21日昼の政策ウォッチ2(日米同盟)(秘書ひしょ) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

21日昼の政策ウォッチ2(日米同盟)(秘書ひしょ)

■在日米軍再編:普天間移設 ゲーツ米国防長官、先送りに冷水 米軍再編、頓挫を懸念
(10月21日毎日新聞)
 <世の中ナビ NEWS NAVIGATOR 外交>
 鳩山政権で最初の米閣僚の来日となったゲーツ米国防長官と、岡田克也外相との会談は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で日米間の認識の違いを浮き彫りにし、日本政府内で広がりつつあった先送り論に冷水を浴びせるものとなった。取り扱いを誤れば日米関係全体に影響を及ぼしかねず、11月のオバマ米大統領の来日を控え、日本政府は重い宿題を背負った。
 「普天間の移設については特に言っておきたい」
 米政府専用機上で、毎日新聞など同行記者と会見したゲーツ国防長官は、質問を受け付ける前に自らそう切り出し、今回の訪日の最大の目的が米軍普天間飛行場の移設問題であると強調した。
 米国内での外交・安全保障政策の最大課題はアフガニスタン政策だ。日本、韓国、北大西洋条約機構(NATO)の防衛相会議があるスロバキアを回る今回の出張でも、各国にアフガン支援への協力を求めるのが主目的とみられていた。
 そんな中、ゲーツ長官が普天間移設問題を訪日の主議題と設定したのは、11月12日に予定されるオバマ大統領訪日をこの問題の事実上の「締め切り」と設定し、日本政府に合意通り進めるよう早期決断を迫る必要があると判断したためだ。
 米側には、鳩山政権発足当初、「外圧をかければかえって反発する」との想定から、「忍耐が必要」(キャンベル国務次官補)として、数カ月は様子を見ようとする動きもあった。だが、その結果として日本国内での「先送り論」が広がった。
 厚木基地(神奈川県)の空母艦載機の岩国基地(山口県)への移駐なども含めた「パッケージ」となっている在日米軍再編計画は2014年を完了目標としている。すでに計画は遅延気味で、米側は「先送り論」を容認すれば、在日米軍再編計画全体が頓挫し、議論は振り出しに戻る可能性が高いとみている。
 ゲーツ長官は、日本政府が合意を履行しなかった場合の影響について問われ、「推測はしたくない。政府間合意であり、双方が約束を守ると確信している」と断言した。日本政府をけん制しただけではなく、合意を守らなかった場合は同盟関係に深刻な影響が出ることを示唆したものだ。【古本陽荘】
 ◇「アフガン主目的」 日本、分析誤り
 「日米で目の前の具体的な問題に前向きに取り組まないといけない」。日米関係の一般論から語りかけた外相に、長官は即座に「米軍再編を進展させたい」と切り返した
 「米国の関心は普天間問題よりアフガニスタンだ」。政府内ではつい最近まで米側の思惑をこう分析。新たなアフガン支援策で信頼関係を築くことで、普天間問題を一時先送りする「パッケージ戦略」を描いていた。
 ところが会談直前、長官は米政府専用機上で同行記者に現行計画の履行を求める意向を表明。外相は会談に先立ち平野博文官房長官、北沢俊美防衛相と協議するなど意見調整に追われた。
 約35分間の会談の主なテーマは普天間移設、アフガン支援、核問題の三つで、普天間に最も時間が割かれた。各論に入ってまず長官が取り上げたのも普天間問題で「現行計画が唯一実現可能」と突きつけた。「困難な政治状況を理解してほしい」とかわした外相に、長官からの返答はなかった。
 外務省幹部は「日本には明確な対案もない。何もしなくていいというのは米側は受け入れない」と指摘する。
 鳩山由紀夫首相は普天間問題の結論を来年1月の名護市長選後に先送りする意向を示しているが、岡田外相は会談を前にした20日の会見では「白紙から議論していけば時間がかかる。年内に方向性を出したい」と述べ、現行計画容認の可能性もにじませた。【高山祐】

(秘書の眼)分析の誤り、根拠のない楽観主義は国益を損ねます。

■日米同盟 合わぬ歩調 動けぬ政府判断先送り
(10月21日朝日新聞)
・・・首相の思いはこうだ。高支持率を誇る新政権を、オバマ大統領は期待を込めて見守っているはずだ。日米間には「普天間」「アフガン」の2大懸案があるが、来月のオバマ大統領来日までに独自のアフガン支援策を示せば、普天間の解決が長引いても理解は得られるのではないか――。
 16日には、「(米国は、普天間よりも)アフガニスタンにおける協力の方をはるかに重要視している。この問題に明るいメッセージを出し切れるような方向を見いだしていきたい」と語り、アフガン支援で普天間問題を帳消しにできるとの考えをにじませた。
・・・県外・国内移設を実現する具体的な展望は皆無だ。首相官邸高官は「県外移設を言い続けて時間を稼ぐしかない」と、実情を明かす。
 岡田外相もこの日、ゲーツ長官との会談で、衆院選で沖縄の全4選挙区で県内移設に否定的な議員が当選したことを紹介し、「早期に結論を得たいが、困難な政治状況はご理解頂きたい」と訴えるのが精いっぱいだった。

(秘書の眼)もしも、この朝日記事に書かれている総理の情勢認識が事実として、「根拠のない楽観主義」だということが明らかになったとしたら、誰がこのような情勢認識を総理にブリーフィングしたのか、総理の独自の判断だったのか、しっかり検証する必要があります。普天間と取引できるアフガン支援とは何なのでしょうか。民生支援でそのような取引が可能なのでしょうか。また、言い訳をして判断を先送りする冷戦時代的な日米関係に逆戻りするのは、無理でしょう。冷戦時代の言い訳がうまくいったのは「そんなことをしたら、親ソ派政権ができる、農村が共産化する」ということが米国の戦略的利益に直結していたからです。しかし、いまの野党第一党は日米同盟重視の自民党です。国内政治情勢を言い訳にするのは難しいでしょう。