた。有権者の強い支持を得て成立した鳩山政権の理念と、今回の人選は結びつかず、政権としての一貫性を欠いている。
 平野博文官房長官は21日の記者会見で、日銀総裁人事との整合性を問われ、「それと一緒に比較するのはちょっと違うと思う」。重ねて「どう違うのか」と問われると、「私は違う。こういう認識です」と述べ、具体的に説明することはできなかった。(松田京平)